Hatena::ブログ(Diary)

ダンスの海へ 舞踊評論家・高橋森彦のblog このページをアンテナに追加 RSSフィード

2006010203040506070809101112
2007010203040506070809101112
2008010203040506070809101112
2009010203040506070809101112
2010010203040506070809101112
2011010203040506070809101112
20120102030405060708091112
201301020304050607091011
20140102040508
201506070809

2010-10-29

[]ニブロール新作『THIS IS WEATHER NEWS』

「あいちトリエンナーレ2010」パフォーミングアーツ部門にて世界初演されたニブロールの新作『THIS IS WEATHER NEWS』。これは彼らの10周年記念作品『Romeo OR Juliet』(2008年)以後初となる劇場での新作発表である。

ニブロールといえば、ディレクター・システムを採用していることで知られる。振付の矢内原美邦を中心に映像、音楽、衣装、制作というスタッフたちが議論を重ね協同作業しながら作品を作り上げていくスタイルだ。いっぽうで矢内原はニブロールを離れて自身の個人企画を実現するミクニヤナイハラプロジェクトを展開し演劇作品やソロダンスを制作してきた。映像の高橋啓祐とのoff nibrollの活動も行っている。そして今年は春に「矢内原美邦ダンス公演」と銘を打たれた『あーなったら、こうならない。』が行われた。「生と死」というものを切実に真摯に扱って胸に迫る作品だったが、今回のニブロールでの新作『THIS IS WEATHER NEWS』はそれと相似形をなす部分も少なくない。

公演タイトルは、人生とは天気予報のように予測がつかない、思い通りにはならないといった意からきているようだ。もし、あのときこうだったら…あのときこうでなかったら…という、誰しもが胸に抱えているに違いない人生の不条理を痛切に感じさせる。自分のなかの何かが壊れていく感覚やその壊れた欠片を拾い集めまた生きていくことの切なさ。痛ましさと甘美さ。矢内原ふくめ4人のパフォーマーたちの息遣いがこれまで以上に濃密に伝わってくる。『あーなったら、こうならない。』同様に重苦しさや人生への絶望感も感じさせる部分もある。が、今回はやりきれぬ人生のさまざまな光景を否定的にとらえるだけではなく、すべてが壊れなくなったような喪失にとらわれても、前を向いて歩んでいかなければならないというようなポジティブなメッセージが感じられた。

ダンサーではない踊り手を無鉄砲なまでに踊らせ若者の怒りや焦燥を体現しつつ時代と向き合う程の壮大なパワーを秘め、先端をゆくスリルを感じさせた『駐車禁止』(2000年)や『コーヒー』(2002年)から近作の『NO DIRECTION。』(2007年)や『Romeo OR Juliet』に至るまでと同じく情報量の多いことは変わらない。ダンス、映像、衣装、美術といった要素がしっかり個性を持って存在している。ただ、これまでのニブロールは、過剰とも思えるくらいに各要素がぶつかりあって混沌を生む掛け算的なコラボレーションを行っていたのに比して、本作では、それぞれの要素が緊張感を持ちながら溶けあっている。結果、より伝えたいことをクリアにみせるようになったと思う。社会や時代といった大きなものを表象するのではなく、より個人的というかパーソナルな肌触りを感じさせもする。表現の密度が濃く深度を増した気がする。ちょっと違うかもしれないが、ピナ・バウシュの作品を観る際に去来するような、なんともいえぬ痛切さを強く感じた。

この国際美術展のコンセプトのひとつが「複合性」だという。ボーダーレスといえば聞こえいいが、異ジャンルコラボレーションのなかには、諸ジャンルが掛け合わさったというだけの企画や単に歩み寄っただけの微温的な代物も。さまざまな表現が互いを引き立てあいながらも新たな価値観を生んでいくという点において、今回の新作は意欲的であるし、トリエンナーレの委嘱作品としてふさわしいものになったのではないか。

これまでの作品以上に時間をかけて制作されたらしく、そのためか初演からかなり完成度高く仕上がっている。今後再演の機会あるならばどのように深まり発展していくのか。ニブロール、そして矢内原のさらなる活動を楽しみにしたい。

dance and art Nibroll

D


Off Nibroll [public=un+public] [DVD]

Off Nibroll [public=un+public] [DVD]

2010-10-27

[]周防正行監督の新作「ダンシング・チャップリン」

映画「Shall weダンス?」の周防正行監督が妻で元バレリーナの女優・草刈民代を主演に「ダンシング・チャップリン」(来春公開)を制作していることはすでに報じられた。

これはローラン・プティ作品の名手ルイジ・ボニーノと草刈のダブル主演。チャールズ・チャップリンを題材にしたバレエ作品「ダンシング・チャップリン」を映画化したもの。ボニーノの名人芸はバレエファンによく知られているが映像という形で遺されることは貴重ではあろう。創作過程等やボニーノの作品への想い等も描かれるようだ。

このところわが国で行われるバレエ・ガラコンサートではパリ・オペラ座勢を中心にプティの『カルメン』『プルースト〜失われた時を求めて』からの抜粋の上演が目につく。美と死の世界を官能的に描かせたら第一級であり、ガラコンサートの定番のマクミランやノイマイヤーらの作品に負けないインパクトがある。とはいえ洒落ていてコミカルなプティ作品ももっと見たい。レビューやミュージカルの振付も手掛けるパリジャンのプティとしてはそちらが本領ともいえる。映画はそのあたりの欲求を満たしてくれるだろうか。

民代チャップリン、周防監督と夫婦タッグ@SANSPO.COM

http://www.sanspo.com/geino/news/100708/gnj1007080506013-n1.htm

http://www.sanspo.com/geino/news/100708/gnj1007080506013-n2.htm


Shall We Dance ?(初回限定版) [DVD]

Shall We Dance ?(初回限定版) [DVD]


2010-10-22

[]ユース・アメリカ・グランプリ(YAGP)2010 日本予選結果

入賞者に世界各地のトップクラスのバレエスクールで学べる機会が提供されるユース・アメリカ・グランプリ(YAGP)。国籍を問わず9〜19才のバレエを学ぶ生徒を対象にしたものだ。以前、この種のコンペはローザンヌ国際バレエコンクールの独擅場であったが10年前に創設されたYAGPが近年急速に注目を浴びている。

昨年末には東京で同コンクールの入賞者にして現在世界各地で活躍するスターたちの参加するガラが行われた。日本人の入賞者も年々増えている。来月、名門の東京小牧バレエ団が『コッペリア』全幕を上演し主役スワニルダ役を長崎真湖(遼寧バレエ団)が踊るが、長崎はYAGP2007シニア部門で第1位を獲得した逸材である。

