カムナビ / 梅原克文

前代未聞の土偶を発見した考古学者が大きな事件に巻き込まれて古代と宇宙の謎を解き明かしたりするストーリー。小松左京っぽいです。面白いんだけど前二作と比べるとちょっと落ちるかなあ。話のテンションが低いせいか気の抜けた人物描写が鼻につきます。峰不二子をそのまんまトレースしてきたような美女や、清楚という記号を具象化したようなヒロインとかどこのマンガだっていう感じ。いや、まあエンタメとして面白ければそれでいいんですけど。だがしかし。肝心の展開もちょっと無理やりっぽかったです。SFネタ自体はよかったんですが、どうしてそういうふうになるのかという根拠が薄い。なんでそんなビッグな存在がミジンコめいた微生物である人間に肩入れしているのかがわからない。こいつはご都合主義のそしりは免れませんぜ旦那。

―――と、不満はここまでにして、とりあえずこれだけは言っておきましょう。最高に楽しかった! と。