落語と古本

daily-komagome2007-10-19

 7時半起床。嫁を見送って後、家事を済ませ、午前のうちに固い本を読んでおく。昼すぎに家を出て、南北線永田町駅まで。久しぶりの国立演芸場だ。論戦が繰り広げられる国会議事堂や、必死の資料検索が進行中の国会図書館を横目に、呆けて落語を聞きに行くってのもおつだね。今日のラインナップは、

 ひびきわたると、歌武蔵と、志ん輔はこれで見るのは二回目。しかも、トリの志ん輔に到っては、以前に池袋演芸場で見たのと同じ「宿屋の冨」をやってた。でも、違った落語家で同じ演目を聞くのも面白い。柳家喜多八の「厩火事」は、前に談春のやつを聴いたことがあるし、志ん弥のやった「つる」は、桂吉朝さんのをCDで毎晩繰り返し聴いていたことがある。また、麻生芳伸編『落語特選』(ちくま文庫)なんかで簡単に目を通して、既にイメージが出来上がっているいる演目でも、「そこは、そう演じちゃいけないでしょ。」とか、ついつい生意気な事を考えてしまう自分に気づいたり・・・。でも、当たり前だけど、吉朝さんの落語はずば抜けて上手かったんだとつくづく思う。そう思うと、惜しい才能を亡くしたという無念さと、つくづく生で見たかったという悔しさが湧いてくる・・・・。
 4時過ぎに帰路につく。帰り際、駒込のブックステーションに立ち寄って三冊拾う。

 その後、今日は遅番というか、中学生のみの授業なのでゆっくりとして家を出る。通勤途中で読んでいる小林信彦『袋小路の休日』(講談社文芸文庫)がやけに面白い。小林信彦って、映画評やコラムやパロディ小説以外にも、こんな端正で、しっかりした本格短編小説も書いていたんですね。その意味では、小林の全体像を描いている色川武大坪内祐三の解説もためになった。それにしても大人の小説だな。久しぶりに、心が洗われた。