Hatena::ブログ(Diary)

ダンスの海へ 舞踊評論家・高橋森彦のblog このページをアンテナに追加 RSSフィード

2006010203040506070809101112
2007010203040506070809101112
2008010203040506070809101112
2009010203040506070809101112
2010010203040506070809101112
2011010203040506070809101112
20120102030405060708091112
201301020304050607091011
20140102040508
201506070809

2010-09-29

[][] 三池崇史監督映画の振付等について

先日行われたベネチア国際映画祭のコンペティション部門に出品され、惜しくも賞は逃したものの地元メディア等で好評を博したと報じられたのが三池崇史監督の時代劇映画「十三人の刺客」。これは東映京都撮影所の製作、工藤栄一監督・片岡千恵蔵主演により1963年に公開された時代劇映画の名作のリメイクである。三池監督が役所広司や稲垣吾郎はじめオールスターキャストで撮りあげヒットしているようだ。

ところで、三池監督といえば、いま最も乗っている映画監督。メジャー/非メジャー囚われず、多作でジャンルにとらわれない作品を手掛けているだけに、キャストやスタッフの顔ぶれも多彩。ダンス関係でいえば、3年前、「十三人の刺客」同様にベネチアのコンペに出品された異色西部劇「スキヤキ・ウエスタン ジャンゴ」の振付にBATIKを主宰する黒田育世が参加している。さらに、黒田とはファニーな快作「私の恋人」シリーズで共演しているコンドルズ主宰の近藤良平は、三池映画ではミュージカル仕立てのホームドラマ「カタクリ家の幸福」、ジャニーズの桜井翔主演のヒット作「ヤッターマン」に振付けで参加。他にも、「横浜ダンスコレクション」等で活躍し、現在は音楽座ミュージカルの振付等を手掛ける杏奈も三池監督の短編映画「box」の振付を手掛けている。

この頃は、映画・テレビやCM、演劇やミュージカルといった分野でコンテンポラリー・ダンスの振付家やダンサーが活躍する機会が増えてきた。三池監督の映画での黒田や近藤の活躍はその最たるもの。黒田など今年、予想外の大ヒットを記録し映画賞レースの有力候補に上るといわれている中島哲也監督「告白」でもキーパーソンとなる役柄で出演を果たした。こういった場が広がってきたのは、関係者の努力とアピールによって社会的認知を得たのと、メディアやジャーナリズムの後押し、たとえば乗越たかお氏の「コンテンポラリーダンス徹底ガイド」刊行や演劇誌等への紹介を行ってきたライターの方の仕事も大きいかと思う。アーティスティックな活動を基盤に置きつつさまざまのメディアに進出していくことは大切(無論、安易に消費されないようにしなければならないが)。ダンスをめぐる諸状況がより良く改善されていく糸口になればと願っている。

【関連記事】

中島哲也監督「告白」に黒田育世が出演!

http://d.hatena.ne.jp/dance300/20100615/p1



カタクリ家の幸福 [DVD]

カタクリ家の幸福 [DVD]


コンテンポラリー・ダンス徹底ガイド HYPER

コンテンポラリー・ダンス徹底ガイド HYPER

2010-09-26

[][][][]ヤン・ファーブル、貞松・浜田バレエ団、モノクロームサーカス×服部滋樹(graf)、日本舞踊 五耀會、チェルフィッチュ

9/23(木・祝)〜25(土)までの3日間は関西・中国方面に取材出張&観劇に出ていた。改めて触れる機会もあるかもしれないので、ここでは簡単な報告のみ。

23日はまず兵庫・伊丹アイホールにてヤン・ファーブル『Another Sleepy Dusty Delta Day〜またもけだるい灰色のデルタデー』。先週「あいちトリエンナーレ2010」で3日間上演され東京からも多くの関係者やファンが足を運んだようだが、スケジュールの都合上、伊丹で観ることになった。ファーブルが最愛の母と愛する妻へのオマージュとして制作したという女性ソロ・ダンス。踊るのは日本公演に向けて新たにキャスティングされたというアルテミス・スタヴリディだった。ファーブルの信者は満足したのではないか。

NTFI ANOTHER SLEEPY DUSTY DELTA DAY

D

ファーブル公演終演後、尼崎のアルカイックホールへ。神戸を拠点に精力的に活動し水準の高い上演に定評ある貞松・浜田バレエ団のアルカイック定期公演第6回目となる『ドン・キホーテ』全幕を観る。キトリ役に期待のホープ廣岡奈美を抜擢。ここのバージョンは、ボリショイ経由のプティパ/ゴルスキー版をニコライ・フョードロフが改訂したもの。士気高くなかなか活気にあふれた舞台を楽しむ。

貞松・浜田バレエ団「ドン・キホーテ」DON QUIXOTE

D

24日は朝早くから岡山は宇野港から香川の直島にフェリーで移動、瀬戸内国際芸術祭2010へ。1日しか時間が取れないため直島のイベントや展示しか見られなかったが地中美術館はじめベネッセアートサイトや本村地区を中心に効率よく各スポットを回る。

          f:id:dance300:20100924104926j:image

          f:id:dance300:20100924110322j:image

          f:id:dance300:20100924133446j:image

お目当てはモノクロームサーカス×服部滋樹「直島劇場」。同島の本村地区をまるごと劇場化するサイトスペシフィックなダンス・パフォーマンスという触れ込みだ。診療所、古民家、桟橋というメイン会場のほか路地等で散発的にさまざまのパフォーマンスが繰り広げられた。島の日常の風景のなかにダンサーたちの身体が溶け合い、新たな光景を生み出していくのを追いかける。日常と非日常の境界が定かでなくなる。歴史ある街並み、海と緑に囲まれた豊かな自然のなかで贅沢な時間に浸りきることができた。

          f:id:dance300:20100924150755j:image

          f:id:dance300:20100924152626j:image

          f:id:dance300:20100924161434j:image

          f:id:dance300:20100924165546j:image

          f:id:dance300:20100924173713j:image

25日はマチネに大阪・難波にある松竹座にて五耀會の第4回公演を観る。日本舞踊を舞台芸術・鑑賞対象として今の観客に届けたいという想いから結成された日本舞踊界を代表する中堅実力者5人(西川箕乃助、花柳寿楽、花柳基、藤間蘭黄、山村若)による会だ。昨年の5月に同劇場で旗揚げをしており、東京での2回の公演を経ての凱旋となった。『連獅子』『瓢箪鯰(ひょうたんなまず)』『忍夜恋曲者』『七福神船出勝鬨』と古典と創作を織り交ぜた多彩かつ意欲的な構成が光る。葛西聖治(アナウンサー)の解説トークも絶妙で初心者にも優しく日舞の魅力を伝える。メンバーが語るところによると、来年5月に東京公演(2日間)が決定したとのこと。さらなる躍進に期待したい。

          f:id:dance300:20100925152639j:image

五耀會の終演後は名古屋へ急行して「あいちトリエンナーレ2010」のパフォーミングアーツ部門参加のチェルフィッチュ『私たちは無傷な他人である』。今年、2、3月に行われた『私たちは無傷な他人であるのか?』と大枠では変わらないが練り上げた新作で今回が世界初演となる。シンプルな構成、堂々巡りとも評される独特な展開のなかに「幸福ってなんだろう?」と問いかけ、現在の日本の社会の深層に潜む問題を浮き彫りにする。俳優たちが他の人物の代理として語り・動くといった手法を突き詰める。劇作家・演出家:岡田利規の、歩みを止めない、つねに先を行く創作姿勢が際立っていた。

あいちトリエンナーレ2010パフォミングアーツ作家紹介

   D

久々に3日間の遠征をしたけれども、できれば26日に名古屋でのバレエ公演を観たかったし、他にも「あいちトリエンナーレ2010」関連のイベントもチェックしたかった。が、時間的・物理的理由から断念した。とはいえ、バレエ、コンテンポラリー、日舞、演劇とバラエティ豊かかつ充実した公演に相次いで接することができ有意義であった。

