Hatena::ブログ(Diary)

ダンスの海へ 舞踊評論家・高橋森彦のblog このページをアンテナに追加 RSSフィード

2006010203040506070809101112
2007010203040506070809101112
2008010203040506070809101112
2009010203040506070809101112
2010010203040506070809101112
2011010203040506070809101112
20120102030405060708091112
201301020304050607091011
20140102040508
201506070809

2011-03-30

[]平成23年度芸術創造活動特別推進事業助成対象活動&芸術文化振興基金助成対象活動決定

文化庁・日本芸術文化振興会による平成23年度芸術創造活動特別推進事業助成対象活動および芸術文化振興基金助成対象活動が30日公表された。

平成23年度 芸術創造活動特別推進事業助成対象活動 決定(PDF 553KB)

http://www.ntj.jac.go.jp/suishin/joho/h23/23-hojyo.pdf#zoom=100

平成23年度 芸術文化振興基金助成対象活動 決定(PDF 790KB)

http://www.ntj.jac.go.jp/suishin/joho/h23/23a-kiitiran.pdf#zoom=100

いわゆる「事業仕分け」の影響を受けた昨年よりも各団体への助成は減っている。舞踊関連に限って数字をみていこう。芸術創造活動特別推進事業では、昨年度は67件中56件採択で478,100(千円)が本年度は63件中45件採択で464,200(千円)。芸術文化振興基金では、昨年度は158件中51件採択で97,000(千円)が本年度133件中44件採択で94,000(千円)。金額も採択件数も減少している。

一昨年秋は「事業仕分け」に揺れたが、昨年度の文化予算全体は僅かながら増えた。糠喜びした向きもあったようだが、芸術団体個々への助成は減った。昨年は音楽方面で助成金不正受給という問題も起こったし、「劇場法」をめぐっての議論も活発になっている。そんななか芸術団体単体への信頼度というものは低くなってきているのは数字をみれば明らかだ。各団体とも厳しい現実に向き合う必要あろう。いずれにせよ「劇場法」の議論含め、わが国の芸術創造活動が進展し易くなるよう進んでほしい。

舞台を享受する観客サイドとしては、とにもかくにも舞台のクオリティが落ちないかが心配だ。助成金の採択・不採択、下りても多寡が現実的に大きな問題になってくる。助成金に頼り過ぎない運営も求められてこよう。各団体とも大変だと思うが、ここを耐えて質の高い舞台を生んでほしいと願うしかない。

2011-03-29

[]森下洋子さんから被災地へのメッセージ

日本を代表するプリマバレリーナで松山バレエ団団長の森下洋子が東日本震災に対してメッセージを出した。

MSN産経ニュース 被災地の皆さんへ 心はつながっている バレリーナ・森下洋子さん

http://sankei.jp.msn.com/entertainments/news/110328/ent11032807370001-n1.htm

http://sankei.jp.msn.com/entertainments/news/110328/ent11032807370001-n2.htm

森下が戦後の広島に育ったことはよく知られる。原爆投下による惨禍からの復興を目の当たりにしながら少女時代を過ごしてきたわけだが、その経験を踏まえつつ、このたびの震災で被害を受けられた方々に対しても必ずや希望はあるという力強い声明といえる。わが国のバレエ関係者のなかで森下の知名度は群を抜いているだけに、今回のメッセージはバレエを愛する者として心強いし、広く訴求力があると思う。

森下は今年、舞踊歴60周年を迎えた。松山バレエ団では目下、記念シリーズを展開中である。4〜5月には、森下の公私に渡るパートナー清水哲太郎の両親である松山樹子と故・清水正夫の時代から長年日本と中国との友好に身を捧げてきた同バレエ団の姿勢を象徴する創作バレエ『白毛女』を新『白毛女〜HAKUMOJO〜』として本公演では久々に上演する。肉体の極限と闘いながら渾身の力を込めて踊り、役を生き抜く森下の芸術家魂には、毎度のことながらただただ圧倒させられる。バレエ界の頂点に位置する森下の願いと踊りが被災地の方々に届くことを願って止まない。


バレリーナへの道〈38〉世界のプリマ森下洋子

バレリーナへの道〈38〉世界のプリマ森下洋子


Yoko Morishita

Yoko Morishita

2011-03-28

[]熊川哲也とKバレエカンパニーの東日本大震災をめぐる動き

未曾有の被害をもたらし、いまなお被災地では大変厳しい状況が続いていると報じられる東日本大震災。各界で支援の輪が広がっているが、舞踊界でいち早く行動を起こし支援を明確に表明した団体のひとつが熊川哲也のKバレエカンパニーだろう。

