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ダンスの海へ 舞踊評論家・高橋森彦のblog このページをアンテナに追加 RSSフィード

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2011-08-28

[]「おどりの空間」の麿赤兒・村尚也 対談

舞踊家・演出家の村尚也(坂東鼓登治)さんの主宰する「おどりの空間」は、1981年に超流派の若手日本舞踊家が集まって出来た集団である。

村さんは、踊り創る以外に日本舞踊や能楽に関する評論・著述も手掛けられ、文化庁の重点支援事業や芸術選奨等の選考・審査委員も歴任されている。「おどりの空間」は“「日本舞踊や芸能が社会や世界で何を貢献できるか」をテーマに、国内海外での公演や舞台出演をはじめイベント・講習会・テレビ・ラジオ・稽古習い事・刊行物などを通じて活動を展開”(公式HPより)してきた。

「おどりの空間」は、年に四回季刊誌を発行しており、村さんのコラムや対談や連載企画等盛りだくさんの内容で楽しみに拝読している。

先日最新号(vol.11)が発行された。

震災後初となる号である。巻頭の「アトムは今……」と題された村さんのコラムは震災・原発事故を経てのいまという時代に対する村さんの感慨が示されている。

そして、毎号読み応えのある対談記事は村さんと舞踏家の麿赤兒によるものだった。麿さんは大震災直後に『灰の人』を上演し反響を呼んだ。その公演後に行われた対談記事の完全版が「おどりの空間」の公式HPに掲載されているのでご紹介しておく。

舞踏VS日舞「かたち誕生 ふり再生」〜 麿 赤兒・村 尚也 対談完全版〜

http://odorinokukan.blog2.fc2.com/blog-entry-88.html



まんがで楽しむ能の名曲七〇番

まんがで楽しむ能の名曲七〇番


2011-08-27

[]「ダンスマガジン」10月号

「ダンスマガジン」10月号(新書館)が27日発売された。


[rakuten:book:15521379:detail]

追悼特集ローラン・プティ1924‐2011やギエムのHOPE FOR JAPANのレポート、三浦雅士さんとマニュエル・ルグリの対談など読みごたえ十分。

ことにプティの追悼特集は、ルイジ・ボニーノ、アレッサンドラ・フェリ、マニュエル・ルグリ、ニコライ・ツィスカリーゼ、ルシア・ラカッラ、草刈民代、周防正行、三谷恭三といったプティゆかりの人々の追悼文・コメントが載せられ総力特集といった趣。個人的には、三谷さんが語るプティとの出会い、プティの代表作『ノートルダム・ド・パリ』への思い入れの深さ、プティとの出会いによって羽ばたいた草刈民代や田中祐子、志賀三佐枝、上野水香、正木亮羽、菊地研といった踊り手への言及が興味深かった。来年2月に行われる牧阿佐美バレヱ団創立55周年記念公演『ノートルダム・ド・パリ』が図らずも追悼公演となってしまったのは残念だけれども、力のこもった舞台を心待ちにしたい。

さて、私事で恐縮であるが、本号のPerforming Arts Reportに、去る7月に行われた東京シティ・バレエ団『ジゼル』のレビューを寄稿した。志賀育恵&黄凱が主演した日のレポートとなる。思い返せば6年前に同バレエ団が『ジゼル』を上演した際に両者の主演した舞台の評を「ダンスマガジン」に寄せていた(2005年10月号)。その際は「ドラマティックな志賀育恵のジゼル」というタイトルが付いて、志賀の演技を中心に触れた。今回は主演ふたりの演技にも触れつつ金井利久の演出・振付に焦点を当てて書いている。6年の歳月の間で深化した両者の演技に感慨無量だった。




ダンシング・チャップリン(DVD) [DVD]

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2011-08-19

[]矢内原美邦の現在〜『THIS IS WEATHER NEWS』と『前向き!タイモン』

未曽有の大震災と原発事故を受けて、多くのアーティストが「ダンスに何ができるか」を自問したり、アートの可能性・限界について否応なしに思考を迫られたりしたようだ。

社会のなかでダンスすることの意義や根拠があらためて問われたわけだが、アーティストの考えは千差万別であっていい。今回の不測事態とは関係なく、常日頃から「社会の中のアート」という概念のなかでダンスや演劇の活動を行うことに否定的な人も。公的な助成金を貰っておきながら「公益性なんか考えるとアートの可能性が狭められる」とすら語る人までいる。いっぽう、震災後、自らのパフォーマンスによって「感動をあたえたい」と臆面もなく語る者まで現れたという。人それぞれだ。

