スイスにも押し寄せる長時間勤務の波

スイスに来てまず驚いたことの一つにスーパーの営業時間の短さというのがあるのですが、こちらに来てからの2年ほどでそれも大分変わってきました。


アパートの近所のコープは

  • 平日8時〜18時
  • 土曜日8時〜16時

だったのですが、それが昨年営業時間の延長で

  • 平日8時〜19時
  • 土曜日8時〜17時

になり、今日行って見たらこの6月1日から

  • 平日8時〜20
  • 土曜日8時〜18

に営業時間が延長になりました。

うちの近所には学生寮もあるので、需要があると言うことで営業時間が延びたのかもしれませんが、スイスでも需要に合わせた営業をせざるを得ない時代になっているのかもしれません。


とは言え、スーパーで働いている人たちはスイス人じゃ無いケースが多く、結局の所移民の人たちによってそういう労働がカバーされていると言うのが現状です。


去年学会で日本に戻ったときに上野で夜中にコンビニに行ったら日本人の店員が一人もいないのにかなり驚きましたが、スイスのスパーの勤務を支えているのは基本的にはそれと同じ状況です。


労働単価とそれに付加価値をどうやって付けていくのかと言うことを考えさせられます。

Velobörse

Velobörseというのは自転車のフリーマーケットの事です。
Veloは自転車、börseはマーケットと言う意味です。

先週土曜日にPro Velo Kanton Zurichと言う組織がやっているVelobörseに行ってきました。

運動不足の解消の為に自転車を買おうと思ったのですが、物価の高いチューリッヒでは当然ながら自転車も高く、Ochsner sportsに行っても安くても5-600フランはします。はじめは友人に勧められたDietikonにあるアウトレットに行こうと思っていたのですが、ラボの同僚からこのVelobörseの事を教えてもらい行ってきました。


場所はHelvetiaplatzで、行き方はトラムの8番でHelvetiaplatzで下車。


ちょっと型は古そうでしたが、シマノの変速で手入れもしっかりしていたマウンテンバイクが160フランで手に入りました。


なお、今年の残りの予定は以下の通りです。

9. Juli Helvetiaplatz Zürich
13. August Helvetiaplatz Zürich
3. September, Neumarkt Winterthur
24. September Helvetiaplatz

自転車を買おうと思っているが、値段で悩んでいる方は一度試して見てはいかがでしょうか。

Witikonの上り坂は運動不足の体には負荷が大きすぎて、登り切れませんでした。。目標は冬までに歩かず登り切る非常に低い目標からスタートになりそうです。

さきがけに出してみた

昨日が締め切りだった、JSTのさきがけに出してみました。
まあ、自分の分野(認知神経科学)がメインで出せる領域は昨年度で終わってしまったので、別の領域に出してみました。。


3年型にしようか5年型しようか迷ったのですが、3年が当たっても帰国して立ち上げてと色々しているうちに、あっという間に時間が立ってしまい、気がつけば任期切れが迫りそうなのであえて5年型に。現在その領域でさきがけを取っている先輩方からは止めておけと諌められたのですが。。確かにその領域で5年型で取っている方々はほとんどがNかSを持っているようで。。


勝算は0ですが、宝くじは買わなければ当たらないと言う事で、今回出してみました。


ところで、最近さきがけに大挑戦と言うのが出来ました。採用が決まった人で大挑戦審査を希望した人を全領域まとめて書類審査して、決まると研究費が「さらに倍」となるらしいです。


調子にのってこちらも書いてみたのですが、皆さんいったいどんなことを書いているのか知りたいです。
というか4千万と8千万(3年型)、1億と2億(5年型)の研究費の違いがあっても同じことやるんでしょうか?それだけの資金的な差があったら、やれることが大幅に違ってくると思うのは僕だけでしょうか?


まあ、今年は業績不足だし領域もあまりfitしていないので、だめでしょうが、7月に書類選考の結果が出てきます。

報告書

海外学振の1年目終わり、中間報告書を作成が無事終了。今回は報告書1日半で全部終わりました。あとは、ボスからの評価の部分のサインをもらって日本に送るだけになったのですが、、


改めて日本のフォーマットって言うのはいい加減と言うかフリーダムと言うか・・。まあこんな感じです。

5. 所期の目的の遂行状況及び成果…書式任意(A4判相当2ページ以上)(研究・調査実施状況及びその成果の発表・関係学会への参加状況等)
6. 研究発表…様式 6−別紙1
(研究・調査実施による研究成果の論文発表,学会発表等)
7. 受賞歴…様式 6−別紙2
8. アウトリーチ活動…様式 6−別紙2
9. 派遣期間1年間についての計画変更状況…様式 6−別紙3
(平成23年度採用分以降の者は提出。)
10. 海外特別研究員制度への意見・要望等…書式任意
11. 受入研究者による評価書…form6−4


メインは5.の所期の目的の遂行状況及び成果と言う所なんですが、その書式はなんと


任意。


去年のSNSFからのfundingのscientific reportに関しては以前記事(2010-06-04報告書)にしたとおり"any deviation from original plan"を書かないとならないので結構面倒でした。
特にpostdocレベルでどこかに移る時のproposalなんてかなり適当で、実際にやるプロジェクトに近い事は書けますが、実際にやることなんか予想できません。移った先でのinteractionから出てくるideaを実験に持って行くから動く意味がある訳で、やることが行く前から完全に決まっていたら、移る必要が全くないのです。


明日はOchsner Sportに子供のキックボードを買いに行きます。
Aktionで89Frが49Frになっているので。
物価の高いスイスではAktionをうまく使わないと家計が破綻します。。

いったいいつまで続くのか?