2010-09-22

[]文化庁からの支援金等の適正な使用について

文化庁からの支援金を不正に受給していた団体があったというニュースが先日報じられた。それに対して文化庁では、芸術団体等に対して支援金等の適正な使用及び不正行為等を行った芸術団体等の応募制限を定めたことを通知した。

文化庁からの支援金等の適正な使用について

http://www.bunka.go.jp/geijutsu_bunka/josei/shienkin_shiyou.html

文化庁ホームページにはこう記されている。“不正行為は、芸術団体等全般に対する国民の期待や信頼を失わせ、ひいては文化芸術への支援等の在り方まで問われかねません。支援金等は国民の貴重な税金です。適正な使用をお願いします”

わが国では、欧米等に比較して支援体制や支給金額の脆弱さが指摘されるものの公・民合わせかなりな金額の助成金が芸術文化のために投じられている。文化庁絡みでは、どこの団体にいくら支給されたかに関して、本年度からは従来からの日本芸術文化振興会の芸術文化振興基金に加え重点支援事業(文化芸術振興費補助金)に対しても支給予定額が採択決定発表時に公表されるようになるなどガラス張りになりつつある。この流れでは、何にいくら使われたかもより具体的に追及されていくようになるのも致し方ないのだろう。いずれにせよ助成金の適切な活用を望みたいところ。

2010-09-19

[]伊東豊雄の高松宮殿下記念世界文化賞受賞と山崎広太『Choron』(2001年)など

先日、第22回高松宮殿下記念世界文化賞の受賞者が発表された。建築部門には伊東豊雄が選ばれた。伊東は1970年代から実験的な建築を手掛けてきており、その仕事にはつねに都市や消費社会への批評眼が注がれてきたといわれる。舞台芸術関係でも、まつもと市民芸術館や最近開場した座・高円寺などの設計を担当している。

伊東の手掛けた舞台美術では、1990年代半ばからコンテンポラリー・ダンスを牽引してきた山崎広太との協同作業が知られよう。2001年に上演された『HYPER BALLAD』と『Choron』。ことに後者は勅使川原三郎の『Luminous』(2001年3月初演)と並んでゼロ年代のコンテンポラリー・ダンスの幕開けを飾った記念碑的作品として再評価されていいと思う。その後シーンを大きく担っていく平山素子、島田衣子をはじめ新潟発Noismを経てフォーサイス・カンパニーに入った島地保武やバレエ系の振付家として売り出し中の井口裕之らが出ていたという意味でもすごい公演だったと思う。山崎やベテランの大久保裕子、佐々木想美らも含めた彼らの激しいダンスの応酬が、伊東の生み出したシルバーに輝くアルミ壁の装置と足立恒の繊細な照明のなかで化学反応を生み、昇華され、興奮とカタルシスをもたらした。忘れがたい舞台だった。

高松宮殿下記念世界文化賞は5部門に分かれている。今年は女優のソフィア・ローレンの受賞した演劇・映像部門のうち舞踊関係では、かつてピナ・バウシュ、マース・カニングハム、マイヤ・プリセツカヤが受賞している。しかし、バウシュとカニングハムは鬼籍に入ってしまった。今後、舞踊関係の受賞も増えていくことを期待したい。

新建築NEWS 第22回高松宮殿下記念世界文化賞 伊東豊雄氏受賞

D


伊東豊雄読本〈2010〉

伊東豊雄読本〈2010〉


NA建築家シリーズ01 伊東豊雄

NA建築家シリーズ01 伊東豊雄

2010-09-15

[]2010年9月中旬〜10月中旬

★注意事項★

■原則首都圏の洋舞(バレエ、コンテンポラリー・ダンス、フラメンコ、現代舞踊等)の主なる&見逃せない公演をフォロー。不注意でスルーしてしまうことはお許しください。興味関心や守備範囲によって若干の偏り等が出るかと思いますが、重ねてお許しください。あまりフォローしていないもの、未見のものに関しては確かなことはいえないのでスルーすることも。演劇等の周辺ジャンルは独断と偏見で掲載。

■ジュニア・児童公演、新人公演・勉強会的公演、発表会やそれに類するものは教育上の配慮や諸事情から原則取りあげません。また、子ども向け公演や全国ツアー都心での公演のないもの・少ないもの等はとりあげないことも。チラシ等配布も少なく一般観客に対して公演告知、情報公開の少ない公演等も同様に後手に。

■首都圏以外の公演は、基本的に公共施設・団体の主催する公演OR管理者が定期的に実見し状況把握のできているもののみ掲載(特にバレエ、現代舞踊)。

■情報の誤り等による被害等に関しては責任を追いかねます。悪しからずご了承ください。HPリンクを極力貼っておりますので一次情報の確認を願います。

■掲載希望等いただいても上記の趣旨に沿わないもの等であれば掲載は遠慮させていただく場合も。ご了解ください。

来日ものでは、オーストラリア・バレエ団の2演目は古典の読替えが斬新でおもしろい。コンテンポラリーでは、信奉者の多いヤン・ファーブルが来日(ただし首都圏公演なし)。ハッキリ好みが分かれるが好きな人はとことん好きなようだ。国内公演も活発。バレエで最大の話題は、神戸の貞松・浜田バレエ団「創作リサイタル22」。ドイツで活躍する森優貴の渾身の大作『冬の旅』世界初演に注目が集まる。コンテンポラリー/その他では、なんといってもカンパニーデラシネラ『異邦人』。マイムやダンス、演劇の境界を突き抜けた異色作『空白に落ちた男』『あらかじめ』等で快進撃が続く小野寺修二の新作だ。あいちトリエンナーレで上演されるチェルフィッチュ作品も楽しみ。

■来日公演■

【バレエ】

オーストラリア・バレエ

前回公演が好評を博し3年ぶりに来日を果たす。上演されるのはグレアム・マーフィー版の2作。前回の来日で話題をよんだ故・ダイアナ妃はじめ英国王室をモデルとしたと思われる『白鳥の湖』、少女クララの夢とオーストラリアのバレエの歴史がリンクする『くるみ割り人形』ともに古典作品の読み替えとして斬新。モダン畑出身らしく振付も通常のクラシック・バレエとは違ったものも含まれていておもしろく、それでいて洗練されている。普通のクラシック・バレエは苦手派やファッションや演劇畑の人などはむしろこういった作品からバレエを観始めるとハマるかも。

『白鳥の湖』全幕

10/9(土)15:00、10/10(日)15:00、10/11(月・祝)15:00/東京文化会館

¥16,000〜5,000(他にエコノミー券、学生券等あり)

『くるみ割り人形』全幕

10/15(金)18:30、10/16(土)15:00、10/17(日)15:00/東京文化会館

¥16,000〜5,000(他にエコノミー券、学生券等あり)

http://www.nbs.or.jp/


D

川井郁子×ファルフ・ルジマトフ

人気ヴァイオリニストの川井郁子とバレエ界のカリスマ、ファルフ・ルジマートフのコラボレーション。こういった企画物は率直に言って不発に終わるケースも少なくないが、実力派の両者に加え、振付をボリショイ・バレエのソリストの岩田守弘が担当するというので一定のクオリティは保証されそう。岩田はルジマートフに『阿修羅』を振付け、その内的表現を見事に引き出した。自身もその仕事を含めての成果を評価され芸術選奨文部科学大臣賞を得ている。三者の協同作業に期待。