いずれにせよ、私が以前から尊敬をもって活動を追っているアーティストは、上っ面な言動よりも作品のなかでいまという時代、いまという状況に誠実に向き合っている。

大震災や原発事故の事態に接して、まぎれもない現実でありながら、私は「これは果たして現実なのか――」「できればなかったことにしてほしい」と混乱しつも漫然と日々を過ごした。そんななか、昨秋観たひとつの舞台をおのずと思い出した。「あいちトリエンナーレ2010」パフォーミング・アーツ部門(キュレーター:唐津絵理)で世界初演されたニブロールの『THIS IS WHEATHER NEWS』だ。

ニブロールといえば、ディレクター・システムを採用していることで知られよう。振付家の矢内原美邦を中心に映像、音楽、衣装、制作等のスタッフたちが議論を重ね協同作業行い作品を作り上げていく。私は2000年12月初演の『駐車禁止』以来彼らの活動を見続けているが、その作品群は、つねに時代の空気や感性をヴィヴィッドに反映してきた。近作の『NO DIRECTION。』(2007年)や『Romeo OR Juliet』(2008年)では、よりスケール感のある舞台を志向しながらダンス、映像、衣装、美術といった要素が過剰とも思えるくらいにぶつかりあって混沌を生む掛け算的なコラボレーションを行ってきた。

愛知で観た『THIS IS WHEATHER NEWS』は、公演タイトルが示すように「人生とは天気予報のように予測がつかない、思い通りにはならない」「もし、あのときこうだったら…あのときこうでなかったら…」という、誰しもが抱く人生の不条理を痛切に感じさせる。自分のなかの何かが壊れゆく感覚のようなものをを痛ましく描きつつも、その壊れたカケラを拾い集めまた生きていく姿勢を描く。生と死を扱い、人生への絶望感も感じさせる部分もあるし、地震や津波を想起させるような場面もあった。いまにしてみれば「3・11以後」を予見しているかのようであった。そして、愛知公演時、私はすぐに指摘したが、これまでのニブロール作品のように各アーティストの掛け算的なコラボレーションではなく、各要素が引き算も心がけシンプルかつ深く主題を追求している点が新鮮だった。

その舞台が、6月末〜7月上旬に東京・世田谷のシアタートラムで再演された。パフォーマーも増え、映像がバージョンアップするなどパワーアップしていたが、作品の本質は変わらない。矢内原はニブロールの初期作品ではダンサーでないパフォーマーを使ったが、近作ではバレエ出身のカスヤマリコはじめ身体が鍛えられ、振付家の過酷な要求にも応えられる人が用いられるようになってきた。より強度と深度を増した作品に仕上がっており、震災後のいまという時代のリアリティと拮抗している舞台だけに、グッとくるものがあった。急遽予定を変更してチケットを買い足し2度観劇してしまった。

矢内原の挑戦は続く。彼女は自身の個人企画を実現するミクニヤナイハラプロジェクトを展開しており、演劇作品やソロダンスを制作してきた。その最新作で、昨秋、京都で初演された演劇作品『前向き!タイモン』が東京・京都で再演される。シェイクスピアの戯曲「アテネのタイモン」に取材したもので、原作とは真逆の設定で“不幸などん底にいる後ろ向きな男が前向きに人生を見つめなおす作品”だという。作・演出・振付を矢内原が手掛け、昨秋の「シェイクスピアコンペ」で優秀賞を受賞したが、いまを前向きに生きるパワー全開で送るとの触れ込み。出演は、笠木泉、鈴木将一郎、山本圭祐という曲者ぞろい。最近のニブロール作品と違って、演劇畑のパフォーマーを踊らせるので、ダンスに関しては初期ニブロールのようなテイストが感じられるかもしれない。

