THE IDOLM@STER 8th ANNIVERSARY 幕張公演感想

何を観ようと、8thライブに行ったのだろう。
何を観てきたのだろう。
日常に帰ってきた今でも、ふともう一度確認したくなる。


2日間が終わったあと、本当に全力を出し尽くして立ってられなかった。
地べたにぶっ倒れながら、アホみたいに幸せに笑ってた。
全力で観てきた。聞いてきた。応援してきた。
何かを得たからじゃない。何かを知ったからじゃない。
ただただあの場所に居られたことそれ自体が、うれしかったのだと思う。

ライブ

一言でいうのなら、今回ようやく「765プロの祭り」を成し遂げたんだと感じた。
765プロのアイドルが集まった祭り」からさらに踏み込んだ場所。
リーダーの3人で勝負します。そこまで持ってく場をきっちり作ります。
今回ほどそういう意識の強いライブを、今までのアイマスライブで見た覚えがない。

前半パート

ライブ開始前に「お前ら声出しの準備しとけよ」とばかりに曲を流し。
のっけからREADY!!→乙女大志→キラメ→いっぱいいっぱいとか誰が考えるんだよと。
ライブの定番、武器と言ってもいい4曲を頭に、その後もライブ定番曲の超圧縮リスト。
実績ベースじゃ組めやしない、こんな博打を打ってまで見せたかったもの。
それが、上で書いた「リーダーの3人での勝負」だったのだと思う。
自分がそれに気づいたのは前半パートが終わってMCに入った頃で。
いったいいつの間にこんな芸当出来るようになったんだよと舌を巻いた。

MC・ゲストパート

初日MCのミンゴスに神がマンマークでついて、あさぽんとぬーが回す配置は実に見事。
2日あるんだからという秋月律子プロデューサーの発案と睨んでるけどどうだろう^^;
多少時間押しにはなったけれど、ツアーの締めとして質問コーナーをうまく回してた。
ゲストの4人はほんと懐かしい景色だな〜と思いながら眺めてた。


それは歌に入ってからも一緒で。
「練習してきました!」ということそれ自体まで伝わってくるようなダンス。
とにかく自分の100%を今この場で出すんだというステージ。
うん、ガールズも昔はそれが精一杯だったよなぁと。
ふーりんは、初日は呑まれて独特の良さがあまりでなかった。
きっと相当悔しかったろう。
2日目には先輩方の荒療治を経て見事に本領を発揮したのでなにより。
こういう時の切り札にミンゴスの手綱を初日は抑えてたのか神よ、と思ったのは内緒^^;



後半パート

さて、後半の感想をどう書いたものか。
まずは書きやすいLTP曲の感想でも。


ぶっちゃけていうと、LTP曲は先輩アイドル達に歌わせるにはちとカルシウム不足だなと。
グリマスで加わったアイドル達が歌う分にはいいと思うんだけど。
既に今までに積み重ねたものがある上で考えると、ちょいと骨がやわい。
一番象徴的だったのはRebellionかな。
曲としては工夫を凝らしてると思うし、ようやくライブ向きの曲がぬーに来たんだけど。
ふつーに歌ってしまうと、「うん、ランティス曲」で終わってしまうだろうなこれと。
だからぬーは曲に思いっきり盛って歌うという選択をして。
それがあの強くも悲愴感漂う表情に現れてた気がする。
個人的にはずっとDead or Aliveみたいな曲がぬーにこないかと期待してる。
Rebellionは自分の期待してるものに比べると色々と補強をしないといけない印象。


中村先生は曲そのものの掛け合い部分がライブでやるにはちと厳しい曲で。
曲を活かすより、えりりんワールドを見せることに専念していたように感じた。
掛け合いのところをこっちがコールで応えられればもっと面白くなるのかな。
今後のプロデューサー側の練度が期待されるところな気もする。


LTP曲をしっかり魅せたという点では今回はくぎゅに尽きる。
そもそもライブで歌えるんかこれ、と福岡の話を聞いてなお半信半疑だったけど。
くぎゅと歌と両方がしっかり立って織り成す景色。見事でした。
リゾラ聞いた時にも思ったけど、水瀬伊織765プロのエースだと。
位置づけだけが先にあったものを、くぎゅが今回きっちり証明してみせた。
言葉にすると簡単だけど、これをやってのける力量はそうそう転がってるもんじゃない。
きっちり準備する時間があれば成してみせる人なのだ、と敬服することしきり。



