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2009-01-31

[]ダンス・コミュニティ・フォーラム「We dance」

ダンス・コミュニティ・フォーラム「We dance」

ショーイング/一般公募企画(50分)

●OO(オゥオゥ)『ねじれ』

●CI部(チブ/主宰:宝栄美栄)『/////』

●オドレバ企画 高須賀千江子×山下彩子 出湯尾作品『Un…!』

●森田恭章『AND SO ON』

ショーイング/アーティスト企画プログラム

●黒沢美香『lonely woman』(120分)

●スカンク『振付家、演出家、音楽家、映像作家による共同作業とショーイング』(40分+トーク)

ショーイング/企画室プログラム

●澤田有紀『図』(30分+トーク)

●岡田智代 遠距離交通ダンス『ん、または、す』(30分+トーク)

(2009年1月31日 横浜市開港記念館)

コンテンポラリー・ダンスのアーティストが中心になって企画・制作・運営する新機軸のダンスプロジェクト(主催:Office Dance Project)の初日(2日間開催)。参加費1,999円(1日有効パスポート)でショーイングやワークショップ、トークセッションなどの催しに参加出来る。ダンスを創り、支え、観る人々がともに語り、場を共有できる機会を目指したようだ。レトロな趣たっぷりの開港記念館の各部屋を回りつつバラエティに富んだダンスを楽しめた。なかでもコアなコンポラファン必見だったのが黒沢美香『lonely woman』。私も何度か目にすることの出来た黒沢美香&ダンサーズ「偶然の果実」シリーズ(1990〜2003年)の名物企画「零度のダンス」を発展させたもので、3人づつが横一列に並び30分間踊るというルールのもと行われるダンスバトルである。今回は4組の異色のダンサーたちによるセッションを堪能。ことに黒沢美香、平松み紀、クリタチカコという美香ダンサーズ初期からのメンバーの競演は見ものだった。公募企画では、インプロベースにアグレッシブなダンスを展開したCI部、動きの面白さとアイデアの妙でみせたオドレバ企画が目を惹く。プログラムの合間の時間を潰せる待合室では、気鋭アーティストたちのダンス映像が流され、置きチラシ類も充実。情報収集の場としても有益だった。

「We dance」公式ホームページ:

http://wedance-offsite.blogspot.com/

2009-01-30

[]日本バレエ協会「J.B.A ヤング・バレエ・フェスティバル」

平成20年度文化庁芸術団体人材育成支援事業

日本バレエ協会 第20回「J.B.A ヤング・バレエ・フェスティバル」

●『海賊』より「夢の花園」

原振付:M.プティパ 音楽:A.アダン

再振付:岡本佳津子 バレエ・ミストレス:前田新奈  

監修:小川亜矢子

●『エニワン・エルス・バット・ユー』

振付:石井竜一

ダンスアドバイザー:柳瀬真澄

●『卒業舞踏会』

原振付:D.リシーン 再振付:D.ロング    

指導:早川恵美子 バレエ・ミストレス:竹内祥世  

監修:橋浦勇

指揮:福田一雄 演奏:東京ニューフィルハーモニック管弦楽団

(2009年1月30日 ゆうぽうとホール)

『海賊』より「夢の花園」は2幕のパ・ド・トロワを組み入れ構成したもの。小気味よく超絶技巧をこなした田中りな(メドーラ)、安定感のある中村誠(コンラッド)、端正で完成度の高い技量をみせた碓氷悠太(アリ)が好演していた。ガーランドダンスの群舞も華やか。石井作品は島田衣子、武石光嗣、後藤和雄の中堅どころにベテラン尾本を配し、そこに若い踊り手が絡む。バリー・ルイ・ポリサー他フォークテイストな曲を用いて人物間の機微を描き、石井のセンシティブな感性が感じられた(プログラムの石井の言や使用された曲等から察するにおそらく2007年のアメリカ映画「JUNO/ジュノ」からインスピレーションを受けて創作されたと思われる)。『卒業舞踏会』は女学校の女生徒たちと士官学校の生徒たちの舞踏会の模様を描いた古きよき時代の佳編。老将軍と女学校長との老いらくの恋も微笑ましい。ベテランの堀登、坂本登喜彦を配しつつ若い踊り手からのびやかな演技を引き出していた。古典、創作、近代バレエをバランスよく配し、上り調子の若手たちが大舞台を通して飛躍していく絶好の場となっていた。

