Hatena::ブログ(Diary)

ダンスの海へ 舞踊評論家・高橋森彦のblog このページをアンテナに追加 RSSフィード

2006010203040506070809101112
2007010203040506070809101112
2008010203040506070809101112
2009010203040506070809101112
2010010203040506070809101112
2011010203040506070809101112
20120102030405060708091112
201301020304050607091011
20140102040508
201506070809

2011-07-29

[]アゴタ・クリストフ死去、「怪物」、Monochrome Circus

ハンガリー出身の作家で小説「悪童日記」(1986年)によって知られるアゴタ・クリストフ/Agota Kristof(1935〜)が7月27日亡くなった。

http://www.lexpress.fr/culture/livre/agota-kristof-est-morte_1015695.html

1956年のハンガリー動乱の際、西側に亡命し創作を続けてきた女性で、戦時下を生きる双子の兄弟がノートに記すという体裁で書かれた「悪童日記」は、世界的反響を呼んだ。「ふたりの証拠」「第三の嘘」という続編も書かれ三部作として知られる。

クリストフは戯曲も記しており、「怪物」という作品は、京都を拠点に活躍するコンテンポラリーダンス・カンパニー、Monochrome Circusの主宰者・坂本公成によってダンス化された。クリストフの戯曲とフランシス・ベーコンの絵画をモチーフにして佐伯有香に振付けられたソロだ(佐伯も振付にクレジットされている)。“強靭でしなやかな身体が歪む。いわば「拒否された身体」をヴィジュアル化した作品”(Monochrome Circus HPより)。音響は真鍋大度が手掛け、佐伯の呼吸音から生み出された異色のものだ。

f:id:dance300:20100924173846j:image:right

この作品は2006年5月に京都で初演され、同年秋にJCDN「踊りに行くぜ!」に選ばれ各地を巡演した。そして、2008年には、フランス人ダンサーが踊り、アンジェ国立振付センター他で上演されるという「monster project」へと発展する。これまでに日本、台湾、フランスのダンサーが同作を踊っているとか。また、関西を拠点に活動する、きたまり率いるKIKIKIKIKIKIが今春作品委託公演として行ったパフォーマンスの中でも同作品が取り上げられ、KIKIKIKIKIKIの花本ゆかが踊っている。ダンサーを変えて踊り継がれ、上演回数は初演から5年で40〜50回(もっと?)に及ぶとか。コンテンポラリー・ダンスとしては異例といっていい。

Monochrome Circusは、1990年結成。主宰の坂本公成と森裕子を中心に「身体をめぐる/との対話」をテーマに国内外で活動を続ける。「掌編ダンス集」と銘打った短編シリーズや東京・パークタワーホールで上演された大作『Float』、ダムタイプメンバーの照明家・藤本隆行や真鍋との協同作業によるマルチメディアパフォーマンス『Refined Colors』などが代表作。ギャラリーや民家などで行う出前ダンス「収穫祭シリーズ」も定評ある。 昨夏には、国際芸術祭「瀬戸内国際芸術祭」に招かれ、直島の集落を舞台にしたサイトスぺシフィックなパフォーミングアーツ作品『直島劇場』を滞在制作した。

f:id:dance300:20100924172723j:image:left

このカンパニーの公演は、企画がつねに先進的なうえパフォーマーの練度も秀でている。そして、優秀なスタッフとのコラボレーションによってアートディレクションにも水際立った冴えを見せる。何年も前から文化庁重点支援事業に採択されてもいる。現行の文化芸術振興費補助金(トップレベルの舞台芸術創造事業)は、最高水準の舞台芸術創造を旨とするものが対象だ。バレエやフラメンコであれば、過去の実績、カンパニーの技量や公演規模によって水準達成の目算は付く。しかし、コンテンポラリー・ダンスや現代舞踊の上演(ことに初演)となると、創造性、先鋭性優先のあまり質的な不安が付きまとう。その点、Monochrome Circus公演は、ダンスだけでなくパフォーマンスを成立させるあらゆる要素の質が粒だっている。玄人筋から一般のダンスファン、それにダンスにも縁のない観客にも訴求できるクオリティがある。先鋭性と質の高さの共存は可能なのだ。後続の多くのダンスカンパニーやパフォーミングアーツ集団は見習うべき点があるのではなかろうか。

