つれづれ memo & feel

旅の記録と日常の出来事をメモする

旅の終わりは大地震・熊野古道(伊勢路)を歩く(4/7)

旅も半ばになる今日、やっと峠越えという熊野古道らしい雰囲気のコースに入る。






ホテルを出て、昨日のコースの残りを歩いて有井駅付近に出る。そこから、今日のメイン「花の窟〜松本峠コース」に入る。まずは花の窟神社を参拝し、昨日と同じ七里御浜を行き、熊野市に入る。そのあとに、今日のメインイベントになる松本峠越えという初めての山道になる。


ところで、途中の熊野市の手前で、昨日会った浮島のおばちゃんに教えてもらった「大馬神社」に寄り道することにした。茅葺きのお社が、素敵で神秘的なのだと。この寄り道が、想定外の結果に終わる。




■2011年03月08日(火)

おはよう。広い一戸建ての部屋も良いが、ちょっと寒い。オレンジロードという道沿いにある田舎なので、エアコンを切ると一気に寒さが襲って来る。それにしても、3月だというのに寒い。昨日、東京でまた雪が降ったようだ。
posted at 09:30:40

さて、そろそろチェックアウト。今日のルートを計画中。道のりは、昨日の半分くらいにする。日程半ばなので、短くした。そうだ、浮島のおばちゃんに教えてもらった大馬神社への寄り道も入れなくては。
posted at 09:38:57

朝の出かけは、宿のワン公に見送ってもらう。手をタップリ舐められた。

晴天なり。昨日の街道に戻り、一路伊勢方面、と言うより熊野市方向へ気持ち良く向かう。人は見かけない。

      • 花の窟でおみくじ

すんなりと花の窟神社にたどり着く。誰も居ない。神社前の休憩所も、開店休業状態。

お社は無く、岩のえぐれた窟(いわや)が御神体。奥の方で、一人の女性が絵馬石の奉納場所で無心に祈っていたのが印象的だった。

なんとなく、おみくじを引いてみた。「大吉」が出ました。初詣に引いたのが「末吉」、2ヶ月で運気が上り詰めた。お伊勢さんでもやってみよう。下がるかな?

花の窟をおいとまして、海岸線を獅子岩に向かう。日差しが強くなり、1枚脱ぐ。獅子岩を過ぎて寄り道に入った所は、今朝の給水点のツイートになる。

        • ガッカリの寄り道

獅子岩で寄り道に入るため市街地入った途端、私設給水ポイント(^^);をめっける。これから大馬神社に向かう。
posted at 11:25:37

寄り道の目的地に着いたと思いきや、想定外が。

地図で確認しておいた神社のお社は、おばちゃんの話と違う!この先5キロにある奥社のことなのだ。往復10キロも行けない。時間も体力も無い。断念し引返す

        • 熊野市で昼食

熊野市駅前で昼食屋さんを探していると、給水ポイントに当たる。無線LANは、既に家庭におけるコモディティだ。(^^)
posted at 12:57:35

中華飯屋に入る。メニューを見ずに、チャーハン&餃子と言う。知らない所で食べる時の定番。さてこれから今日のメイン、松本峠越えになる。
posted at 12:58:30

駅のポスターを見て分かった。昨日の「さんま鮨」は名物なのだと。(^^)
posted at 13:00:10

またまた、給水ポイントに。もう少しで、峠の登り口のようだ
posted at 13:14:43

簡単に松本峠の入口を見つけた。登り口を目の前にすると、予想より急な階段状の斜面である。

しばらく急斜面を、息を切らしながら登ってく。これがイメージにあった熊野古道である。それにしても、きつい。歩幅を小さく、速度を落としてペースを作る。久しぶりの山道だ。

途中の見晴らし台。だいぶん登ったみたいだ。昨日まで歩いてきた七里御浜が遠くに見える。砂浜もきつかったが、山道も辛い。

山路にも慣れ、こぼれてくる日差しも強く、余裕も出てきたので、恒例の自分撮り。苔むした石が分かるかな。それはそうと、さっき横道にそれて行った女性の2人組をチラと見かけた。ほぼ人には会わない。

まだまだ続く。木漏れ日が、苔むした石を照らし出す。ヘタに足を載せると危険だ。ペースは変わらない。そろそろ休憩か?

峠の最高点に着いた。鬼が城跡とある。ここで寄り道を決める。700m くらいなら往復してもと考えた。チャレンジ!

踏み入れてちょっと後悔する。すごい道だ。まあ、しょうがない。そんなには続かないだろう。楽観論が勝った。

途中の東屋で人に会う。古道を語る会の人で、古道への訪問者にアンケートを取っていると言う。アンケートと引き換えに、地図と記念品を貰う。その他に、引き返さなくてもホテルに行けるルートも、ラッキー。

引き返さないで良いと聞くと、余裕が出てくる。こういう道も、苦でなくなる。それは途中までだった。やはりキツイ。

鬼が城跡の見晴台に着く。風が気持ち良い。眼下に熊野灘が広がる。

時間の余裕ができたので、しばらくベンチで寝転がる。太陽が暖かく気持ち良い。少しウトウトと…

ついでに、南の島で覚えた「太陽つかみ遊び」で腹筋を鍛える。(^^) (「またか」って声が聞こえそう)

下山のルートには桜の木がいっぱい。一斉に咲けば、綺麗だろうな。

下に降りてくると、赤い花が見えてきた。ちょうど通りがかった人に聞くと、「寒緋桜ですよ」と教えてくれた。もう少し開いていれば、もっと綺麗なのだろう。でも、この色はキツイかな。

        • チェックイン

海の見えるホテルにチェックイン。疲れた。寄り道二つと峠越えの山道で、結局は昨日と同じ位の距離になった。山を下って舗装路に出た時、膝が笑ってた。

シャワーも浴びたので、食事までの間を使って、まとめツイートを。そうそう、今日は張り込んで食事付きなり。
posted at 17:08:58



今日は、寄り道を二つほどしたが、ひとつは裏目に、もうひとつは幸運へと導いてくれた。やはり、決められた道を行くより、気まぐれにコースを少し外れたほうがいい。ドキドキ感と新たな発見につながる面白さが増す。道を間違えて迷子になることも、後で思えば旅の楽しい思い出になることが多い。


誰が言ったか覚えていないが、人は成功することよりも間違えることによって成長するのだと。この歳になると、成長はしないが衰えを抑えるぐらいのことはあるだろう。


(3/29追記)上にある「間違えることによって成長する」ということを聞いたのは、podcastラジオ版・学問ノススメ(鈴木光司)”でした。この回は、「今の日本に必要なものは勇気である。やさしさは生まれつき人に与えられたものであるが、勇気は獲得すべきもの。それは経験によってしか得られない。」など、教えられるところが多い。まだ現在進行形の震災と原発による危機を乗り越えるには、恐怖や無知からくる同調圧力に打ち勝つ勇気が必要であろう。