川井郁子&ファルフ・ルジマトフ 1st Collaboration『COLD SLEEP』

●10/7(木)19:30、10/8(金)19:00、10/9(土)18:00、10/10(日)14:00、10/11(月・祝)14:00/新国立劇場中劇場

¥8,000〜6,000

【ダンス】

ヤン・ファーブル

おなじみベルギーが生んだ前衛パフォーマンスの旗手による2008年初演作品。母と妻へのオマージュの込められた女性ソロダンス。踊るのはオリジナルキャストでありながら『主役の男が女である時』日本公演の際には来なかったイヴォナ・ヨゼク。あいち公演の決定に伴い300名のオーディションで決定したギリシア人のアルテミス・スタヴリディ。ファーブル信者向けか。首都圏公演はないので注意。

『Another Sleepy Dusty Delta Day〜またもけだるい灰色のデルタデー』

●9/18(土)19:00、9/19(日)14:00、9/20(月・祝)14:00/愛知芸術文化センター小ホール

¥前売‐5,000 当日‐5,500 学生(前売)‐3,000

http://aichitriennale.jp/

●9/22(水)19:30、9/23日(木・祝)15:00/伊丹・アイホール

¥前売‐3,800円 当日-4,300円 学生&ユース(25才以下)前売‐2,800(当日3,300)

http://www.aihall.com/

●9/26(日)/高知県立美術館

¥前売‐3,000 当日‐3,500

http://kochi-bunkazaidan.or.jp/~museum/

●10/2(土)18:00、10/3(日)15:00/金沢21世紀美術館シアター21

¥前売‐4,000 当日‐4,500

http://www.kanazawa21.jp/


D

エマニュエル・ユイン

フランスのアンジェで活動するエマニュエル・ユインと、華道・石草流師範の奥平清鳳によるコラボレーション。

『心奪(Shinbai)―魂の略奪、あるいは飛翔』

●9/23(木・祝)19:30、9/24(金)19:30、9/25(土)19:30、9/26(日)15:00/スパイラルホール

¥一般‐4,000 学生‐2,000

http://www.spiral.co.jp/


■国内公演■

【バレエ】

東京バレエ団

ゲストを入れずバレエ団キャストで全国公演中。日本バレエの至宝のひとり斎藤友佳理、繊細な表現力の光る吉岡美佳の両ベテランと人気のある上野水香に加え、宮城・石巻で伸び盛りのプリマ・佐伯知香がジゼル役を踊る。斎藤と木村和夫組は横須賀公演を観たが『オネーギン』に続いて神懸ったような名演を披露していた。佐伯と長瀬直義の若手組公演のみ首都圏近郊での公演がないのがとても残念だが、注目したい踊り手たちである。コールド・バレエも上手いし、よくそろっている。

『ジゼル』全幕 全国公演

吉岡美佳×後藤晴雄 主演

●9/26(日)15:00/ふくやまリーデンローズ

http://www.city.fukuyama.hiroshima.jp/r-rose/

斎藤友佳理×木村和夫 主演

http://www.yokosuka-arts.or.jp/

●9/19(日)18:00/春日井市民会館

http://www2.lib.city.kasugai.aichi.jp/zaidan/

上野水香×高岸直樹 主演

●9/15(水)18:30/アクトシティ浜松

http://www.actcity.jp/

●9/18(土)14:30/三重県文化会館

http://www3.center-mie.or.jp/center/bunka/event_c/2010/0918.html

●9/21(火)18:30/大分・iichikoグランシアタ

http://www.emo.or.jp/

●9/28(火)19:00/富山・オーバードホール

http://www.aubade.or.jp/

●10/3(日)15:00/越谷・サンシティホール

http://www.suncityhall.jp/

佐伯知香×長瀬直義 主演

●10/5(火)18:30/石巻市民会館

http://www1.odn.ne.jp/~adf53200/center/


D

グラン・ドリーム・バレエ・フェス

東海テレビ放送主催のバレエ・ガラ公演。初日は地元の男性振付家の創作集、2日目は地元のみならず内外の一線級を招いての公演。2日目の『眠れる森の美女』ハイライトには、吉田都が出演するほかABTのシオマラ・レイエスがワディム・ソロマハと『ドン・キホーテ』グラン・パ・ド・ドゥを踊る。

バレエ・フェスティバル

●9/25(土)14:00/愛知県芸術劇場大ホール

¥6,000〜2,000

スペシャル・ガラ・コンサート

●9/26(日)16:00/愛知県芸術劇場大ホール

¥9,000〜4,000

http://tokai-tv.com/event/ballet/index.html

熊川哲也Kバレエカンパニー

『コッペリア』は、2004年に初演され、古典作品の演出者としての熊川哲也の才能を知らしめた作品。陰鬱さはなく明るくわかりやすい物語展開が魅力で第三幕ディヴェルティスマンでは音楽構成にも一捻りするなどダンスの見せ場もたっぷりに仕上げている。熊川のフランツも当たり役。『白鳥の湖』は2003年に初演され朝日舞台芸術賞を得るなど評論家からは高く評価された作品。舞台美術は壮麗。英国ロイヤル・バレエの優秀なプリマ、ロベルタ・マルケスの客演が注目される。大阪公演あり。

『コッペリア』全幕

●10/2(土)18:30(熊川哲也&荒井祐子)、10/4(月)18:30(熊川哲也&荒井祐子)/東京文化会館大ホール

¥18,000〜8,000

●10/3(日)14:00(橋本直樹&神戸里奈)/東京文化会館大ホール

¥12,000〜6,000

●10/23(日)14:00(熊川哲也&東野泰子)/神奈川県民ホール大ホール

¥18,000〜7,000

●10/27(水)18:30(熊川哲也&神戸里奈)、10/28(木)18:30(熊川哲也&東野泰子)/Bunkamuraオーチャードホール

¥18,000〜10,000

『白鳥の湖』全幕

●10/30(土)16:00(松岡梨絵&宮尾俊太郎)、10/31(日)14:00(ロベルタ・マルケス&浅田良和)/Bunkamuraオーチャードホール

¥12,000〜6,000

http://www.k-ballet.co.jp/


coppelia(コッペリア) [DVD]

coppelia(コッペリア) [DVD]

東京シティ・バレエ団

東京シティ・バレエ団×東京シティ・フィルハーモニック管弦楽団の共演による恒例の企画公演。オケがピットでなく舞台上に乗って演奏し、その前でバレエ団が踊る。今年のバレエ×オケの演目は『火の鳥』。組曲版を使うようだ。タイトルロールを踊る志賀育恵は身体のラインが美しく「踊る喜び」を感じさせるプリマ。振付はベテラン石井清子。指揮は名指揮者として知られる飯守泰次郎。

フレッシュ名曲コンサート オーケストラwithバレエ『火の鳥』

●10/3(日)15:00/ティアラこうとう大ホール

¥4,000〜3,000

http://www.kcf.or.jp/tiara/


貞松・浜田バレエ団

キリアン、ナハリンらの現代作品のほか古典作品の丁寧なステージングにも定評ある団。高水準でプロフェッショナルな活動を行い、在京大手をも凌駕するような上演もしばしば。遠方からでも足を運ぶ価値がある。ここの『ドン・キホーテ』は、プティパ/ゴルスキー版に基づいてニコライ・フョードロフが再演出したバージョンで演劇性が高い。キトリに廣岡奈美を抜擢。バジルはアンドリュー・エルフィンストン。恒例の「創作リサイタル」では、同団出身でドイツで振付家/ダンサーとして活躍する森優貴の演出・振付作品『冬の旅』を初演する。もちろんシューベルトの大曲に挑むもの。欧州のコンテンポラリー・バレエの技法・表現に通暁した森は、それに加え抜群の音楽センスを備える。このバレエ団が追求してきたドラマ性をたっぷり表現しつつ、キリアンやナハリン、それに森の作品で培ってきた先鋭的な動きへの高い意識との結合が期待される。今という時代に向き合った深い内容となりそうだ。