f:id:dance300:20100924150846j:image:right

東京公演を滅多に行わないこともあって、このカンパニーの活動の全貌を把握する人は少なく、私も管見(演劇舞踊評論の中西理氏のように、ていねいに追っている方もいる)。が、内外で多くの公演やワークショップを行い成果を挙げる、コンテンポラリー・ダンス界屈指の実力派集団といっていいだろう。

photo:(C)Morihiko Takahashi 『直島劇場』2010年9月「瀬戸内国際芸術祭」

「怪物」 演出・振付:坂本公成 振付・出演:佐伯有香

D

Monochrome Circus 最新作“TROPE”CM

D


悪童日記 (ハヤカワepi文庫)

悪童日記 (ハヤカワepi文庫)


怪物―アゴタ・クリストフ戯曲集

怪物―アゴタ・クリストフ戯曲集

2011-07-23

[]渡辺真弓さんのコラム「ようこそ劇場へ」開始!

当方がステージレポート/コラム「高橋森彦のバレエ&ダンス逍遥」を寄稿させていただいている(株)健康ジャーナル社運営によるバレエ情報サイトBALLET FACTORY(大人からのバレエ.com)のコラムコーナーに、新たな連載が加わりました。

舞踊ジャーナリスト・渡辺真弓さんの「劇場へようこそ」。

第1回は、来日中のアメリカン・バレエ・シアター来日記者会見とみどころについて。

http://www.ballet-factory.com/balletcolumn/favorite/index.html

渡辺さんは、お茶の水女子大学および同大学院で舞踊教育学を専攻。 当方も寄稿する業界紙、オン・ステージ新聞社編集部勤務を経てフリーに。1991年〜2006年パリ在住。パリ・オペラ座バレエの動向やパリの舞踊事情、フランス・ダンスについて現地からレポートされてきました。専門誌紙や公演プログラム等に寄稿多数。オペラ座の日本公演やルグリたちのグループ来日公演のプログラムでおなじみですね。

渡辺さんの豊富な取材経験に基づくホットな記事を楽しみにしたいと思います。

以下、渡辺さんの著作「バレエの鑑賞入門」(世界文化社)と、美容や運動、バレエについての単行本等を刊行している健康ジャーナル社の書籍を紹介しておきます。


バレエの鑑賞入門 (ほたるの本)

バレエの鑑賞入門 (ほたるの本)


バレエを習うということ

バレエを習うということ




バレエダンサーをめざす人へ

バレエダンサーをめざす人へ


名作バレエの踊り方

名作バレエの踊り方


2011-07-16

[]JCDNを中心としたわが国におけるコミュニティダンス確立へ向けた動向

コミュニティダンスというものをごぞんじだろうか?

教育や健康、福祉、地域の活性などにダンスを用いようとするものであり、イギリスにおいて1970年代半ばから活発になってきたものといわれる。ダンスの持つコミュニケーション力を活かした活動だ。いまでは、地域に密着したもの、障がい者のダンスといった狭義のものではなくなり、老若男女誰もが参加できるコミュニティアートの一環として世界各地で広く行われている。わが国には、海外でも作品上演やワークショップを行う振付家・ ダンサー・ダンス講師の南村千里のような先駆者・第一人者もいる。

