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ダンスの海へ 舞踊評論家・高橋森彦のblog このページをアンテナに追加 RSSフィード

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2009-12-30

[]2009舞踊回顧

今年もたくさんの公演が行われました。バレエ、コンテンポラリー・ダンス中心に観ましたが、質的に高いものが散見され鑑賞者としてうれしい限り。東京/関東圏では多様多彩な公演が連日あり、創作作品のバラエティの豊かさはなかなかのもの。関西や名古屋等で観る機会を得たバレエ・ダンスにも実り豊かなものがありました。「事業仕分け」による文化予算の削減が舞台芸術界に激震を与えましたが、創造活動とともに芸術の力を社会の多くの人にアピールしていくことがより求められます。

年間回顧として細かに書いてもいいのですが、自己満足の開陳を目的としないので、フォローしていない分野等はあまり触れません。つらつらと個人・団体名を列挙したり、舞踊界ベストなどと1個人で1番から10番までみたいな順位付けするような不遜(かどうかわかりませんがそうとられても仕方ない)なこともしません。とはいえ、国内公演のうち36公演を感動した、印象に残るあるいは興奮したものとしてあげておきます。年間観劇公演数は明らかにしませんが、かなりな上澄み部分の数になります。無論、ここで挙げた以外に感激した舞台はありますし、公演単位で選んだため名を挙げられないものもあることを付記しておきましょう(例えば内田香による奇跡的名演『flowers』)。

バレエ系が少ないのが意外ですが、やはり個人的には創作ものに惹かれるというのがあります。クラシック/古典のバレエ全幕ものでは東京バレエ団『ラ・バヤデール』、法村友井バレエ団『エスメラルダ』、貞松・浜田バレエ団『ジゼル』の入念な仕上げが際立っているように感じましたし素直に感動しました。Kバレエカンパニー『ロミオとジュリエット』も話題を呼び、実際見ごたえ十分で高評価を受けました。ウエストモーランド版を改定した牧阿佐美バレヱ団『白鳥の湖』も特筆すべき。旧来の版のよさを残しつつ踊りの見せ場豊富に層の厚い団員の力を引き出した優れたプロダクションでしょう。芸術性とカンパニーの発展に耐えカンパニーの将来を約束するに足るもの。未来を内包している。古典を受け継ぎ未来へ繋げる大切さを任じる見識が強く感じられました。海外作品の受容では、これまでのように貴重なレパートリーを紹介してくれたというだけで賞賛されるような時代は過ぎ、上演水準が厳しく問われるべき。現況は甘いのでは。そんななか、東京バレエ団のマカロワ、ベジャール作品、谷桃子バレエ団のクルベリ作品、牧阿佐美バレヱ団のアシュトン作品、貞松・浜田バレエ団のキリアン&ナハリン作品などは上々の出来。NBAバレエ団によるニジンスカ『レ・ビッシュ』日本初演もパリ・オペラ座の客演も得て充実した仕上がり。観られて心からありがたく思いました。

邦人バレエ創作やモダン/コンテほかもさまざまの佳作がありました。個々に触れていてはきりがないので端折りますが、女性振付者の活躍が目覚しい印象。平山素子、キミホ・ハルバート、黒田育世ら気鋭若手が進境をみせました。その下の世代も出てきています。そして、秋に続けてみたフラメンコ系の舞台に心揺さぶられました。順位付けしないといっておきながらなんですが、ベスト1はNoism1『Nameless Poison〜黒衣の僧』。不定形な面白さ・刺激性に加え完成度も高い。個人的には金森穣の現時点でベスト。いつも最新作がもっとも刺激的という稀有なアーティストと同時代を生きていることに喜びを感じます。巨匠の勅使川原三郎作品は高評価を受け、完成度の高さは疑うべくもありませんが、大資本や大劇場での創作よりも若手の気鋭の名を上げたくここではパスしました。金森、平山作品も悩みましたが新国立劇場制作ではない舞台をあげておきます。そんななか個人での着実な活動を続けてきた大ベテランたち、佐多達枝のO.F.C合唱舞踊劇『ヨハネ受難曲』、小島章司の『ラ・セレスティーナ〜3人のパブロ』に激しく心揺さぶられました。佐多は合唱と管弦楽と舞踊を融合させ新しい舞台表現を模索しかなりな水準で成功を収めたと思います。小島もハビエル・ラトーレとともにドラマティック・フラメンコの極めつけといえるような作品を作り、フラメンコ舞踊のみならず舞踊史に残る名舞台に。ともによりパワーアップした再演を楽しみにしたいところ。