Kバレエは折りしも東京・渋谷にて『真夏の夜の夢』『バレエ ピーター・ラビットと仲間たち』上演期間中に震災発生を迎えた。3月10日(木)の初日を無事終えていたが2日目・震災発生当日11日(金)夜公演は休止に。12日(土)の昼・夜公演も休演となった。13日(日)の昼公演と同日夜に行われた11日(金)分の振替公演はおこなわれたものの14日(月)昼・夜に組まれた12日(土)の昼・夜分の振替公演は休止となった。

予定の5公演すべての前売券完売の人気だったが、震災の影響で見られなかった人は多い。不測の事態のなか条件の許す限り開催を模索しつつ、予定通り行われた13日(日)昼公演を含め11日以降公演前売券を購入し観られなかった人へ次回公演『ロミオとジュリエット』への振替もしくは払戻を行ったのは臨機応変な対応に思う。

当初観る予定の12日(土)昼公演が見られず13日(日)の夜公演をみた。音楽、舞踊、演劇、映像の情報、批評による総合専門紙「オン・ステージ新聞」に舞台評を寄せたので詳しくはそちらを一読いただきたいが、両作ともプロフェッショナルな隙のない舞台で、観客に供するに相応しい気持ちのこもるものだった。ロビーには今回の事態に対する熊川のメッセージが掲げられ、また、カーテンコールは無しという処置が取られた。

その後、20日(日)、21日(月・祝)に神戸公演が行われ、そこで募金箱を設置し、所属するダンサーによる募金活動を行ったという。集まった救援募金は2日間でなんと1,791,371円となり、日本赤十字社へ送られたと報告されている。また、日本赤十字社を通じて18日付で熊川哲也個人より1,000万円の寄付をした旨発表された。

被災地の方が負われた被害に比べられないが、全国の多くの人々も震災によって少なからぬ影響を受け、心も沈んでいる。バレエに限らず舞台芸術というものは水や食料のように人間が生命を維持するうえで不可欠なものではないかもしれないが、人々の癒すことはできる。とはいえ世の中あっての舞台芸術活動である。現状を鑑みて「アーティストとして何ができるか」を意識的に考え、迅速に行動に移す熊川の姿勢は頼もしく共感したい。熊川はバレエ芸術がより広く社会に認知されるよう活発に発言し動いてきたのは周知のとおりだ。今回もじつに雄弁かつスマートな行動に思う。

神戸公演 義援金募金ご協力のお礼とご報告

http://www.k-ballet.co.jp/news/view/397

東日本大震災 義援金募集についてカンパニーメッセージ

http://www.k-ballet.co.jp/news/view/396



熊川哲也―バレエが選んだ男

熊川哲也―バレエが選んだ男

2011-03-18

[]「JCDN ダンス関係者・被災地状況 情報共有掲示板」 開設

JCDN(ジャパン・コンテンポラリー・ダンス・ネットワーク)からのメール転載します。

東日本大震災に際し、今自分たちが全国のネットワークとして出来ることとしてコンテンポラリーダンスに関わるアーティスト、制作者、劇場やホール関係者など全ての方々のための情報共有サイトをつくりました。

被災地域のアーティストやホールの方の状況、今できること、などの情報を共有できたらと考えています。激励などもぜひ書き込んでください。

『JCDN ダンス関係者・被災地状況 情報共有掲示板』

2011-03-15

[]東北地方太平洋沖地震・東日本大震災へのお見舞いと舞台芸術にできること

3月11日に発生した東北地方太平洋沖地震・東日本大震災において被害にあわれた方々にお見舞い申し上げるとともに、お亡くなりになられた方々のご遺族の皆様に、心からお悔やみ申し上げる。行方不明の方々の一刻も早い救出、避難所で暮らす方々に水・食料等が行き渡って一時であっても事態が落ち着くことを願う。

首都圏でも、東京・千葉・神奈川で震災によってお亡くなりになったり怪我を負われた方もいらっしゃることは忘れてはならないが、交通機関の乱れ等の被害で済んだのは幸いであった(筆者も世に言う「帰宅難民」になった…)。ただ、その後も余震や原子力発電所の被害による影響あって、予断を許さない状況にある。

そんななか舞台芸術公演が相次いで休止や延期になっている。地震発生当日はほとんどの劇場・ホールで行われる舞台が休演となったが、翌日以降は劇場や主催者によって判断は分かれた。また、地震発生数日してからは、公演期間中のみならず3月下旬開始予定だった公演の中止も相次いだ。新国立劇場では15日からのオペラ『マノン・レスコー』、19日からのバレエ「ダイナミック ダンス!」が中止に。国立劇場等含めた日本芸術文化振興会管轄の劇場すべてで3月中の公演は見合わせられた。