リーダー組

It's Showはなんで今までやらなかったんだろうねこれ、というくらい楽しかった。
今ならようやく出来るようになった、ということなのかもしれないけれど。
この3人だからこそなんとかしてみせた気もするし。
プロデューサーが応える裏拍連打もすごく気持ちいいレスポンスで。
うん、これからも機会があったらぜひライブで聴きたい一曲。


そして三人三様の勝負曲。どれもが渾身の出来だったと思う。
あさぽんは亜美と真美の二人分ということで2曲とも勝負に来てたような。
どちらもあさぽんらしいキャッチボールを全面に押し出した夢みたいな時間。
あさぽんに、最高の笑顔をちゃんと返してたろうか俺。
できてたらいいなぁ。ほんっっっっっとに楽しかったんだぜ。


そして若林神のDazzling worldには参った。
いっぱいいっぱいというライブ用の切り札が別にあるわけで。
その上でぶっ放すのが魔法をかけてかLivEかDREAMか。
ずーっと読めずにいたんだけど。
最初こそ驚いてたけど、じんわりと胸の中に緑が広がっていって。
いつしかそれが会場中の緑の光と重なって。
秋月律子秋月涼を介してこの曲と繋がる縁があり。
若林直美アイドルマスターを、秋月律子を通して俺らと繋がる縁があり。
そういうもんがあそこに、全部あった。


ぬーのまっすぐは、そんな気持ちで満たされていた心にストンと降りてきて。
かっこいい響、かわいい響、明るい響、完璧な響。
あそこにいたのはそのどれにも当てはまらなかったけれど。
でも今まで見た中で一番沼倉愛美であり、我那覇響であり、765プロのアイドルだった。
俺は今日、アイマスライブを見に来たんじゃなくて。
アイドルマスターそのものを見に来てたんだ。
そんな当たり前のことを、思い出した。


個人的には、ぬーのまっすぐが実質このライブの締めだったなと思う。
カーテンコール、自分REST@RT、THE IDOLM@STERは日常へ帰るための呪文のような。
ここに来たことを忘れないための呪文。また明日から歩き出すための呪文。
そのわりには最後の2曲元気すぎるかもしれないけど、アイマスらしくていいやん?w


あとやっぱり、THE IDOLM@STERはこの世界の根幹なんだなぁと思った。
ゲストも含めたみんなが歌う姿が、単純にうれしくって仕方ないんだもの。
この曲を受け継ぐアイドルが居る限り、俺の中ではアイマスはいつまでも続くだろう。



2日目

アイマスライブは2日目に化ける」
これはいままでのライブ観てきたPには共通の認識だと思うのだけど。
初日のセットリストでいけるってことがわかったら、リミッター外すんだもん彼女ら。
そらツアー最終日だけどさ。後のことは考えなくていいけどさ^^;


特にミンゴス。明らかに二日目は降りてきてた気がする。
ピーキーな方向に詰めるミンゴスは何度も観てきたけど。
もうその必要はなくなったんだなと。笑顔を受け止めて伝えられるんだなと。
うん。そんな姿を記憶に焼き付けられたことを、とても幸せに思う。


アッキーとあさぽんのWe just startedも良かったなぁ。
初日は「あさぽんにこういうかっこいい曲がもっとあっていいよなー」と思ったけど。
二日目は「アッキーはこういう誰かと組む曲をもっと増やすといいな」なんて考えてた。
なんだろう、誰かと一緒にやるとアッキーは化学反応起こしやすいんじゃないだろうか。
アイマスは構造上どうしてもライブでソロ曲やる機会が増える傾向にあるけれど。
デュオやトリオのアッキーはもっと観たいかも。


はらみーは、ついにステージの上でも貴音を自分側に引っ張りこんだように見えた。
風花にしてもフラワーガールにしても、はらみーは自分の歌として十分魅せる人だけど。
最近はだいぶステージの上で歌うことを楽しむというか遊ぶようになって。
そんな姿の中に、ステージに上がると妙にはっちゃける貴音がいたような感覚。
はらみーはこれからさらに化けるんじゃないか。楽しみでならない。


ふーりんに関しては、二日目が実力だと思ってるので驚きというよりは安心した。
どうにもシンデレラガールズの看板を一人で無闇に背負い込んでる感じがするけど。
まあそれに負けるようなタマじゃないと信じてるので。
これからも眺めていきたい。
一方のはっしーは「笑顔は万能」を絵に描いたような。
あれでどこまで走り切るんだろうなぁ。なんというか、不思議な人です。


