1月、2月の仕事


【1月】
☆原稿
・「ポスト・シネマ・クリティーク #1 「ミゼラブル」たちの時間――濱口竜介監督『ハッピーアワー』」(『ゲンロン観光通信』♯8、ゲンロン)
ゲンロンβ | ゲンロン友の会
・「視覚効果から見る『スター・ウォーズ/フォースの覚醒』 4DXなどの新規格には向いているか?」(リアルサウンド映画部)
視覚効果から見る『スター・ウォーズ/フォースの覚醒』 4DXなどの新規格には向いているか?|Real Sound|リアルサウンド 映画部
・佐々木友輔、冨塚亮平、三浦哲哉との座談会「映画批評のハイブリッド化 「完全映画」が現れてくるかもしれないという夢想は可能だ」(『図書新聞』第3239(1月23日)号、図書新聞
・書評「「サイボーグ」が奏でる豊穣な民族誌――マリリン・ストラザーン『部分的つながり』書評」(『週刊金曜日』第1072(1月22日)号、株式会社金曜日)

【2月】
☆原稿
・「ポスト・シネマ・クリティーク #2 ディジタルな綱渡りは映画に可能か――ロバート・ゼメキス監督『ザ・ウォーク』」(『ゲンロン観光通信』♯9、ゲンロン)
ゲンロンβ | ゲンロン友の会
・書評「失われた映画を追う迫真のルポ――高槻真樹『映画探偵』書評」(『週刊金曜日』第1074(2月5日)号、株式会社金曜日)
・書評「カント以来の伝統を乗り越える「人間の優位」に抗する新たな哲学――カンタン・メイヤスー『有限性の後で』書評」(『週刊金曜日』第1075(2月12日)号、株式会社金曜日)
・エッセイ「「同語反復」に逆らって――濱口竜介と「ことば」」(『早稲田文学2016年春号』、筑摩書房

早稲田文学 2016年春号 (単行本)

早稲田文学 2016年春号 (単行本)

濱口竜介との対談「映画⇆世界のサーキュレーション」(武蔵野美術大学美術館・図書館イメージ・ライブラリー)
[http://img-lib.musabi.ac.jp/event/event_43.htm
☆イベント
真魚八重子とのトークイベント「日本映画は再起動するか——「ポストシネマ」時代の邦画地図」(於・ゲンロンカフェ、2月2日)

11月、12月の仕事


渡邉大輔です。
2015年も残すところあと2日で、今年最後のブログの仕事告知です。
【11月】・書評「「リア充オタク」を多角的に検証――原田曜平『新・オタク経済』書評」(『週刊金曜日』第1063(11月13日)号、株式会社金曜日)

新・オタク経済 3兆円市場の地殻大変動 (朝日新書)

新・オタク経済 3兆円市場の地殻大変動 (朝日新書)

・「現代映画と「モノ=イメージとの同盟」――濱口竜介小論」(『イメージライブラリー・ニュース』第33号、武蔵野美術大学美術館・図書館)
・「The Lineage of cell image coloring」(『MANGA*ANIME*GAMES from JAPAN』、国書刊行会
MANGA*ANIME*GAMES from JAPAN

MANGA*ANIME*GAMES from JAPAN

・書評「「移民映画」から見る変容する欧州の息吹――野崎歓ほか編『国境を超える現代ヨーロッパ映画250』書評」(『週刊金曜日』第1065(11月27日)号、株式会社金曜日)・『神戸新聞』夕刊(11月28日付)「キネマコウベ 日本映画史余話2」欄に「相撲活動写真」についてのコメント掲載

【12月】
・「グローバル化時代の中のインディペンデント映画――その「国際性」とは何か」(岩本憲児編『日本映画の海外進出――文化戦略の歴史』、森話社

日本映画の海外進出──文化戦略の歴史

日本映画の海外進出──文化戦略の歴史

森話社のホームページ
・書評「伝説のスペース・ファンタジーは「本書とともにあらんことを」!――クリス・テイラー『スター・ウォーズはいかにして宇宙を征服したのか』書評」(『週刊金曜日』第1068(12月18日)号、株式会社金曜日)
スター・ウォーズはいかにして宇宙を征服したのか

