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2012-01-31

[]「ダンスがみたい!」新人シリーズ10受賞者・川村美紀子&ビルヂングの最新映像

先日行われた「ダンスがみたい!」新人シリーズ10(1月6日(金)〜1月22日(日)@神楽坂die pratze 主催:「ダンスがみたい!」実行委員会 共催:die pratze 助成:EU・ジャパンフェスト)。

http://www.geocities.jp/kagurara2000/s10

自称新人ダンサー39組が参加し、13日間にわたって研を競った(30分以内の作品を発表)。年齢やキャリア、ダンスのジャンルを問わないため、よくいえば多種多様、悪く言えば玉石混合のラインナップ。独自の存在感を発揮しているダンスフェスティバルである(映像による一次審査はあって軽くふるいにはかけられている)。

昨年に続いて新人賞審査員を務めた。ご一緒させていただいた審査員は、聡明で実力あり人望も厚い舞踊家の上村なおかさん、舞踏批評の中心的存在の志賀信夫氏、コンテンポラリー・ダンス評論の第一人者で専修大学教授(哲学)の貫成人氏。

23日、新人賞と観客投票によるオーディエンス賞が発表された。

新人賞

川村美紀子『がんばったんだね、お前の中では』

オーディエンス賞

ビルヂング『雨宿りのビル』

「ダンスがみたい!」新人シリーズ10審査員

上村なおか志賀信夫高橋森彦貫成人(50音順)

川村は日本女子体育大学舞踊専攻の4年生で昨年度「横浜ダンスコレクションEX」新人部門で最優秀新人賞を獲得するなど知られつつある存在。今回の作品は自作ソロ。ビルヂングは加藤紗希を中心としたユニットで、今回は加藤と男性2人(アレックス・福原冠)によるトリオ作品だった。舞台の内容や選考経緯は選評に譲りたいが、最新映像が発表されているので、ご紹介しておきたい。

がんばったんだね、お前の中では(ダンスがみたい!新人シリーズ10) D

ビルヂング いままでとこれから

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2012-01-29

[]Contemporary Dance ResearchのHP

“「コンテンポラリーダンス」について、その独自な美的効果・演出を美学的に探究し、公演実態を調査し、国際的に比較することによって、その全容を把握することを目的”とするHPができたということなのでご紹介しておく。

Contemporary Dance Research

http://www.cdr-net.com/index.html

平成18年以来の文部科学省科学研究費による研究の成果のうち、平成18年度〜平成20年度までの研究が報告書としてまとめられている。研究分担者は尼ヶ崎彬(学習院女子大学教授・研究代表者)、貫成人(専修大学教授)、副島博彦(立教大学教授)、石渕聡(大東文化大学専任講師)、丹羽晴美(東京都写真美術館学芸員)、島津京(東京芸術大学大学美術館学芸員)、荒谷大輔(江戸川大学准教授)。

また来たる2月26日にシンポジウムをもよおすようだ。

コンテンポラリーダンス第3回研究集会のお知らせ

シンポジウム「ダンスと音楽のインプロヴィゼーション」

パネリスト&パフォーマー:黒田育代、近藤良平、松本じろ、石渕聡 司会:貫成人

日時:平成24年2月26日(日曜)17:30〜20:00

場所:学習院女子大学やわらぎホール

(地下鉄副都心線「西早稲田」より徒歩8分、東西線「早稲田」より徒歩13分。

http://www.cdr-net.com/jp/news.html#ent1

ダンス・クリティーク―舞踊の現在/舞踊の身体

ダンス・クリティーク―舞踊の現在/舞踊の身体


冒険する身体―現象学的舞踊論の試み

冒険する身体―現象学的舞踊論の試み


図説・標準 哲学史

図説・標準 哲学史

2012-01-28

[]貞松・浜田バレエ団『冬の旅』拙評とダンスマガジン掲載の森優貴についての記事

11日に発表された文化庁芸術祭賞の発表に際して当ブログに以下の記事を書いた。

文化庁芸術祭大賞に貞松・浜田バレエ団『冬の旅』(振付:森優貴)

http://d.hatena.ne.jp/dance300/20120111/p1

現在ドイツで活躍し、今秋、レーゲンスブルグ劇場バレエの芸術監督に就任する森優貴が振付けた大作が芸術祭大賞を得たというニュースである。『冬の旅』に関しては専門媒体等に頼まれれば書きたいと思い準備してはいたのだが、回って来なかった。そこで、バレエ応援サイト「Ballet Factory(大人からのバレエ.com)」(運営:健康ジャーナル社)の「高橋森彦のバレエ&ダンス逍遥」で触れた。1月27日(金)配信。

