MOKKが活動再開、11月に韓国公演

MOKKというグループがある。
舞踊家振付家の村本すみれを中心にメンバーは皆スタッフで構成される集団だ。 日本大学芸術学部在学中の2002年に前身が発足し、2007年『---frieg』より活動を本格化してきた。「劇場機構にとらわれない空間からの発信」を軸とした活動を行ってきたのが特徴である。駐車場や廃墟ビル、コンテナボックス、古民家などの特殊な空間において身体表現の可能性を探るMOKK LABOを行い、映像作品も制作している。
私はMOKK LABO#2『廃墟』(2007年12月@九段下ビル)、MOKK project02『ましろ』(2008年4月@神楽坂 赤城神社境内)、 MOKK LABO#3『暗闇』(2008年6月@東京都板橋区蓮根 コンテナボックス内)、MOKK LABO#4【10】gallery ver.(2009年4月@六本木・ストライプハウスギャラリー)、MOKK LABO#5『古民家』(2009年8月@五條市新町通り 古民家内)などをみた。場所・空間を活かしたパフォーマンスは魅力的で、ことに奈良・吉野の歴史ある街並みにある古民家で行われた『古民家』は忘じ難い。
そんなMOKKだが、2010年6月に東京キリストの教会で行われたMOKK project03『LAURA』を最後に活動をお休みしていた。村本は欧州に短期留学していたらしく、他のメンバーもさまざまな現場で研鑽を積んでいたようだ。出演ダンサーも飛躍している。演劇・ダンス界両面から虎視眈々とのしあがってきた長谷川寧主宰の冨士山アネットの話題作『SWAN』に主演するなど華のある寺杣彩、小野寺修二のカンパニーデラシネラの公演に出て個性豊かに活躍する手代木花野、菅彩夏など注目株である。
そのMOKKだが、このほど活動を本格的に再開するという。11月に『LAURA』を韓国・ソウルにてバージョンを変えて上演する。11/23にソウル国際振付フェスティバルopening performanceおよび梨花女子高等学校礼拝堂にて公演行う。
http://www.arko.or.kr/home2005/jp2007/arko/artstheater.jsp
『LAURA』の初演時、教会の礼拝堂という場を活かした演出は興味深く、20数名の出演者による群舞は迫力あったが、MOKK作品のなかでは、いささかオーソドックスなダンスの集積という印象を持った。実験的要素強いLABO作品では、空間の面白さありきで場の魅力を活かした演出が冴えているが、『ましろ』含めた本公演的位置づけのproject公演では、村本のやりたいテーマや抱えているモチーフが前面に出ており、ダンスはもちろんのこと空間の選択ですらそれに従属するものといった感も受ける。方向性は大いに理解できるのだが、私はLABO作品をこよなく愛していただけに、少々肩透かしを喰らった感もあった。とはいえ、年間のベスト3に入れたジャーナリストもいるし、とにもかくにも力作だったのは事実である。韓国での上演決定は喜ばしい。
これを機に、MOKKには、またいろいろな場所で活発に暴れてほしいと願っている。
MOKK LABO#5 古民家 ダイジェスト

MOKK LABO#2 廃墟

MOKK project02ましろ