余震や電力不足による輪番停電等の問題もあって安全面に不安が残るのは否めない。観客はもちろん制作・実演側含めて安全が大切だ。また、「災害の悲惨さに日本中が胸を痛めているのに公演をするなんて許せない」という声もあろう。震災被害で亡くなられた方のご遺族やいまも暖を取るのもままならないと報じられる被災者の方の心情を思うと、公演自粛という判断が下されても致し方ないだろう。が、厳しい状況のなかにおいて、いや、こういった厳しいときだからこそ、芸術やエンターテインメントが人々を励まし、勇気づけるものだと信じて疑わない人たちも少なからずいる。人間が生きていくうえで空気や水と同じように大切なものであると(無論、被災地では、最低限の安全と精神的余裕を取り戻すことが何よりも先決なのは論を待たないが)。そして、役者やダンサー、スタッフたちにすれば生業であるし人生をかけたものであろう。生計や表現の手段が失われるとすれば、彼らの気持ちはいかばかりだろう、とも思う。

仕事ができなくなれば舞台関係者の経済が立ち行かなくなる。それどころか、率直にいって舞台をキャンセルすればとんでもない多大な損失が出る。公演自体休止すれば助成金も出なくなる。規模の大小あるが数百万〜数千万というものはザラであろうし、なかには予算が億単位で計上されていた公演もあるだろう。多くは民間の団体が主催するものであるし、金銭面の実質的な責任を取るのは主宰者やプロデューサー個人というケースも少なくないはずだ。今後の公演活動はおろか生計まで立ち行かなくなる人もでるかもしれない。公演を実行する/休止する、どちらにせよ、苦渋の判断であろうというのは、第三者的な立場から補足・強調しておきたいと思う。

繰り返すが安全面は大切だ。震災で亡くなられた方や被害を受けられた方へのお悔みの気持ちも皆が持っている(公演を行う場合に義援金を募るところも少なくないようだ)。当然だ。公演休止したところ、公演を続けたり初日を開けた/開けるところ、いろいろあるが、いずれにせよ皆、悩みに悩んだうえでの結論なのは間違いない。よくいわれるように「正解はない」というのが正しいだろう。どういう対応を行おうと確固たる信念に基づいたものならば安易に責めたりしたくない。芸術というものは、あらゆる位相で自らの理念や信念と切り離せない。いっぽうで、社会とどうリンクしていくかというのも探っていかなければならない。いま、日本で舞台芸術に携わる者は、芸術に何ができるか?社会における芸術の役割とは?という抜き差しならぬ命題に直面している。

【記事を書くに当たり参考にさせていただいたブログ・サイト】

la dolce vita 新国立劇場の3月公演はすべて中止

http://dorianjesus.cocolog-nifty.com/pyon/2011/03/3-3451.html

大和雅美さんを応援しよう!masamiFCブログ 【速報】新国立劇場、3月公演中止

http://blog.livedoor.jp/masamifc/archives/1548722.html

News-Headline 【自粛か決行か】上演可否の判断に揺れる東京演劇界

http://www.next-nevula.co.jp/news-headline/?p=1274

2011-03-11

[]第61回芸術選奨発表

文化庁は11日平成22年度、第61回芸術選奨を発表した。

舞踊部門では、文部科学大臣賞を中村恩恵、山村若が受賞。 文部科学大臣新人賞を小野絢子(新国立劇場バレエ団)が受ける。

文化庁HPには報道発表はまだ出ていないが、各種メディアで報じられている。

芸術選奨、31人受賞 加山雄三さん、平原綾香さんら

http://www.asahi.com/culture/update/0311/TKY201103110702.html

中村は先日発表された現代舞踊界最高の栄誉たる江口隆哉賞(現代舞踊協会制定)と合せて今年2冠。2008年度に受賞した金森穣に続いて欧州の一線で踊り学んできた俊英振付家の同賞獲得となる。本年度は、自身率いるカンパニーの旗揚げ単独公演や新国立劇場主催公演への招聘もあり、昨年以上の活躍が期待される。

日本舞踊の山村は、山村流舞扇会における「江戸土産 慣 ちょっと七化」が受賞対象のようだが、流派を超えた同世代の舞踊家5人で組んだ五耀會での活躍などもあって上方のみならず東西で広く活躍している。

小野は昨年のスワン新人賞(財団法人橘秋子記念財団)を筆頭にこのところ大小いくつかの新人賞を受けているが、芸術選奨の新人賞はなかなか狭き門だ。これで次世代のプリマとして確固たる地位を築きつつあることを証明したということになるだろう。

2011-03-10

[]webDICEによる水野立子(JCDNディレクター)へのインタビュー

今週末(3/11、12)にJCDN(ジャパン・コンテンポラリー・ダンス・ネットワーク)「踊りに行くぜ2(セカンド)」東京公演がアサヒアートスクエアにて行われる。2000年にスタートして全国各地のスペース間をつなぎコンテンポラリー・ダンスの魅力を広く紹介してきた「踊りに行くぜ!!」は、10周年を一区切りとして作品制作に重点をおいた新たな展開をはじめた。各地でのレジデンス制作は、どのようか果実を実らせるのだか。