スター・ウォーズはいかにして宇宙を征服したのか

石岡良治との対談「「ポスト〇五年=YouTube」の映画をめぐって」
・「世界観、オブジェクト、生命化――「スター・ウォーズYouTube以降」の現代ハリウッド」(『ユリイカ』1月号、青土社

2015年もさまざまなかたにお世話になりました。ありがとうございました。
みなさま、よいお年をお迎えください。

ここ最近の仕事まとめ+イベント告知


渡邉大輔です。すっかり秋ですね。
前回の8月のブログ更新からの仕事のまとめと、直近のイベントの告知です。

まず、イベントの告知。

来る11月17日(火)19時半からジュンク堂池袋本店で、『ビジュアル・コミュニケーション』刊行記念トークイベントを開催します。登壇者は、佐々木友輔さん、冨塚亮平さん、三浦哲哉さん、僕です。
http://www.junkudo.co.jp/mj/store/event_detail.php?fair_id=10543
以下が、イベント概要。

「「動画の時代」の「映画批評」はいかに可能か
ポストメディウム的状況を考える
『ビジュアル・コミュニケーション』(南雲堂)刊行記念トークイベント」
ジュンク堂書店 池袋本店
開催日時:2015年11月17日(火)19:30 〜
フェア・イベント一覧 開催店舗ページへ


佐々木友輔×三浦哲哉×渡邉大輔 (司会進行:冨塚亮平)

ここ最近、映画の世界は大きな変化を迎えている。誰でもスマホで「映画」っぽいものが
作れ、ネット上にはVine動画やゲーム実況など、いままで見たこともないような新しい
映像コンテンツが映画と肩を並べるようにして、活況を呈するようになりつつある。
『映画とは何か』(筑摩書房)など、映画の現在について先鋭な批評活動を繰り広げる
俊英・三浦哲哉氏をゲストに迎え、9月末刊行の評論集『ビジュアル・コミュニケーション
――動画時代の文化批評』(南雲堂)の内容を踏まえ、こうした「動画の時代」にかつての
「映画批評」はどのように対応していくべきなのか。『ゼロ・グラビティ』『親密さ』
『ルック・オブ・サイレンス』『THE COCKPIT』……などなど、数々の話題作を
素材に、そして映画誕生120年の現在、あらためて「映画」と「映像」の関わりについて
「映画批評」の観点から徹底的に語り合う。

【講師紹介】
佐々木友輔─ささき・ゆうすけ
1985年神戸生まれ。映像作家、企画者。近年の上映・展示に「反戦 来るべき戦争に
抗うために」展、第7回恵比寿映像祭、編著に『土瀝青―場所が揺らす映画』
(トポフィル)、論考に「二種類の幽霊、二種類の霊媒―揺動メディアとしての映画論」
(『ART CRITIQUE n. 04』所収、BLUE ART)など。

三浦哲哉─みうら・てつや
1976年福島県郡山市生まれ。東京大学大学院総合文化研究科超域文化科学専攻表象
文化論コース博士課程修了。現在、青山学院大学文学部准教授。博士(学術)。
専門は映画批評・研究、表象文化論福島県内外での映画上映プロジェクト
Image.Fukushima代表。主な著書に『映画とは何か: フランス映画思想史』(筑摩書房)、
『サスペンス映画史』(みすず書房)など。

渡邉大輔─わたなべ・だいすけ
1982年生まれ。映画史研究者・批評家。専攻は日本映画史・映像文化論・メディア論。
現在、跡見学園女子大学文学部助教日本大学芸術学部非常勤講師。著作に
『イメージの進行形』(人文書院)、共著に『日本映画史叢書15 日本映画の誕生』
(森話社)『見えない殺人カード』(講談社文庫)『ゼロ年代+の映画』(河出書房新社)
『ソーシャル・ドキュメンタリー』(フィルムアート社)『アジア映画で〈世界〉を見る』
(作品社)など多数。近刊共著に『日本映画の国際進出』(仮題、森話社)。