貞松・浜田バレエ団・創作リサイタル23『冬の旅』〜文化庁芸術祭大賞に輝いた、新世代待望の振付家・森優貴 入魂の大作

http://www.ballet-factory.com/ballet-hyakka/gotheater/balletanddance/t-021.html

また、27日発売「ダンスマガジン」3月号(新書館)のWolrd Topics(p90)に「森優貴、レーゲンスブルク劇場バレエの芸術監督に就任」と題し、ジュニア時代から森をフォローしている桜井多佳子さんが記事を書かれている。森の軌跡を振り返りつつレーゲンスブルグ・バレエと森の今後について紹介したもの。就任後初シーズンには新作2本とゲスト振付家の作品1本による「トリプル・ビル」、ワーグナー生誕200年にあたる2013年にはワーグナーをテーマにした森の全幕など3つのプログラムが予定されるという。


2012-01-27

[]昭和音楽大学舞台芸術センターバレエ研究所による公開講座『日本バレエの創成期を語る — 日本におけるバレエ・教育の成立と変遷』

昭和音楽大学舞台芸術センターバレエ研究所は国内唯一の大学附属バレエ研究機関として2006年に設立された。海外のバレエ教育に関する動向を調査するかたわら、日本のバレエ文化の現状についても調査研究し、わが国に適したバレエ教育方法を整備・提案することを目的としているという。

平成20年度〜平成24年度には「文部科学省 私立大学戦略的研究基盤形成支援事業」を受け「バレエ教育現場との連携による日本におけるバレエ教育システムに関する研究」を行う。その一環として催されたのが昭和音楽大学バレエ研究所公開講座『日本バレエの創成期を語る — 日本におけるバレエ・教育の成立と変遷』である。

これはバレエ教育の初期の系譜を追いながら、日本バレエの創成期を担った人物から話を聞き、日本バレエ教育史を実証的に記録、検証するためのシリーズ公開講座を意図している。昨秋から先日まで7回にわたって講座をもよおした。

モデレーターは舞踊評論の大御所・山野博大、昭和音楽大学教授で財団法人スターダンサーズ・バレエ団代表・総監督の小山久美、舞踊評論家で昭和音楽大学准教授の稲田奈緒美。ゲストには日本バレエのパイオニアの系譜を継ぐ重鎮を迎えた。

第1回 講師:牧阿佐美 (新国立劇場バレエ研修所所長)

第2回 講師:石井清子(東京シティ・バレエ団評議員)

第3回 講師:薄井憲二(日本バレエ協会会長/舞踊評論家)

第4回 講師:雑賀淑子(サイガ・バレエ主宰)

第5回 講師:大竹みか(コデマリスタジオ主宰)

第6回 講師:関直人(井上バレエ団芸術監督)

第7回 講師:アベチエ(チャイコフスキー記念東京バレエ団 元プリマ・バレリーナ)

エリアナ・パブロバ→橘秋子→牧阿佐美、伊藤道郎・小牧正英・谷桃子→石井清子、東勇作→薄井憲二、小牧正英→雑賀淑子、貝谷八百子→大竹みか、小牧正英→関直人、そしてヴァルラーモフらによる東京バレエ学校→アベチエといった系譜である。戦前からの先駆者の功績、小牧なくして現在のバレエ界無しともいえる事実、東京バレエ学校による正しいロシア・メソッド教育普及の流れ等が見えてくる。

最後の3回は動画配信サイトのユーストリームに記録が残されており、誰でも観ることができる。残りの4回に関しても何らかの形で世に出してほしいと思う。

昭和音楽大学バレエ研究所 公開講座

http://www.ustream.tv/channel/%E3%82%B7%E3%83%AA%E3%83%BC%E3%82%BA%E5%85%AC%E9%96%8B%E8%AC%9B%E5%BA%A7