公演を前にJCDNディレクター・水野立子へのインタビューがwebDICE-骰子の眼に掲載された(取材・文:駒井憲嗣)。とても中身の濃い記事だと思うのでご紹介しておく。

「創る楽しみとアーティストの活動支援で充実感を」コンテンポラリー・ダンスと社会の関わりを問う『踊りにいくぜ!! II(セカンド)』

http://www.webdice.jp/dice/detail/2913/

水野はインタビューにおいて、ダンス・アーティストの活動支援や作品制作時におけるアーティストへの向き合い方を率直・具体的に語る。そして、コンテンポラリー・ダンスの現状や社会に与える影響について冷静な分析をしている。「なんでもあり」とも評されるような、自由度の高い表現であるがゆえに、この10年で数は増えたけれども、作品の中身が弱く、個人のブログのような作品が増えてしまった面も見過ごせないと。そういう危機感こそ「踊りに行くぜ!!」がダンス作品の紹介・地域間交流の段階を経て、時間をかけてのクリエーションへの転換の原動力となっているようだ

また、ダンスの持つ可能性の広さについても語る。アーティストの作品のみならず、老若男女を対象としたコミュニティ・ダンスは社会と広く接点があり、表現能力やコミュニケーション能力が身につくものとして可能性が言及され、実際に世界各国で義務教育に取り入れられたりもする。JCDNでは、その普及にも力を入れていきたいという。

コンテンポラリー・ダンスの舞台をロクにみることもなく「コンテンポラリー・ダンスというトレンドは古い、終わった」みたいな心無い発言をし、自己顕示する者もいる。が、頭でっかちな議論や誹謗に惑わされてはいけない。現場に深くかかわる人間や熱心な観客、それに批評家と呼ばれる人のなかでも少なくない者が、そんな人よりも何千倍何万倍もダンスを愛し、日本のダンスの将来を考えていると思う。水野の言葉の端々からもそれが強く伝わる。その灯絶やすことなく皆で広げていくことが大切だ。

「踊りに行くぜ!!2(セカンド)」東京公演詳細

http://odori2.jcdn.org/project/tour/tokyo

2010 「踊りに行くぜ!!」?(セカンド) 公募スタート!

D

2011-03-09

[]小島章司のスペイン・へレス公演、大成功!

2009年秋に文化功労者に選ばれたフラメンコ界の大御所・小島章司。小島が、本場スペインの第15回「フェスティバル・デ・ヘレス」に招聘されるというニュースはここでもご紹介した。2月27日に公演が行われ、無事成功をおさめたようだ。

同フェスティバルは、1997年から開催されるフラメンコの祭典。上演されたのは2009年初演の際に好評を博した『ラ・セレスティーナ 〜三人のパブロ〜』だった。公演の模様を収録した映像や現地の批評等が小島の公式ホームページに掲載されている。

へレス公演成功の余韻に浸る間もなく、小島と舞踊団はスタジオ公演『ヘレスの風』(3/19-21)を行う。気鋭のバイラオール、ペドロ・コルドバ(特別ゲスト)を招いてのプログラムも予定されている。2009年の舞台後、アキレス腱断裂に見舞われた小島だが、完全復活を遂げているようで、さらなる深みを増した演技を期待したい。

第15回フェスティバル・デ・ヘレス招聘公演La Celestinaラ・セレスティーナ 〜三人のパブロ〜(終了)批評や映像等へのリンク有り

http://www.shojikojima.com/jp/news/celestina-jerez.shtml

小島章司フラメンコ舞踊団2011年スタジオ公演『ヘレスの風』情報詳細

http://www.paseo-flamenco.com/guide/classroom_post_32.php

Shoji Kojima. La Celestina. Festival de Jerez 2011

D




フラメンコ・小島章司の世界 (Master of Art Series)

フラメンコ・小島章司の世界 (Master of Art Series)

2011-03-07

[]プリマ誕生の土壌作りに必要なものとは?〜牧阿佐美バレヱ団の最近の舞台から

森下洋子が久々に『白毛女』を踊って反響を呼び、吉田都が毎日芸術賞を獲得し、下村由理恵の踊った『ジゼル』が大変な評判になり、斎藤友佳理の服部智恵子賞受賞の報が舞い込むなどベテラン・バレリーナの活躍が話題になる。いっぽうで、若くて実力と華を兼ね備えたプリマが払底している感はぬぐえない。各バレエ団とも新たなスターの育成・売り出しに躍起な印象も受けるが、メディアを使って押し出して売ろうとしても、そう簡単にはいかないことは過去のあまたある事例からして自明であろう。