★入場料はドリンク付きで1000円です。当日、会場の4F喫茶受付でお支払いくださいませ。
※事前のご予約が必要です。1階サービスコーナーもしくはお電話にてご予約承ります。
トークは特には整理券、ご予約のお控え等をお渡ししておりません。
※ご予約をキャンセルされる場合、ご連絡をお願い致します。(電話:03-5956-6111) 

■イベントに関するお問い合わせ、ご予約は下記へお願いいたします。
ジュンク堂書店池袋本店
TEL 03-5956-6111
東京都豊島区南池袋2-15-5

さらに、11月19日(木)16時30分から、武蔵野美術大学でイメージ・ライブラリー第43回映像口座として、映画監督の濱口竜介さんと対談します。
イメージライブラリー

本講座は、劇映画とドキュメンタリーを往還しながら野心的なフィルムを発表している濱口竜介氏と、情報化やデジタル化以後の映画のありようを追究している渡邉大輔氏によるディスカッションです。

いたるところにカメラと映像が氾濫し、渡邉氏曰く「世界そのものが映画になりうる」かのような世界。ビッグバジェットの大作映画が話題を集める一方、小規模な自主映画や動画が乱立する二極化状況の中で、両者を貫く重要な概念として「ドキュメンタリー」を挙げることができるでしょう。歴史的な事件・事故の現場やかけがえのない個の生に立ち会わんとするドキュメンタリストの活躍はもちろんのこと、劇映画の現場でも、ドキュメンタリー・タッチやフェイクドキュメンタリーと呼ばれる手法が多用されるようになりました。また一方で、酒井耕・濱口竜介監督の『なみのおと』やジョシュア・オッペンハイマー監督の『アクト・オブ・キリング』など、劇映画の方法論をドキュメンタリーに持ち込む試みが注目を浴びたのも記憶に新しいところです。ではこのように、映画⇆世界、劇映画⇆ドキュメンタリー、フィクション⇆ノンフィクションといった循環(サーキュレーション)を通じて生まれる芸術表現にはいかなる可能性があるのか。その第一人者である濱口氏と渡邉氏に実作と理論の両面から語っていただきます。


【作品上映】
■2015年11月14日(土) 12:30〜16:55(開場 12:00) ※途中休憩有り
 『親密さ』 監督/濱口竜介、255分

■2015年11月19日(木) 15:30〜16:24(開場 15:00)
 『不気味なものの肌に触れる』 監督/濱口竜介、54分


【対談】
日時:2015年11月19日(木) 16:30〜18:30(『不気味なものの肌に触れる』上映後に座席の入替はいたしません。)
講師:濱口竜介(映画監督)、渡邉大輔(映画研究者)
会場:武蔵野美術大学/美術館ホール (お車でのご来館はご遠慮ください。)
参加方法:入場無料、予約不要 学外の方もご参加いただけます。
定員:約100名
(※会場がL字型のため、大型スクリーンの鑑賞に適した席は約60席のみとなります。講演に関しましては、どの席も問題なくご聴講頂けます。)
主催:武蔵野美術大学 美術館・図書館
問い合わせ先:イメージライブラリー

【講師プロフィール】
濱口竜介(はまぐち りゅうすけ)
1978年、神奈川県生まれ。東京大学文学部卒業後、商業映画の助監督やテレビの経済番組のADを経て、東京藝術大学大学院映像研究科に入学。2008年、修了制作『PASSION』がサン・セバスチャン国際映画祭や東京フィルメックスに出品され高い評価を得る。その後も地域やジャンルをまたいだ精力的な制作活動を続けている。現在は活動拠点を神戸に移して活動中。最新作『ハッピーアワー』はロカルノ国際映画祭にて最優秀女優賞受賞と脚本へのスペシャル・メンションを受けた。