同コンクールのファイナルは毎年ニューヨークで開催されるが、先日、日本予選が東京・大井町きゅりあんにて行われた。公式サイト内日本語ページに結果が出ている。

日本予選の各部門 上位3位、およびTop12を掲載

http://www.yagp.org/japan/2011.html#

YAGP New York City Finals 2009 - Junior & Senior Top Winners

D

2010-10-21

[]コンテンポラリー・ダンス 男性振付家の躍進

先日、横浜にあるニュースポット、象の鼻テラスというところで、まことクラヴ『事情地域ヨコハマ』を観た。まことクラヴは“部活動”を自称し、野外でのゲリラ的なパフォーマンスを行ったり、劇場でもダンスだけでないさまざまなアイデアあふれる演出で楽しませてくれるグループ。今回の作品は、2006年に吉祥寺シアターで初演された『事情地域』(じじょうちいき→きちじょうじ、という言葉遊びから付けたらしい)のシリーズであり、地元ネタを織り込んでいる。これまでも山口、金沢でご当地版が作られているようだ。

まことクラヴ公演 『事情地域ヨコハマ』

D

さて、『事情地域』の吉祥寺での初演は「Three men's Choreography」という企画においてだった。これは、まことクラヴ(遠田誠)、金魚(鈴木ユキオ)梅田宏明という男性の振付家の作品を並べたトリプル・ビルだったのだが、当初、なぜこの三人を並べるのか?とセレクションの理由がよくわからなくて訝しんだ記憶がある。公演タイトルに「男性」と掲げながらジェンダーに対する批評性もなく、知的な戦略性もない貧しい企画といった感じで批判した批評家もいる(それはそれで一つの見識ではあろう)。しかし、公演はムチャクチャ楽しめた。三人三様の個性的でエッジーな感性が花開いていた。

あれから4年――いまや遠田、鈴木、梅田は内外で広く活躍しており(梅田などは海外での活動がほとんど)、意図はどうであったかは別にして、この3人を「いま(当時)注目すべき3人の振付家」的にプッシュした制作サイドの先見の明とダンスを観る目の確かさを認めざるを得ない。結果論といえばそれまでだが、結果が見事なわけだから、それがすべてともいえる。万人の納得する企画などないわけで、究極のところプロデュースサイドは戦略的であれ直感的であれ自らの意思を強く反映させていかなければ時代と切り結び時代の感性を反映させるような企画など産めないのではないか。

特筆は、上記の3人のアーティストがただ単に活躍しているだけでなく、やはり「男性」ということ。2000年代のコンテンポラリー・ダンス シーンを代表するアーティストといえば矢内原美邦(ニブロール)黒田育世(BATIK)ということになるかと思う。彼女らと同世代の東野祥子(BABY-Q)も2000年代の半ばからであるが第一線で暴れまくっている。他にもコンテンポラリー・ダンス界のゴッドマザーと称される大御所の黒沢美香の存在感が圧倒的だった。コンテンポラリー・ダンスの寵児的存在であった伊藤キムと活動を共にした白井剛の活動など時代を代表する傑出したものだが、女性アーティストの活躍が男性を凌駕していた印象が強い。そこへ遠田や鈴木、梅田さらに若い世代のKENTARO!!、それにマイム・ダンス・演劇の枠を超えた刺激的な創作を行っている小野寺修二(カンパニーデラシネラ)らが活躍の場を広げてシーンを面白くしているのが2010年代の現在であろう。2006年に前記の3人を並べたことは意義があったといえる。

話題に事欠かないコンテンポラリー・ダンス シーン。そんななか創り手も制作サイドも観客も現況を見つめるだけでなく「先」をどこかに意識してシーンを盛り上げ、楽しんでいきたいものだ。ダンスというものは必ず未来を含んだものであってほしい。

鈴木ユキオ新作「HEAR」promotion

D

Adapting for distortion - Hiroaki Umeda

D

カンパニーデラシネラ ある女の家

D

KENTARO!! / SADAME no MIKATA wa

D

2010-10-19

[]さまざまのバレエ&ダンス『くるみ割り人形』たち

このほどオーストラリア・バレエ団が3年ぶりに来日してグレアム・マーフィー版の『白鳥の湖』『くるみ割り人形』による東京公演を行った。古典バレエの名作をそれぞれ大胆な解釈によって装いも新たに創り直したもので、『くるみ割り人形』は全幕上演として本邦初上演。その『くるみ』がなかなかの異色作である。

オーストラリア・バレエ団「くるみ割り人形〜クララの物語」

D

舞台はオーストラリア。クリスマスといっても南半球なので真夏である。そこで年老いたロシア生まれ・育ちのバレリーナが夢のなかで回想をはじめる……。帝政末期のロシアでバレリーナとして活躍しつつ革命や戦争に翻弄され恋人をなくし、失意のなかディアギレフのバレエ・リュスに参加して世界中を旅してまわる。最後に行きついたのがオーストラリアの地だった――。オーストラリアに本核的なバレエが根付き発展していく前夜の物語。ひとりのバレリーナ・女性の激動の人生の物語。オーストラリア・バレエ創立30周年を記念して1992年に初演されたものだが、オーストラリア人でなくともバレエを愛するものなら、あらすじを聞くだけで誰しもが大いに感動してしまうだろう。

来春初演予定のマーフィー版『ロミオとジュリエット』の予告編

D

ところで『くるみ割り人形』の新演出というとマーフィー版以外にもいろいろある。マーフィー版同様の大胆な改訂といえば男性ばかりで踊られる『白鳥の湖』を大ヒットさせたマシュー・ボーン版。これは孤児院が舞台となるものだ。バレエ系とは違った舞踊語彙を用いミュージカルのような舞台も手掛けるボーンだが、彼は『白鳥の湖』同様にチャイコフスキーの原曲への深い敬意を感じさせる振付や解釈を行っている。


現代への読替え版ということでいえば現代ダンス畑のマーク・モリスによる『ハード・ナット』も知られる。バレエ系の振付家のものでは舞台がクリスマスではなくクララがバレエにあこがれる少女という設定のジョン・ノイマイヤー版あたりが異色作か。自身の少年時代を回想し母性愛で泣かせるモーリス・ベジャール版は東京バレエ団がレパートリーにしている名作。スターダンサーズ・バレエ団も上演しているピーター・ライト版は古典版からさほど離れていないが演劇的な解釈が深くセンスは現代的だ。


モーリス・ベジャール 「くるみ割り人形」 [DVD]

モーリス・ベジャール 「くるみ割り人形」 [DVD]


国内でも各団体がレパートリーにしているが創意あるものを挙げていくと……。未見だが札幌舞踊会が坂本登喜彦の手掛ける現代版を何度か上演している。Kバレエカンパニーの熊川哲也版もホフマンの原作に近づけつつ設定にも変更を加えて創意あるバージョンといえる。松山バレエ団の清水哲太郎版は森下洋子の名演と切り離せないがゴージャスで重厚、独特の味わいはある。新国立劇場バレエ団も昨年、牧阿佐美が改訂版を手掛け、現代の新宿の街からはじまるオープニングが話題に。神戸の貞松・浜田バレエ団は「お菓子の国バージョン」「お伽の国バージョン」という2つの版を持ち、毎年両方上演を続けて今年で6年目となる。世界広しといえども類がないのでは。


熊川哲也 くるみ割り人形 [DVD]

熊川哲也 くるみ割り人形 [DVD]