2012-01-26

[]彩の国さいたま芸術劇場 2012-2013 ダンス公演ラインナップ

内外のビッグネームや気鋭のアーティストの舞台を紹介する彩の国さいたま芸術劇場(公益財団法人埼玉県芸術文化振興財団)の舞踊部門。2012-2013 ダンス公演ラインナップが財団情報誌「さいたまアーツシアター通信」 vol.37に掲載されている。

http://saf.or.jp/press/037/index.html#page=13

Noism1『Nameless Voice(仮)』2012・7/6(金)-8(日)/小ホール

バットシェバ舞踊団『Sadeh21』2012・11月23(金・祝)‐24(土)/大ホール

アクラム・カーン『DESH』2013・1/26(土)-27(日)/大ホール

システム カスタフィオール『Stand Alone Zone』2012・6/23(土)/大ホール

日本昔ばなしのダンス2013・2/10(日)-11(月・祝)

dance on screen2012 2012・9月予定/映像ホール

Noism1『Nameless Voice(仮)』は朝日舞台芸術賞舞踊賞とキリンダンスサポートに輝いた『Nameless Hands〜人形の家』(2008年)に始まる「見世物小屋シリーズ」第三弾となる新作。前2作ではアングラチックな趣向が目につくけれども現代の世相や現代人の精紳的な領域を鋭くえぐる点に金森穣の本領があろう。今回は「声」がモチーフのようだ。首都圏では久々となる最新作上演だけにダンス・ファンや関係者の熱い視線を浴びそう。小ホール上演ということもあって完売必至。チケットの手配はお早めに。

鬼才オハッド・ナハリン率いるバットシェバ舞踊団はエネルギッシュにして精妙に造形されたダンスが持ち味。ナハリンによるダンス・メソッド「GAGA」を受講するダンサーも後を絶たず日本でも熱狂的な支持者が少なくない。2年前に同劇場で上演された『MAX』以来の来日公演。昨年初演された最新作『Sadeh21』を上演する。

シディ・ラルビ・シェルカウイとのデュオ『ゼロ度』で同劇場に登場し、シルヴィ・ギエムとのコラボレーションでも知られるアクラム・カーンは自身のルーツを基にしたソロ『DESH』を発表。アン・リー監督「グリーン・ディスティニー」で米国アカデミー賞衣装デザイン賞を受賞したティム・イップが映像を手掛けるなど、スタッフ・ワークにも注目したい。

「子どもと大人のためのダンスプログラム」と銘打たれた企画が2本。

システム カスタフィオールはフランスのアーティスト集団。アニメーション映像とパフォーマンスをクロスさせた不可思議でディープな世界観を提示するダンスシアターのようだ。2009年初演の『Stand Alone Zone』を上演。

2006年に始め、各地のホールでも上演される「日本昔ばなしのダンス」。今回は『モモタロウ』(振付:近藤良平)、『わらしべ長者』(振付:伊藤千枝)を上演。ともに新作である。前者にはコンドルズの、後者には珍しいキノコ舞踊団の選抜メンバーが出演。

最後は映像上映。これまでにも主催・共催事業としてダンス映像を上映するプログラムを行ってきたが、この秋には「dance on screen2012」として、フランス国立シネマティック・ド・ダンスの収蔵映像等を上映する。

Sadeh21 by Ohad Naharin and Batsheva Dance Company

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Akram Khan's DESH - Rehearsal Footage - August 2011

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Stand alone zone (trailer)

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2012-01-25

[]牧阿佐美バレヱ団『ノートルダム・ド・パリ』にマリーヤ・アレクサンドロワが客演

牧阿佐美バレヱ団が昨秋から展開している創立55周年記念公演の第3弾にあたるローラン・プティ振付・演出『ノートルダム・ド・パリ』(2月18-19日 新国立劇場オペラパレス)。主役エスメラルダ役にボリショイ・バレエのプリンシパル、マリーヤ・アレクサンドロワが急遽客演する。25日、同バレエ団の公式ホームページにて公表された。

「ノートルダム・ド・パリ」キャスト変更のお知らせ

http://www.ambt.jp/topics.html#120125

当初エスメラルダ役に予定されていた伊藤友季子と茂田絵美子は“昨年来の脚の故障が激しいリハーサルで悪化し、両名とも降板を余儀なくされました”(最新チラシより)。キャストの変更に伴うチケットの変更および払い戻しはない。

イギリスでの在外研修を終えて、昨年末の『くるみ割り人形』で舞台復帰したばかりの伊藤、吉田都の「スーパーバレエレッスン」の生徒役で話題になり、2010年の『ラ・シルフィード』で主役デビューして将来が嘱望される茂田に期待していただけに降板は極めて残念。だが、思いがけずボリショイの大スターが客演することに…。