■渡邉大輔(わたなべ だいすけ)
1982年、栃木県生まれ。映画史研究者・批評家。跡見学園女子大学文学部助教。主な著作に『イメージの進行形――ソーシャル時代の映画と映像文化』(人文書院、2012年)、『アジア映画で<世界>を見る――越境する映画、グローバル化する文化』(共著、作品社、2013年)、『ビジュアル・コミュニケーション――動画時代の文化批評』(編著、南雲堂、2015年)などがある。

どちらもよろしくお願いします。

さて、8月からの仕事のまとめ。

9月30日に、限界研の新刊が刊行されました。僕は、2本の論文と序論を寄稿しています。
・「序論 「映像」をめぐる新たな言葉の獲得のために」(限界研編『ビジュアル・コミュニケーション――動画時代の文化批評』、南雲堂)
・論考「「可塑性」が駆動するデジタル映像――「生命化」するビジュアルカルチャー」(同上)
・論考「スタジオジブリから「満州」へ――二hンアニメーションの歴史的想像力」(同上)

ビジュアル・コミュニケーション――動画時代の文化批評

ビジュアル・コミュニケーション――動画時代の文化批評

目次です。

コンテンツ


序論 「映像」をめぐる新たな言葉の獲得のために(渡邉大輔)

第一章  デジタル/ネットワーク映像の「思想」


「可塑性」が駆動するデジタル映像——「生命化」するビジュアルカルチャー(渡邉大輔)

第二章 「映画/史」の変貌


世界は情報ではない——濱口竜介試論(冨塚亮平)


三脚とは何だったのか——映画・映像入門書の二〇世紀(佐々木友輔)


スタジオジブリから「満洲」へ——日本アニメーションの歴史的想像力(渡邉大輔)

第三章 社会と切り結ぶ映像/イメージ


テレビCMとこれからの広告表現(蔓葉信博


防犯/監視カメラの映画史——風景から環境へ(海老原豊

第四章 ニューメディア/ポストメディウムのその先へ


拡張する「アニメ」——3DCGアニメ論(藤井義允)


ピクセル・ガーデンで、お散歩を——インディー・ゲームの美学(藤田直哉

第五章 科学とテクノロジーの地平


実験室化する世界—映像利用研究が導く社会システムの近未来(宮本道人)

第六章 ネットワークが生成する動画文化


野獣先輩は淫らな夢を見るか?——<真夏の夜の淫夢>概説(竹本竜都)



「ゲーム実況って何?」とか「何がおもろいの?」とか言ってる時代遅れのお前らに、バカでもわかるように解説してやるよ(飯田一史)


参照すべき映像・文献リスト

ユリイカ』と『文學界』にそれぞれ論考などを寄稿。
・論考「モノたちの喧騒の場――マンガの実写化が映画にもたらすもの」(『ユリイカ』10月号、青土社
・「マンガ×映画カルチャーを知るための解説と作品ガイド」(同上)

・「ディジタル映像と「モノ」のうごめき――現代ハリウッド映画から見るイメージの変質」(『文學界』11月号、文藝春秋
文學界

文學界

・「映画の“アトラクション化”はどう展開してきたか? 渡邉大輔が映画史から分析」(リアルサウンド映画部)
映画の“アトラクション化”はどう展開してきたか? 渡邉大輔が映画史から分析|Real Sound|リアルサウンド 映画部

そして、『週刊金曜日』の書評群。
・「「心の哲学」の世界的権威が鋭く見通すテクノロジーとの共生――アンディ・クラーク『生まれながらのサイボーグ』書評」(『週刊金曜日』第1053(8月28日)号、株式会社金曜日)

生まれながらのサイボーグ: 心・テクノロジー・知能の未来 (現代哲学への招待 Great Works)

生まれながらのサイボーグ: 心・テクノロジー・知能の未来 (現代哲学への招待 Great Works)