つらつら書いてきたわけですが、やっぱり二日目の一番の印象といえば若林神なわけで。
「絶対君達より私の方が君達のこと好きだと思うよ」
この一言が聞けたことが、心からうれしい。
今だに覚えてるんだ。918でガミPが引っ込んだ後にステージに残ってた若林神を。
あのあとパシフィコ横浜で歌ったいっぱいいっぱいの、怒号寸前のコールに応えた姿を。
「現在・過去・未来全ての あなたを愛し続けるわ!」
そうだよなぁ、うん。そりゃ涙もこぼれるさ。たまにゃいいんだ。
かなわねえよ。ありがとう。



祭りのあと

8th幕張公演というのは、いろんな要素がありすぎた。
ツアーの締めくくりであり、妹分のお披露目公演であり、TGSへの筋を通す場であり。
それを全部成立させちまうこと。そして、TGSを幸福な記憶に塗り替えること。
毎度毎度欲張りに詰め込むなぁと思って見てるけど、成し遂げちまうんだから恐れ入る。


個人的には918に対してバンナム側がどうアプローチしてくるかに一番注目してた。
リーダーがあの時あの場所にいた3人なのはそういう意図だと思っていたし。
3人も意識していたってことは、彼女達が選んだ曲が、最後の挨拶が雄弁に語っている。
そしてきっちりオトシマエをつけたのだ。
どうしてもその場に居たくて、とにかく幕張だけは意地でも2日とも行くんだと。
何一つ見逃したくないんだとあがいた自分も相当に馬鹿だと思うけど。
馬鹿になるだけの甲斐を見せてくれた。改めて彼女たちに、関わる人たちに感謝。



10周年

おそらく10周年に向けて、アイマスは今の世界を続けていくのだろう。
事前に流れてた情報から3rd Visionは来ないだろうとは思っていた。
そして想像どおりこなかった。
今のアイマスが好きじゃない人にとって、それは絶望の宣告だったかもしれない。
でも、今回失ったものが何もないというのもまた確かなこと。


さいたまスーパーアリーナでのライブが発表された。
2日目の劇場版アニマスPVで、アリーナライブへの合宿がストーリーとして示された。


ぼんやりと思い浮かべたのは、攻殻機動隊のラスト。草薙素子人形使いの会話。
シンプルなロジックで複雑に構成された存在。
2nd Visionの目指すところは、ああいう形なんじゃないだろうか。


Project iM@Sという場所に様々なものが生まれた。
ゲームが、ライブが、アニマスが、シンデレラガールズが、ミリオンライブが。
それらがからみ合って再びProject iM@Sという「存在」となる。


そういえばあの会話で素子は「私が私でいられる保証は?」と聞いていたけど。
人形使いの回答は何だったっけ。もう覚えてないや。


この妄想が当たってるかどうかなんて知ったこっちゃないけど。
それをさっぴいても、今の時点で明らかに足りないのはゲームだよなぁと思う。
シャイニーTVの中身はまだわからないけど。
アイマスSFがおっそろしい早さで消費された事実はバンナムも理解してるだろうし。
PS3でプロデュースゲーム」とたった一文きりの情報を用意するしかなかったこと。
テキスト一つしか出せなかったこと。
それを見てバンナム側もわかってると思うのは、穿ち過ぎだろうか。
わざわざプロデュースという言葉を入れるあたり、わかってるのだと思うのだけど。
まぁ開発は順調に遅れてるんだろうな〜とは勝手に思っている^^;




まぁ結局のところ毎度の結論になるのだけれど。
俺らは出て来たもんを遊び倒すしかないのだ。
面白いゲームをやるだけがゲーマーじゃない。
クソゲーを如何に遊ぶかも技量のうちで。
遊び方なんぞいくらでもある。


俺らにできることは、キャッチボールを続けることなのかなと思う。
別に160km/hの球を投げて目立つ必要もないし。
相手が受け取る準備もできてないのに矢継ぎ早に投げまくる必要もない。
大事なのはお互いが相手を見て、しっかり投げて、しっかり受け止められること。


だいたい10年にもなろうとするようなコンテンツなのだ。
もう腐れ縁みたいなもんなのだから、事あるごとにいちいちわめいても仕方ない。
どうにもこの界隈は戦い慣れすぎたのか反応が大げさになりがちだけど^^;
そろそろ縁を信じるというか、諦めるというか。


うん、こんなしちめんどくせえライブきっちりやり遂げる奴らなんだから。
信じてのんびり歩いていきますかね。
まだまだ、遊ばせてもらいます。