そんななか若手プリマの有望株がどんどん出てきつつあると感じるのが牧阿佐美バレヱ団だ。このところ新進の抜擢が相次いで活気が増してきた。予兆は2009年秋から放送されたNHKの「スーパーバレエレッスン」にあったと思う。元英国ロイヤル・バレエ団のプリンシパル吉田都の指導によるバレエ講座だったが、実技を担当したのが牧阿佐美バレヱ団の若手ダンサーたちだった。現在、英国に在外研修中のプリマ・伊藤友季子らのほか、坂本春香、日高有梨、茂田絵美子といった新進が出演した。テレビでの実技を観たただけでも、彼女たちの資質の高さをうかがい知るに十分だった。

2009年12月には、坂本が金平糖の精&日高が雪の女王を踊り、2010年12月には両者逆の配役の『くるみ割り人形』全幕があった。2010年10月には茂田が『ラ・シルフィード』全幕のシルフ役に抜擢されている。伊藤と、彼女とともにかなり早い時期から全幕主演を務めてきた青山季可の両軸、それにベテランの田中祐子、吉岡まな美が現在の牧の女性プリンシパルであるが、新世代の登場が著しい。実績のある米澤真弓も入団し、昨年末には『くるみ割り人形』で雪の女王を踊るなど活躍を見せている。

そんななか、さらに若手の躍進を実感させてくれたのが、先日の都民芸術フェスティバル参加『ドン・キホーテ』全幕だった(3月5、6日 ゆうぽうとホール)。両日とも主演のキトリとバジルはじめとした配役が新鮮で、大入りの客席は昂揚感に包まれていた。

初日は、青山季可&清瀧千晴が主演。若くして古典全幕主役を続けてきた青山と一昨年末の『くるみ割り人形』王子役で主役デビューした清瀧の組み合わせ。青山はこれまで森田健太郎や逸見智彦といったベテランと組むことが多かったが、若い清瀧とともに舞台を牽引していかなければならない立場になってきたわけだ。ジュニア時代から天才少女と称され、まだ若いながらも、いまやバレエ団の中核としての自覚が求められる。町娘という庶民的な役柄のなかで清瀧と芝居を練り上げ、ときにリードして舞台を成功裡に終えたことは、青山にとって今後への大きなステップになったと思う。

2日目は、昨年夏に入団したばかりの久保茉莉恵がキトリ役に抜擢され話題となった。それまで大阪の舞台で活躍していたが、昨年4月に行われた「全国舞踊コンクール」第一部で『眠れる森の美女』オーロラのヴァリエーションを踊って見事第一位を獲得している。久保が、決選の最後に踊ったのを観て、「勝負あった」と思った。技術・演技とも平均点が高かったし、長身で見栄えがするのも強い印象を残した。夏に入団し秋にはさっそく『セレナーデ』のソリストに抜擢されている。今回の『ドン・キホーテ』の舞台に接しての印象は、近ごろ珍しい大型新人ということ。背が高いしスタイルも良いというだけでなく、全幕初主役とは思えないくらいに堂に入った踊りで、マイムや演技も衒いなくこなしている。演技心のある菊地研のバジルとの相性もいい。第3幕のコーダでは関東の舞台では珍しく手拍子が起こるほど客席の反応が良く大盛り上がりだった。

次回公演6月の『白鳥の湖』は青山季可&京當侑一籠、日高有梨&菊地研という組み合わせ。ここでは日高の抜擢が目につく。オデット/オディール役に、手足が長く美しく清楚な雰囲気のある日高を配するというのは、役柄を重視したということなのだろう。上記した坂本や茂田、久保らも含め、公演や作品によってヒロインが変わっていくのだろうか。誰が一頭地を抜いて伊藤・青山の2枚看板に迫ってくるのか楽しみでならない。切磋琢磨しあうことで力をつけ、さらに団の活性化になれば、好循環である。

牧阿佐美バレヱ団は今年創立55周年という記念すべき年を迎える。話題に事欠かないバレエ界であるが、牧バレエは時流に流されずどっしりと構えた運営をしている印象だ。近年着実に古典全幕ものを上演し、そのなかで若い踊り手をしっかり育ててきた。男性に関しても、京當、菊地に続いて清瀧が伸びてきているし、今回の『ドン・キホーテ』でもエスパーダに昨年入団の中家正博が抜擢されるなど動きがある。地に足ついた舞台作りと、公平寛大かつときに大胆な抜擢による配役で活性化する。それが、新たなスターたちの飛翔の瞬間を生むことにつながっているのではないだろうか。

【関連記事】「高橋森彦のバレエ&ダンス逍遥」(by「大人からのバレエ.com」)

Vol.2牧阿佐美バレヱ団『ラ・シルフィード』『セレナーデ』〜珠玉の名編2作の贅沢な上演に未来の息吹を感じさせる

http://www.ballet-factory.com/ballet-hyakka/gotheater/balletanddance/t-2.html


牧阿佐美バレヱ団「くるみ割り人形」<全2幕> [DVD]

牧阿佐美バレヱ団「くるみ割り人形」<全2幕> [DVD]


バレエに育てられて―牧阿佐美自伝

バレエに育てられて―牧阿佐美自伝


2011-03-05

[]日本バレエ協会制定 服部智恵子賞に斎藤友佳理!