『ドン・キホーテ』全幕

●9/23(木・祝)17:00/尼崎アルカイックホール

¥7,000〜4,000

「創作リサイタル22」『冬の旅』全曲ほか

●10/11(月・祝)15:30/新神戸オリエンタル劇場

¥5,000〜4,000

http://www.sadamatsu-hamada.com/


D

川口節子バレエ団

“バレエ&ダンスの醍醐味を皆様と共に”を副題とする、バレエ・ダンスのミックス・プログラム。あいちトリエンナーレ共催事業。創作バレエの担い手として俄然注目を増す川口節子のカンパニーが主催する。川口によるドラマティック・バレエの名作『心地よく眠るアリス』のほか、バレエ&モダンのコンサート、地元愛知に根付いて活動する女性バレエ人による創作集の3部構成だ。愛知の気鋭バレエ・ダンサーを揃えるほか関東から小林泉、木原浩太というモダン畑の優秀なダンサーを招聘。

「BALLET SELECTIONS 2010」

●10/13(水)18:30/愛知県芸術劇場大ホール

¥5,000〜3,000

http://www.k-ballet.com/


【ダンス】


神村恵×大倉摩矢子

コンセプチャルで動きのあまりない作品を創って一部で熱烈なシンパのいる神村恵と舞踏の踊り手で独自な高密度・精度の高い身体制御術を身に着けている大倉摩矢子のコラボレーション。神村から大倉に声をかけて実現したようだが、はたしてどんなものになるのか。おそらく実験性が高く好みは分かれそう。

『尻尾と牙とまた尻尾』

●9/16(木)19:30、9/17(金)19:30、9/18(土)18:00/Art Center Ongoing(吉祥寺)

¥前売‐1,500 当日‐1,800 通し券‐3,500

http://ameblo.jp/kamimuramegumi

http://www.mayakoookura.com/

コンドルズ

学ラン姿で踊り、演じ、遊ぶ野郎どもによる人気カンパニー。前売完売の模様。

『SKY WITH DIAMOND』

●9/17(金)19:30、9/18(土)14:00&19:00、9/19(日)17:00/東京芸術劇場中ホール

¥前売‐4,500 当日‐5,000

http://www.condors.jp/

キリコラージュ

“ムーヴメント的ダンスカンパニー”を標榜して、今年のトヨタアワードにもノミネートされた女性デュオ・カンパニー。外山晴奈は水嶋ヒロ主演、堤幸彦監督の映画「BECK」の振付を担当する等ショービジネスでも売れつつある。

『オトりたい!』

●9/17(金)20:00、9/18(土)17:00、9/19(土)15:00/川崎市アートセンターアルテリオ小劇場

¥前売‐2,500 当日‐3,000

http://kiricollage.com/

ダンスカンパニーカレイドスコープ

多彩極まりない振付術を駆使して創意ある動きを生むことにかけては天才的な才能を誇る二見一幸とカンパニーメンバーらによる創作ショーケース。二見作品、『パレードの馬』が各方面で大絶賛を浴びた加賀谷香作品、さらには外部から冴子を招いての作品を上演するなど意欲的な試み。A・Bプロで内容は異なるので注意。

「Dance Show Case in DBB」Aプロ

●9/18(土)16:00、9/19(日)13:00&16:00/南林間・Dance Brick Box

「Dance Show Case in DBB」Bプロ

●9/25(土)16:00、9/26(日)13:00&16:00/南林間・Dance Brick Box

¥3,000(全席自由・日時指定)

http://homepage2.nifty.com/KALEIDOSCOPE/

現代舞踊協会

現代舞踊の新鋭・中堅クラスをフォローできる。プログラムは日替わり。

「2010 時代を創る 現代舞踊公演」

●9/22(水)19:00、9/23(木・祝)19:00/東京芸術劇場中ホール

¥全席自由‐3,500

http://www.gendaibuyou.or.jp/

Monochrome Circus×服部滋樹

瀬戸内国際芸術祭2010の一環として、坂本公成率いるモノクロームサーカス×服部滋樹が香川県。直島の本村地区をまるごと劇場化する“サイトスペシフィックなダンス・パフォーマンス”という触れ込み。かなり面白そう。

『直島劇場』

● 9/23(木)〜9/26(日)15:00/香川県・直島 本村地区

¥無料(予約優先)

http://www.monochromecircus.com/naoshima/

「TAROと踊ろう!」

岡本太郎生誕100年プレイベントダンス公演。岡本太郎作品を前にして踊る?会場はいずれも川崎市岡本太郎美術館企画展示室。

Aプロ 上田遙作品&広崎うらん作品

●9/25(土)11:00、/9/26(日)17:00

Bプロ 広崎うらん作品&珍しいキノコ舞踊団作品

●9/25(土)14:00、9/26(日)11:00

Cプロ 上田遙作品&珍しいキノコ舞踊団作品

●9/25(土)17:00、9/26(日)14:00

¥2,500

http://www.taromuseum.jp/

黒沢美香・高野尚美

怠惰にかけては勤勉な黒沢美香のソロダンス『薔薇の人』黒沢美香・高野尚美 編「南国からの手紙」。ともに2世舞踊家として独自の存在を示す黒沢・高野の共演は予測不能で楽しみ。

『薔薇の人――南国からの書簡』

9月28日(火) 15:00・19:30 開演

●9/28(火)15:00&19:30、9/29(水)15:00&19:30/日暮里・d-倉庫

¥前売‐4,000(学生‐2,500) 当日‐4,500(学生‐3,000)

http://www.k5.dion.ne.jp/~kurosawa/

KIKIKIKIKIKI

きたまり(北真理子)率いるカンパニーの企画公演。メンバーがソロを発表する。野渕杏子『ある女の回想』、花本ゆか『カニ女』。きたまりは前座ダンスで登場とか。

●10/2(土)19:30、10/3日(日)13:30&17:00/アトリエ劇研

¥前売‐2,000 当日‐2,300

http://www.kitamari.com/

平山素子

「あいちトリエンナーレ2010」まちなかパフォーマンス企画として地元の有名料亭「河文」の中庭にて踊られるソロ公演。茶菓呈上もあるらしく場所・趣向がまずおもしろそう。それに地元・名古屋出身の平山は、名実ともにわが国のダンスシーンを牽引するコンテンポラリーダンサー/振付家の代表的存在。脂にのっている平山のパフォーマンスは期待できる。前売券のみですでに完売の模様。

『Carp with wings,me』

●10/3(日)16:00(15:00から茶菓呈上)/長者町・料亭「可文」

¥4,000(茶菓付)

http://www.motokohirayama.com/

http://aichitriennale.jp/artists/performing-arts/motoko-hirayama.html


D

「スリー」

セッションハウスのレジデンスアーティスト「育てて、外へ。」公演。富野幸緒『TIARA THE BEAUTY 〜眠らない、美女〜』、三浦宏之『世界はくだらない会話で満ちている』、 アンディ・ウォン/松本大樹『ONE』よりの三本立て。実力者揃い。

●10/9(土)19:00、10/10(日)15:00&19:00/セッションハウス

¥前売‐3,000 当日‐3,500 学生‐2,000

http://www.session-house.net/

まことクラヴ

部活動を標榜するユニット。部長の遠田誠はじめ個性派たちが、ゲリラ的なパフォーマンスを行ったり、劇場で公演を行う場合でもユルユルにみえてしたたかな戦略をはらんだ舞台をみせて観客を惑乱させる。今回は横浜のニュースポット、海辺のテラスのようなスペースでの公演。何をやらかしてくれるか楽しみである。

『事情地域ヨコハマ』

●10/13(水)19:30、10/14(木)19:30、10/15(金)19:30、10/16(土)19:30/象の鼻テラス

¥前売‐3,200 当日‐3,500 学生前売‐2,500

http://www.makoto9love.com/

岩渕貞太

自主公演に関しては機会のがしてあまり観ていないのでコメントできないが、真面目そうなダンサー/作り手。ソロ。

『UNTITLED』

●10/14(木)19:30、10/15(金)19:30、10/16(土)15:00&19:30/STスポット横浜

\前売‐2,500 当日‐3,000

http://teita-iwabuchi.com/

KENTARO!!

