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ダンスの海へ 舞踊評論家・高橋森彦のblog このページをアンテナに追加 RSSフィード

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2008-03-30

[]アンサンブル・ゾネ『Falken Schrei- 鷹の声』

アンサンブル・ゾネ『Falken Schrei- 鷹の声』

構成・振付・演出:岡登志子 音楽:高瀬アキ

出演:伊藤愛、垣尾優、内山大、岡本早未、山岡美穂、糸瀬公二、井筒麻也

・踊り手の呼吸が折り重なり生成される、緊密感溢れた一時間。高瀬アキ(音楽)との協同作業の展開にも注目したい。

(シアターχ)

2008-03-29

[]世田谷クラシックバレエ連盟第12回定期公演

※世田谷クラシックバレエ連盟第12回定期公演

(世田谷区民会館)

[]新国立劇場バレエ団『カルメン by 石井潤』

※新国立劇場バレエ団『カルメン by 石井潤』

カルメン:本島美和、ホセ:碓氷悠太(松岡伶子バレエ団)、ミカエラ:西山裕子

(新国立劇場中劇場)

2008-03-28

[]輝く未来「お願い、グロリア!」

輝く未来「お願い、グロリア!」

※伊藤歌織『グルムシ』

※山下彩子『Mes!!』

・久々に、踊る伊藤キムを観る。新カンパニーも昨夏の試演会のときより力をつけてきた。2年目に期待。

(横浜赤レンガ倉庫1号館3階ホール)

2008-03-27

[]ピナ・バウシュ ヴッパタール舞踊団『フルムーン』

ピナ・バウシュ ヴッパタール舞踊団『フルムーン』

(新宿文化センター大ホール)

2008-03-25

[]ピンク祭・謝肉祭

ピンク祭・謝肉祭

※加藤若菜・須加めぐみ『前座』

※梶本はるか『ひとまず、サンパウロ』

※越博美『灰の色の空に堕ちた』

※磯島未来『Matilda』

※梅崎礼『うむあいつうじる』

※斎藤麻里子『パラダイス』

※米沢麻佑子『days』

・鮭の卵時代から昇天までを4分で描いた、前座の創作ダンス『鮭』に失笑。

・磯島作品は何が起こりそうなスリルはあるが、ナニモオコラズ。

・モダンの気鋭・米沢をアゴラでみられるのは新鮮だがもっと弾けて欲しい。

(こまばアゴラ劇場)

2008-03-23

[]「スリー・スペルズ」

「スリー・スペルズ〜ジャレ+シェルカウイ+フェネスによる一夜」

※ダミアン・ジャレ『毛皮のヴィーナス』

※ダミアン・ジャレ『ヴェナリ』

※シディ・ラルビ・シェルカウイ、ダミアン・ジャレ 『アレコ』

(にすがも創造舎)

[]佐和香 舞踏ソロ初企画公演『月の下、泥花の咲く頃』

佐和香 舞踏ソロ初企画公演『月の下、泥花の咲く頃』

(コア石響)

2008-03-22

[]黒沢美香×野口実『牛』

黒沢美香×野口実『牛』

(セッションハウス 地下スタジオ)

[]東京バレエ団 ジョン・ノイマイヤー『時節の色』『スプリング・アンド・フォール』

東京バレエ団 ジョン・ノイマイヤー『時節の色』『スプリング・アンド・フォール』

「週間オン・ステージ新聞」4/11号にてレビュー。

(ゆうぽうとホール)

2008-03-21

[]Co.山田うん『ドキュメント』

Co.山田うん『ドキュメント』

(吉祥寺シアター)

2008-03-20

[]ニブロール×オン・ケンセン ワーク・イン・プログレス公演『Asia Ai』

ニブロール×オン・ケンセン ワーク・イン・プログレス公演『Asia Ai』

(創造空間9001)

[]ピナ・バウシュ ヴッパタール舞踊団『パレルモ、パレルモ』

ピナ・バウシュ ヴッパタール舞踊団『パレルモ、パレルモ』

(テアトロ ジーリオ ショウワ)

2008-03-18

[]「DANCE×MUSIC!〜振付家と音楽家の新たな試みvol.3〜」

■「DANCE×MUSIC!〜振付家と音楽家の新たな試みvol.3〜」

JCDNコンテンポラリーダンス作品創造シリーズ「DANCE×MUSIC!〜振付家と音楽家の新たな試みvol.3〜」を観る。ダンスを振付ける振付家と音楽を作曲する音楽家が出発点を同じくしてコラボレーションする企画。ダンスを創る際、音楽著作権上の問題で使いたい楽曲が使えなかったり(無断使用は当然NG)、上演できても再演が難しかったり、映像ソフト化されなかったりすることが多々ある。オリジナルな音楽とダンスによる協同作業の需要は年々高まっており、この「DANCE×MUSIC!」は、音楽家と振付家/ダンサーの出会いを生む貴重で意欲的な企画だといえるだろう。