社団法人日本バレエ協会制定の第27回「服部智恵子賞」の選考会が3月3日に行われ、チャイコフスキー記念東京バレエ団所属の斎藤友佳理が選出された(選考委員:伊地知優子、うらわまこと、桜井多佳子、福田一平、藤井修冶、山野博大)。

http://www.j-b-a.or.jp/hattori-prize_11winner.html

服部智恵子賞は、年間において最も顕著な活躍を見せたダンサーに贈られるもので(重複受賞は無し)、斎藤は東京バレエ団からは初めての受賞となった。受賞対象はいうまでもなく昨年5月に踊ったクランコ振付『オネーギン』タチヤーナ役の演技であろう。斎藤が長年の悲願をかなえた舞台。初役とは思えない完成度にしてタチヤーナの魂が憑依したかのような凄絶な演技に圧倒された。そこに至るまでのエピソードは自伝「ユカリューシャ」文庫版の増補部分に詳しいが、涙なしには読めない。演技だけでなく舞台人・女性としての生き方にも多くの観客が共鳴しているようだ。

日本バレエ協会の初代会長を務め“ママ”の愛称で親しまれた服部智恵子(1908〜1984)はウラジオストクに生まれている。1957年にボリショイ・バレエが初来日したが、その少し前日本とソ連の国交回復を目的として鳩山一郎がソ連を訪れた際、服部は通訳として同道した。斎藤はボリショイ・バレエの元プリンシパル、ニコライ・フョードロフと結ばれ日本とロシアの間を行き来しつつ大学院で舞踊学も修めている。ボリショイの名花として鳴らしたエカテリーナ・マクシーモアとの師弟関係も知られよう。時代は違えども日本とソ連/ロシアとの友好の架け橋となっている点は相通じる。斎藤は、舞踊家としての業績に加え、服部の名を冠した賞を受けるにまこと相応しい。受賞を喜びたい。



斎藤友佳理「ユカリューシャ」 [DVD]

斎藤友佳理「ユカリューシャ」 [DVD]


2011-03-03

[]【再掲】「ダンスが見たい!」新人シリーズ9講評掲載!

先日、当方が新人賞審査員を務めた「ダンスが見たい!」新人シリーズ9(1/7〜1/16@日暮里・d-倉庫 平成22年度文化庁芸術団体人材育成支援事業・EUジャパンフェスト委員会 助成)の講評がdie pratzeHPに掲載された旨、ここでご報告した。

だが、掲載いただいた当方の講評であるが、最終段落が抜け落ちていた。エラーによるものだったようだ。担当者の方に追記していただいたので、あらためてご高覧下されれば幸いである。

ダンスがみたい!「新人シリーズ9」審査員による講評

http://www.geocities.jp/kagurara2000/s9c

新人賞

木村愛子「温かい水を抱くII’」

ポコペン舞子(ぶす)「もう少し待っててください」

オーディエンス賞

富野幸緒「TIARA THE BEAUTY〜眠らない、美女〜」

2011-03-02

[]2011年3月 ダンス

3月は年度末。助成金を受けての公演が相次ぐこともあって、週末は激戦になる。

少ないけれども来日ものがなかなかのラインナップ。

マリア・コング『fling』(3/16 渋谷区文化総合センター大和田文化ホールさくらホール)は、イスラエル・ダンス界のカリスマ巨匠振付家オハッド・ナハリン率いるバットシェバ舞踊団出身メンバーのカンパニーというからフリークには見逃せないものだろう。ミエ・コカンポ『MD 00-10』(3/26-27 東京日仏学院)は、日本とフランスのハーフで、1993年名古屋で開催された「世界バレエ&モダンダンスコンクール」で金賞・ニジンスキー賞を受賞した傑物の公演。久々の来日では3作品のソロ・パートを披露する。

国内公演は目移りするくらいの豪華なメンツが揃う。

人気者では、イデビアン・クルー『アレルギー』(3/9-13 新国立劇場小劇場)。珍しいキノコ舞踊団とともに1990年代からのコンテンポラリー・ダンスシーンを牽引してきた大御所的存在だが、一年半の充電期間を経て活動を再開する。自身舞踊家として驚異的にしなやかなダンスを持ち味とする井手茂太。彼の作風はコミカルでいて少し切なくて誰しもが共感できる。それでいて、振付・動きの面白さもたっぷりで飽かせない。