日本では、芸術ダンスと学校や養護施設で行われるコミュニティダンスが乖離していると指摘される。とはいえ、2012年からは中学校教育の中でダンスが完全必修化されるし、より身近な問題となってくる。また、JCDNの調査では、ほとんどのイギリスのアーティストは、創作活動とコミュニティでの活動を両立させていて、コミュニティでの活動が大きな収入源になっているという。アーツカウンシルなどが舞踊団等の公演活動に助成する場合、助成条件として、公演以外に地域における活動を行うことが義務付けられているようだ。なにもイギリス式にすべきというのではないけれども、わが国の舞踊家の経済保障や公的助成金のあり方を考えるうえで示唆に富むのではないか。

詳しくは下記のサイト等参照。

コミュニティダンスジャパン

JCDNでは、これからの日本のコンテンポラリー・ダンスを発展させていくために、アーティストの創作活動と地域での活動を両立できる方法を模索している。2008〜2009年には、「DANCE LIFE FESTIVAL 2008」が行われ、ワークショップや研究会、シンポジウムなどを通してわが国におけるコミュニティダンスの確立に向けての意見交換や提案がなされた。私もシンポジウム等を聴講し、デモンストレーションも観ることができた。ブリティッシュ・カウンシルや障がい者の芸術文化活動を支援するエイブルアート・ジャパンらと協力し合い、現状打開へ向けて意欲的に活動しているのを実感した。

ところで、JCDNでは、昨秋、「コミュニティダンスのすすめ」と題するパンフレットを作成した。コミュニティダンスの紹介と日本での普及を目的としたものだ。日本におけるコミュニティダンスの事例をアーティスト・主催者・参加者の肉声で伝え、イギリスのコミュニティダンスの紹介も行われている。コミュニティダンスについての研究もされている舞踊評論家・研究者の稲田奈緒美さんによる寄稿文「日本におけるコミュニティ・ダンスの可能性」も掲載されている。郵送費を負担すればJCDNから送ってもらえるという。コミュニティダンスに関心のある方はぜひ一読されることをおすすめする。

「コミュニティダンスのすすめ」パンフレット

http://www.jcdn.org/site0000/project/book-text/cdjp.html


生きるための試行 エイブル・アートの実験

生きるための試行 エイブル・アートの実験


NPO法人ダンスボックス 循環プロジェクト作品『≒2 -にあいこーるのじじょう-』

D

2011-07-14

[]才能を開花させるのは、努力と一生懸命さ

「東京新聞ほっとweb」に連載されている、「桂枝太郎の東京マドンナを訪ねて」

これは、落語家の桂枝太郎が、東京の様々な分野で輝くマドンナたちにインタビューし、現在進行形の東京の今を伝える事に挑戦するという企画だとか。

最新版(6/24更新)では、東京小牧バレエ団の藤瀬梨菜が取り上げられている。

桂枝太郎の東京マドンナを訪ねて Vol.4 バレリーナ藤瀬梨菜さん

http://hotweb.tokyo-np.co.jp/content/madonna/201106.html

藤瀬は、来る7月30日に行われる、東京小牧バレエ団「小牧正英生誕100年記念公演1」で、『ペトルウシュカ』の主役・バレリーナ役に抜擢された新進バレリーナ。

バレエをはじめたきっかけ、大役に挑む決意や自らの個性について語っている。

藤瀬は、やや小柄だが華奢な身体の持ち主。小牧バレエのなかではテクニックにも秀でている。近年は、『シェヘラザード』のタイトル・ロール(小牧版では、冒頭と最後に、老人が娘シェヘラザードに物語を聞かせるという趣向がある)、『薔薇の精』の少女役など比較的いい役も付いてはいるが、小さな役や群舞のなかでも誠実に踊りつつキラりと光るものをみせてくれていた。入団9年目にして今回大役を得たが、バレリーナ役のイメージにぴったりで、配役を知って得心させられるものがあった。タイトル・ロールを演じる佐々木大ともども命のないパペット役をどう演じるか楽しみなところ(耳にした話では、1日公演ということもあり早々にチケットがほぼまったく無くなってしまったとか…)。

