新学長は天下り、 山形大学長に前文科省次官

2007年7月27日の新聞各紙の報道によると、山形大学の新学長に前文部科学省事務次官の結城章夫氏が選出されたとのこと。結城氏は6日に文科省を辞職し、立候補に必要な「所信」提出の締め切りギリギリに立候補していた。

 学長の選考は、まず教職員投票で上位3人に絞った後、学内外の委員で構成する選考会議の投票という2段階で行われた。教職員投票では結城氏は2位だったものの、翌日行われた選考会議で1位となり逆転で学長と決まったそうで、教職員投票で1位になった候補者などから「天下り」との批判の声があがっている。

 退職した高級官僚が関連する民間企業などで高い職に就く、いわゆる「天下り」に関しては、政府の有識者懇談会で再就職斡旋を一元管理する「官民人材交流センター」の制度設計などが検討されているが、23日に同懇談会が開いた天下りに関する公開ヒアリングに、出席を要請された次官OBが欠席したことなども話題になったばかり。
 結局、同懇談会の再要請で25日に開かれた会議には4人のOBが出席したものの、23日の欠席については、天下りの一元化と言われる同センターの制度への官僚側の反発の表れともみられている。

 政府の調査で、事務次官OBの4人に1人が斡旋による天下りをしていた事実が判明したと6日の産経新聞記事などで報じられたが、今後も制度の設計に向けた議論は続きそうだ。