矢内原は集団作業のニブロールよりもミクニヤナイハラプロジェクトや映像の高橋啓祐とのoff nibrollでの作品において、よりみずからの心境や価値観を流露する傾向にあると私は考える。彼女の作品の底流には、ままならぬ人生(と自らの人生を思わないおめでたい人は少ないだろうが…)の痛ましさをポジティブに受け入れ、いまを生きる強さが貫かれているように思う。『前向き!タイモン』に関して矢内原は、“生きることのエネルギーを私は信じたいです”と語っているだけに、矢内原節の真骨頂が観られそうだ。

『前向き!タイモン』公演情報

★東京公演

9月1日(木)19:30

9月2日(金)19:30

9月3日(土)14:00/19:30

9月4日(日)14:00

【会場】こまばアゴラ劇場

【チケット料金】

2,000円(一般前売) 2,500円(一般当日)

★京都公演

9月23日(金・祝)19:00

9月24日(土)14:00/19:00

9月25日(日)14:00

【会場】京都府立文化芸術会館

【チケット料金】

2,000円(一般前売) 2,500円(一般当日)

ミクニヤナイハラプロジェクト『前向き!タイモン』スペシャル動画

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『前向き!タイモン』インタビュー 矢内原美邦 編

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2011-08-12

[]フラメンコ・ギターの名手、モライート・チーコ死去

フラメンコギターの名手、モライート・チーコ/Moraito Chicoが亡くなった。

スペイン在住のフラメンコジャーナリスト志風恭子さんのblogによると、昨年秋、石井智子フラメンコ舞踊団公演『MAGIA マヒア 魔法』から帰国後間もなく癌が見つかったという。公演活動を行いつつ治療を続けていたというが、10日帰らぬ人となった。

享年54歳。まだ若い。

日本のフラメンコ関係者の間にも衝撃が走っているようだ。

ご冥福をお祈りしたい。

Renowned Flamenco Guitarist Moraito Chico Dies at 54

http://worldmusiccentral.org/2011/08/10/renowned-flamenco-guitarist-moraito-chico-dies-at-54/

志風恭子のフラメンコ 最前線〜モラオ!

http://noticiaflamenca.blogspot.com/2011/08/blog-post_10.html


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Morao Y Oro: Mauve & Gold

Morao Y Oro: Mauve & Gold

2011-08-09

[]Noism1「OTHERLAND」レポート配信&Noismの活躍について

バレエ情報サイト「BALLET FACTORY(大人からのバレエ.com)」(運営:健康ジャーナル社)のBallet Column「高橋森彦のバレエ&ダンス逍遥」が配信された。

5月末に新潟で上演されたNoism1「OTHERLAND」について感想を寄せた。

Noism1 外部振付家招聘企画第4弾「OTHERLAND」〜異なる土地(OTHERLAND)に挑んだNoismの新境地

http://www.ballet-factory.com/ballet-hyakka/gotheater/balletanddance/index.html

アレッシオ・シルヴェストリン、稲尾芳文、金森穣による、三者三様の舞踊哲学の込められた作品を、Noism1のダンサーが錬度高く柔軟に対応して踊った新境地について触れている。ご高覧いただければ幸いである。村井勇氏による豪華舞台写真付!

2004年4月、りゅーとぴあ新潟市民芸術文化会館が舞踊部門芸術監督に金森穣を迎えて劇場専属のプロフェッショナルなダンスカンパニーとしてNoism(ノイズム)を設立したことは、日本のダンスシーンの新たな幕開けを予感させるものだった。

私は、彼らの旗揚げ公演『SHIKAKU』(2004年)を東京パークタワーホールで観て以来、東京・新潟等で『black ice』(2004年)、『no・mad・ic project』(2005年)、『Triple Bill』(2005年)、『NINA〜物質化する生け贄』(2005年)、『能楽堂公演』(2006年)、『sence-datum』(2006年)、『TRIPLE VISION』(2006年)、『PLAY 2 PLAY〜干渉する次元』(2007年)、『W-view』(2007年)、『Nameless Hands〜人形の家』(2008年)、『NINA〜物質化する生け贄(ver.black)』(2008年)、『ZONE〜陽炎 稲妻 水の月』(2009年)、『Nameless Poison〜黒衣の僧』(2009年)、劇的舞踊『ホフマン物語』(2010年)、『Nameless Hands〜人形の家(再演)』(2010年)、Noism2春の定期公演(2010年、2011年)と、Noismの本公演として記録されているものはすべて観ることができた。

