2009-01-10
女の子だって落ちる場所を選びたい
えーっと、私、ミク似の14歳。もちろん生娘なんですけどね。初潮は小六の夏休みに迎えてますよ、フツーに。先月の生理は2週間前に始まったから、今日あたり排卵日かなー、なんて。こんな生理の話平気でしちゃう私でも女の子としての条件満たしてる? 降っても良い?
じゃあ、そうねぇ、どこに落ちようかしら。どーらや落ちて最初に出会った男子と恋仲になる設定っぽいから、下手な所に落ちらんないしね。えーっ、女の子に落ちる場所選ぶ権利無いのぉ?ってウヒャー!突然降り始めるか!
ふう、そんな急降下するわけじゃなかったのね。あー、でも結構速いかな、地面に落ちる時、痛いのかなぁ。やだなぁ。スカートピラピラ捲れるから、お尻押さえて降らなきゃいけないし! 月曜の朝からこんな事しなきゃならないなんて。まあ、空から降ってくる少女の宿命だしー。
そろそろ着地点が見えてきたかな。うっわー、ベタ。中学校の近くだよ。結局、食パンくわえ遅刻少年ですかー? てかモロ中学校構内じゃん! うっしゃー!
グワシャーン!
イッテテテー…。うわー何これ、男子ウジャウジャ! あ、体育館の屋根突き破って落ちたんだ。みんな私を見てる、てか丸出しになっちゃった水玉パンツ見てる。って私、朝会の最中、ステージの上に降って来たんかー! しかも男子校!? よっしゃー、彼氏を選り取りみどり! そう言えば私の名前無かったわね。夜里鳥ミドリにしちゃおう、髪も青緑だし、ロンパールームの歴代オネエさんの名前だし!
とキョトキョトしていたら、男子生徒達が「女神〜」と言いながら、腕を前に上げて白目剥いて歩み寄ってくる。ナイト・オブ・ザ・リビングデッドのように! ちょ、怖い! 助けて! と思ったら、ヒラリと体が宙に舞う。校長センセにお嬢様抱っこをされたんだ。恰幅の良い初老の校長センセはダースベーダーのように生徒達を無言の圧力で制止。私を抱えたまま体育館を去り、校長室に連れて行った。
「この入試追い込みの大事な時期に、空から降ってきた上に、水玉パンツを晒して生徒を翻弄するとは何事じゃ!」
椅子に座らせられると、いきなり怒鳴られた。いまどき白い口ひげ生やした校長センセがいるんだ、と思いつつ、とりあえず「スミマセン…」と謝っておく。でも校長センセは何も言わず、腕を後ろに組んだまま下を見て部屋の中を行ったり来たり歩き回っている。その足がとまり、センセは私を見て、部屋の外に声が漏れないようにコソコソと言った。
「怒鳴って悪かった。一応体裁があるのでな…。実はな、45年前に空から降ってきた女の子を知っているんじゃ。」
じゃ? センセ何処出身? と驚いた顔をしていると
「わっはっは、驚いたか。ワシは16歳じゃった。そしてワシはその後、その女の子と結婚したんじゃ。事実婚じゃがな。」
私はセンセの「じゃ」喋りが気になって、「はあ」と生返事をする。
「しかしな、その女の子との出会いが、ワシの人生を狂わせたのじゃ」
「でもセンセは今、校長と言う立派なお仕事されているじゃないですか。」
センセは遠い目で窓から空を見ながら言った。
「ワシはパイロットになりたかったんじゃ。」
センセは子供の頃から国際線のパイロットに憧れていたのだが、空から女の子が降ってくる事実を知り、うっかり女の子をジャンボ機のエンジンに吸い込むような事をしたくないし、飛行機にも怖くて乗れなくなってしまったということだった。
「なので、ワシは校長と言うエライ地位に居ながら、憧れのハワイにも遊びに行けんのじゃ。」
これからどうするのかセンセに訊かれ、行き先が無いと告げると、センセの家に居候させてもらえることになった。わーい、45年前の空降少女に会えるんだ!
「まあ、それは災難でしたね。」
と可憐に微笑む校長夫人。髪はピンクに染められ、フレンチ・メイドの格好をしている。エプロン胸当ての脇から謙虚な膨らみが確認できる。子鹿のようなか細い脚に白い膝上ソックス。不自然な内股で立ち、ニッコリしながら小首を傾げ、目は潤み、その背後の空間には花が咲いている。一体どんな修行を積めば自由自在に空間に花を咲かせられるのか。夫人は還暦近いはずだが、私と同じくらいの年齢に見えた。夫人の話によると空降少女は地上に降った時点から成長を止めることが出来るのだそうだ。
「何と言う男性主権ご都合主義!」
と私が飽きれて叫ぶと、夫人は私を諭すように言う。
「空降少女は、殿方のファンタジーの中でしか存在出来ないのですよ。もちろん、殿方が少女の成長を望めば、我々も大人の女性になれますが。」
艶やかで弾力の有る白く透明な夫人の肌。エアブラシで吹かれたように仄かに染まった頬に光る、白いハイライトを見つめたあと、私はキッとセンセを睨む。
「センセはロリコンなんですね!」
「わっはっは、大丈夫。勤めているのは男子校だから問題無い!」
「そーゆーもんだいじゃねえ!」
と、左右から同時に新旧空降少女の突っ込みブローを喰らい、背後に倒れるセンセ。三つ巴で殴り合った後、床に大の字に寝転び、「わっはっは、オマエやるな!」と笑い合う。その後、3人で夕日に向って河原を走りましたとさ。めでたしめでたし。
【降臨賞】空から女の子が降ってくるオリジナルの創作小説・漫画を募集します。
条件は「空から女の子が降ってくること」です。要約すると「空から女の子が降ってくる」としか言いようのない話であれば、それ以外の点は自由です。
字数制限 : 200〜1000 字程度
締め切り : 2009-01-12 18:00 で募集を止めます。
優勝賞品 : もっとも稀少な(と質問者が判断する)作品を書いてくださった方に 200 ポイントを贈ります。
書きたくて書いただけなので、賞は結構です(なんか横柄な感じで、すみません)。字数制限も多分守ってないし。そもそも「空降少女」な話ってなんのことか分ってません。
b l a n k l i n e