・「デジタル革命後の人文知を再定義――石田英敬ほか編『メディア哲学』書評」(『週刊金曜日』第1054(9月4日)号、株式会社金曜日)
デジタル・スタディーズ1 メディア哲学

デジタル・スタディーズ1 メディア哲学

・「「シェア」の未来を包括的に見通す一冊――『「シェア」の思想』書評」(『週刊金曜日』第1056(9月18日)号、株式会社金曜日)
「シェア」の思想/または愛と制度と空間の関係

「シェア」の思想/または愛と制度と空間の関係

・「「終末」と「再生」を繰り返す戦後日本の鮮やかな自画像――円堂都司昭『戦後サブカル年代記』書評」(『週刊金曜日』第1060(10月23日)号、株式会社金曜日)

・ワークショップ「ピエール・レヴィ理論の現代的射程――集合的知性、ポストメディアの美学」(社会情報学会大会、於・明治大学リバティタワー、2015年9月12日)

5月からの仕事のまとめ


前回のブログ更新から現在までに出た仕事を一覧でまとめておきました。
【5月】
・書評「萩原由加里『政岡憲三とその時代』書評」(『週刊金曜日』5月22日号、株式会社金曜日)

青山真治・岡本英之・北小路隆志藤井仁子堀潤之・三浦哲哉とのシンポジウム「映画批評・理論の現在を問う――映画・映像のポストメディウム状況について」(2015年5月30日、於・京都造形芸術大学、日本映像学会第41回全国大会)
日本映像学会第41回大会(京都造形芸術大学)のご案内【5月30・31日】 | 日本映像学会
【6月】
・udocorg、東佳苗とのトークイベント(2015年6月14日、於・Tavgallery 個展「れいより40℃も高熱」)
udocorg (鵜戸庚司) 個展「れいより40℃も高熱」[ 6/6 (sat) – 6/14 (sun) ] | TAV GALLERY
・エッセイ「アニメのセル画的彩色の系譜」(『ニッポンのマンガ*アニメ*ゲームfrom1989』、国書刊行会
ニッポンのマンガ*アニメ*ゲーム from 1989

ニッポンのマンガ*アニメ*ゲーム from 1989

・書評「都留泰作『<面白さ>の研究』書評」(『週刊金曜日』6月5日号、株式会社金曜日)・書評「チャールズ・マッサー『エジソンと映画の時代』書評」(『週刊金曜日』6月26日、株式会社金曜日)
エジソンと映画の時代

エジソンと映画の時代

跡見学園女子大学文学部FDワークショップ発表「やわらかな「教養主義」の試み――「ポスト教養主義」的な授業構成による多人数授業活性化の一方策」(2015年6月24日、於・跡見学園女子大学新座キャンパス2号館2282教室)
【7月】
佐々木敦とのトークイベント「ゲンロン×佐々木敦 批評再生塾第3回 「ポスト映画」の世紀に、「映画(批評)」は再起動できるか」(2015年7月9日、於・ゲンロンカフェ)出演
批評再生塾2015課題 – 新・批評家育成サイト
・書評「マーク・スタインバーグ『なぜ日本は<メディアミックスする国>なのか』書評」(『週刊金曜日』7月10日号、株式会社金曜日)
なぜ日本は〈メディアミックスする国〉なのか (角川EPUB選書)

なぜ日本は〈メディアミックスする国〉なのか (角川EPUB選書)

・書評「野崎歓アンドレ・バザン』書評」(『週刊金曜日』7月24日号、株式会社金曜日)
アンドレ・バザン:映画を信じた男

アンドレ・バザン:映画を信じた男

【8月】
・合同シンポジウム「忍者と探偵が出会うときⅡ」(2015年8月1日、於・甲南女子大学9号館4階942教室)にコメンテーター参加
・書評「「つながる世界」への言葉による抗い――上田岳弘『私の恋人』書評」(『すばる』9月号、集英社
すばる2015年9月号

