最終講義

朝、突然髪を切ろうという衝動に駆られて昼の1時にと予約する。予約が完了してしばらく経つと、今日は今年度で退官するうちの学科の3教授の最終講義がある日だと気付く。しかもばっちり昼の1時から。急いで電話し直して、予約を1時間前倒ししてもらう。最近見つけた店なのだけど、丁寧に切ってくれる担当の人(店長)はなかなかキレイだしということで気に入っている。少し値が張るけど。
就活頑張ってくださいねと声をかけられて店を出ると1時を回っていた。最終講義も遅刻なんてキャラ作りも甚だしいなとかつまらんこと考えながら学校へ向かう。最終講義には氏の生き様を見るとかいう話をどこかで聴いたことがあって、まさにその通りだと思った。一つ印象に残ったエピソードとして、月給1〜2万円だった時代に8千円もする海外の書籍を購入したという話があった。思わず浮かんだのが、知的生活の方法 (講談社現代新書)という本の

無理をしてでも本を買い続けるということをしていない人が、知的に活発な生活をしている例はほとんど知らない。

という一文。学者として稀なことではないのだろうけど、あらためてストイックな知の追求を見た。あと、三方のうち一人の絵画展が講堂で催されていて見に行ったのだけど、一点一点に寄せられていた言葉(というかエッセィ)がそれぞれ温度と厚みのある言葉で、全部目を通さずにはいられなかった。デザイン論の講義などで話されていたどこかつかみ所のない話よりも、よっぽどリアルで生々しくてエネルギーに満ちていると思った。梅田さんが仰っている「Wisdom of Crowds(群衆の叡智)」元年*1とはまさにこのことなのだなぁ。ほんと、もっと表現できる場がありますよと伝えたい。