記事で印象深いのは、小牧バレエの団長が語る、藤瀬を抜擢した理由についてだ。

「どんな役でも、与えられた役を精一杯こなしていた。いい役ではないと“なんで私がこんな役を”とふてくされるダンサーもいる中で、藤瀬は本当にどんな小さな脇役でも一生懸命こなしていた」

主役や目立つソリストの役は限られる。そして、いうまでもないがバレエは主役だけでは成り立たない。皆がいい役についたり、納得のいく位階を得られるわけではない。したがって、目立たない役や不本意な役に配役されると、やる気がでなかったりするのもかもしれない。展望が見いだせなければ団を去るケースもあるのかもしれない。

実際、客席でみていても、目立たない役になると「手を抜いているな」と感じさせる踊り手はいる。ソリストやそれに準じるクラスの踊り手で、ソロのときや目立つ位置のときだけは上手く踊っても、脇や群舞に回ると手を抜いているように思えるひとも。無論、プロの舞台では、ごく稀であるのはいうまでもない。まあ、そういうひとは、まず間違いなく、それ以上の躍進は望めまい。バレエに限らず、目の前のことがこなせないで、何ができる?多くの才能ある踊り手が桧舞台に立つことなく消え去っていく。自滅であろう。

そういえば、ロシアのボリショイ・バレエの名ソリストとして鳴らす岩田守弘も、かつてはいい役がつかず、日本でも上演された『ファラオの娘』では、猿役という、小さな役しか付かなかった。しかし、それにめげず腐らず一生懸命役作りに取り組んだという。その甲斐あって、登場時間がわずかしかないなかで、飄逸な味わいのある踊りをみせた。批評家や観客の絶大な支持を集め注目されたというエピソードはよく知られよう。

バレエを極めるには、身体条件をはじめ生まれ持った資質が最重要だ。非情だが事実。ただ、その才能を開花させるかどうかは、環境の良し悪しとともに本人の意欲次第ということになるのだろう。最初から花咲ける道を歩める人は一握りに過ぎない。群舞や小さな役を地道に務めながら、そのなかで才能を開花させ、観客の支持も得て、プリンシパルにまでのぼりつめる人もすくなくない。プロなのだから、舞台上で「努力」や「一生懸命」が見えては困るが、陰でものすごい努力をしているであろう人がチャンスをつかみ活躍するのをみるのは、バレエ・ファンの醍醐味。うれしくなってしまう。

いっぽう、人気者・スターを早急に求めるあまり、若手ダンサーを過大な宣伝によって売り出そうという安易な発想が出てもおかしくない。天賦の才を持ち、誰しもが主役を踊るべきと認めるようなひとならばタイミングを見計らって売り出すのは望ましい。が、そうでなく、実績も不十分で、観客の信任も得ていないのにゴリ押しするならば…。バレエ・ファンはもとより一般のお客さんを甘く見てはいけない。却って反感を買うだけなのでは?それに、多少才能ある踊り手の場合ならば、個性をしっかり見極めて育つ機会を奪い大成を妨げる。下駄履かせるのは推される人にとっても不幸であろう。



2011-07-11

[]ローラン・プティ死去

10日、フランスの振付家ローラン・プティが死去した。享年87歳。

世界的振付家、ローラン・プティ氏が死去

http://www.yomiuri.co.jp/national/culture/news/20110710-OYT1T00594.htm

パリ・オペラ座バレエ学校を経て、1940年にオペラ座に入団するが、長くは在籍せず退団し、自らカンパニーを作ってダンサー/振付家として活躍。公私のパートナー、ジジ・ジャンメールとのコンビで知られ、カジノ・ド・パリでレビュー・ショー等も行う。1950年代初めには米・ハリウッドに渡り、映画「アンデルセン物語」「足ながおじさん」等の振付を担当した。古巣パリ・オペラ座に大作にして代表作の『ノートルダム・ド・パリ』を振付け、1972年には、マルセイユ・バレエ団の創立とともに芸術監督として招かれ、世界中でツアーも行った。