ヒップホップ出身で動きや音楽もセンスよく、手堅くまとまりあるピースを作る人のソロ公演。コンテンポラリー・ダンスでこれだけの期間公演を行うのは珍しい。こういった機会が増えていってほしいと思う。その意味では快挙。

『僕はまた今日も 未完成の音楽で唄う』

●10/14(木)20:00、10/15(金)20:00、10/16(土)16:00&20:00、10/17(日)16:00、10/18(月)20:00、10/19(火)20:00、10/20(水)16:00&20:00、10/21(木)20:00、10/22(金)20:00、10/23(土)16:00/20:00、10/24(日)16:00/こまばアゴラ劇場

¥前売‐2,800 当日‐3,200 学生‐2500

http://www.kentarock.com/

【その他】

チェルフィッチュ

ダンス界からも注目される演劇ユニットチェルフィッチュの公演。岡田利規作・演出の最新作『わたしたちは無傷な別人であるのか?』を練り上げ完成版として「あいちトリエンナーレ」にて世界初上演する。一種独特な台詞まわしと動きが特徴。

『わたしたちは無傷な他人である』

●9/24(金19:00、9/25(土)14:00&19:00、9/26(日)14:00/愛知芸術文化センター小ホール

¥一般‐3,000 学生‐2,000

http://aichitriennale.jp/

五耀會

「舞台芸術」としての日本舞踊を追求しつつその魅力を広めていこうとする気鋭舞踊家・5人(西川箕乃助、花柳寿楽、花柳基、藤間蘭黄、山村若)による意欲的なプロジェクト。今回で4回目、大阪では2回目となる。長唄『連獅子』、長唄『瓢箪鯰』、常磐津『忍夜恋曲者』、長唄『七福神船出勝鬨』を上演。

●9/25(土)14:00/大阪・松竹座

¥一等8,000 二等‐4,000

http://www.goyokai.com/

カンパニーデラシネラ

活動休止中の「水と油」の小野寺修二率いるユニット。小野寺は『空白に落ちた男』『あらかじめ』をはじめとした佳作でマイムをベースにダンスとも演劇ともつかない独自の不可思議ワールドを立ち上げ、観るものを魅了してやまない。尖鋭的な表現を模索しているけれども難解でなく楽しめる。今回はカミュの名作「異邦人」に挑む。個性派俳優の片桐はいりの出演も話題。

『異邦人』

●10/7(木)19:30、10/8(金)19:30、10/9(土)15:00&19:30、10/10(日)15:00、10/11(月・祝)19:30、10/12(火)19:30、10/13(水)19:30/シアタートラム

¥前売‐4,000 当日‐4,500 前売‐3,500

http://www.onoderan.jp/


D

2010-09-12

[]東京バレエ団『ジゼル』横須賀芸術劇場公演・斎藤友佳理&木村和夫主演

東京バレエ団が『ジゼル』全幕の全国ツアーを展開している。9月8、9日に東京で催したアリーナ・コジョカル&ヨハン・コボーという英国ロイヤル・バレエ団のスターを招いての上演を経て、10日から首都圏近郊および地方での公演が始まった。主演はいずれもバレエ団キャストである。東京公演&全国ツアー共通の公演プログラムにバレエ団キャストに関する紹介記事を書かせていただいていることもあって全キャストをフォローしたいのだが、スケジュールの都合もあって叶わないのが残念。とはいえ4キャストのうち2キャストは観る予定。まずは9月12日、横須賀芸術劇場公演を観ることができた。ちなみに横須賀公演では主催者HPにおいて拙記事を転載していただいている。

いよいよ公演迫る…、魅力的なキャストで贈る東京バレエ団「ジゼル」横須賀公演に出演する主役ダンサー2人の魅力をご紹介します。

http://www.yokosuka-arts.or.jp/kouen/1209120/tokyob.pdf

ジゼル役は斎藤友佳理、アルブレヒト役は木村和夫。ふたりは先だって行われたジョン・クランコ振付『オネーギン』において神憑り的な名演をみせたばかりだ。斎藤にとって『ジゼル』のタイトルロールは『ラ・シルフィード』のそれと並んで得意中の得意とするもの。いっぽうの木村はアルブレヒト役を踊るのは今回が初めてである(発表会等ではあるのかもしれないが…)。斎藤は近年、ウラジーミル・マラーホフやセルゲイ・フィーリンのアルブレヒトと共演しており、その際にもそれぞれ感動的な演技をみせてはいるが、彼らは『ジゼル』に関しては斎藤同様に何度も踊りこんでおり一家言あろう。その意味では、齊藤と演技プランが真の意味で一致しているとは思えない印象もないではなかった。しかし、今回は、おそらく木村と何度もディスカッションを重ね、互いの思うところを腹蔵なく話し合ったのであろう。見事なパートナーシップと演技をみせた。

木村にはまず貴族らしい品がある。そして、ジゼルを愛しつつも深入りはしてはいけないという「迷い」もときに見せる。想いを内に秘め激情的に表出することはないのだけれども、その葛藤をたくまずうかびあがらせる。斎藤のジゼルには技術的にも表現面でも文句のつけようがない。アルブレヒトへの愛、踊りへの愛を隠さない純な少女ぶりのなかにときおり「死の影」を漂わせる。狂乱の場の最後近く、アルブレヒトはジゼルと抱き合おうとするが叶わずすり抜けていく。それゆえに木村アルブレヒトは己の非を知り、喪失感をあらわにするのだろうと納得がいく。第2幕では両者が寄り添い、分かち難い愛情を交わす。両者のユニゾンの音楽性はほぼ完璧に一致。木村は初役であり、また二人が『ジゼル』で組むのは当然はじめてになるが、そうとはとても思わない相性の良さをみせる。ミルタによって躍らせられる場での木村のアントルシャ・シスの連続はジゼルへの想いが満ちあふれ凄絶!死してなお分かち難い愛を貫くジゼルと、喪失の悲しみによってはじめて真実の愛を知ったアルブレヒトの思いが交差し、永遠の愛へと浄化される。激しく心揺さぶられた。『オネーギン』に続くまれにみる名演だった。

ヒラリオンは他日にアルブレヒトを踊る後藤晴雄、ミルタは田中結子。ともに主軸が好演。そのほかでは、ぺザントのパ・ド・ユイットに出た佐伯知香とドゥ・ウィリの奈良春夏が傑出していると感じた。佐伯は、肩から背中、腰に至るラインの美しさ際立つ存在であるが、それ以前にまず身体の軸がしっかりしている。よほどヘボなパートナーでない限り、サポートされながら回ったり、リフトされたりした際にもふらつくことはない。安定感抜群。ソリストのなかでは頭2つ、いや3つは抜きんでている。10月5日には宮城・石巻で長瀬直義と共演してジゼル役を踊るが、さぞや安心して観ていられる、そしてすばらしい踊りを見せてくれることだろう。奈良に関しては、『眠れる森の美女』カラボスや『ドン・キホーテメルセデスなどの印象が強くキャラター色の強い役に定評あるが、なかなかどうしてバレエ・ブランでも底力をみせる。今回もきっちりポジションを誤魔化さない精確さと音楽の流れに沿った流麗な踊りを見せてくれた。まだ、かなり若い。バレエ団の中核として期待される存在であるし、すでにその風格が出てきていると感じた。