2009年 印象に残る公演36(国内公演・公演日順)

ユニット・キミホ『White Fields』

(2月1日 青山円形劇場)

NBAバレエ団「BALLET RUSSES GALA」(「レ・ビッシュ」他)

(2月20日 ゆうぽうとホール)

酒井幸菜×ウィスット・ポンニミット『ダマンガス!!』

(2月28日 川崎市アートセンター)

The Ground Breaking 2009・梅田宏明/S20 新作公演

(3月20日 横浜赤レンガ倉庫1号館)

川口節子バレエ団・川口節子舞踊作品集「舞浪漫2009」(「イエルマ」他)

(3月29日 愛知県芸術劇場)

ダンスカンパニーカレイドスコープ「Dance Gathering Performance」

(5月13、14日 北沢タウンホール)

ミクニヤナイハラプロジェクト『五人姉妹』

(6月25日 吉祥寺シアター)

O.F.C合唱舞踊劇『ヨハネ受難曲』

(7月4、5日 すみだトリフォニーホール)

谷桃子バレエ団『ロミオとジュリエット』『令嬢ジュリー』

(7月5日 新国立劇場中劇場)

千日前青空ダンス倶楽部『アカイノノハナ』

(7月18日 精華小劇場)

金魚(鈴木ユキオ)『言葉の縁』

(7月24日 シアタートラム)

Monochrome Circus+じゅんじゅんSCIENCE『D_E_S_K』

(7月25日 こまばアゴラ劇場)

MOKK LABO#5『古民家』

(8月1日 奈良県五條市「新町通り」古民家内)

第20回清里フィールドバレエ『白鳥の湖』

(8月5日 清里高原「萌木の村」野外特設劇場)

BABY-Q『[リゾーム的]なM』

(8月9日 吉祥寺シアター)

ケイ・タケイ’s ムービングアース・オリエントスフィア・LIGHT, Part 7『Diary of the field―創作畑の日記』

(8月21日 スタジオ・ムービングアース)

ARTE Y SOLERAdesnudo Flamenco live Vol.3「小島章司 魂の贈り物」

(8月26日 ムジカーサ)

「dancetoday2009」

(9月11日 彩の国さいたま芸術劇場小ホール)

山口華子ダンスパフォーマンス『décalcomanie』

(9月15日 Super Deluxe)

東京バレエ団『ラ・バヤデール』

(9月25日 東京文化会館)

貞松・浜田バレエ団『ジゼル』

(9月27日 尼崎アルカイックホール)

貞松・浜田バレエ団「創作リサイタル21」(「6DANCES」「BLACK MILK」他)

(10月10日 神戸文化中ホール)

Kバレエカンパニー『ロミオとジュリエット』

(10月15日 Bunkamuraオーチャードホール、11月7日 東京文化会館)

牧阿佐美バレヱ団『白鳥の湖』

(10月24日 ゆうぽうとホール、11月28日 藤沢市民会館)

入交恒子CONCIERTO FLAMENCO Vol.11『La Luna de Andalucia(アンダルシアの月)』

(10月24日 草月ホール)

東京小牧バレエ団「バレエ・リュス100年に捧ぐ」

(10月25日 新宿文化センター大ホール)

石井智子フラメンコ公演『EL COMPAS エル・コンパス』

(10月29日 新宿文化センター)

法村友井バレエ団『エスメラルダ』

(11月5日 大阪厚生年金会館)

高襟『浮気姉妹』

(11月9日 Dance Studio UNO)

BATIK『花は流れて時は固まる』

(11月17日 にしすがも創造舎)

第十四回『蘭黄の会』(特に「禍神」)

(11月25日 国立劇場小劇場)

小島章司フラメンコ2009『ラ・セレスティーナ〜3人のパブロ』

(11月29日 ル・テアトル銀座)

黒沢美香&ダンサーズ『jazzzzzzzz-dance』

(11月30日 こまばアゴラ劇場)

文化庁芸術団体人材育成支援事業「現代舞踊公演」

(12月15日 新国立劇場小劇場)

平山素子新作ソロ公演『After the lunar eclipse/月食のあと』

(12月19日 愛知県芸術劇場小ホール)

Noism1『Nameless Poison〜黒衣の僧』

(12月24日 愛知県芸術劇場小ホール)