すばる2015年9月号

・「安全保障関連法案とその採決についてのアンケート」に参加(『早稲田文学』秋号、筑摩書房
早稲田文学 2015年秋号 (単行本)

早稲田文学 2015年秋号 (単行本)

・コラム「『テニミュ』など"2.5次元カルチャー"人気の理由は? メディア文化論から分析」(リアルサウンド映画部)
『テニミュ』など”2.5次元カルチャー”人気の理由は? メディア文化論から分析|Real Sound|リアルサウンド 映画部

3月以降の仕事ともろもろ報告


渡邉大輔です。
4月から、2013年度より兼任講師を務めてきた、跡見学園女子大学文学部現代文化表現学科の助教に着任しました。
跡見学園女子大学
その関係もあって、3月から慌ただしくしており、仕事の告知が滞っていました。
このブログは僕の仕事のポータルの意味もあるので、以下、五月雨式にここ最近の活動を書いておきます。

・6月から始まるゲンロンカフェと佐々木敦さん共催の講座「批評再生塾」の講師の一人として7月9日(木)に登壇します。
公式サイトはこちら⇒ゲンロン 佐々木敦 批評再生塾 – ゲンロンスクール

•「批評再生塾」第1期(2015年度)の開講期間は、2015年6月から2016年3月までの10ヶ月間です。開講期間途中での入講、一部講義のみの受講は受け付けておりません。
•本塾の講義およびワークショップは月2回、原則として第2木曜日と第4木曜日の夜に、ゲンロンカフェにて行われます。講義およびワークショップには月ごとに、「批評」「映像」「音楽」など2回1組でテーマが設定されています。
•各回は講義とワークショップの2部構成になっています。前半の講義(19:30-21:00)はゲスト講師への主任講師によるインタビュー形式のレクチャーで、各テーマに沿った主題で最先端の批評を書くとはどういうことか、講師の執筆術に迫ります。後半のワークショップ(21:30-23:00)は、受講生が事前に提出した課題小論文の優秀作を取り上げ、文章の強度を上げるため実践的な方法論やプレゼンテーション技術を学びます。講義およびワークショップの一部は、ニコニコ生放送で中継されます(有料)。受講希望者は、ネットで氏名(ペンネームの指定は可能)や顔が中継されることを承諾したうえでお申込みください。
•「批評再生塾」第1期では、すべての受講生は、下記の<新批評家育成サイクル>に基づいた15回の小論文と修了論文を提出することが求められます。すべての論文は専用サイトで公開されます。

すでに今期の募集は終了していますが、講師の一人としてとても楽しみにしています。よろしくお願いします。

3月20日よりリブロ池袋本店さん1階のノンセレクションコーナー「カルトグラフィア」で開催中のフェア「新しいリベラルアーツのためのブックリスト」に参加しています。僕の選書は「18メディア論」。こちらはたぶん5月上旬で終了。

週刊金曜日』では、大久保遼さんの『映像のアルケオロジー』(青弓社)と、ジョナサン・クレーリーの『24/7』(NTT出版)の書評を書きました*1

24/7 :眠らない社会

24/7 :眠らない社会

日本大学芸術学部映画学科発行の『映像研究』第43号にエッセイ「学び、教える「鏡」」を寄稿しています。

1月に神戸大学で行った芸術学研究会の増田展大さん、松谷容作さん、アレクサンダー・ザルテンさんとの共同討議の模様が、『美学芸術学論集』第11号に採録されました。
神戸大学学術成果リポジトリ Kernel

・「「観客の時代」の子ども――1950年代日本映画における年少観客の受容動向と観客調査」(『演劇研究』第38号、早稲田大学坪内博士記念演劇博物館)
enpaku 早稲田大学演劇博物館 | 演劇研究 第三十八号

・「PTA、ピンチョン、七〇年代」(『ユリイカ』5月号、青土社

そんなところです。それぞれお目に留まれば幸いです。

*1:青山ブックセンターの『映像のアルケオロジー』の選書フェアでは、どうやら大久保さんに『イメージの進行形』を選んでくださっているようです!ありがとうございます。