2009-01-29

[]レニングラード国立バレエ『ライモンダ』

レニングラード国立バレエ『ライモンダ』(全3幕4場)

音楽:A.グラズノフ

振付:M.プティパ/K.セルゲーエフ/F.ロプホフ

ライモンダ:イリーナ・ペレン

騎士ジャン・ド・ブリエンヌ:アルチョム・プハチョフ

アブデラクマン:ウラジーミル・ツァル

指揮:ミハイル・パブージン レニングラード国立歌劇場管弦楽団

(2009年1月29日 Bunkamuraオーチャードホール)

プティパ最後の傑作と称される『ライモンダ』は第三幕のみ上演されることが多いが、近年ではロシア以外でも多くの団体が全幕上演している。アンナ=マリ・ホームズ版によるアメリカン・バレエ・シアターやキエフ・バレエによる来日上演は記憶に新しい。昨年末にはパリ・オペラ座バレエが本拠地ガルニエでヌレエフ版を上演しており、日本からのファンも多く駆けつけたようだ。国内団体では、昨秋はかって全幕日本初演を果たした牧阿佐美バレヱ団が11年ぶりに再演、2004年に初演された新国立劇場バレエ団の牧阿佐美版は来月早くも再々演を迎える(他に全幕をレパートリーにしているのは名古屋の松岡伶子バレエ団)。グラズノフの珠玉の音楽と突き詰められたダンスの美に接するたびプティパ美学のなんたるかを肌で感じられる。レニングラード国立バレエのバージョンは1幕からとにかくダンスが豊富。ことに第2幕、アブデラクマンの手下たちによるキャラクターダンスは荒々しくもエネルギッシュで多くの喝采を浴びていた。

2009-01-27

[]騎馬スペクタクル ジンガロ『バトゥータ』

騎馬スペクタクル ジンガロ『バトゥータ』

作・演出:バルタバス

演奏:ファンファーレ・シュカール/タラフ・ドゥ・トランシルバニア

(2009年1月27日 木場公園内ジンガロ特設シアター[東京都現代美術館となり])

鬼才・バルタバス率いる騎馬劇団が2005年(『ルンタ』)以来4年ぶりに来日。

前回の来日まで太陽劇団(新国立が呼んだ)と並んで招聘不可能といわれ日本では観られない幻の劇団だったが、近年は映像も結構出ていて、日本と韓国をモチーフにした『エクリプス』含む旧作のDVD-BOXまで出ているようだ。

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2009-01-25

[]黒沢美香&ダンサーズ「家内工場」第四回

黒沢美香&ダンサーズ「家内工場」第四回「事の発端 1月25日」

●桜井祥子『作ることと壊すこと』

出演:桜井祥子(A.Sax)/松田卓久(Pf)

●恩田香『多田様〜浮き世の憂いをも喰って輝く〜』

出演:多田慶子(多田様)/青山貴子/糸山明子/恩田香

●長野れいこ『鍵穴』

出演:黒沢美香

●南呼子/朗読『砂の本』ホルヘ・ルイス・ボルヘス著 篠田一士訳

朗読:南呼子

●恩田香 『赤い女と黒い女』

出演:青山貴子/糸山明子/多田慶子

●木檜朱実『ちぢまる猫と遠くの雪』―ソロバージョン

出演:吉田由紀子

●岸本あずさ『眩しいあさ』

出演:滝口美也子/藤木恵子

●桜井祥子『晴れた日の二度寝は気持ちがいい』

出演/桜井祥子(A.Sax)/松田卓久(Pf)

(2009年1月25日 スタジオクロちゃん)

