MAZE / 恩田陸

幻想的な舞台設定とキャラの立った登場人物が織り成す不思議ミステリ。いったん中に入ると、戻ってこない人間が数多くいると伝えられている謎の迷宮に挑むという話。暇つぶしにはもってこいという程度の作品です。でも読んでて不快感を感じるとか、気持ち悪くなるということが全くないので、これはある意味すごいことなんじゃないかと思います。この安楽さは万人受けが重要課題のエンタテイメントとしては、かなりの強みなんじゃないでしょうか。アクの強い作品で胸焼けしてしまったたら、お口直しに本書を一読するといい感じです。あと装丁がよかったです。画像で見るとちょっと分からないのが残念です。