日本では、三谷恭三が総監督を務める牧阿佐美バレヱ団が『ノートルダム・ド・パリ』『若者と死』といった代表作のほか、2001年に新作委嘱した『デューク・エリントン・バレエ』他をレパートリーに誇り、プティ作品紹介に努めてきた。熊川哲也のKバレエカンパニーは『若者と死』『カルメン』を上演し、熊川自身は新作委嘱ソロ『ボレロ』を踊っている。新国立劇場バレエ団は『こうもり』『コッペリア』をレパートリーに加えている。

三浦雅士氏によると、プティと同世代の故・ベジャールは、プティのことを“彼はフランス人というよりもパリジャンなんだ”と語ったという。これは重要な指摘に思う。彼は、粋で洒脱な佳品たち――ジャンメールへ振付けたレビュー作品や『こうもり』、『デューク・エリントン・バレエ』のような小粋で洒落のめした作品によって広く親しまれた。実際、そういった作品は、パリっ子の彼にならではの感性が反映されたものだろう。しかし、初期の『アルルの女』『カルメン』、それにその後の代表作の多くは、美と死に魅入られ破滅する男たちを描いた傑作群である。21世紀の現在、プティ作品は、いささかオールド・ファッションにも思われるが、時代を超えて抗しがたい魅力を放つのは周知のとおりだ。

謹んでご冥福をお祈りしたい。

なお、2012年の春には、新国立劇場バレエ団と来日するウィーン国立バレエ団が『こうもり』を、牧阿佐美バレヱ団が『ノートルダム・ド・パリ』を上演する予定になっている。奇しくも追悼という形の公演になってしまうけれども名匠の秀作をしかと味わいたい。


D


D



ヌレエフとの密なる時

ヌレエフとの密なる時


パリ・オペラ座バレエ団 「クラヴィーゴ」全幕 [DVD]

パリ・オペラ座バレエ団 「クラヴィーゴ」全幕 [DVD]


2011-07-07

[]平成23年度新進芸術家海外研修制度採択について

このところ日本版アーツカウンシルや「劇場法」等をめぐっての議論かまびすしい。ネット上では、“にわか博士”も現れているようだ。また、民間の文化芸術団体に助成される文化庁/日本芸術文化振興会の文化芸術振興費補助金(トップレベルの舞台芸術創造事業)、芸術文化振興基金の助成額が減少し、採択数も減っているというきびしい状況もある。ここでは、そういった問題にも触れたいが、それらは既に演劇畑を中心とした多くの実演家や制作者が意見を述べていることもあり、折を見てにしたい。

今回は文化庁の助成金のなかでも、新進芸術家の海外研修について取り上げる。

この制度は、美術・音楽・舞踊・演劇・映画・舞台美術等・メディア芸術の各分野における新進芸術家の海外の大学や芸術団体・芸術家等への実践的な研修に従事する機会を提供してきたものだ。現在では、1年派遣・2年派遣・3年派遣・特別派遣(80日間)の4種類があり、平成22年度末までに2,944名を派遣してきた。

在研制度を利用して海外留学するのは、昔から“狭き門”といわれ、コンクール等での実績等十分なエリート中心に選ばれてきた。文化庁のホームページでは、平成18年度以降の採択結果を見ることができる。平成21年度以降、採択数が年々大幅に減ってきていることが分かる。より狭き門となってきている感がある。しっかりした受け入れ先の確保が前提であるし、応募数や派遣年次、各ジャンルの分野等のバランス等の事情によって、実績・資格十分な人でも涙をのむことがあるのかもしれない。

本年度の採択結果が発表された。

平成23年度新進芸術家海外研修制度採択一覧(PDF)http://www.bunka.go.jp/geijutsu_bunka/05kenshu/pdf/23_shinshin_ver02.pdf