この日最初に上演されたYummydance(振付・ダンス)×トウヤマタケオ楽団(作曲・演奏[キーボード、クラリネット、ベース、パーカッション])『手のひらからマウンテン』は、まさに企画の狙い通りの快作となったように思う。宇都宮忍、戒田美由紀、合田緑、高橋砂織、得居幸からなるYummyがトウヤマタケオ楽団を山登りに誘うというのがモチーフのようだが、Yummyのキッチュな魅力溢れるダンスとロック、クラシックがときにぶつかりときに融合した異色の音楽が絶妙に絡む。きっちり創りこむ振付のよさと、即興的にも思えるような意想外のシーケンスともつながりがいい。場面場面の展開の予測がし難くスリリング。楽団のメンバーも伴奏者にとどまらず、舞台の中央で歌ったり、ピルエットして舞台に乱入する箇所も。Yummyは集団創作を特徴とするが、今回は、異色の音楽家と苦闘するうち作舞面でスキルも増えたらしく新展開を予感させた。ただ、突然叫んだり、リンゴを噛み砕き散乱させる場などは痛くて観ていてこっぱずかしい。

後半の鈴木ユキオ[金魚](振付・ダンス)×辺見康孝(作曲・演奏[ヴァイオリン])『Love vibration』は、舞踏出身の鈴木と、現代音楽を中心に多様な奏法を駆使して活躍する自称・戦うヴァイオリニストが四つに組むということで期待したが残念ながら予定調和に終始した。辺見が狂気じみたようにメチャクチャに演奏したり、舞台にたくさんの楽譜を散乱させたりと仕掛けがあるのだが、アナクロな発想で驚きはなく、音楽とダンスが拮抗、掛け算となって立ち現れてくるものが少ないのが残念。久々に鈴木のソロをじっくり観られた点ではそれなりに満足したが、室伏鴻ばりに背中から倒れたりするのはいただけない。ただ後半、辺見が淡々と、即物的にバッハの「シャコンヌ」を弾き、鈴木がそれにあわせ踊る場は、なんとも異様な、寒々とした空間を現出させ印象に残った。

(2008年3月13日 京都芸術センター講堂)

2008-03-15

[]踊りに行くぜ!! vol.8 SPECIAL IN TOKYO

全国21都市で41作品が上演された「踊りに行くぜ!!vol.8」から4作品をセレクト。注目株とアジアからの参加者を加えての上演らしい。近年のコンテンポラリー・ダンス界は、感覚的身体のみに依存するもの、奇をてらったものが跋扈し、袋小路に入っていた感も。その反動からか、昨年から「踊りに行くぜ!!」のスペシャル公演では、それなりの身体的訓練を積み、身体と真摯に向き合っている個人・グループが選ばれる傾向にあるのは興味深い。横浜ダンスコレクションRなどでも同じような動きはみられる。総じて「新しいもの探し」が一段落し、評価の仕組みが変わりつつあるのだろうか。が、創り手も観客もモダンVSコンテンポラリー、あるいはポストモダンをめぐる思想やフレーム造りに惑わされることなく新たな時代のダンスを自らの手で生み、育てていくことが大切だろう。

KENTARO!!from東京『東京で会いましょう』はヒップホップ出身者による自作自演。金髪でカジュアルないでたちの好青年による、軽やかで衒いのないダンス。都市に生きる等身大の若者の、ちょっぴり切ない生の実感が浮かびあがる、みたいな感じ。舞踊語彙はそう多くはないが、ヒップホップベースにしつつ手堅い作りとはいえる。現段階では引き出しも多そうでなく前途に少々不安は感じるが、今後の展開に注目したい。

KIKIKIKIKIKI from京都『サカリバ007』(構成・演出・振付:きたまり、出演:花本ゆか、舟木理恵、白石紗知子、きたまり)は、関西で人気を誇り、前回のトヨタコレオグラフィーアワードの最終選考会に出場するなど知名度を上げている。振付のきたまりは、舞踏を学び、千日前青空ダンス倶楽部の舞踏手として活躍後、自身のカンパニーを率いている。本作は、女の子たちの妄想を具現化したような作品で、痛ましくも甘美な世界を描こうとしたのか。が、構成が散漫で冗長。ダンスも児戯めいてイタいのが残念だ。