今年もあれよあれよというまに秋になり、年の瀬も近づいてきた。さまざまの『くるみ割り人形』に接することのできる機会も少なくない。平均的な古典版の内容は他愛ないし(たしか「人畜無害のホームドラマ」といったシツレイな?人も……)、構成は単調であるが、チャイコフスキーの音楽の完成度は極めて高い。その心浮き立ち惑わせるような調べを聞きながら優れたバレリーナたちの踊りをみるだけでも幸せな気分で満たしてくれる。世知辛い世の中であるが今年も『くるみ』で一息ついて新たな年を迎えたい。

2010-10-15

[]2010年10月中旬〜11月中旬

★注意事項★

■原則首都圏の洋舞(バレエ、コンテンポラリー・ダンス、フラメンコ、現代舞踊等)の主なる&見逃せない公演をフォロー。不注意でスルーしてしまうことはお許しください。興味関心や守備範囲によって若干の偏り等が出るかと思いますが、重ねてお許しください。あまりフォローしていないもの、未見のものに関しては確かなことはいえないのでスルーすることも。演劇等の周辺ジャンルは独断と偏見で掲載。

■ジュニア・児童公演、新人公演・勉強会的公演、発表会やそれに類するものは教育上の配慮や諸事情から原則取りあげません。また、子ども向け公演や全国ツアー都心での公演のないもの・少ないもの等はとりあげないことも。チラシ等配布も少なく一般観客に対して公演告知、情報公開の少ない公演等も同様に後手に。

■首都圏以外の公演は、基本的に公共施設・団体の主催する公演OR管理者が定期的に実見し状況把握のできているもののみ掲載(特にバレエ、現代舞踊)。

■情報の誤り等による被害等に関しては責任を追いかねます。悪しからずご了承ください。HPリンクを極力貼っておりますので一次情報の確認を願います。

■掲載希望等いただいても上記の趣旨に沿わないもの等であれば掲載は遠慮させていただく場合も。ご了解ください。

■来日公演■

【バレエ】

モーリス・ベジャール・バレエ団

『80分間世界一周』はベジャールの遺作で過去の名作からの引用集。もうひとつのプログラムではベジャールの愛弟子で芸術監督のジル・ロマンの『アリア』とベジャールの『火の鳥』『3人のソナタ』を上演。『80分間』はベジャール入門編としていいかも。巨匠を喪ってから早3年、2度目の来日となるだけにロマンの指導ぶりが問われる公演となりそう。地方公演もあり。

「80分間世界一周」

●11/8(月)19:00、11/9(火)19:00、11/10(水)19:00/東京文化会館

「アリア」「火の鳥」「3人のソナタ」

●11/13(土)15:00、11/14(日)15:00/東京文化会館

¥17,000〜6,000 エコノミー券、学生券、2演目セット券、ペア券あり

http://www.nbs.or.jp/

Le tour du monde en 80 minutes

D

「奇跡の饗宴」

ズービン・メータ指揮のイスラエル交響楽団とモーリス・ベジャール・バレエ団と東京バレエ団によるコラボレーション。ベジャールの名作をメータ指揮のイスラエル・フィルがオケピに入っての生演奏で上演するという一大イベント。『春の祭典』『愛が私に語りかけるもの』『ペトルーシュカ』を上演。『愛が私に語りかけるもの』にはオペラ歌手の藤村実穂子+合唱も付くという豪華版。

「奇跡の饗宴」

●11/3(日)15:00、11/4(月)19:00/東京文化会館

¥39,000〜11,000 エコノミー券、学生券、ペア割引券あり

http://www.nbs.or.jp/

ボリショイ・バレエ&マリインスキー・バレエ合同ガラ公演「ロシア・バレエのスターたち2010」

2回目となるボリショイとマリインスキーの合同ガラ。各カンパニーのダンサーのパ・ド・ドゥが主になる。メンバーは豪華で、ザハーロワの降板は痛いが、古典系を中心に今のロシア・バレエのトップ級の踊り手が一堂に会するのは貴重といえる。

Aプロ

●10/23(土)14:00、10/26(火)18:30/東京文化会館

Bプロ

●10/24(日)14:00、10/27(水)18:30/東京文化会館

¥23,000〜6,000

http://www.japanarts.co.jp/

オーストラリア・バレエ

前回公演が好評を博し3年ぶりに来日中。グレアム・マーフィー版の『くるみ割り人形』は、少女クララの夢とオーストラリアのバレエの歴史がリンクする。古典作品の読み替えとして斬新。モダン畑出身らしく振付も通常のクラシック・バレエとは違ったものも含まれていておもしろく、それでいて洗練されている。普通のクラシック・バレエは苦手派やファッションや演劇畑の人などはむしろこういった作品からバレエを観始めるとハマるかも。

『くるみ割り人形』全幕

10/15(金)18:30、10/16(土)15:00、10/17(日)15:00/東京文化会館

¥16,000〜5,000(他にエコノミー券、学生券等あり)

http://www.nbs.or.jp/

【ダンス】

アンヌテレサ・ドゥ・ケースマイケル+ジェローム・ベル+アンサンブル・イクトゥス

ローザスを率い、今日のコンテンポラリー・ダンスの巨匠といっていい地位になったケースマイケルが、アンサンブル・イクトゥスの演奏するマーラー『大地の歌』の「告別」にのせてベルと踊り、繰り広げるコラボレーション。

「3Abschied ドライアップシート (3つの別れ)」

●10/30(土)17:00、10/31(日)14:00/愛知県芸術劇場大ホール

¥6,000〜4,000 学生券、S席ペア券あり

http://aichitriennale.jp/

●11/2(火)19:00/静岡県コンベンションセンター・グランシップ中ホール「大地」

¥6,000〜4,000

http://www.granship.or.jp/

●11/6(土)15:00、11/7(日)15:00/彩の国さいたま芸術劇場大ホール

¥6,000〜4,000 学生券あり

http://www.saf.or.jp/

ローザス

1980年代世界中でコンテンポラリー・ダンス ブームに火をつけたローザスのデビュー作にして伝説の名作がリバイバル上演される。観ておきたい舞台ではあるが、愛知単独公演のうえ前売券は完売している(当日券は不明なので要問合)。

「ローザス・ダンス・ローザス」

●11/26(水)19:00、11/27(木)18:30、11/28(金)19:00/愛知県芸術劇場小ホール

¥5,000 学生3,000

http://aichitriennale.jp/

Rosas danst Rosas

D

ピーピング・トム

ベルギーのダンスカンパニー。昨年来日上演した『土の下』が評判に。今村昌平監督の映画『楢山節考』からインスピレーションを得ての舞台。フィジカルシアター系。

「ヴァンデンブランデン通り32番地」

●10/23(土)18:30、10/24(日)18:00、10/25(月)19:30/世田谷パブリックシアター

¥5,000 ペア‐9,000

http://setagaya-pt.jp/

【その他】

ジゼル・ヴィエンヌ

フェスティバル/トーキョーの招聘で来日。“人工身体としての人形製作とそれを用いたパフォーマンスを通じ、身体とイメージの関係、その美学を探求する”という。ダムタイプの高谷史郎、中谷芙二子、ミュージシャンのスティーヴン・オマリー、ピーター・レーバーグらとのコラボレーション。気になる。