石井漠の高弟、黒沢輝夫と下田栄子を両親に持つ黒沢美香はかって現代舞踊のコンクールを総なめにし天才少女ともてはやされたという。しかし、1980年代ニューヨークでのポストモダン体験を経てアンダーグラウンドな活動を展開して今日に至っている。いっぽう、石井漠没後40年記念「舞踊道」という企画において黒沢は父と共演して石井漠作品を踊ったこともあった。日本のモダン-コンテンポラリー・ダンスの申し子といえる存在だ。いまやコンテンポラリー・ダンスの第一人者と評されるが、日本の洋舞史の記憶が血となり肉となってその身体の深部にあることは間違いないだろう。今回の公演が行われた綱島は鶴見川の土手に面した稽古場には、黒沢や両親の獲得してきた無数の賞状、賞牌が並ぶ。この稽古場では、長年多くのダンサーたちが修練を重ねてきた。その歴史の重みが濃密に沁みついたような場において初めて創作に挑む6人が思い思いの表現を行った。黒沢もしばしば使うクレイジーケンバンドの「タイガー&ドラゴン」をもちいたグルーヴィーな仕上がりのものや微細なニュアンスと間でみせるデュオなど身体を動かすということ、身体によってどう空間を扱うというかということを真摯に模索したものが並んだ。創作・創造とは、ただ自分の得意技を並べただけのものや何かのコピー&ペーストではなく無から有を生むもの、そして、それを可能にするのは、自己への飽くなき内省あってこそ、とあらためて感じさせられる貴重な時間だった。

2009-01-24

[]谷桃子バレエ団『白鳥の湖』

平成20年度文化芸術振興費補助金(芸術創造活動重点支援事業)

谷桃子バレエ団創立60周年記念公演1『白鳥の湖』(全幕)

芸術監督・再演出・再振付:谷桃子

オデット/オディール:緒方麻衣

ジークフリート王子:三木雄馬

ロットバルト:近藤徹志

指揮:福田一雄 演奏:東京ニューシティ管弦楽団

(2009年1月24日昼 新国立劇場中劇場)

不世出のプリマ、谷桃子は先日めでたく米寿を迎えた。主宰する谷桃子バレエ団もちょうど今年で創立60周年にあたり、2年にわたってカンパニーの代表的なレパートリーを上演する記念シリーズが行われる。その第1弾は『白鳥の湖』全幕。『ジゼル』とともに谷の代名詞ともいえる作品であり、かっては東横ホール等で新春に『白鳥の湖』を上演、オールドファンには年初めの風物詩となっていたというのは有名な話である。

谷版はプティパ/イワノフ版を基本にオディールと王子の死によって至上の愛が結実する幕切れとなっている。ポーズを美しく映えさせる点に振付の特徴があろう。2日間3キャストのうち若手のホープ緒方麻衣&三木雄馬の主演の回を観ることができた。緒方はのびやかで丁寧な踊りと表情豊かな演技に定評がある。オデットでは堅実ながらも淡白な演技に陥ることなく叙情を表現していた。出色がオディールの演技。ヴァリエーション自体の完成度はより高めてほしいけれども、王子を誘惑する視線や仕草がなんとも色っぽく、かつ奔放で、愛の駆け引きを愉しむかのような余裕すら感じさせる。三木雄馬もヴァリエーションにおいてスケールのある踊りを披露し見せ場を創った。

若手の抜擢は時期、タイミングを考え慎重に行わなければならないが、このところ谷バレエ団では攻めの姿勢が感じられる。幅広い世代の個性的なダンサーを多く擁しているのも強みであろう。初夏のクルベリ作品、秋の『ジゼル』と次なる展開が楽しみだ。

2009-01-21

[]レニングラード国立バレエ「ミハイロフスキー劇場ガラ」

レニングラード国立バレエ「ミハイロフスキー劇場ガラ」

第1部

●『眠りの森の美女』よりローズ・アダージョ

音楽:P.チャイコフスキー 振付:M.プティパ

●『人形の精』より

音楽:J.バイヤー  振付:S.レガート、N.レガート

●『ロミオとジュリエット』よりバルコニーの場面

音楽:S.プロコフィエフ 振付:O.ヴィノグラードフ

●『せむしの仔馬』より“海と真珠の踊り”

音楽:C.プーニ 振付:M.メッセレル

●『ドン・キホーテ』よりグラン・パ・ド・ドゥ

音楽:L.ミンクス 振付:M.プティパ

第2部

●『ムーア人のパヴァーヌ』

音楽:H.パーセル 振付:J.リモン

第3部

●『エスメラルダ』より

音楽:C.プーニ 振付:M.プティパ

●『スパルタクス』よりアダージョ

音楽:A.ハチャトゥリアン 振付:G.コフトゥン

●『アダージェット』

音楽:G.マーラー 振付:N.ドルグーシン

●『海賊』第3幕より花園の場&第2幕より

音楽:R.ドリゴ他 振付:M.プティパ/V.チャブキアーニ

出演:レニングラード国立バレエ

指揮:カレン・ドゥルガリアン 演奏:レニングラード国立歌劇場管弦楽団

(2009年1月21日 Bunkamuraオーチャードホール)