Baby-Q『私たちは眠らない』(3/4-6 シアタートラム、3/12-13 大阪STUDIO PARTITA)も見落とせないだろう。独特のダークでブッとんだ世界観を展開する振付家・舞踊家、東野祥子ならではの世界が楽しみだ。梅田宏明『Holistic Strata』(3/4、5、11、12 森下スタジオ)も興味深い。ダンスの範疇にとどまらずヴィジュアル・アーティストとして映像や照明を巧みに操り斬新な表現を生む梅田のインスタレーション展に伴うショーケース的公演。各日19:30にAプロ(田畑真希、大竹千春、金野泰史)、20:30にBプロ(奥野美和、笠井瑞丈、アレッシオ・シルヴェストリン)を上演する。

静岡での上演になるが、Noism1+Noism2合同公演・劇的舞踊『ホフマン物語』(3/19-20 静岡芸術劇場)も未見ならば押さえたいところか。昨夏新潟で上演されたもので、金森穣振付の3幕からなる大作。ダンサーの身体のぶつかり合いから生まれるエネルギーが生み出す豊穣なイマジネーションと、客席をも含めた劇場空間を巻き込むようなダイナミズムに満ちたパフォーマンスであり、まさに“劇的舞踊”としか呼び得ない秀作だ。私は昨年度ベスト5に推した。余裕あれば観に行きたいのだが…。

コンテンポラリー・ダンスの総本山ともいえるJCDN「踊りに行くぜ!!」セカンド(3/4-5 伊丹アイホール、3/11-12 アサヒ・アートスクエア)も行われる。紹介から創造へ――各地でレジデンスを重ねて創りこんできた作品に期待したい。

月末には派手さはないが、わが国の現代ダンス(あえてコンテンポラリー・ダンスともモダンダンスとも言わない)において超重要なカンパニーの公演が続く。

ひとつ目はダンスカンパニーカレイドスコープ「Anniversary 15th」(3/29-30 あうるすぽっと)。二見一幸振付による『魚の背』『Zippy』『ダンツァ・ディ・トランセ』『Schwaz Elian』の四本立て。『魚の背』以外は新作である。二見は、わが国の現代舞踊の先駆者のひとり江口隆哉の高弟である庄司裕に学んだが、1990年代半ばにはパリで研修し、ヌーベル・ダンスやコンテンポラリーのスタイルにも通暁する。多彩な作風をみせるが、なかでも緻密な振付術を駆使しハード・高密度ながら流動感に富んだ超ハイパーな振付はヤバいくらいに超高度なことをやっているし、観ていても実に楽しい。

ふたつ目のアンサンブル・ゾネ 『Still moving 2』(3/26-27 神戸アートヴィレッジセンター、3/28 愛知県芸術劇場小ホール、3/30-31 シアターΧ)も玄人好みだがチェックしたい。関西洋舞界の草分けのひとり法喜聖二の後を継いだ法喜晶子に師事し、ドイツに学んだ岡登志子は、ドイツ表現主義舞踊の影響も受けつつ繊細な振付とストイックな舞台づくりで独特な舞踊宇宙を切り開いてきた。生半可な覚悟で観れば取り残されてしまうくらい異様な緊密感にあふれた舞台だ。近年は、先日、現代舞踊界最高の栄誉たる江口隆哉賞に輝いた中村恩恵と組んでの仕事を続けている。新作でも、カンパニーメンバーほか中村らのゲストも迎えて新生面に挑むだろう。

アングラ系好きには、麿赤兒の大駱駝艦『灰の人』(3/17-21 世田谷パブリックシアター)がおすすめだろう。アングラ方面に疎い人でもカルチャーショックを受けるだろうし、ハチャメチャな面白さ・ポップな感覚もあるので、楽しめそう。女だらけの秘密の花園を標榜する高襟(ハイカラ)『悦楽舞踏晩餐会』(3/17-27 DANCE STUDIO UNO)は小スペースにおいてディープでブキミそしてエロティックなパフォーマンスを展開する。獰猛な肉食系のオンナどもが踊り倒す舞台となりそうだが、今回は主宰・深見章代監修による厳選された食事(フルコース)も味わえるという。なんだか危険で近づきたくない、でも目が離せない!ヤバい興奮を味わえそう。伊藤郁女『私を踊る』(3/20-21 セッションハウス)は、アラン・プラテルやアンジュラン・プレルジョカージュらに寵愛される売れっ子ダンサー伊藤のソロとワークショップメンバーによる公演のようだ。

純然たるダンスではないが、マイム・演劇・ダンスといった枠を超えた自在な創作を行い、演劇公演への振付でも高い評価を受け先日、読売演劇大賞の「最優秀スタッフ賞」も受けた小野寺修二『あらかじめ』(TOKYO DANCE TODAY#6)はパフォーミングアーツファン必見といえるくらい自信をもっておすすめできる。2009年作品のリニューアル上演で、今回は近藤良平(コンドルズ主宰)が使用曲を手掛けるのも話題。

BABY-Q・Yoko Higashino solo dance "VACUUM ZONE"

D

Hiroaki Umeda 梅田宏明新作ダンス公演「Holistic Strata」CM(YCAM委嘱作品)