舞踊部門でどういう人が選ばれたか紹介しておく(ベテラン等も対象の特別派遣の1名のぞき1年派遣・2年派遣のみ)。納税者としては血税の使途を知る権利はあろう。

リリースをみると、実績・才能十分な人が選ばれているという印象だ。高倍率の中から選び抜かれた人たちなわけだから、まあ、当然といえば当然であろう。

1年派遣(6名)

1年(296日) 瀬川哲司/クラシックバレエ/カナダ・トロント

1年(350日) 浅井信好/振付、コンテンポラリーダンス/イスラエルテル・アビブ・ヤッフォ

1年(350日) 高田万里/バレエ/アメリカ・ニューヨーク

1年(350日) 山口華子/モダンダンス/ドイツ・ミュンスター

1年(350日) 佐藤宏美/モダンダンス/イギリス・ロンドン

1年(350日) 青木香菜恵/モダンダンス/アメリカ・ニューヨーク

瀬川哲司は、神戸の貞松・浜田バレエ団・学園出身で、大阪芸術大学舞台芸術科舞踊コースを卒業し、ニューヨーク・ジョフリーバレエスクールに留学。その後、米のグランディーバ・バレエ団で踊っていた変わり種だ。昨夏、古巣の貞松・浜田バレエ団の姫路公演『ドン・キホーテ』全幕では、ガマーシュ役として客演し好評を得たと聞く。

浅井信好は、ストリートダンス出身でショービジネスの世界でも活躍するが、舞踏の山海塾のメンバーとして世界各地での公演に参加している。財団法人ポーラ美術振興財団から平成22年度在外研修員の助成を受け、ベルリンに在住しているようだが、今秋からはイスラエルのバットシェバ舞踊団にて研修する模様。

高田万里は、大阪の名門・法村友井バレエ団のプリマとして活躍し、スタイルよく、若くして大人びた雰囲気を漂わせるバレリーナとして得難いものがあった。プロコフスキー版『アンナ・カレーニナ』では悲劇のヒロインを熱演し、東京公演でも絶賛を浴びている。バレエ団退団後、フリーとして活動し、昨夏には、平城遷都1300年記念バレエミュージカルに主演するなどしていたようだ。留学を機に新たな飛躍を期待したい。

山口華子は、藤井公・利子門下の重鎮・本間祥公の子女として生まれた。近年は振付者として頭角表し、「全国舞踊コンクール」創作部門にて第1位を獲得。2009年には初の単独公演を行ったほか、昨年には新国立劇場コンテンポラリーダンス部門にも招聘されている。今春、大嶋正樹と踊ったデュオ『Stockholm syndrome』は、息詰まるような緊密感あふれるもので、その才気を再確認したばかりだった。

佐藤宏美は、モダンダンス界でカリスマ的人気を誇る舞姫・内田香率いるRoussewaltzの若手メンバー。昨年の「こうべ全国舞踊コンクール」モダンダンス部門シニアの部で第1位を得ている。内田以下、クール&ビューティーと評されるRoussewaltzの個性豊かなメンバーの中では、決して華やかな方ではないが、クールで透明感あるなかに観るものをじわりとひきつける磁力ある演技をみせる存在である。

青木香菜恵は、現代舞踊の中心的な流れのひとつである江口隆哉-金井芙三枝の系譜を引き継ぐ坂本秀子舞踊団の一員。坂本作品やコンクール出品作品で堅実な技量を発揮しており印象に残っている。コンクール上位入賞多数。先日は「江口・宮アーカイヴ」にも出演。妹の青木愛とのabout Aliceなど独自の活動も展開している。

2年派遣(1名)