庶民的で親しみやすいという劇場のカラーを反映したプログラム。第1部では『人形の精』のような珍しい作品やいかにもロシアらしい演目『せむしの仔馬』より海と真珠が踊られた。第2部の『ムーア人のパヴァーヌ』はシェイクスピア劇「オテロ」の舞踊化でありモダンダンスの古典のひとつ。かってルジマートフとシャルル・ジュドの共演した舞台に感銘を受けた記憶がある。今回は芸術監督であるルジマートフとカンパニーのダンサーが好演していた。第3部ではルジマートフによる入魂のソロ『アダージェット』や昨年初演され海外ツアーでも上演している『スパルタクス』からの抜粋など。最後は『海賊』の3幕「花園の場」と第2幕のパ・ド・ドゥをミックスして上演した。メドーラとアリがそれぞれ3人ずつキャスティングされ、3人メドーラによるフェッテ競争や3人アリによるコーダでのピルエットなど祝祭的に盛り上げた。サプライズがルジマートフがアリ役のひとりとして登場したこと。ヴァリエーションで軽やかな跳躍をみせ、コーダでも他の2人のアリとともにピルエットを披露した。ヴァリエーションを終え、立ち上がって舞台袖にはけるところでよろめいたのもご愛敬。孤高のアーティストでありながら観客のこころをつかむマジカルな才能を兼ね備えるルジマートフのまさに面目躍如というところであった。

2009-01-20

[]平成20年度文化庁芸術団体人材育成支援事業「現代舞踊公演」

平成20年度文化庁芸術団体人材育成支援事業

「現代舞踊公演」

●中村隆彦『みんな何処へ・・・行進曲』

●鍵田真由美・佐藤浩希『愛と犠牲』

●西田堯『野宴 イーハトーボの四季』

(2009年1月20日 新国立劇場中劇場)

バレエマニアには見逃せない「奇才コルプの世界」もあったのだがフラメンコが観たかったこともありこちらに足を運ぶ。中村作品は「トルコ行進曲」や「G線上のアリア」等ポピュラーな曲を使用、コミカルで親しみやすいダンスのなかに寂しさや人生の哀歓を漂わせる。“おもしろうてやがてかなしき”世界。中村はイベントの振付も手がけ、バレエの松崎すみ子作品に出たりと活躍は多岐にわたる(かって伊藤キムも中村とともに活動していた)。異能の才人である。鍵田・佐藤は洗練されたストイックなフラメンコというよりもいい意味での荒々しさ、原始的なエネルギーを前面に押し出したフラメンコを展開するのが持ち味。荒削りな面があっても有無を言わさぬ説得力がある。西田作品は春夏秋冬折々の自然や風景に息づく踊りをじっくりとみせるものだった。

2009-01-17

[]日本バレエ協会関東ブロック神奈川支部『白鳥の湖』

日本バレエ協会関東ブロック神奈川支部

第26回自主公演『白鳥の湖』(全幕)

演出・再振付:夏山周久

王子:青木崇(大阪バレエカンパニー)

オデット/オディール:大滝よう(東京バレエグループ)

ロットバルト:小林洋壱(東京シティ・バレエ団)

指揮:堤俊作 演奏:俊友会管弦楽団

(2009年1月17日 神奈川県民ホール)

日本バレエ協会関東ブロック神奈川支部の自主公演ではこのところ古典全幕を取り上げている。今回は元東京バレエ団プリンシパルで現在は関西を中心に活動している夏山周久を招き『白鳥の湖』を上演した。ゴールスキー版に典拠した演出。第4幕は王子がロットバルトを倒しオデットと結ばれるハッピーエンドであるがドラマティックな仕上がりだった。王子役は若手のホープ青木崇。関西の踊り手だがこのところ首都圏でも踊る機会も増えてきつつある。力感あふれる踊り、抜群のテクニックに加え王子らしいマナーのよさも増してきたように思われた。オデット/オディールは神奈川出身で海外経験もある大滝よう。手堅く二役を踊り分け主役の任を無事に果たしていた。舞台装置も本格的で照明(足立恒)は超一流。堤俊作指揮による俊友会の生演奏も定着している。合同公演でありながら贅沢でまとまりのいいグランドバレエに仕上がっていた。