プティの代表作のひとつでスケール大きく上演が困難な『ノートルダム・ド・パリ』に牧が取り組むのは6年ぶり。図らずも昨年惜しまれつつ世を去ったプティの追悼公演になってしまったわけだが、日本で観られる貴重な機会なので、楽しみにしたい。

Maria Alexandrova - "Don Quixote" Bolshoi Theatre re-opening Gala

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パリ・オペラ座バレエ団 「クラヴィーゴ」全幕 [DVD]

パリ・オペラ座バレエ団 「クラヴィーゴ」全幕 [DVD]

2012-01-24

[]新国立劇場2012/2013シーズンラインアップ発表

新国立劇場が2012/2013シーズンラインナップを発表した。

バレエ

http://www.nntt.jac.go.jp/cgi-bin/cms/kouen_list02.cgi#season2

ダンス

http://www.nntt.jac.go.jp/cgi-bin/cms/kouen_list03.cgi#season2

バレエは芸術監督ビントレー色が強い。旧作『シルヴィア』を新制作。ビントレーのお膝元バーミンガム・ロイヤル・バレエから佐久間奈緒とツァオ・チーが客演。大震災の直後のため休止となった中劇場でのミックス・プロ「ダイナミック・ダンス!」が仕切り直して行われる。「ペンギン・カフェ(仮)」では、ビントレーの代表作『ペンギン・カフェ』とバランシンの『シンフォニー・イン・C』、ビントレーの近作『E=mc2』が上演される。『ジゼル』は久々の再演。あとは『ドン・キホーテ』と隔年上演の『シンデレラ』。

地域招聘公演は、神戸の貞松・浜田バレエ団。2013年1月に満を持して登場する。『くるみ割り人形』とイリ・キリアンの『6 DANCES』、オハッド・ナハリンの『DANCE』、森優貴の新作によるトリプル・ビルを上演する。森作品としては、先日、文化庁芸術祭大賞に輝いて話題になった大作『冬の旅』が観たいという向きもあるだろうが…。

ダンス部門が充実している。人気者の森山開次両界曼荼羅図に想を得て創作する『曼荼羅の宇宙』に始まり、DANCE PLATFORM 2012として、キミホ・ハルバート新作、ダムタイプの高谷史郎の『明るい部屋』をそれぞれ単独で上演。「DANCE to the Future 2013」として、新国立劇場バレエ団のダンサーたちが金森穣振付『Academic』、中村恩恵振付『The Well-Tempered』を踊る。「平山素子による音楽3部作公演(仮題)」では、平山がラベル、ドビュッシー、サティの三人の作曲家に挑み、印象主義音楽による三部作を発表するようだ。

個人的に注目したいのは金森の『Academic』。2009年初演の『ZONE〜陽炎 稲妻 水の月』の第一部に当たる。コンテンポラリーとはいえ、バレエがきっちり踊れるというか体の軸が鍛えられていないダンサーには踊れない。動きの精度が落ちる。難しい作品に思う。この3月に同パートを練り直した『solo for 2』をNoismが「NHKバレエの饗宴2012」で発表するのとあわせて、新国立のダンサーがどう踊るのか楽しみ。

高谷史郎/ダムタイプの登場も興味深い。ダムタイプが2000年に『メモランダム』で新国立に招聘されたときは演劇部門であったのが懐かしく思い出される。当時はようやくダンス部門に勅使川原三郎が登場した時期。ダンス部門で上演すべきというような声もあったと思うが、当時そんなことは許されるような状況ではなかっただろう。時代の変化を感じる。高谷の『明るい部屋』は昨年、びわ湖ホールで上演された作品(未見)。ダンスだけでなくアート関連のさまざまなファン層が注目するはず。その意味でも、高谷/ダムタイプがダンス部門で取り上げられることは意義があるかも。



小さな村の小さなダンサー [DVD]

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空海 至宝と人生 第3集 曼荼羅の宇宙 [DVD]

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2012-01-23

[]「ダンスがみたい!」新人シリーズ10 新人賞&オーディエンス賞 発表!

