半島を出よ / 村上龍

名作。基本的に村上龍の小説は没交渉な性格の人間に居心地いいように作られています。要するに「普通」とか「一般」から浮いたアウトサイダーやマイノリティに向けて書かれた小説なので、そういったある種の痛々しさ・普通にするすると生きていけない不器用さをもっている人がどっぷりとハマるわけです。まあ自分がそうなので多分他の人もそうなんじゃないかと推測するんですが。さて、そういった取り残された人々の文脈を描きつつも、村上龍は彼らアウトサイダーのために新しい価値観を提示しようとします。

続きを読む