[]劇的舞踊集団Kyu『竜馬と幕末サラリーマン』

劇的舞踊集団Kyu『竜馬と幕末サラリーマン』

演出・振付:劇的舞踊集団Kyu

出演:堀内充/膳亀利次郎/西川箕乃助/箆津弘順/高谷大一/佐藤一哉/清水フミヒト(出張中)/古賀豊/上田遥/金田あゆ子(ゲスト)/大前雅信(派遣社員)/大前裕太郎(アルバイト)

パーカッション:上田樹

(2009年1月17日 横浜赤レンガ倉庫1号館3Fホール)

2009-01-14

[]第8回朝日舞台芸術賞の選考結果について

第8回朝日舞台芸術賞の受賞作、受賞者が8日発表された。

■グランプリ(年間のベストステージに対して)

・ 『焼肉ドラゴン』

■アーティスト賞(最も活躍がめざましかった個人・団体に対して)

・平幹二朗(『リア王』『山の巨人たち』の演技)

・松本雄吉(『呼吸機械』作・演出)

■舞踊賞(年間で最も優れたダンスパフォーマンスに対して)

・Noism08(『Nameless Hands〜人形の家』の舞台成果)

■寺山修司賞(故寺山修司の業績を記念し、将来が嘱望される新鋭で清新さあふれる個人・団体に対して)

・栗田桃子(『父と暮せば』の演技)

■秋元松代賞(故秋元松代の業績を記念し、演劇を対象に芸術性と娯楽性を兼ね備えた作品・個人・団体に対して)

・市村正親(『キーン』『ラ・カージュ・オ・フォール』の演技)

■キリンダンスサポート(受賞対象のダンス作品の中から、原則1年以内の受賞作の再演をキリンビールホールディングス株式会社が支援)

・Noism08

前回まで「舞台芸術賞」として選ばれていた5件ほどを「アーティスト賞」として2件までに精選、新たに「舞踊賞」を設けたのが新機軸。舞踊関連ではNoismの新作が受賞した。上半期の段階でノミネートされていた『空白に落ちた男』、小島章司『越境者』や酒井はな(『カルメンby石井潤』)も捨てがたいが、Noism08『Nameless Hands〜人形の家』が「舞踊賞」に選ばれたのは納得。選評を読むと最終的には舞踊関連では新国立劇場バレエ団『アラジン』、バレエノア『紙ひこうき』も最終候補に挙がったようだ。

※朝日舞台芸術賞 ホームページ

http://www.asahi.com/shimbun/award/stage/index.html

2009-01-12

[]新国立劇場地域招聘公演/法村友井バレエ団『アンナ・カレーニナ』

平成20年度新国立劇場地域招聘公演

法村友井バレエ団『アンナ・カレーニナ』

振付・演出:アンドレ・プロコフスキー

衣装・美術デザイン・ピーター・ファーマー

アンナ・カレーニナ:高田万里

ウロンスキー伯爵:ワディム・ソロマハ

アレクセイ・カレーニン:柴田英悟

指揮:堤 俊作 演奏:ロイヤルメトロポリタン管弦楽団

(2009年1月12日 新国立劇場中劇場)

2009-01-11

[]新国立劇場地域招聘公演/法村友井バレエ団『アンナ・カレーニナ』

平成20年度新国立劇場地域招聘公演

法村友井バレエ団『アンナ・カレーニナ』

振付・演出:アンドレ・プロコフスキー

衣装・美術デザイン・ピーター・ファーマー

アンナ・カレーニナ:法村珠里

ウロンスキー伯爵:ヤロスラフ・サレンコ

アレクセイ・カレーニン:柴田英悟

指揮:堤 俊作 演奏:ロイヤルメトロポリタン管弦楽団

(2009年1月11日 新国立劇場中劇場)

2009-01-10

[]ダンスカンパニーカレイドスコープ「PROJECT KALEIDO vol.2」Program[b]