「こうしてお前は消え去る」

●10/30(土)19:30、10/31(日)17:00、11/1(月)19:30、11/2(火)19:30、11/3(水)14:00/にしすがも創造舎

¥前売‐4,500 当日‐5,000 学生‐3,000 高校生以下‐ 1,000(前売・当日共通、要学生証提示)

http://festival-tokyo.jp/

ロベール・ルパージュ

ルパージュを観ずして現在の舞台芸術は語れない。オペラ、演劇、サーカス等の演出でその天才ぶりを発揮して世界的に評価されている。ルパージュ・マジックと称される眩惑的な演出に熱狂的なファンも少なくない。好みは別にして一度はちゃんと見るべきアーティスト。4年ぶりの来日。

「The Blue Dragon─ブルードラゴン」

●11/11(木)19:00、11/12(金)19:00、11/13(土)14:00、11/13(土)19:00、11/14(日)14:00/東京芸術劇場中ホール

¥6,500〜4,500

http://www.geigeki.jp/bd/

■国内公演■

【バレエ】

熊川哲也Kバレエカンパニー

『コッペリア』は、2004年に初演され、古典作品の演出者としての熊川哲也の才能を知らしめた作品。陰鬱さはなく明るくわかりやすい物語展開が魅力で第三幕ディヴェルティスマンでは音楽構成にも一捻りするなどダンスの見せ場もたっぷりに仕上げている。熊川のフランツも当たり役。『白鳥の湖』は2003年に初演され朝日舞台芸術賞を得るなど評論家からは高く評価された作品。舞台美術は壮麗。英国ロイヤル・バレエの優秀なプリマ、ロベルタ・マルケスの客演が注目される。大阪公演あり。

『コッペリア』全幕

●10/23(日)14:00(熊川哲也&東野泰子)/神奈川県民ホール大ホール

¥18,000〜7,000

●10/27(水)18:30(熊川哲也&神戸里奈)、10/28(木)18:30(熊川哲也&東野泰子)/Bunkamuraオーチャードホール

¥18,000〜10,000

『白鳥の湖』全幕

●10/30(土)16:00(松岡梨絵&宮尾俊太郎)、10/31(日)14:00(ロベルタ・マルケス&浅田良和)/Bunkamuraオーチャードホール

¥12,000〜6,000

http://www.k-ballet.co.jp/


coppelia(コッペリア) [DVD]

coppelia(コッペリア) [DVD]

新国立劇場バレエ団

新芸術監督ビントレーの代表作『ペンギン・カフェ』、久々の上演となるバランシンの『シンフォニー・イン・C』、今年で初演から100年を迎えたフォーキン振付『火の鳥』によるミックスプロで2010/2011シーズンが開幕。今シーズンは古典全幕は『ラ・バヤデール』のみ。あとは今回のようなミックス・プロとファミリー層を意識した全幕ものか超人気のドル箱ドラマティック・バレエ。前者で芸術性を追求するとともに多くのダンサーを起用し、後者で観客動員を図るという意図なのだろう。ただ、前者では動員の苦戦が予想されるし、古典ものが少ないという批判もあるかと思う。どうなっていくのか注目される。

「ペンギン・カフェ」「シンフォニー・イン・C」「火の鳥」

●10/27(水)19:00(火の鳥:小野絢子&イワン王子:山本隆之)、10/28(木)19:00(エリシャ・ウィリス&イアン・マッケイ)、10/30(土)14:00(川村真樹&福岡雄大)、10/31(日)14:00(エリシャ・ウィリス&イアン・マッケイ)、11/2(火)19:00(川村真樹&福岡雄大)、11/3(水・祝)14:00(小野絢子&山本隆之)/新国立劇場オペラ劇場

¥12,600〜1,500

http://www.nntt.jac.go.jp/

牧阿佐美バレヱ団

ブルノンヴィル版『ラ・シルフィード』&バランシン振付『セレナーデ』一挙上演という贅沢なプログラム。前者は12年ぶりの再演。後者は6年ぶりだと思うが過去の上演では高い評価を得た。主役やソリスト級に若手ダンサーの抜擢も相次いでいて活気が出てきた感。そこに注目して観るのも楽しみだ。

「ラ・シルフィード」「セレナーデ」

●10/23(土)15:00(シルフ:茂田絵美子&ジェイムズ:菊地研)、10/24(日)14:00(青山季可&京當侑一籠)/ゆうぽうとホール

¥10,000〜4,000

http://www.ambt.jp/

谷桃子バレエ団

座付き(団付き)のベテラン振付家・望月則彦による『レ・ミゼラブル』は7年ぶりの再演。初演の際も観ているが、ストーリーはよくわかるしそこそこ楽しめた記憶がある。グレードアップしたものになっていればいいのだが。長編の物語バレエの創作は貴重ではある。

「レ・ミゼラブル」

●10/16(土)16:00、10/17(日)14:00/ゆうぽうとホール

¥8,000〜3,000

http://tanimomoko-ballet.com/

法村友井バレエ団

関西はもちろんわが国屈指の歴史を誇る名門大手。初夏と秋の定期公演は通常大劇場での一回公演なのだが、今回は劇場がやや小さいためか2回公演に。活きのいい若手気鋭の踊りが楽しめそう。

「コッペリア」全幕

●10/23(土)14:00(法村珠里&奥村康祐)、10/23(日)18:30(松岡愛&今村泰典)/メルパルクホール大阪

¥8,500〜6,000

http://www.homuratomoi-ballet.jp/

NBAバレエ団

俳優や歌手をゲストに迎え「言葉と身体」を主題に四作を上演する。安達哲治、執行伸宜のほか現代舞踊の大御所の若松美黄が振付を担当するのが注目される。このバレエ団独特の渋いというか異色の企画だろう。

「NEW DANCE HORIZON」

●10/31(日)14:30/東京芸術劇場中ホール

¥5,000

http://nbaballet.org/

日本バレエ協会

恒例の「バレエフェスティバル」は創作バレエを取り上げるもの。日本の創作バレエを語るうえで欠かせない。今年は江藤勝己『ショスタコヴィチピアノコンチェルト』、貞松正一郎『アイ・ガット・リズム』、篠原聖一『カルメン』を上演。江藤作品はおそらくシンフォニック・バレエ、貞松作品は神戸のほか山口や大阪、東京でも以前上演されており楽しさあふれる人気作、篠原作品はわが国最高峰のプリマ・バレリーナ下村由理恵主演でよく知られた悲劇を描く。例年以上にバランスのいい構成の感。

「バレエフェスティバル」

●11/12(金)18:30、11/13(土)15:00/メルパルクホール

¥6,000〜4,000

http://www.j-b-a.or.jp/

東京小牧バレエ団

戦後バレエのパイオニア・小牧正英の系譜を継ぐバレエ団。小牧の死から4年経つが衣鉢を継ぐ菊池宗の下、急速に力をつけ老舗復活へと気勢を上げる。『白鳥の湖』『シェヘラザード』に続いて小牧が戦後すぐに日本初演した『コッペリア』全幕を取り上げる。振付は小牧版のフランツをもっとも踊ったという佐々保樹。中国で踊る長崎真湖&呂萌の主役コンビも楽しみ。

