京大、iPS細胞を同じ人の細胞を使ってつくることに成功

京都大学山中伸弥教授、高橋和利講師らはiPS細胞(万能細胞)を同じ成人や新生児の皮膚細胞を使いつくることに成功した。同じ人の細胞がiPS細胞作製のもとになるとともに、つくる際の“下敷き”となる培地としても使える。病原体による感染などを回避し、より安全性の高いiPS細胞の実現が期待できる。米オンライン科学誌プロスワンに2日発表した。
 iPS細胞をつくる際の“下敷き”にマウスの細胞や他人の細胞を使うと安全面で懸念がある。同じ人の細胞を使う研究では胎児の細胞を使った報告があるが、それ以外では今回が初めて。
 研究グループは0―73歳の4人から採取した皮膚線維芽細胞を“下敷き”に使い、それぞれiPS細胞をつくることに成功した。ただ、この4人を含む14人の皮膚線維芽細胞を使ってiPS細胞を培養する実験をしたところ、3人の細胞では培養できなかった。


掲載日 2009年12月03日