暗黒と静寂の世界に2体の生物がいる。
人型ではあるが地球人ではないかもしれない。
「モアの失敗は想定内だ。すべては計画通りだ。
ロキ・・・いやマルスはよく動いてくれる。
しかし次の仕事は難題であろう。
「そんな大仕事があるのですか。
「ヴァルキリー討伐。
「・・・アレの前にですね。
「後でも構わないがな。
煉獄・・・も考えたが存在そのものを消したいのだ。
「ふむ。そちらの方が互いのためになる、と。
ミーシャの考えそうなことですね・・・ん?
「・・・フレイか?
壁もないのにその空間に斜めに白い細い線がひかれる。
その線から人が飛び出してきて、光が漏れる。
「やっぱり・・・!?
剣を持った青年は驚いていた。
「あの人の言ったとおりだ・・・!!
2人に身構える。
「あなたを・・・倒す!
青年から赤い波動が放出し、持っていた剣へと伝わる。
「ククククク・・・面白い。
ちょうど退屈していたところだ。
ちょっとだけ相手になってやろう。
モア、場を具現してくれないか。
モアと呼ばれた男は片手を挙げ、半円を描く。
「やはりボスらしく城といきましょうか。
黒の世界が城内へと変化していく。
青年は一瞬、躊躇したが闘志は変わらない。
「もう少しデザインを凝ったほうがいいな。
まぁいい、始めようか。
言い終わる前に青年はミーシャの頭上から剣を振り下ろした。
だがこれをミーシャは軽々と避ける。
口に笑みを浮かべながら。
キン、と金属音が城内に鳴り響いた。