2月の仕事ともろもろ告知


渡邉大輔です。
月末に今月の仕事をまとめておきます。
今月は『週刊金曜日』の書評3本が主な仕事でした。
・書評「蘇る「時代の証言」は究極の映画論ーーエリック・ロメール&クロード・シャブロルヒッチコック』書評」(『週刊金曜日』第1026(2月6日)号、株式会社金曜日)

ヒッチコック

ヒッチコック

・書評「関東大震災後と東日本大震災後の批評状況から探る言論の可能性ーー大澤聡『批評メディア論』書評」(『週刊金曜日』第1028(2月20日)号、株式会社金曜日)
批評メディア論――戦前期日本の論壇と文壇

批評メディア論――戦前期日本の論壇と文壇

・書評「辺境から辿る「ポスト民俗学」ーー金子遊『辺境のフォークロア』書評」(『週刊金曜日』第1029(2月27日)号、株式会社金曜日)

◼︎

昨年の『ユリイカ』8月臨時増刊号に寄稿した拙論「情報化するミステリと映像ーー『SHERLOCK』に見るメディア表象の現在」が、第15回本格ミステリ大賞評論・研究部門の候補作に選出されました。
ありがとうございます!

1月の仕事


渡邉大輔です。
遅ればせながら、あけましておめでとうございます。今年もよろしくお願い申し上げます。
以下、1月に出た仕事です。

・論考「イメージのヴァイタリズム――ポストメディウムの映画文化」(『すばる』2月号、集英社、2015年)

すばる2015年2月号

すばる2015年2月号

・書評「「物語=歴史」を描くJポップ論――佐々木敦『ニッポンの音楽』書評」(『週刊金曜日』、株式会社金曜日、2015年)

31日に神戸大学第9回芸術学研究会の第2部にコメンテーターとして参加します。
研究活動2014│神戸大学芸術学研究室

日時・場所

•時間:2015年1月31日(土)13時~18時(聴講無料・来聴自由)
•場所:神戸大学 文学部B棟1階 132号教室(視聴覚室)【会場案内】
•主催:神戸大学芸術学研究会、日本記号学
主旨

イメージを、「静止」と「運動」という側面から考えてみよう。いま やこの二つの概念は、より広く解釈されるようになっている。それは映画やアニメーションといったイメージの研究の多くが取り上げてきた、メカニズムやメ ディウムの問題だけではなく、イメージの循環といった問題にも関わってくるものなのである。本研究会では「静止/運動」という概念から出発し、イメージの あり方を多角的に議論する。

プログラム

•第一部「ぎこちなさの表象」
13:00- 第一部開会
13:05- 報告1 中村紀彦氏(神戸大学人文学研究科博士課程前期課程)
13:35- 報告2 湯浅恵理子氏(神戸大学人文学研究科博士課程前期課程)
14:05- 質疑応答
司会:唄邦弘氏
•第二部「イメージというヴィークル」
14:45- 第二部開会
14:50- 報告3 増田展大氏(日本学術振興会早稲田大学
15:30- 報告4 松谷容作氏(神戸大学
16:10- 休憩(10分)
16:20- アレクサンダー・ザルテン氏(ハーバード大学
17:00- コメント 渡邉大輔氏(日本大学
17:15- 全体討議
司会:前川修氏(神戸大学
(18:00終了予定)

発表要旨

中村紀彦「遮られるコンティニュイティ—アピチャッポン・ウィーラセタクンの諸作品における視点と物語をめぐって—」

 タイの映像作家アピチャッポン・ ウィーラセタクンの映画作品は、タイの土着的な歴史や彼自身の記憶が織り込まれた物語との連関について、多くの言及が為されてきた。 しかし、そうした従来の議論は、映画作品の前半と後半とのあいだに物語の連続性が遮断されるといった、彼の諸作品における特徴を指摘するに留まり、その遮 断によって生まれる画面そのもののあらゆる現象については十分に言及されてこなかったように思える。 
 本発表は、つながりを遮られてぎこちなさを作動させる諸映像を、とりわけ映像メディアを横断的に活動する彼の諸作品から解きほぐす試みである。その際、 物語の側面からだけではなく、映画における視点の問題を新たに導入し、アピチャッポンの映像実践を多角的に捉え直す論考の一端としたい。


