劇評コンペについて

先日幕を下ろしたフェスティバル/トーキョーでは、内外の演劇・ダンスを上演するのみならず、それらを鑑賞する観客側の批評活動にも目を向けているようです。広く一般から劇評を公募し、web上で随時発表していく劇評コンペを行いました。“次代を担う劇評家・批評家の発掘・育成を目的として、応募いただいた劇評の中から優秀作品を選定し、プロの書き手への第一歩を応援します”と謳っています。
F/T09秋関連企画 劇評コンペ優秀賞発表
http://festival-tokyo.jp/gekihyo/2009/12/ft09.html
F/T劇評コンペ  F/T Stage Review Competition
http://festival-tokyo.jp/special/ft-ft-stage-review-competition/
ダンスもそうですが商業媒体で公演評や評論を発表する場は限られています。プレビューやインタビュー記事を中心とした媒体もそうですが、日刊紙や専門媒体に若い書き手が食い込むのは特に難しい。AICTの発行する「シアターアーツ」が若手の公募原稿を受け付けており、現在、公募の演劇・ダンス評論の発表の場はここくらいのものでしょう。ただ、それにしろ、フェスティバル/トーキョーの公募にしろ、字数が多い。現実的に日本の商業メディアで3,000字を要求されることはまずありません。短いものを書くほうが難しいと経験上痛感します。実戦力は実践でしか養えないと思いますが、書きたいことが溢れる活きのいい評論がどんどん出てきてほしいですし(それにはある程度の字数が必要ということでしょう)、それがシーンを活性化させると信じているので。