「コッペリア」全幕

●11/12(金)18:30、11/13(土)17:00/新宿文化センター大ホール

¥10,000〜4,000 学生券、ペア割引券あり

http://www.komakiballet.jp/

バレエシャンブルウエスト

古典でも創作でもアンサンブルの良さと緻密な仕上げを武器に健闘する団。これはアンデルセンの童話をモチーフにした物語バレエ。「清里フィールドバレエ」や地元・八王子で上演したレパートリーを都心の劇場で初披露する。

「おやゆび姫」

●11/13(土)16:00、11/14(日)16:00/ゆうぽうとホール

¥10,000〜5,000 親子ペアチケットあり

http://www.chambreouest.com/

奥土居美可 THEバレエカンパニーオブ横浜

ジャズシンガー奥土居美可とTHEバレエカンパニーオブ横浜のコラボレーション。ひとりの女性のストーリーをジャズとバレエで描くとか。

「LAD〜ラッド〜」

●10/20(水)19:00/草月ホール

¥前売‐4,000 当日‐5,000

http://lad1020.cocolog-nifty.com/blog/

【ダンス】

Noism1

2008年に初演され、コンテンポラリー・ダンスの社会的認知に大きな功績を果たした朝日舞台芸術賞(休止)の舞踊賞を受けた金森穣作品。「見世物小屋シリーズ」と銘打たれ演劇的要素やアングラな感覚を大胆に導入して現代そのもの描き出した問題作。朝日の賞と同時に受けたキリンダンスサポートによりチケット代が下げられている。年明けから数か所で公演予定されているが東京公演はない模様。

「Nameless Hands 〜人形の家」

●11/5(金)19:00、11/6(土)17:00、11/7(日)17:00、11/10(水)19:00、11/11(木)19:00、11/13(土)17:00、11/14(日)17:00、11/15(月)19:00/りゅーとぴあ 新潟市民芸術文化会館 スタジオB

¥3,500 学生‐1,500

http://www.noism.jp


NINA materialize sacrifice [DVD]

NINA materialize sacrifice [DVD]

ニブロール

矢内原美邦を中心としたディレクター・システムをとるアーティスト集団。ダンスという枠を超えたリアルで切実な表現を特徴とする。「あいちトリエンナーレ」において世界初演される注目作だけに公演ラッシュ時期だがぜひとも駆けつけたいところ。

「THIS IS WEATHER NEWS」

●10/22(金)19:00、10/23(土)14:00、10/23(土)19:00、10/24(日)14:00/愛知県芸術劇場小ホール

¥3,000 学生‐2,000

http://www.nibroll.com/

dance and art Nibroll

D

珍しいキノコ舞踊団

1990年代初頭の頃からマイペースで息長く活動を続け人気を誇る元祖カワイイ系のダンスカンパニー。テレビのCM等の仕事も多い。20周年記念公演は野外で。今回は酸いも甘いも知り尽くした創設メンバーからピチピチの若手までが出演。友情出演で小浜正寛(ボクデス)、フォークシンガー小象もでる。

「20分後の自分と。」

●10/27(水)〜10/31(日)19:00/3331 Arts Chiyoda 屋上(雨天中止の場合あり)

¥前売‐3,800 当日‐4,500 学生前売‐2,500

http://www.strangekinoko.com/

黒田育世

映画や各種メディアでの活躍も含めコンテンポラリー・ダンス界の風雲児からより中核的な存在へと上り詰めてきた感のある黒田が満を持して書き下ろしの大作に挑む(フェスティバル/トーキョー委嘱作品)。母親をテーマにした壮大なファンタジーになるとか。女性性を衒いなく曝け出した黒田作品に好悪は分かれるが、とにもかくにもその存在と作品は常に刺激的であること、無視できないことは確かである。

「あかりのともるかがみのくず」

●11/9(火)19:00、11/10(水)19:00、11/11(木)19:00、11/13(土)17:00、11/14(日)17:00、11/15(月)14:00/にしすがも創造舎

¥前売‐4,000 当日‐4,500 学生 3,000円、高校生以下 1,000円(前売・当日共通、要学生証提示)

http://festival-tokyo.jp/

千日前青空ダンス倶楽部

土方巽直系の北方舞踏派出身の紅玉が主宰する舞踏カンパニー。ポップでコンテンポラリーな味わいも持ちながら踊り手の内面からにじみ出る繊細な感情が豊かに舞台空間を観たす。

「アカイノノハナ」

●10/15(金)20:00、10/16(土)14:00、10/16(土)18:00/Art Theater dB 神戸

¥前売‐2,500 当日‐3,000 その他各種割引あり

http://sen-aozora.com/

まことクラヴ

部活動を標榜するユニット。部長の遠田誠はじめ個性派たちが、ゲリラ的なパフォーマンスを行ったり、劇場で公演を行う場合でもユルユルにみえてしたたかな戦略をはらんだ舞台をみせて観客を惑乱させる。今回は横浜のニュースポット、海辺のテラスのようなスペースでの公演。何をやらかしてくれるか楽しみである。

『事情地域ヨコハマ』

●上演中〜10/15(金)19:30、10/16(土)19:30/象の鼻テラス

¥前売‐3,200 当日‐3,500 学生前売‐2,500

http://www.makoto9love.com/

岩渕貞太

自主公演に関しては機会のがしてあまり観ていないのでコメントできないが、真面目そうなダンサー/作り手。ソロ。

『UNTITLED』

●上演中〜10/15(金)19:30、10/16(土)15:00&19:30/STスポット横浜

\前売‐2,500 当日‐3,000

http://teita-iwabuchi.com/

KENTARO!!

ヒップホップ出身で動きや音楽もセンスよく、手堅くまとまりあるピースを作る人のソロ公演。コンテンポラリー・ダンスでこれだけの期間公演を行うのは珍しい。こういった機会が増えていってほしいと思う。その意味では快挙。

『僕はまた今日も 未完成の音楽で唄う』

●上演中〜10/15(金)20:00、10/16(土)16:00&20:00、10/17(日)16:00、10/18(月)20:00、10/19(火)20:00、10/20(水)16:00&20:00、10/21(木)20:00、10/22(金)20:00、10/23(土)16:00/20:00、10/24(日)16:00/こまばアゴラ劇場

¥前売‐2,800 当日‐3,200 学生‐2500

http://www.kentarock.com/

「DANCE PLATFORM 2010」

新国立劇場コンテンポラリーダンスの企画でA・B各プロ4人ずつの若手振付家が作品発表する。Aプロでは、原田みのる『果てに』、池田美佳『SINSHOKU』、菊池尚子『Improvisation.705117902』、高瀬譜希子『Autumn Hunch』、Bプロでは松崎えり『belle ile』、山口華子『レトルト ― その中の愛と闘争』、大岩淑子『FAUNE(2008)』、C/Ompany『イキキル』を上演。顔ぶれのほとんどは現代舞踊系なのでコンテンポラリー・ダンス系の関係者にするといい気分はしないだろう。最近は現舞系にも新たな世代が育ってきてはいるようで、バイアスをかけずそれらに光を当てる企画か。2、3名は私も比較的積極的に注目している。