D

カンパニーデラシネラ ある女の家 / company derashinera "A wonen's house"

D

2011-03-01

[]2011年2月

140字以内でつぶやいてる某所(3/1 AM8:00〜フォロー承認制)にのせた短い感想のまとめ。2月に観たものの一部にすぎないし、内容も濃いものとはいえないが、掲載しておく。原則本文は変えていない。

天狼星堂舞踏公演ソロ小品集2011

天狼星堂舞踏公演「ソロ小品集 2011」。大倉摩矢子『蒼(あお)』がスッゴイ!持ち味の緻密な身体コントロールはいよいよ凄みを増してきた。さらにシンプルな空間のなかで、音響や照明と、ときにぶつかり、ときに寄り添うように踊って、濃密な舞踊宇宙を形成する。天才的な舞踊家である。

(2月27日 テルプシコール)

Noism2春の定期公演2011

Noism2春の定期公演2011。金森穣振付レパートリー2作と元NDT気両尻健太委嘱作『Inscription』を上演。小尻作品は、言葉や音楽と動きの関係性を突き詰めつつ若い踊り手に潜在する能力を巧みに引き出した。メンバー8名の内6名は昨年に引き続いての出演だが成長を感じた。

(2月26日 りゅーとぴあ新潟市民芸術文化会館スタジオB)

「ザッツ スーパーコラボレーション!!」

「ザッツ スーパーコラボレーション!!」@江東区文化センターは西島千博&稲本渡(クラリネット)らのコラボレーション。多彩なダンスと音楽との競演を堪能した。穴井豪、長澤風海ら曲者ダンサーを活かしつつアグレッシブな舞台を生んだ西島の手腕に拍手。さらなる展開に期待したい。

(2月25日 江東区文化センター)

東京シティ・バレエ団「シティ・バレエ・サロン」vol.1

東京シティ・バレエ団「シティ・バレエ・サロン」vol.1。小空間で団員の創作を上演。堤淳の作品はアングラチックな味だが振付も工夫ある。ソ・ユンソク作品は男ひとり、女ふたりの三者の複雑な愛のカタチを示す。他3本も真摯で好印象。この団らしい機動力を生かした安達悦子の仕事を評価したい。

(2月24日 ティアラこうとう小ホール)

Roussewaltz『真実』

内田香Roussewaltz『真実』。踊り手の練度が極めて高い。わが国のモダン/コンテでは頂点のひとつ。しっかりと踊れる。そのうえで個々の個性が立つようになってきた。ダンスダンスしていない部分でのさりげないユーモアや繊細な表現も魅力的。各場面の密度が濃く、構成も上手い。

(2月18日 セシオン杉並)

ボヴェ太郎『Lingering Imagery of Reflection ―能《井筒》―』

TPAMのボヴェ太郎『Lingering Imagery of Reflection ―能《井筒》―』@KAATエントランスがヤバい。笛、小鼓、地謡がこだまし、三方から観客に囲まれるなか、場・空気と身体を交感させていく。驚異的な集中力・身体制御に圧倒される。天才的な舞踊家だ。

(2月17日 神奈川芸術劇場エントランスホール)

ケイ・タケイs ムービングアース・オリエントスフィア『Chanting Hill』

ケイタケイ 『 CHANTING HILL』は伝説的な Lightシリーズの最新作だ。生の根源を追求するケイが織りなすスケール感ある叙事詩。前半のやや緩慢な展開、後半のドラマティックな音楽の使い方等に賛否あろうが力作だった。オープンスペースを効果的に使った河内連太の美術が圧巻。

(2月12日 日暮里サニーホール)

『 GQ Gentleman Quality -紳士の品格- 』chocolat ショコラ ヘンゼルとグレーテルより

新上裕也を中心にジャンルを超えた超一流男性ダンサー22人共演の『GQ〜Chocolat~ 』を観る。「ヘンゼルとグレーテル」をモチーフに怒涛の展開で新上ならではの美意識=紳士の品格溢れる舞台が繰り広げられる。サンシャイン劇場6公演がほぼ札止め盛況の模様だ。凄い!

(2月11日 サンシャイン劇場)

東京バレエ団『ダンス・イン・ザ・ミラー』『ボレロ』ほか

東京バレエ団『ダンス・イン・ザ・ミラー』はベジャール・ダンスの万華鏡、人間賛歌。『ボレロ』は短い時間とシンプルな振付のなかに広大な舞踊宇宙広がる。追加上演『チェロのための5つのプレリュード』は巨匠の人柄がしのばれるような味のある佳品。ベジャール芸術の多様な魅力が浮かぶ構成だった。

(2月4日 ゆうぽうとホール)

ROUSSEWALTZ " Bon appetit"

D


Gentleman Quality

D


NINA materialize sacrifice [DVD]

NINA materialize sacrifice [DVD]



Connection: close