幅田彩加/モダンダンス/アメリカ・ニューヨーク

現代舞踊の先駆者・石井漠門下の高弟というよりもコンテンポラリー・ダンス ファンには、業界の大御所的存在の黒沢美香の両親にあたる黒沢輝夫・下田栄子に師事したといったほうが通りがいいかもしれない。各モダンダンスコンクールのジュニア/シニア部門で上位入賞果たしてる新鋭である。同門の先輩で、若手モダンダンサーのトップ級である米沢麻祐子の作品等でも活躍を見せる。若くしての2年の在研となるが、そのことが吉と出るか果たして…。キャリアにプラスになることを願いたい。

2011-07-05

[]高橋森彦のバレエ&ダンス逍遥 過去ログのご紹介

昨秋からWebマガジンに公演レポートを連載させてもらっている。

健康・運動・美容等の出版物を刊行している(株)健康ジャーナル社が運営するWebサイト「Ballet Factory(大人からのバレエ.com)」に掲載させていただいているコラム「高橋森彦のバレエ&ダンス逍遥」。おかげさまで、最新の配信で14回を数えた。

このコーナーでは、主に観劇後印象深く心に残ったものについて記している。首都圏外の公演にも触れている。拙文をプロのカメラマンによる素晴らしい舞台写真の数々がフォローしてくださっており、ありがたい。

以下、過去ログをご紹介しておきたいと思う。

vol.14 宮操子 三回忌メモリアル「江口・宮アーカイヴ」

http://www.ballet-factory.com/ballet-hyakka/gotheater/balletanddance/index.html

vol.13 バレエ シャンブルウエスト『白鳥の湖』

http://www.ballet-factory.com/ballet-hyakka/gotheater/balletanddance/t-013.html

vol.12 ダンスカンパニーカレイドスコープ「Anniversary 15th」

http://www.ballet-factory.com/ballet-hyakka/gotheater/balletanddance/t-012.html

vol.11 スターダンサーズ・バレエ団「振付家たちの競演」

http://www.ballet-factory.com/ballet-hyakka/gotheater/balletanddance/t-011.html

vol.10 映画『ダンシング・チャップリン』

http://www.ballet-factory.com/ballet-hyakka/gotheater/balletanddance/t-010.html

vol.9 CSB International『GQ〜Chocolat~ヘンゼルとグレーテルより』

http://www.ballet-factory.com/ballet-hyakka/gotheater/balletanddance/t-009.html

vol.8 日本バレエ協会・都民芸術フェスティバル参加公演『ドン・キホーテ』全幕

http://www.ballet-factory.com/ballet-hyakka/gotheater/balletanddance/t-008.html

vol.7 貞松・浜田バレエ団・創立45周年記念公演回顧

http://www.ballet-factory.com/ballet-hyakka/gotheater/balletanddance/t-007.html

vol.6 松岡伶子バレエ団『白鳥の湖』

http://www.ballet-factory.com/ballet-hyakka/gotheater/balletanddance/t-006.html

vol.5 ARTE Y SOLERA(アルテ イ ソレラ)『道成寺』

http://www.ballet-factory.com/ballet-hyakka/gotheater/balletanddance/t-005.html

vol.4 ゆかりバレエ創立20周年記念公演・佐多達枝『カルミナ・ブラーナ』

http://www.ballet-factory.com/ballet-hyakka/gotheater/balletanddance/t-004.html

vol.3川口節子バレエ団「BALLET SELECTIONS 2010」

http://www.ballet-factory.com/ballet-hyakka/gotheater/balletanddance/t-003.html

vol.2 牧阿佐美バレヱ団『ラ・シルフィード』『セレナーデ』

http://www.ballet-factory.com/ballet-hyakka/gotheater/balletanddance/t-002.html

vol.1 谷桃子バレエ団『レ・ミゼラブル』

http://www.ballet-factory.com/ballet-hyakka/gotheater/balletanddance/t-001.html

健康ジャーナル社刊行バレエ関連本


バレエを習うということ

バレエを習うということ




バレエダンサーをめざす人へ

バレエダンサーをめざす人へ


名作バレエの踊り方

名作バレエの踊り方

コラム掲載公演関連動画

D


D


D

Connection: close