蟲師

やべー、やべーよ、これ。最高にスタイリッシュな「日本昔ばなし」。物語のパターンとしては、よくわからん謎現象がおきて主人公が「そいつは蟲の仕業ですな……」ってしゃしゃり出て解決するという、よくある妖怪退治です。ただこの作品が面白いのは、妖怪を退治しなかったり問題が解決しなかったりと、玉虫色の結末になることが多いんです。この余韻を残す終わらせ方が毎度毎度素晴らしくて、とくに「錆の鳴く聲」なんかはガチ泣きしました。この僕がですよ。読者を泣かせようとするあざとさがない、ガード不能の一撃をはなってきます。この不意打ちに僕の涙腺は耐えられなかった。
絵も素晴らしいね。女性らしい、ほんわかとしたタッチでなごみます。その分、動きの少ない静止画のような絵になっていますが、ストーリーのほうもゆるゆると進んでいくのでマッチしてます。