東日本震災による福島原発の状況は依然として予断を許さない状況ですが、いったいいつまであの冷却作業を続ければ良いのかと言うのが結構疑問でした。


柳田御大のブログ経由でこの大前研一氏のこの動画を知ったのですが、これは聞く価値があります。一文で書くと廃炉作業が可能になるまで5年程度かかり、それまでは冷却をし続ける必要があるとの事。



正直、原子炉の冷却にはこんなに時間がかかるとはかなり驚きました。マスメディアは同じ情報の繰り返しを垂れ流すだけでなく、一歩引いた所から俯瞰的な情報を出して欲しいと思いますが、まあ無理なんでしょうね。

Permitの更新とKreisbüroの場所

東日本大震災の被害規模の大きさに言葉がありません。
今は福島原発がなんとか持ちこたえてくれることを唯々祈るばかりです。

Zurichに来てもうすぐ2年がたつ予定ですが、毎年恒例となるPermitの更新に行ってきました。

切り替えの時期になるとKreisburoから家族全員分の更新手続きの書類が送られてきます。

必要書類はKreisburoからの手紙に書いてありますが、

  1. (手紙に同封されている申請用紙)
  2. Verlangerungsgesuch/e
  3. Auslanderausweis/e(現在のpermit)
  4. パスポート


ちなみに、前回の更新では写真が必要でしたが、今回は要求されませんでした。と言うのも写真をBerninastrasseにあるImmigrant officeで撮ることになったからとの事(このせいで手数料がほぼ倍:一家で200Fr->400Fr!!)


1)の記入方法ですが、おおざっぱに。。

  • 住所の変更が無ければ表の最初の部分はそのまま
  • Civilstandは結婚していればVerhirertet; 独身ならばLeidig
  • 裏面は給与を得ていれば上半分に記入、得ていなければ下半分に記入。
  • 給与所得者は雇用者(大学等)のサインをもらう。
  • 給与を得ていない家族の場合は、配偶者はVerbieb mit Ehegatten oder Partner; 子供はVerbieb mit Elternにチェック。


2)は秘書さんに頼めば準備してもらえるようです。


Kriesburoの開館時間と場所は
Die Kreisbüros der Stadt Zürich
に出てきます。


Kreisbüro 2-12
08:00-11:30 / 13:30-16:30 (Mon-Wed & Fri)
08:00-11:30 / 13:30-18:30 (Thu)

Kreisbüro 1
08:00-16:30 (Mon-Fri)





(2011/3/31追記)

Migrationsamt(Immigrant office)で写真を撮ってきました。
KerisburoでPermitの申請をする時に時間の予約を入れてもらうので、その時間にMigrationsamtに行けばすぐ写真を撮ってくれます。自分が行った時には空いていたので待ち時間もなく家族全員合せて15分ほどで終わりました。こちらに来た時に書類の提出で一度行ったときには写真のブースが無かったので、新しく作られたもののようです。あと、指紋も採られます。

Referee

ボスから某雑誌(standard journalよりだいぶ下)の論文の査読が降ってきたのだけれど、これがまたひどかった。

日本のお隣の国からの論文で、同室の同僚に聞いたらその大学はあまりぱっとしない所らしい。

  • 英語が終わっている。2,3文につき1回ぐらい、僕でもわかる文法的な間違いがある。同僚に言わすとtypical Chinglishらしい。
  • Methodで同じ内容を重複して2回書いている(前のverを削除し忘れ)。
  • Figure4つしか無いのに"Figure 5 is about here"と書いている。
  • MainのTableなのにSupplementary tableと書いている。

これらのeditingのまずさもさることながら
内容的に捏造の疑いがプンプン。

  • 3条件(2+1)しかないのに、2x2 factorialの様な行動データやMRIの解析が出てくる。
  • さらに4条件目のbar chartが他の条件と完全に一致。
  • 全然違うコントラストなのにregion of interestにおけるpeak coordinateが完全に一致(しかも2カ所)。
  • 無いはずの4条件目を使ったSPMの統計マップ


査読を終えて、ボスにコメントを送るメールに、こんなひどい論文は始めて見たと思わず書いてしまうぐらいひどかった。
でも、なんというか人の振り見て我が振り直せじゃないけれど、論文投稿前にどこをチェックしたら良いかを改めて強く意識させられる機会だった。