湯浅恵理子「人形アニメーションのリアリティを考える—ブラザーズ・クエイ『ストリート・オブ・クロコダイル』における運動表象」
 アニメーションに関する研究は現在急速に注目を集めており、映像の「運動」を考えるための一つの大きな契機ともなっている。そうした中でも周縁にとどまる人形アニメーションは、多くの研究の対象となってきたセルアニメーションとはまた異なる運動様式を見せる。
 ブラザーズ・クエイによる『ストリート・オブ・クロコダイル』は、その独特な空間構成や撮影方法によって、数ある人形アニメーション作品の中でも独自の 「リアリティ」を構築していると考えられる。本発表は、彼らの作品を分析することで、その「リアリティ」とは一体なんであるのか、それが人形アニメーショ ンというジャンルの中でどのような位置づけをされうるのかを考察する。
増田展大「マンガとヴィークル」

 マンガというメディアをヴィークルとして考えてみたい。そこで注目すべきが「速度」という観点である。
 こういってみると、描かれた乗り物や身体についてまわる軌跡が思い出されるかもしれない。あるいは、そのイメージやコマのあいだで、わたしたち自身が視 線を動かす速度を考えることもできる。そもそも、それらを載せたページや書物という媒体そのものを、ヴィークルとして理解することも可能であるだろう。
 これら物質的な層に速度という観点から切り込むことで、マンガというメディアが引き起こす静止と運動、またはイメージと文字との緊張関係をあきらかにす ることができるのではないか。作家論や表現論として知られる議論にくわえ、コマ論や知覚論など、現在ではさまざまなアプローチが提出されている。本発表は 上記のような仮説からこれらの議論を検証し、マンガをヴィークルとして考察する試みのひとつを提示する。



松谷容作「微小重力空間におけるヴィークルとしての身体」

  ここ数年の間に、宇宙を対象とする優れた映画が立て続けに公開されている。たとえば、アルフォンソ・キュアロン監督作品『ゼロ・グラビティ』(2013) やクリストファー・ノーラン監督作品『インターステラー』(2014)などは、その代表的なものであろう。こうした作品で描き出される宇宙環境は、宇宙に 関連する様々なデータや研究、そして宇宙飛行士との対話などに基づき実現している。よって、作品は、たんに映画観客を楽しませるだけでなく、これまで蓄積 されてきたデータに基づく宇宙と人との関係についてのシミュレーションなのである。そのとき、身体は、宇宙の様々なデータを地球上にもたらすと同時にデー タそのものとなり、さらに宇宙環境での有機体の様相を視覚化するヴィークルとなる。
 本発表では、こうした静止と運動の区分が曖昧な宇宙空間におけるヴィークルとしての身体を考察する。




アレクサンダー・ザルテン「イメージ・トラフィックとゾンビ・ヴィークル」

 1960年代末に「風景論」が松田政男足立正生などによって映画 について考える為の大切な道具になった。1970年代に入ると松田政男が別の空間的モデルとして鉄道網を使い政治運動とメディアの新しい形を考えた。 2000年代には東浩紀濱野智史などがテーマ・パーク、アーキテクチャーなどを使いメディア社会を論じることになる。
 この発表はそういった空間的モデルから少し離れ、時間とリズムに焦点を当て、ポール・ヴィリリオの(オーディオ・ビジュアル )ヴィークル概念を現在のメディア状況に合わせてみる。ゾンビ・ヴィークルとして再考されるこの概念では、同人・自主文化、メディアと支配、そしてイメー ジ・トラフィックという問題にアプローチする試みである。