あと付記しておきたいのは指揮について。全国公演10都市のうち6都市ではオーケストラ演奏となるが、指揮を担当するのが井田勝大。正確なことは知らないがおそらく30歳前後と非常に若い指揮者だ。すでに熊川哲也Kバレエカンパニーや東京バレエ団の公演で指揮を務め、今秋には東京小牧バレエ団『コッペリア』でも指揮を任される。バレエ指揮の第一人者のひとり福田一雄に師事しているが、若い有為な才能が経験を積んでいく場としても今回のツアーは貴重。横須賀の公演では彼がオケピに出てくると周囲の客席からおば様方中心に「若い!」と驚く声が聞こえた。バレエ演奏はたんなる伴奏ではない。踊りを制御しつつ音楽的にもまとまりのあるものを聞かせなければならないという職人技を要しつつ芸術的なセンスもプラスアルファで求められる。井田はその意味で伸びて欲しい存在であるし、いまのところどの舞台でも懸命に務めている。若く貴重な才能に対してバレエ・ファンもあたたかく見つめ育てていって欲しいと思う。

【関連記事】

木村和夫の実力

http://d.hatena.ne.jp/dance300/20100831/p1


ユカリューシャ―奇跡の復活を果たしたバレリーナ

ユカリューシャ―奇跡の復活を果たしたバレリーナ

2010-09-11

[]舞踏家・岩名雅記の監督する映画『夏の家族』

舞踏家・岩名雅記の監督する長編劇映画第2作『夏の家族』が10月9日(土)より東京・渋谷アップリンクファクトリーXにて公開される。7月に試写をみさせていただいた。公開も迫ってきているので、簡単ではあるが紹介しておきたいと思う。

岩名は1945年生まれ。舞踏研究所白踏館を主宰し、現在は仏・ノルマンディに在住しながら公演活動を行なっている。日本にもときおり帰国して公演を行っており、私も神楽坂die pratzeや明大前キッドアイラックアートホールで岩名の舞踏を観る機会があった。繊細かつ強度ある動きには並ならぬものがある。岩名は大学卒業後TBSでドラマ制作に関わっていたこともあり、映画を撮ることを念願としてきた。製作に4年をかけたデビュー作『朱霊たち』を完成させ、2007年ポレポレ東中野でのレイトショー公開を皮切りに内外で上映された。同作はポルトベロ国際映画祭グランプリを受賞してもいる。

『朱霊たち』は、戦後7年目の東京麻布の廃墟を舞台に、生と死、現実と夢の交錯する世界を描く。岩名の幼時を想起させる少年の迷い込んだ白昼夢の世界が鮮烈な印象をもたらした。三年ぶりに公開となる新作『夏の家族』の舞台は一転してフランスの南ノルマンディだ。日本人舞踏家カミムラ(62歳)のもとへ、例年のように東京から妻アキコ(47歳)と娘マユ(8歳)がやってくる。それから間もなくカミムラと同棲している愛人ユズコ(35歳)はニューヨークへと旅立っていく――。カミムラとふたりの女たち、娘をめぐる不可思議な関係の秘密がじょじょに明らかになっていく。そして、最後には…。

『朱霊たち』はパスカル・マランというカメラマンの撮影が素晴らしく、映像美が際立っていた。その点、今回は岩名が監督・脚本に加え撮影も担当している。やや粗っぽくも思えるカメラワークで、ドキュメンタリー風な撮り方だ。しかし、後になると、この撮影が見事な効果を発揮していると感じられるようになる、今回、岩名は「性」という行為を曖昧に描くのではなく直視して描いている。ここまで生々しくあっけらかんとした性が撮られた映画はそうはないのではないかというくらいに。とはいえ、過激さや俗受けを狙ったものでも耽美的なポルノグラフィーでもない。リアリティ、実存感がある。撮影を含め、岩名の手作りなインデペンデントな映画作りによってはじめて実現できたのであろう。

とにもかくにもどんなジャンルにも分けられない独特な孤高の輝きを放つ、稀有な問題作といえるのは確かだ。反響を巻き起こすのは必至。公開の成功を願いたい。

映画「夏の家族」公式サイト

http://natsunokazoku.main.jp/

映画「夏の家族」予告編

D

【過去のblog記事】

朱霊たち

http://d.hatena.ne.jp/dance300/20070127/p1

岩名雅記監督作品『朱霊たち』ポルトベロ国際映画祭グランプリ受賞

http://d.hatena.ne.jp/dance300/20090928/p1

2010-09-09

[]東京バレエ団『ジゼル』アリーナ・コジョカル&ヨハン・コボー主演初日&全国ツアー

東京バレエ団『ジゼル』全幕@ゆうぽうとホール(9/8-9日)初日を観た。ジゼル役にアリーナ・コジョカル、アルブレヒト役にヨハン・コボーという、英国ロイヤル・バレエ団屈指の名プリンシパルにして公私に渡るコンビを迎えた公演として注目された。

コジョカルは一昨年、ダンサー生命を脅かしかねない大怪我を被り、そこから復調をみせた。昨年の「世界バレエフェスティバル」出演や東京バレエ団『くるみ割り人形』客演は世評的には好評であったが、個人的には以前ほどの精気は感じられなかった。その点、今回は、彼女ならではの背中や腰のラインの美しさも存分に映え充実した出来に思う。4年前のマニュエル・ルグリとの共演時も話題を呼んだが、コボーとのパートナーシップのすばらしさは格別だ。コジョカルもさることながらコボーの演技を称えたい。一挙手一投足が考え抜かれた隙のない演技に加え、デンマーク・ロイヤル・バレエ出身らしくロマンティック・バレエのスタイルに習熟し、さらに英国にて数々のマクミラン作品に出演して体得したと思われる視線の演技の雄弁さが相まって奥の深い演技をみせていた。当代のアルブレヒトとして、ルグリ、マラーホフに勝るとも劣らない名演だ。

古典作品には型というものがあり、そこをはみ出すことは許容され難い面がある。しかし、20世紀後半のクランコ、マクミラン、ノイマイヤーといった巨匠のドラマティック・バレエの名作を受けたうえで古典作品を演じ解釈して踊れば、従来の概念とは異なる、より現代に即した深みある演技につながる場合も。コジョカルとコボーは、パートナーとしても相性抜群であり、分かち難い信頼感のうえで緻密なパートナーシップを築きあげ感動的な舞台を生んだ。ことにコボーは、小林紀子バレエ・シアター『レイクス・プログレス』や英国ロイヤル・バレエ『うたかたの恋』などで披露したエキセントリックな怪演に注目が集まるが、本来のノーブル・ダンサーとしての魅力を余さず示して絶品だった。


なお、東京バレエ団は『ジゼル』を携え、これから10月頭にかけて全国公演を行う。主演はバレエ団キャスト(斎藤友佳理×木村和夫、吉岡美佳×後藤晴雄、上野水香×高岸直樹、佐伯知香×長瀬直義)であるが、そのメンバーの紹介記事を東京公演との共通プログラムに寄稿した。一部は各主催者のHPから読める。ご高覧いただきたい。

【横須賀公演】いよいよ公演! 東京バレエ団「ジゼル」主役ダンサー2人の魅了に迫る(斎藤友佳理・木村和夫)

http://bit.ly/b0eCSX (PDF形式なので注意)

【大分公演】ジゼル 主演紹介(上野水香・高岸直樹)

http://bit.ly/azwrNp

東京バレエ団「ジゼル」(上野水香&高岸直樹)

D

2010-09-06

[]7〜8月のダンス公演、フリンジ系を中心に

7〜8月に観た公演のなかから、小スペースでの公演というかフリンジ系の公演、バレエ雑誌や業界紙等の媒体に評・レビュー等が出ることが少ないと思われるもの、評論関係者をあまり見かけなかった公演等について簡単な感想を記しておこうと思う。なお、すでにblogで触れたものは載せていない。また、die pratzeのダンスフェス「ダンスが見たい!」に関しては、一部しか見られなかったのでここでは触れない。

7月2日(金)19:30ばら色の日々プロジェクト『ばら色の日々』@門仲天井ホール(9/7追加、UP時に漏れてました)