プロジェクト大山 from 東京『てまえ悶絶〜3000円くらいの自己肯定〜』は、大学ダンス出身者によるグループ(構成・振付・演出 古家優里、共同振付・出演:長内裕美、梶本はるか、三浦舞子、三輪亜希子、古家優里)。フォーメーション等はそれなりに練られており水準はクリアしている。が、大学ダンスにありがちな馴れ合い的な世界観からは抜け出していない。個々のキャラをより明確化すれば多少は面白くはみられるかもしれないが。集団創作にありがちな温さからどう脱皮していくかが問われる。

白舞寺 White Dance Temple from台湾『過火 Crossing Fire』(出演構成・演出・振付:ユー・シャオチン、出演:ツァイ・ジャーチュン、ツァイ・ウェンリン、ユー・シャオチン)では、白の衣装を着た女性三人が台湾の都市風景の映像を背景に、ミニマルで秘儀的なダンスを繰り広げる。ただそれだけで新味はないが、絶え間なく反復されるムーヴメントに身をゆだねることができれば心地よい浮遊感に浸れるだろう。

(2008年3月7日 アサヒ・アートスクエア)

2008-03-06

[]旬のスターと今後の展望

発売されたばかりの「クロワゼ」に、いま旬のダンサーたちが取上げられている。しかも、個人的にも注目している人揃いなので、簡単にその魅力に触れておこう。

表紙を飾り、「ダンスが一番!」のコーナーでインタビューを受けているのが瀬島五月(貞松・浜田バレエ団)。海外で活躍後、現在は関西を中心に活動している。『眠れる森の美女』『くるみ割り人形』など古典作品に主演するほか、昨年、東京でも披露された、オハッド・ナハリン振付『DANCE』(『マイナス16』の改訂版)冒頭の即興ソロも記憶に新しい。派手なテクニックや突出したプロポーションを売りにする人ではないが、技術、表現力、音楽性のバランスを欠くことなく堅持しつつ、つねに高めている点に底力を感じる。そして、今を盛りと咲き誇る花のような、キラキラしたオーラがなによりも魅力的。長身でメイクも映え、舞台栄えがする。古典作品に創作、コンテンポラリーに活躍し、踊るたびに新生面を切り開いていく姿には興奮を禁じえない。国内の若手には払底している、人をひきつける華を持った数少ないプリマといえる。ちなみに振付にも才を発揮。

インタビューを受けているひとりに志賀育恵がいる。東京シティ・バレエ団のプリマとして活躍し、バレエ・ファンや関係者の間で熱い支持を得ているバレリーナ。上半身の柔らかさが特徴といえ、無理のない精確なポジションを保ち、そこからきれいなラインを生み出している。『コッペリア』のスワニルダや『くるみ割り人形』のクララでは、明るく愛らしい演技もあいまって魅力がいや増す。『ジゼル』や『カルメン』のタイトルロールなどドラマティックな役柄にも挑み、表現の幅をひろげつつあったが、現在、オーストラリア・バレエ団で研修中。レパートリーが多岐にわたり、公演数も多い環境で学んでいるようだ。より大きく成長した姿で再見できることを期待するファンは少なくないだろう。

「私のウェア・ストーリー」に登場する西田佑子にも要注目。関西で活躍後、現在フリーとして活動している。精確なテクニックの持ち主にして、華奢で美しいプロポーションに恵まれている。アプロンが完璧なためであろう、どんな姿勢でもバランスを崩さないのには「凄い!」のひと言。関東圏ではまだ知名度が低く、全幕主演の機会に恵まれていないが、引く手あまたになることは間違いないだろう。キミホ・ハルバートや西島千博の作品にもでているが、創作、コンテンポラリー作品での力量に関してはまだ未知数。しかし、無尽蔵の可能性を秘めているともいえ、その動向から目が離せない。

インタビューコーナーに出ている青木崇(大阪バレエカンパニー)は関西では超有名。名古屋の大手バレエ団にもゲストで主演するほか、今年は日本バレエ協会公演でも主演しており、関東でもブレイクするだろう。回転、跳躍など抜群のテクニックを誇り、それがダイナミックな表現に結実している。男性ダンサーの需要は相変わらず高いが、若手陣は総じて小粒な感は否めない。が、青木やナハリンの『BLACK MILK』における鮮烈な演技で芸術祭新人賞を受けた武藤天華(貞松・浜田バレエ団)、新国立劇場の『カルメン』に招聘され本島美和と組んでホセを踊る碓氷悠太(松岡伶子バレエ団)、全幕主役デビューはまだであるが実力は折り紙つきの清瀧千晴(牧阿佐美バレヱ団)ら活きのいい逸材が登場しているのは頼もしい(若手プリマに関しては機会を別に譲る)。