平成20年度文化芸術振興費補助金(芸術創造活動重点支援事業)

ダンスカンパニーカレイドスコープ

「PROJECT KALEIDO vol.2」Program[b]

演出・振付:二見一幸

●『Space of Remain-残りの空間-』

●『A lively step』

●『KEISOU-景相-』

●『Passing measures』

(2009年1月10日 横浜赤レンガ倉庫1号館3Fホール)

『A lively step』を除いて新作。二見一幸の旺盛な創作力に驚かされる。二見のミューズ田保知里のためのソロ『Space of Remain-残りの空間-』は照明と空間、身体のあいだに生起する関係がスリリングな秀作。『KEISOU-景相-』では中村真知子が流動感のある絶妙のダンスをみせて二見振付の妙味を存分に体現していた。詳細は後日。

※「オン・ステージ新聞」にてレビュー。

[]新上裕也DANCE SHOWCASE『ZOO』

新上裕也DANCE SHOWCASE『ZOO』

出演・演出・振付:新上裕也

出演・振付・鈴木陽平

出演:山田海蜂/浜手綾子/大真みらん/八子真寿美/池田美佳/森田淑子/本田香織/黒川千鶴 他

(2009年1月10日 青山ベルコモンズ9Fクレイドルホール)

ダンサー・振付家として多方面で活躍、演出も手がける異才・新上裕也の自主公演が行われた。新体操出身の山田海峰、ライブ活動や各種パフォーマンスに登場する鈴木陽平、現代舞踊界の若手で注目される池田美佳ら個性豊かなダンサーが集っている。冒頭から息つく間もない激しいダンスが展開されフィジカルな興奮を感じることができた。いっぽうで若い踊り手たちの繊細でやさしい感性を活かした景も。新上の美意識がダンサーの肉体を通して鮮やかに浮かび上がっていた。

2009-01-09

[]東京バレエ団・ウラジーミル・マラーホフ振付『眠れる森の美女』

平成20年度文化芸術振興費補助金(芸術創造活動重点支援事業)

2009 都民芸術フェスティバル助成公演

チャイコフスキー記念東京バレエ団『眠れる森の美女』

演出・振付:ウラジーミル・マラーホフ/マリウス・プティパ

オーロラ姫:吉岡美佳

デジレ王子:後藤晴雄

リラの精:田中結子

カラボス:ウラジーミル・マラーホフ

指揮:デヴィッド・ガーフォース

演奏:東京シティ・フィルハーモニック管弦楽団

(2009年1月9日 東京文化会館)

2009-01-08

[]東京バレエ団・ウラジーミル・マラーホフ振付『眠れる森の美女』

平成20年度文化芸術振興費補助金(芸術創造活動重点支援事業)

2009 都民芸術フェスティバル助成公演

チャイコフスキー記念東京バレエ団『眠れる森の美女』

演出・振付:ウラジーミル・マラーホフ/マリウス・プティパ

オーロラ姫:ディアナ・ヴィシニョーワ

デジレ王子:ウラジーミル・マラーホフ

リラの精:上野水香

カラボス:高岸直樹

指揮:デヴィッド・ガーフォース

演奏:東京シティ・フィルハーモニック管弦楽団

(2009年1月8日 東京文化会館)

2006年に初演されたマラーホフ版「眠り」が再演された。全編まさに“薔薇づくし”。薔薇が咲き誇る城の中庭ですべてが展開され、オーロラも紡ぎ糸でなく薔薇の棘に刺さって命を落としそうになる。プロローグと1幕の間を「パノラマ」の曲でつなぎオーロラの成長をみせ2幕幻影の場は短め。スピーディーな展開による現代的なファンタジーとして優れている。東京バレエ団初演時は吉岡美佳とマラーホフ主演だったが今回はヴィシニョーワとマラーホフ。お互いが触れ合わない場でも互いが空気を共有しているかのような親密なパートナーシップを堪能できた。リラの精の上野水香も適役で堂々とした存在感。ソリストではカナリアの精を伸びやかなラインと抜群の安定感で踊りこなした佐伯知香がすばらしい。このところの活躍ぶりは目覚しく(『ジゼル』のペザントや『ザ・カブキ』のお軽など)、どんな小さな役でもキラリと光るものをみせている。主役デビュー前の小出領子を思い出す。そろそろ次の段階、主役級を踊ってもいいのでは・・・。