吉福敦子が主宰し、岡田智代、根岸由季、斎藤麻里子と組み、1年をかけて発展させてきたプロジェクト。吉福作品は、水をめぐるイメージからさまざまの記憶が喚起され、生と死の想念のようなものが淡々と、しかし、手ごたえ十分に迫ってくる佳作だった。

7月9日(金)19:00ナチュラル・ダンス・テアトル『東向きに恋をする』@座・高円寺2

中村しんじ+川野眞子のカンパニー。ノスタルジーにあふれた独自の演劇的ダンス追求は貴重なので注目しているし支持したい。川野のダンスはやはり別格だ。ただ、日本の現代舞踊史に残るであろう不朽の名作『ありす』や再演重ねる『さーかす』に比べると、まだ初演段階ということもあり、残念ながら完成度では遠く及んでいない。

7月21日(火)19:30ファーミ・ファジール&山下残 『Dewa Mata | Jumpa Lagi』@SNCK

マレーシアで政治・社会問題を題材にパフォーマンスとして提示するファーミ・ファジールと、関西を拠点に活動するダンサー/振付家の山下残が共演。観客も巻き込んでのダラダラとまったりとした会話の応酬(英語)が楽しく魅入ってしまう。そこから両者のバックボーンや「いま」の時代の空気がうかびあがる。軽いタッチだが戦略的。

7月29日(木)20:00ダンスマルシェ『花ゲリラ』@Super Deluxe

現代舞踊の実力者・本間祥公のもとから独立した池上直子のユニット旗揚げ公演。ヴァイオリニストの廣川抄子のオリジナル曲・生演奏を得て、茨城のり子の詩をモチーフに40分ほどのソロを踊った。自身を見つめなおす誠実な試みに好印象を抱いた。

「haco」

D

7月31日(土)15:00YDCex/MASDANZA@横浜赤レンガ倉庫1号館3階ホール

スペインからの来日ものがメインだが、ここでは併演の宝栄美希の自作ソロ『Mole of wrist』に触れる。宝栄は若くて才気ある踊り手。ロンドン留学から一時帰国しての公演。同作は昨年2月に名古屋で初演しているが振付は大幅に変え、新たに映像も使用した。まだ発展途上だが新たに挑戦しつつ練り上げてくるあたりやはり才能を感じる。

Miki Hoei "Line" Part 1

D

8月2日(月)19:30高襟(ハイカラ)『The Michest』@Dance Studio Uno

深見章代の主宰するカンパニーのスタジオ公演。故マイケル・ジャクソンへのオマージュでありながら、単なる完全コピーやラブレターに終わらない。女性3人が歌い踊るコンサート形式という構成でダンスの燃焼度も高い。深見・高襟流のMJ論としてもユニークでシニカルな視点も感じられた。コアな観客が付いているのも何より。

高襟狂騒曲 ハイカラプソディ CM

D

8月8日(日)14:00パフォーマンスキッズ・トーキョー ・東野祥子『UNICOSMO WONDERLAND(ユニコスモ ワンダーランド)』@吉祥寺シアター

東野祥子が子どもたちと作り上げたちょっぴりダークだけれどもチャーミングな不思議ワールド。東野のほかケンジル・ビエンも出演し彼らのパフォーマンスも見ごたえあった。

8月12日(木)19:30CDA Dance Performance「Dance me crazy,Dance you crazy」@ラゾーナ川崎プラザソル

沖縄でバレエ普及に意欲を燃やすカンパニーの公演。東京シティ・バレエ団プリンシパル小林洋壱作品2作を上演した。小林は主役経験が豊富なだけにデュオ等では見せ場を作るが、群舞はやや単調で変化に乏しくまだまだ研鑽を要すると感じた。

8月14日(土)15:00「名づけることのできない仕事#1」@RAFT

小川水素・池田拓実・川崎歩による実験的なパフォーマンス。いずれもコンセプチャルなものでやりたいことは「分かる」。面白いかは別にして。この種の創作に対してシンパシーあっても「いま観るべきもの」「最先端」みたく押し出して売ると業界内で反撥を買うし観客を遠ざける。地味でも雑音なく研鑽できる場を提供する姿勢には共感。

8月20日(金)17:00群々(ムレ)『静かな日』@港区芝公園近くの某物件

元お菓子工場か何かだったという廃墟でのパフォーマンス。ロケーションの魅力に勝るほどパフォーマンスが楽しいとまではいかなかった気もするが、暗闇のなかで夢幻的といえる不可思議な世界を息づかせることには成功していた。

8月25日(水)19:30ケイタケイ'sムービングアース・オリエントスフィア. LIGHT、Part 27『消える米畑』@スタジオムービングアース

ポストモダンダンスの巨匠の代表作が全編上演としては日本初披露された。ケイはじめ世代を超えた踊り手たちが耕す豊穣なる舞踊畑。故・前田哲彦の遺した布の美術が活きている。このところ精力的に展開されているケイの舞台をみると、美や普遍的な感動を生むのは舞踊のスタイルの新旧ではないと痛感させられる。

8月27日(金)15:00鍵田真由美・佐藤浩希フラメンコライブ desnudo vol.7@ムジカーザ

巨匠クラスより下の世代で一番勢いのあるフラメンコ集団。通常フラメンコで踊るのには使わない曲に挑むなど意欲が目につく。まさにコンテンポラリーな試み。

ARTE Y SOLERA 鍵田真由美・佐藤浩希フラメンコ Mayumi Kagita & Ali Thabet

D

8月27日(金)19:30木村由『狂女の庭』@テルプシコール

「身体のあらわれ」的なことだけで満足するのではなく、美術家とのコラボレーション含めて構築的な舞台づくりがいい。破天荒な動きもあって悪くないが、もう少し動きに対しても美術等との関連でも緻密さが増せば面白くなるのでは。

8月31日(火)19:00熊谷和徳×東京フィルハーモニー交響楽団「REVOLUTION」@東京オペラシティコンサートホール

画期的なイベントなのに舞踊評論家がだれも来ていない…。久々にちゃんと見た熊谷であるが、バッハやラヴェルをはじめとしたクラシックにのせてエネルギッシュに踊り切る。圧巻が最後のショスタコービッチ「交響曲第5番」の第4楽章。勇壮な曲に雄渾のステップで凄絶にぶつかった。そしてアンコールのバッヘルベル「カノン」の限りなくいとおしい曲調に寄り添う踊りの甘美さといったら!ひたすら惑溺させられた。

TAP 熊谷和徳 New DVD「FRAGMENTS」

D

2010-09-05

[]首藤康之×シディ・ラルビ・シェルカウイ『アポクリフ』

首藤康之×シディ・ラルビ・シェルカウイ『アポクリフ』初日を観る。

モロッコ系ベルギー人で、最注目される振付家・ダンサーのひとりシェルカウイ。彼が聖書から排除された言葉を集めた外伝「アポクリフ」をモチーフにした本作は、かつてモーリス・ベジャールが出世作『春の祭典』を発表し、コンテンポラリー・ダンス界を牽引するアンヌ・テレサ・ドゥ・ケースマイケルが作品発表を続けてきたモネ劇場制作だ。

東京バレエ団で活躍し、マシュー・ボーン作品等でも才を発揮する首藤が2007年9月にシェルカウイと組んで初演し、以後世界各地で上演してきた。待望の日本公演だが、さすがに手ごたえのあるものだった。コーラスの ア・フィレッタ、衣裳 のドリス・ヴァン・ノッテンとのコラボレーションも緊密で、独特な美的世界を生むとともに刺激的なコンテンポラリーアートとして傑出していたと思う。詳しくは他で触れるため、そちらに譲るが、ダンス・ファンのみならず多くの観客に訴求し得る快作と断言したい。