Aプロ

10/22(金)19:00、10/23(土)18:00、10/24(日)15:00/新国立劇場小劇場

Bプロ

10/29(金)19:00、10/30(土)18:00、10/31(日)15:00/新国立劇場小劇場

¥5,250〜1,500

http://www.nntt.jac.go.jp/

森下真樹

YRBWダンスプロジェクトの第三弾。独特な動きや言葉の間の面白さを活かしたキャラクターで独自のカラーを出す人。熱狂的なファンがいるようだ。本格的な単独ソロは久々。

「月の的を射る犬」

●10/23(土)18:00、10/24(日)14:00/横浜赤レンガ倉庫1号館3階ホール

¥前売‐3,200 当日‐3,500

http://maki-m.com/

木野彩子

YRBWダンスプロジェクトの第三弾。地道にいろいろやって「横浜ダンスコレクション」で賞を獲った人。

「かめりあ」

●10/23(土)14:00、10/24(日)18:00/横浜赤レンガ倉庫1号館3階ホール

¥前売‐3,200 当日‐3,500

http://saikino.blogspot.com/

上田遙

上田遙DANCE RECITAL14は「リア王」を扱うもの。シュービジネス系からバレエ、モダンその他に顔の広い作者ならではの人脈を知ることができる。

「現代版 リア王〜夢はるか光に満ちて〜」

●10/23(土)15:30、10/23(土)19:00、10/24(日)13:00/青山円形劇場

¥前売‐7,000 当日‐7,000

http://www.haruka-ueda.net/

マドモアゼル・シネマ

セッションハウスの劇場付カンパニー。地方公演あり。

「不思議な場所」

●10/23(土)19:00、10/24(日)14:00、10/24(日)18:00/セッションハウス地下スタジオ

¥前売‐2,800円 当日‐3,000円 学生‐2,000円 小中高‐1,500円

http://www.session-house.net/

高瀬多佳子ダンスギャラリー

高瀬は、江口隆哉や金井芙三枝という日本の現代舞踊の本流筋のひとつの系譜を受け継ぎつつ米でポストモダンのローラ・ディーンのカンパニーに所属した経験等も持つ。高瀬のソロは迷いのない流動感があり、研ぎ澄まされた美意識が感じられる。今回はソロ『空庭』と群舞『Expression』を発表。

「空庭」「Expression」

●10/27(水)19:30、10/28(木)15:30、10/28(水)19:30/アサヒアートスクエア

¥4,000(1ドリンク付き)

ボナンザグラム

ユニークバレエシアター出身で毎年独創的な作品を発表して話題を集める三浦太紀のカンパニー公演。

「Intention or Web…A side」「Intention or Web…B side」

●10/28(木)19:00/東京芸術劇場中ホール

¥5,000〜4,000

ラ ダンス コントラステ

さまざまな題材をオフバランスやアンドゥダンな動きを駆使した作舞で視覚化した作品を発表する佐藤宏のカンパニー。美術や照明などのスタッフの力も大きい。今回のテーマはオペラの「蝶々夫人」。

「Madam B(マダム・ビー)」

●10/29(金)19:30、10/30(土)15:00、10/30(土)19:00、10/31(日)15:00/吉祥寺シアター

¥5,000〜3,000

http://contrastee.com/

ほうほう堂

ユルユル系にみえて結構踊れる女性デュオ。2009年11月より月に1度、廊下や屋上、カフェなど劇場を飛び出して様々な場所で踊ってきた企画の集大成として下北沢の素敵な家で踊る企画とか。

「ほうほう堂@留守番」

●11/6(土)14:00、11/6(土)19:00、11/7(日)14:00、11/7(日)19:00、11/12(金)19:30、11/13(土)14:00、11/13(土)19:00、11/14(日)14:00、11/14(日)19:00/下北沢の素敵な家

¥前売‐3,000 学生‐2,500円 当日-3,500 小中学生-1,000円 未就学児-無料

http://hoho-do.net/

C/Ompany

海外経験のある大植真太郎、柳本雅寛、平原慎太郎によるユニット。欧州コンテの延長上に独自のものをみせてくるのか。上記の新国立劇場主催公演に呼ばれフェスティバル/トーキョーの公募公演に通るし単独公演ははじめてなのに芸術文化振興基金が下りているということからも業界的にはかなり期待されているようだ。

「イキ、テ、タイ」

●11/12(金)19:30、11/13(土)19:30、11/14(日)15:00/シアターグリーン

http://shintaroue.exblog.jp/

【その他】

冨士山アネット

バレエの「白鳥の湖」を再構築して翻弄される王子と白鳥の群れを軸に個人と集団の関係性を描くとか。作・演出・振付の長谷川寧は野田秀樹や近藤良平らとも仕事する気鋭。小劇場的なテイストを持ちながらもセンス良くスタイリッシュな世界を描く。これまでの公演ではスタイルを定めずいろいろ実験しているがシアタートラムでの大一番は長谷川にとっても勝負となろう。

【SWAN】

●10/21(木)19:30、10/22(金)19:30、10/23(土)14:00、10/23(土)19:30 、10/24(日)13:00、10/24(日)17:00 /シアタートラム

¥前売‐3,000 当日‐3,200 学生‐ 2,500

http://fannette.net/

dots

京都を拠点に活動するパフォーマンス集団。京都造形大学系。2004年の「<東京の夏>音楽祭」にてミクストメディア・パフォーマンス『うつつなれ』を発表したが評判はいま一つ。内容は可もなく不可もなくだったが同じ京都出身の“ダムタイプの再来”みたいな煽り文句、コピーそれに「<東京の夏>音楽祭」というブランドが観客に過大な期待をあたえたためだろう。若い才能を売り出す際は慎重にしないと大変なことになる。その後紆余曲折あったようだが幸いに地元で着実に成果を上げ力をつけたようでなにより。久々の東京公演は気になる。

「カカメ」

●10/22(金)19:30、10/23(土)19:30、10/24(日)15:00/川崎市アートセンターアルテリオ小劇場

¥前売‐3,000 当日‐3,500 シニア・ユース割引あり

http://dots.jp/

蘭黄の会

同世代の日本舞踊家たちと五耀會を立ち上げ日本舞踊の魅力の普及と可能性を探求する藤間蘭黄の会。昨年評判を呼んだゲーテの「ファウスト」に取材した斬新な創作『禍神』を改訂再演するほか『菊慈童』を踊る。

「禍神」「菊慈童」

●10/24(日)16:30/国立劇場小劇場

¥7,000

http://www.geocities.jp/rankoh_f/

石井智子スペイン舞踊団

小松原庸子スペイン舞踊団の華・スターとして活躍しつつ自らのカンパニーも立ち上げ近年精力的に公演活動を行う石井智子。今回は昨年の公演で圧倒的な感動をもたらした“コンパスの魔術師”ことディエゴ・カラスコに加え最高のギタリストのひとりといわれるモライート・チコを招いての共演というから期待せずにはいられない。