2009-01-07

[]レニングラード国立バレエ『ジゼル』

レニングラード国立バレエ―ミハイロフスキー劇場―『ジゼル』

振付:J.コラーリ/J.ペロー/M.プティパ

改訂演出:N.ドルグーシン

ジゼル:草刈民代

アルベルト:イーゴリ・コルプ

ミルタ:ヴィクトリア・クテポワ

森番ハンス:アレクサンドル・オマール

指揮:カレン・ドゥルガリヤン

演奏:レニングラード国立歌劇場管弦楽団

(2009年1月7日 Bunkamuraオーチャードホール)

草刈民代が踊る最後の古典全幕公演(本当の最終公演は月末の横浜)。草刈はドラマティックなバレリーナである。プティ版『カルメン』やチューダー『リラの園』の演技が印象に残っている。今回は1幕狂乱の場で鬼気迫る演技をみせ、2幕のウィリーになってからの踊りではトウシューズの音を立てないようにするというプロ意識の高さが感じられた(これを出来てないひとが内外問わず著名プリマにも多い)。引退に際してのインタビュー等を読むとバレエへの真摯な思いが感じられる。愛知万博や「ソワレ」等でプロデュース能力を発揮してきたが、プロデュース業は「まだ自分には難しい」と謙虚に語っていた。引退後は女優業に進むようだが、高いスター性とプロデュース力を生かして後進をバックアップし、バレエの普及につとめてくれるのであれば歓迎すべきだろう。

2009-01-05

[]新国立劇場「ニューイヤーオペラパレスガラ」

新国立劇場オペラ・バレエ

「ニューイヤーオペラパレスガラ」

第1部(バレエ)

ドン・キホーテ」より第3幕

キトリ:寺島ひろみ

バジル:山本隆之

第1ヴァリエーション:川村真樹

第2ヴァリエーション:厚木三杏

第2部(オペラ)

ヴェルディ『ナブッコ』より 序曲

ヴェルディ『イル・トロヴァトーレ』より「静かな夜」

ヴェルディ『オテロ』より

「喜びの炎よ」

「すでに夜も更けた」

「無慈悲な神の命ずるままに」

レオンカヴァッロ『道化師』より「衣裳をつけろ」

マスカーニ『カヴァレリア・ルスティカーナ』より間奏曲

プッチーニ『トスカ』より

「妙なる調和」

「テ・デウム」

「歌に生き、恋に生き」

「星は光りぬ」

セレーナ・ファルノッキア(ソプラノ)

木下美穂子(ソプラノ)

ジュゼッペ・ジャコミーニ(テノール)

市原多朗(テノール)

直野 資(バリトン)

新国立劇場合唱団

指揮:渡邊一正(バレエ)/菊池彦典(オペラ)

演奏:新日本フィルハーモニー交響楽団

(2009年1月5日 新国立劇場オペラ劇場)

『ドン・キホーテ』のグラン・パ・ド・ドゥは寺島ひろみ&山本隆之が踊った。2日目は本島美和&芳賀望が予定されている。昨年は新鋭・小野絢子の主役デビューが大きな話題になったが、小野よりも上の世代に当る寺島、本島は着実に古典の主演を重ねてきた。酒井はなに次ぐ劇場の顔として期待されているのが今回のキャスティングからも感じられる。詳細な配役表の配布も掲示もなかったがヴァリエーションを踊った2人はすぐにわかった。ベテランの厚木はパを卒なくこなすだけでなくしっかり自分の解釈をもって微細なニュアンスを表現できる踊り手。この劇場で以前踊った『ドン・キホーテ』のタイトル・ロールに深く感動した覚えがある。テクニックの誇示に終わることなく音楽的な解釈を持った奥行きある踊り。この日もその実力を十分に披露してくれたように思う。第2部のオペラはイタリアオペラの名曲集。『オテロ』と『トスカ』が軸だった。アンコールの最後にはフィギュアスケートの荒川静香の演技とともに人口に膾炙した「誰も寝てはならぬ」(プッチーニ『トゥーランドット』より)が歌われ会場は盛り上がりを見せていた。