思えば、首藤が東京バレエ団を退団して特別団員となったのが2004年の4月。はや6年が経った。ときおりベジャール作品において東京バレエ団に客演しつつ、演劇や映画に出演し、前記した「現代の古典」マシュー・ボーンの『白鳥の湖』ではザスワン/ザ・ストレンジャーと王子の二役を演じ、小野寺修二の演出・振付によるダンスと演劇とマイムの境界を越境した『空白に落ちた男』の成功の源となるなど、ジャンルを超えた身体表現者としての活躍が目立つ。個人的にも、2006年に刊行された「プリンツ21」冬号の首藤特集に寄稿する機会があり、また、『空白に落ちた男』に関しても初日観劇したあと媒体から公演評を頼まれ執筆した経緯がある。原稿を売り込まない主義の割には縁があると思う。首藤のマルチプルな活躍を今後も注目していきたいものだ。

Sidi Larbi Cherkaoui Apocrifu

D


prints (プリンツ) 21 2006年冬号 特集・首藤康之[雑誌]

prints (プリンツ) 21 2006年冬号 特集・首藤康之[雑誌]


Ballet Work 首藤康之の美しくなるバレエ [DVD]

Ballet Work 首藤康之の美しくなるバレエ [DVD]

2010-09-04

[]ナタリー・ポートマン主演「ブラック・スワン/BLACK SWAN」がワールドプレミア

第67回ヴェネチア国際映画祭が開幕し、日本からは村上春樹原作・トラン・アン・ユン監督・松山ケンイチ×菊地凛子主演の「ノルウェイの森」、三池崇史監督による時代劇「十三人の刺客」がコンペティション部門に出品され話題を呼んでいるが、コンペのオープニングを飾ったのがナタリー・ポートマン主演の映画「ブラック・スワン」(原題)。「π」「レクイエム・フォー・ドリーム」で知られる奇才ダーレン・アロノフスキー監督待望の最新作であり、ポートマンがバレリーナ役を演じることで注目されている。

BLACK SWAN - Official HD trailer

D

かなり前から海外の映画情報サイトなどで制作がアナウンスされていて注目していたが、このほどワールド・プレミアを迎えた。このタイミングで触れるも芸がないが、やはり気になる…。ニューヨーク・シティ・バレエの協力のもと制作されたという映画は、ポートマン扮するバレリーナが「白鳥の湖」の主役に選ばれ、白鳥と黒鳥の一人二役を演じることからはじまるようだ。両役を演じることに苦悩するうちにダークサイドに堕ちていくというスリラーらしい。ライバル役とのレズ・シーンや官能的な描写も多々あるとか。

ポートマンは、リュック・ベッソン監督の「レオン」マチルダ役で魅せた小悪魔的なロリータぶりで世のオヤジや野郎ども陥落させブレイクしたが、その後はそういったロリータ・イメージを敬遠したのか、類似の役は拒んだようで、『スター・ウォーズ』新三部作のヒロインのアミダラを経て、巨匠・マイク・ニコルズ監督「クローサー」のストリッパー役でアカデミー助演女優賞にもノミネートされるなど若手美人演技派として躍進した。バレリーナの体型とはちょっと違う気もするが、今回、撮影前の早くからバレエのレッスンを行い、また体当たりの演技をみせているようなので期待したい。ちなみに、ダンス・シーンの振付を担当したニューヨーク・シティ・バレエのダンサーで俳優でもあるベンジャミン・ミルピエと撮影をきっかけに交際に発展したことも報じられている。

ポートマンは、ハーバード大学で心理学を専攻した知性派であり、映画製作も手掛ける。ニューヨークを舞台に愛をテーマとした「ニューヨーク、アイラブユー」(2009年)では監督も務めた。そして、そこに出演したのがキューバ人で英国ロイヤル・バレエのゲスト・プリンシパルのカルロス・アコスタ。アコスタといえば、今年6月のロイヤルの来日公演『マイヤリング』の初日に主演したが、なんとそれが10年ぶりの日本での舞台だった。「ダンスマガジン」のインタビュー記事では、「ニューヨーク、アイラブユー」についても語っているほか、アコスタ自身の半生を描いた映画を準備していると話している。

最近はバレエを題材にした劇映画・ドキュメンタリーが増えているのはうれしいところ。「ブラック・スワン」はベネチアでも好評のようだ。早く観たい。


ニューヨーク,アイラブユー [DVD]

ニューヨーク,アイラブユー [DVD]

2010-09-03

[]東京バレエ団『ジゼル』全国公演ダンサー紹介記事を寄稿(ネット上でも一部閲覧可)

来る9月8日、9日、東京・五反田ゆうぽうとホールにて、東京バレエ団 が英国ロイヤル・バレエ団からアリーナ・コジョカル&ヨハン・コボーを招いて『ジゼル』全幕を上演する。英国ロイヤル・バレエきっての若き名花コジョカルが十八番のジゼル役を公私のパートナーで演技派のコボーと組んで踊るという見逃せない舞台であり、非常に楽しみだが、東京バレエ団では、その後『ジゼル』をたずさえ全国10都市にてツアーを行う。

全国ツアーの主役はバレエ団キャストが務める。東京公演/全国公演共通となるプログラムにメンバーたちの紹介記事を寄稿した。吉岡美佳・後藤晴雄、斎藤友佳理・木村和夫、上野水香・高岸直樹、佐伯知香・長瀬直義というベテランから若手までの4組8人の魅力について書かせていただいた。そのうち、9月12日の横須賀芸術劇場(神奈川)公演、9月21日のiichiko総合文化センター(大分)公演の主催者のホームページ上に、各会場で主演するキャストの紹介記事分が転載されたとの報告を受けた。ちなみに、横須賀公演には斎藤・木村が、大分公演には上野・高岸が主演する。

各ページへのリンクは下記掲載。ご高覧いただければ幸いである。

【横須賀公演】いよいよ公演! 東京バレエ団「ジゼル」主役ダンサー2人の魅了に迫る(斎藤友佳理・木村和夫)

http://bit.ly/b0eCSX (PDF形式なので注意)

【大分公演】ジゼル 主演紹介(上野水香・高岸直樹)

http://bit.ly/azwrNp

東京バレエ団「ジゼル」(上野水香&高岸直樹)

D

2010-09-01

[]平成23年度文化庁概算要求の概要について

平成23年度文化庁概算要求の概要が発表された。

平成23年度文化庁概算要求の概要(PDF形式(140KB))http://www.bunka.go.jp/bunka_gyousei/yosan/pdf/23_gaisan_gaiyou.pdf

平成23年度概算要求主要事項説明資料(PDF形式(3.72MB))http://www.bunka.go.jp/bunka_gyousei/yosan/pdf/23_gaisanyoukyu_ver3.pdf

文化芸術創造活動への新たな支援として「舞台芸術創造力向上・発信プラン」を掲げる。既定予算6,922 百万円を整理統合(7,196 百万円)し、トップレベルの芸術団体(100 団体程度)、劇場・音楽堂(10 施設程度)による舞台芸術の創造発信を重点的に支援。また、地域の中核となる劇場・音楽堂からの創造発信を支援(80 施設程度)。さらに日本版アーツカウンシルの試行的導入するというのも注目される。

芸術家等の人材育成に関しては、新規となる「文化芸術の次世代人材育成プロジェクト」(6,747 百万円)が眼目。先端的メディア芸術に対応できる若手クリエイター育成や分野の枠を超えた育成公演など戦略的な新進芸術家の育成、一流の文化芸術団体や芸術家を活用した創造性豊かな子どもの育成への取組だという。

貴重な文化予算が有意義に使われることを望みたい。昨秋の「事業仕分け」によって文化予算削減が取り沙汰されたが、制作者や実演家はピンチの時にだけ慌てて政府・官庁に泣き付くのではなく、常日頃から文化予算への高い意識を持つことが求められる。評論家・ジャーナリスト等も舞台の良し悪しだけでなく、社会的価値や公益性に関してもより明確な価値判断をして世に問うていくことが必要となってこよう。