2008年には、金森が振付家としては異例ともいえる若さで芸術選奨文部科学大臣賞を受けるなど社会的評価を受け、海外7か国10都市で公演を行い、世界的にも活躍している。Noism/金森穣が果たしてきた仕事は、日本の舞踊界、そして文化行政等に対し大きな風穴を空けるもの。新潟市がその活動に理解を示しサポートを続けているのは喜ばしい限りだ。研修生カンパニーNoism2も軌道に乗っているし、金森は手兵とともに今夏「サイトウ・キネン・フェスティバル松本2011」に参加し、オペラ『青ひげ公の城』&バレエ『中国の不思議な役人』を演出・振付する。さらなる展開を楽しみにしたい。


[rakuten:topculture:10238747:detail]


芸術の神様が降りてくる瞬間

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no・mad・ic project version Noism05 [DVD]

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SHIKAKU [DVD]

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2011-08-06

[]JCDN「踊りに行くぜ!!」2vol.2の参加ダンス・アーティスト決定!!

JCDNの主催する「踊りに行くぜ!!」は、各アーティストの作品を全国の上演スペース間で巡回上演することによって各地のダンスシーンを活性化させてきた。10年におよぶ第1期を終え、昨年からは作品制作に軸足を移し新たな展開を模索している。

このほど、7月9日・10日に京都・初音館スタジオでの2次選考を経て、「踊りに行くぜ!!」2vol.2に新作品制作&巡回公演参加するアーティストが決定したと発表された。

秋から別府、鳥取、和歌山、札幌などで滞在制作を行なうダンス・イン・レジンデンス を行い、作品制作を行なっていくようで、各作品制作の様子をWEBで公開していく。

同事業は本年度から始まった「次代の文化を創造する新進芸術家育成事業」に採択された。日本バレエ協会、現代舞踊協会といった大組織と並んでの採択であり、JCDNがこの10余年にわたってはたしてきた人材育成の成果が改めて認められた形だ。

2005年あたりを境に「新しいもの探し」のトレンドは一段落し、より深く社会に根付いた活動が散見され、アジアを含む世界各地での活動も活発化しているコンテンポラリー・ダンス。さらなる発展の可能性を占ううえでも「踊りに行くぜ!!」2に注目したい。

「踊りに行くぜ!!」II vol.2 参加ダンス・アーティスト決定!!

http://www.jcdn.org/site0000/News/index.html#/detail/95

★7月9日・10日に京都・初音館スタジオにて行われた2次選考にて、

「踊りに行くぜ!!」?vol.2で新作品制作&巡回公演に参加するダンス・アーティストが決定しました。

今後、WEBにて作品制作の様子やアーティスト・インタビューなどをUPしていきますので

ご注目ください!

 <A/ダンスプロダクション・サポートプログラム>

構成メンバーによる新作品制作を行い、2012年1-3月に巡回公演します。

  ・青木尚哉

  ・中島誠/佐々木藍紗

  ・伊東歌織

  ・菅原さちゑ

 <B/リジョーショナルダンス・クリエイションプログラム>

 各地に滞在して、その地域の出演者を公募より選出し新作品制作と上演を行います。

  ・【札幌】― うえだななこ

  ・【福岡】― 平原慎太郎

  ・【仙台】― 磯島未来

  ・【鳥取】― 坂本公成(推薦枠より選出)

■巡回公演開催会場・開催月日

【札幌】 日時:1月15日(日)

     会場:コンテカリーニョ

【仙台】 日時:2月4日(土)

     会場:メディアテーク 

【福岡】 日時:2月18日(土)

     会場:イムズホール

【鳥取】 日時:2月26日(日)

     会場:鳥の劇場

【京都】 日時:3月10日(土)11日(日)

     会場:京都芸術センター

【東京】 日時:3月16日(金)17日(土)

     会場:アサヒ・アートスクエア

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