「MAGIA-魔法」

●11/5(金)19:00/ゆうぽうとホール

¥10,000〜6,000

http://tomokoishii.com/

2010-10-14

[]国際美術展の楽しみ方

「あいちトリエンナーレ2010」「瀬戸内国際芸術祭」という国際美術展が今夏からはじまり10月末まで開催されている。マスコミ等でも大変な話題に。

あいちは大体主なところは回って、瀬戸内は直島の展示等の一部しかみていないが、いずれの会場や街角等でも、公式ガイドブックや見どころを紹介したWEBページをプリントアウトしたものを持ち歩いている人をひんぱんに目にする。自分もそこまではしなくても、会場図等を観て、スケジュールを立てたり、どれを観ようかと思案する。

情報誌等でおいしいお店を探したり、いろいろな用意されたプランのなかから観光地を定めたりするのと同じようで、なんだか味気ないというか、アートを消費しているという感も。でも、こういった大規模な国際美術展となると、そうしないと回りきれないし、全貌が想像もできなくなる。致し方ないというか、やはり必要なのだろう。

公式WEBサイト等でのリアルタイムの情報更新も頻繁で確かに役に立つ。ガイド本やマップも含めて情報がたくさんあるなかでどうやって自分流の楽しみ方ができるかがイベントに踊らされることなくしっかりと作品を鑑賞していくための視座となるのだろう。


美術手帖2010年 08月号増刊 あいちトリエンナーレ2010公式ガイドブック

美術手帖2010年 08月号増刊 あいちトリエンナーレ2010公式ガイドブック


美術手帖6月号増刊 瀬戸内国際芸術祭2010公式ガイドブック

美術手帖6月号増刊 瀬戸内国際芸術祭2010公式ガイドブック

2010-10-10

[]森優貴 演出・振付 新作『冬の旅』全曲 世界初演へ

神戸の貞松・浜田バレエ団「創作リサイタル22」として10月11日(祝・月)新神戸オリエンタル劇場にて森優貴 演出・振付の新作『冬の旅』全曲 世界初演が行われる。

森は同バレエ団出身で、ドイツでダンサー/振付家として活躍している逸材。弱冠32歳であるが振付経験や受賞歴は豊富だ。欧州のコンテコンテンポラリー・バレエの手法を知悉したうえで独自の感性を感じさせる振付作品を発表しており、国内でも『羽の鎖』『ひかり、肖像』といった話題作を手掛けている。今回、古巣で制作する『冬の旅』は、早逝した天才作曲家フランツ・シューベルトの代表的な歌曲集をハンス・ツェンダーが現代的に編曲した版を用いた超大作。森の才気とダンサーたちの表現力豊かな演技が相まって生み出される詩情豊かなものになりそう。近年は、キリアン、ナハリンらの現代作品を上演し手の内のものとしているカンパニーであるが、そういった作品で吸収してきたコンテンポラリーなテイストと今年創立45周年を迎えるこのバレエ団が創設以来たいせつにしてきたドラマ性が豊かに融合したものになることを期待したい。

なお、本公演のプログラムに森のインタビュー記事が掲載されるが、その取材・文を担当させていただいた。やや長いもので恐縮だが「冬の旅」を創る動機や森の創作作法について語ってもらった。音楽性豊かで繊細な世界観を楽しむ一助になれば。

『冬の旅』のみならず、その前に上演される団員によるコンクール受賞作品の創作も楽しみ。『はっぴぃえんど』振付:玉那覇雄介、『幻想旅行』振付:堤 悠輔 出演:瀬島五月、『ただ天へあこがれて…』振付:瀬島五月、出演:アンドリュー・エルフィンストン。気鋭プリマ瀬島の出演&振付作品が見られるなど小品だが見どころがありそう。

【関連記事】

森優貴(ヴィースバーデン・バレエ/トス・タンツカンパニー)@「ダンスの海へ」

【関連映像】

Les Enfants Terribles~恐るべき子供たち~(振付:森優貴)

D


「ひかり、肖像」(振付:森優貴)

D

2010-10-07

[]平山素子新作ソロ『Carp with wings, me』

「あいちトリエンナーレ2010」パフォーミング・アーツ「まちなかパフォーマンス」の一環として行われた平山素子の新作ソロ『Carp with wings, me』を観てきた(10月3日所見)。

f:id:dance300:20101003144607j:image:rightこれはハープ奏者で平山と同じく名古屋出身の神谷朝子とのコラボレーションであるが、長者町にある地元きっての老舗料亭・河文が舞台。観客はまず座敷内に導かれ料亭の女中さんたちから茶菓の接待に授かる。その後中庭のぐるりへと案内される。日頃、中庭は池と石舞台になっている。石舞台のうえでは時おり能等が上演されることもあるそうだ。しかし、今回は鮮やかな演出の妙があった。なんと池の水をすべて抜いたのだ。そこで平山が踊るうちに、じょじょに水を放水して池が水で満たされていくという一風変わった仕掛け。

f:id:dance300:20101003165231j:image:left平山の踊りは45分に及んだ。平山は、黒地に赤白をあしらった衣装、頭には金色のオブジェを着けたいでたちで現れ踊り始める。オブジェを取って踊るとさながら人魚姫。そして、池には水が満ちはじめ、神谷が石舞台のうえから奏でる天上的といえるハープの響きにのせて天女のごとく舞う。凄絶なまでに美しい!夢見心地にさせられた。雨模様で終盤にはポツポツと小雨になり、ハープが濡れないか気に病んだが、無事最後まで踊り・演じられた。カーテンコールのアンコールで、小さなハープの演奏にのせての平山の踊りも絶品だった。

f:id:dance300:20101003150814j:image:right平山のダンサーとしての天才性が横溢した一作。身体能力の高さはさることながら空間や音楽のなかに身を置き、場を踊り場に踊らされつつ詩情豊かな世界を肉体から紡ぐ稀有な踊り手であると再認識した。今後、平山は10月17日に神奈川県芸術舞踊協会主催公演にて能美健志振付の大作『AQUA』に主演するほか、12月には新国立劇場他にて「ストラヴィンスキー・イブニング」と題して『春の祭典』と新作『兵士の物語』を演出・振付する。日本のダンスシーンを牽引する存在であるが、いよいよ円熟味と尖鋭さを増してきた。その動向を楽しみにしたい。

※写真一番上は会場前の看板。真中は「河文」の石舞台&中庭池。一番下は茶菓をいただいた座敷内にあったものだが平山をモデルにした掛け軸らしい(未確認)。

【関連記事】

公演詳細ページ「あいちトリエンナーレ2010」パフォーミング・アーツ

笠松泰洋の作曲家日記〜平山さん愛知トリエンナーレ(ゲネプロ写真等豊富)

ダンスの海へ〜平山素子の活躍

2010-10-02

[]顕彰・舞踊賞ガイド

秋の芸術シーズンたけなわだが、間もなく年末となり、そして年が明けると各舞踊賞や顕彰の発表がどんどん行われていく(秋の叙勲はまもなく発表)。各賞について一般にはさほど知られていないはず。洋舞に関する主なものを簡単ではあるが紹介してみようと思う。コンクールやコンペは基本的に除外。順不同。敬称略。

【公的な褒章など】

文化勲章

科学技術や芸術などの文化の発展や向上にめざましい功績のある者に授与される。洋舞ではまだ受章者なし。

文化功労者

文化の向上発達に関し特に功績顕著な者に対して授けられる。洋舞では、森下洋子(1997年)、島田廣(2002年)、牧阿佐美(2008年)、小島章司(2009年)が受けている。