80年代後半から90年代には、男性陣だと坂本登喜彦、大寺資二、高岸直樹、貞松正一郎らに加え、熊川哲也、小嶋直也、久保紘一、森田健太郎、逸見智彦、佐々木大、法村圭緒らがデビュー、女性では、森下洋子や川口ゆり子、大原永子、安達悦子、越智久美子、大畠律子、柳瀬真澄らに加え、吉田都、下村由理恵、高部尚子、草刈民代、佐々木想美、齋藤友佳理、吉岡美佳、井脇幸江、田中祐子、宮内真理子、志賀三佐枝、渡部美咲らが綺羅星の如く活躍した(いうまでもなく、現在も第一線で活躍、後進の追随を許していない人が多い)。そんな黄金時代はそうそう訪れないだろうが、新たなスターたちの誕生、躍進の予感は感じられる。スターとは、生み出す(出せる)ものではなく、生まれるもの。しかし、劇場に「観客の熱」がなければスターは生まれない。温かく、ときに厳しく若い才能たちの芽を摘むことなく応援していくことが大切だろう。


Croise (クロワゼ) Vol.30 2008年 04月号 [雑誌]

Croise (クロワゼ) Vol.30 2008年 04月号 [雑誌]

2008-03-01

[]金森穣が芸術選奨文部科学大臣賞を受賞

快哉を叫びたいニュースが入ってきた。

Noismを率いる金森穣が「平成19年度文化庁芸術選奨文部科学大臣賞」の舞踊部門を授賞した。6年前に第2回朝日舞台芸術賞を受け、その後もいくつか賞を貰ってはいるが、久々の大きな授賞。個人的にも昨年、もっとも活躍したアーティストのひとりであると思っており、各紙誌のアンケート等でも授賞理由となった『PLAY 2 PLAY-干渉する次元』を挙げたが他に入れていた人は少なかった。今年に入って発表されたいくつかの賞でもスルーだったため意外に思っていたが、ここにきて大きな栄誉を得た。

この授賞が凄いのは、新人賞部門ではなく正賞で評価されたこと、そして33歳という受賞年齢である。普通、新進気鋭のアーティストならまず新人賞部門で評価されることが多い。バレエやコンテンポラリーのダンサーなどであれば、20代、30代の人は大抵新人賞に選ばれるだろう。今回の舞踊部門新人賞を受けた山本隆之は35歳での受賞。数年前の熊川哲也や齋藤友佳理、吉田都、下村由理恵などは30台前半、半ばで正賞を得たが別格であろう。振付家となるとさらにキャリアを積んだ人が多く、世界の勅使川原三郎、天児牛大(山海塾)らですら正賞を受けたのは50歳すぎてから。したがって、金森が33歳で賞を得たことは、まさに異例中の異例といえる(ちなみに日本舞踊や古典芸能だと50歳でも洟垂れ小僧扱いが多く、各部門の受賞者の年齢をみても金森の正賞受賞は非常に若い部類に属することがわかる)。

金森とNoismに関しては、作品の水準はもとより、日本初のレジデンシャルダンスカンパニーとしての活動、度重なる海外公演の成果はいくら高く評価してもしすぎることはない。しかし、プロのダンスカンパニーを自治体の支援を受けて運営していくことには多大な苦労があることだろうし、多様なバックグラウンドを持つダンサーたちを受け入れ集団としてまとめていくことも簡単ではないだろう。3年間の延長を受けセカンドステージに入り、来年には新国立劇場主催公演への出演も決まったようだが、ジャーナリズムやファンも「順調」「意欲的」と能天気に褒めて喜んでいればいいわけではない。より安定して活動できるような基盤づくりができるよう後押しし、それに続く存在が生まれるよう支援していくことが必要だ。

ともあれ、今回の金森の授賞は、欧州に学び一線で活動した作家が帰国後、独自の創作を推し進めた成果を顕彰し、改めて世に知らしめた点、そして若いアーティストに希望をあたえるであろう点で意義が深い。成果からして当然のこととはいえ、慣例からすると英断といえる選出。推薦、選考にあたった方々に心から敬意を表したい。

以下、受賞理由。

ダンスの未来へのヴィジョンと、ジャンルを超える大胆なコンテンツは、近年、日本人ダンサーの中にあって群を抜く才能とスケールの大きさを示している。九十年代はヨーロッパでベジャール、キリアンらに付いて実地の修行を重ね、帰国するやその成果を生かして斬新な自作を発表、平成十六年からはこの国で初めての公立劇場専属集団「Noismノイズム」を新潟りゅーとぴあに結成、今年度の二本の創作「PLAY 2 PLAY」、「W-view」においても、振付・演技・演出・制作のすべての点で群を抜くオリジナリティを発揮した。