旭日小綬章

勲四等に当たる。現在の洋舞界の大御所では横井茂、石田種生、佐多達枝や西田堯、若松美黄、折田克子、アキコ・カンダ、小松原庸子らが受章。

紫綬褒章

学術、芸術、スポーツ分野の功労者に授与される。森下洋子のような異例の飛び級(日本芸術院賞等を若くして受賞)は例外として、ここを受けないと上記の褒章の対象にならないとみていい。バレエでは最近、下村由理恵が比較的若い年齢で受章して話題に。コンテンポラリー・ダンスの分野では勅使川原三郎が受けている。

文化庁長官表彰

長年の文化活動により顕著な業績を挙げた芸術家・文化人等に対して文化庁長官が表彰。批評家も受けており桜井勤、福田一平、山野博大らが顕彰されたようだ。

芸術選奨文部科学大臣賞

文化庁管轄。演劇、映画、音楽、舞踊、文学、美術、古典芸術、放送、大衆芸能、評論の10部門に分かれ、それらの分野において顕著な活躍を見せた人物に贈られる。最近は洋舞/邦舞に分かれたが以前は同じだった。バレエでは吉田都、下村由理恵、斎藤友佳理、熊川哲也、岩田守弘ら活躍目覚ましい現役が受けている。コンテンポラリー・ダンスでは勅使川原三郎のほか振付家としては異例の若さでNoismの芸術監督である金森穣が、舞踏では山海塾を主宰する天児牛大が受賞。

芸術選奨文部科学大臣新人賞

上記の賞の新人部門。洋舞/邦舞から年間1名がデフォルト。なかなか貰いにくい。最近ではコンテンポラリーダンサー/振付家の平山素子が受けた。

文化庁芸術祭賞

毎秋行われる。公募制。舞踊部門は現在、関東/関西と部門が分かれる。現在は大賞・優秀賞・新人賞の3賞制定。近年バレエで大賞を受けた団体・個人は小林紀子バレエ・シアター『レイクス・プログレス』、法村友井バレエ団『アンナ・カレーニナ』、貞松・浜田バレエ団『DANCE』、篠原聖一『ロミオとジュリエット』ほか。

【各新聞社等による制定】

舞踊芸術賞

東京新聞制定。現在は洋舞/邦舞からそれぞれ毎年一名過去の実績を加味して大御所クラスが選ばれる功労賞。

中川鋭之助賞

東京新聞制定。 将来を嘱望される洋舞界の若手ダンサーに贈られる。16回のうちモダン畑は川野眞子、平山素子という超一流の2名のみの受賞。

朝日舞台芸術賞

朝日新聞社制定。7回で休止してしまったが、2000年代のコンテンポラリー・ダンスや舞踏の社会的認知度を高めるためにとてつもない貢献を果たした。黒田育世や近藤良平らのブレイクを後押し。舞踊でのグランプリ受賞は山海塾のみだが勅使川原三郎やKバレエカンパニーが複数回舞台芸術賞を受けた。他に、新国立劇場バレエ団、東京バレエ団、牧阿佐美、金森穣/Noism、大野一雄、水と油らも賞を受けた。

毎日芸術賞

毎日新聞社制定。舞踊では森下洋子や東京バレエ団が受賞。【追記:2011/2/3】吉田都さんが新春に受賞

【民間の財団等の顕彰】

橘秋子賞

財団法人 橘秋子記念財団制定。日本バレエのパイオニアのひとり故・橘秋子の業績を称え後世にその名を残すため設けられた。バレエ業界において極めて権威が高い。現在は特別賞・優秀賞・功労賞・舞台クリエイティブ賞、それに時おり助演優秀賞が出る。優秀賞は一線で活躍し日本バレエ史に名を残すプリンシパルたちの名が連なる。

スワン新人賞

財団法人 橘秋子記念財団制定。橘賞と同時に発表&授賞式が行われる。日本のバレエを応援していた一篤志家の私財をもとに若手ホープのダンサーに贈られる。

服部智恵子賞

日本バレエ協会制定。今年で26回目を数える。橘賞よりも後発だが、日本バレエの至宝・森下洋子以下の世代の名だたるプリマやノーブル・ダンサーが受賞している。

舞踊文化功労賞

日本バレエ協会制定。全国各地で舞踊家として、指導者として、また振付家として長年にわたり我が国バレエの普及・振興に尽力した人への顕彰。5年ごとに発表。

松山バレエ団顕彰

財団法人松山バレエ団主催。今年で20回目を迎えた。芸術賞・奨励賞・教育賞を制定。あらゆる洋舞のジャンルを対象に、地域で活躍する舞踊人や舞踊教育者にも光を当てる。ユニークな選出に思われるが、ここの奨励賞受賞を皮切りに各賞を次々受賞していった人も少なくなく独自のセレクションを誇りながら影響力も少なくない。

江口隆哉賞

現代舞踊協会制定。現代舞踊の作家に贈られる。大御所・ベテラン中心に選ばれるが、かつては木佐貫邦子、高瀬多佳子らが、近年では内田香、平山素子が比較的若くして受賞している。今年から選考委員の批評家枠が大幅にチェンジし若返ったのでどのようになっていくのか注目される。

河上鈴子記念スペイン舞踊賞

現代舞踊協会制定。現在は2年に1度の選出。わが国のフラメンコ舞踊の一線を切り開くアーティストに贈られている。

ニムラ舞踊賞

長野県・諏訪市主催。アメリカで活躍したパイオニア新村英一の功績を称えてのもの。近年の受賞者をみると、バレエと現代舞踊が交互に選出されている。中村恩恵やケイ・タケイ、笠井叡らの選出がシブい。

【批評家等による選出】

舞踊批評家協会賞

批評家有志の選考。本賞と新人賞を数件選ぶ。日舞や舞踏の選出は見識深い。ただ、洋舞とくにバレエに強い会員は極めて少なく選出に疑問の声も。

日本ダンスフォーラム賞

コンテポラリー・ダンスを対象に評論家・研究者やプロデューサーが専門的な見地から選出するという賞。大賞はあまり出ていないようだ。

「週刊オン★ステージ新聞」ベスト新人

選考による顕彰ではないが音楽、舞踊、演劇、映像の情報、批評による総合専門紙「週刊オン★ステージ新聞」が批評家等の投票で選ぶ新人賞。舞踊家と振付家部門がある。振付家賞は希少で、近年は東野祥子、キミホ・ハルバート、森優貴らフレッシュな新鋭が獲得している。

2010-10-01

[]獅子の舞たち

本日、10月1日、文化庁芸術祭祝典として「アジアを結ぶ獅子たち」が行われる。

これは獅子をキーワードに、わが国をふくめたアジア三カ国の民族舞踊を披露するというものだ。バレエやコンテンポラリー・ダンスの観客も機会があればさまざまの民族舞踊にも触れていくと、より舞踊の世界の奥の深さが楽しめるようになるかと思う。

文化庁芸術祭祝典「アジアを結ぶ獅子たち」

http://www.ntj.jac.go.jp/performance/3547.html

法霊神楽「権現舞

D

Connection: close