「ダンスがみたい!」新人シリーズ10が1月6日(金)〜1月22日(日)まで神楽坂のdie pratzeにて行われた(主催:「ダンスがみたい!」実行委員会 共催:die pratze 助成:EU・ジャパンフェスト)。

http://www.geocities.jp/kagurara2000/s10

自称新人ダンサー39組が参加し、13日間にわたって研を競った(30分以内の作品を発表)。年齢やキャリア、ダンスのジャンルを問わないため、よくいえば多種多様、悪く言えば玉石混合のラインナップ。独自の存在感を発揮しているダンスフェスティバルである(映像による一次審査はあって軽くふるいにはかけられている)。

昨年に続いて新人賞審査員を務めた。ご一緒させていただいた審査員は、聡明で実力あり人望も厚い舞踊家の上村なおかさん、舞踏批評の中心的存在の志賀信夫氏、コンテンポラリー・ダンス評論の第一人者で専修大学教授(哲学)の貫成人氏。

23日、新人賞と観客投票によるオーディエンス賞が発表された。後日d-pratze/d-倉庫の公式ホームページに選評がアップされるが、取り急ぎ結果をお知らせしたい。

新人賞

川村美紀子『がんばったんだね、お前の中では』

オーディエンス賞

ビルヂング『雨宿りのビル』

「ダンスがみたい!」新人シリーズ10審査員

上村なおか志賀信夫高橋森彦貫成人(50音順)

川村は日本女子体育大学舞踊専攻の4年生で昨年度「横浜ダンスコレクションEX」新人部門で最優秀新人賞を獲得するなど知られつつある存在。今回の作品は自作ソロ。ビルヂングは加藤紗希を中心としたユニットで、今回は加藤と男性2人(アレックス・福原冠)によるトリオ作品だった。舞台の内容や選考経緯は選評に譲りたいが、個人的評価・嗜好はさておいても、なかなか面白い結果になったように思う。

というのも両者の作品の性格は大きく違う。川村がシリアスで純文学的、ビルヂングがエンタメ的というか、小説の新人賞で言えば、前者が「すばる新人賞」、後者が「小説すばる新人賞」に相応しいというような感じか。両方を併せ呑む「文藝賞」でもOKか。雑な分類ではあるが…。ビルヂングがオーディエンス賞を得たのは勝利であるし、川村を新人賞の方でフォローできたのでバランスのいい選出になったのではないか。

それぞれに個性的で、独特の感性を持ちアピールする力がある。まだ若く粗い面、危うい面もあるが、「新人」に相応しい新鮮さ・力強さがある。タレント性も十分。

受賞者は今夏に行われる「ダンスがみたい!14」で単独公演を打てる権利を得た。肩肘張らずに一晩ものの創作に挑める機会。若い作り手にとって貴重なものがあろう。

川村美紀子とビルヂングの躍進を楽しみにしたい。そして、選には漏れたが他の出場者の方々のさらなるご活躍を心より願いたい。

がんばったんだね、お前の中では(ダンスがみたい!新人シリーズ10)

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ビルヂング いままでとこれから

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2012-01-20

[]アキコ・カンダ ダンスカンパニーの活動継続について

昨年9月23日にモダンダンスのアキコ・カンダが亡くなった。享年75歳。

7歳から舞踊を学び、1956年に渡米し、マーサ・グレアム舞踊団のソリストとして活躍。1961年に帰国後はアキコ・カンダモダンダンスカンパニーを設立した。『バルバラを踊る』『フォー・シーズン』など代表作多数。旭日小綬章、紫綬褒章、芸術選奨文部大臣賞、文化庁芸術祭大賞や現代舞踊界最高の栄誉たる江口隆哉賞など受賞歴多数。宝塚歌劇団・宝塚音楽学校の講師および振付を担当し、また新国立劇場バレエ研修所コンテンポラリー・クラス講師も務めるなど後進の育成にも熱心だった。

アキコは一昨年10月より肺癌を患い、芸能活動と闘病とを両立させていた。昨年9月上旬に青山円形劇場で開催されたリサイタル『花を咲かせるために〜バルバラを踊る〜』では、病躯をおして舞台に立っていた。私は舞踊評論活動をはじめる以前からアキコのストイックで美しく生命力にあふれた舞台に魅了されており、縁あって没後まもなく最後の舞台の模様をさる媒体に求められ寄稿することになった。

大宮の東光寺・東光殿で行われた葬儀にも参列した。多くの会葬者に見送られた。年齢的に考えれば、まだまだ踊れる。踊って欲しかったという思いは消えない。その無念は遺族や関係者にとってより強いものであろう。でも、最後のリサイタル3日間4ステージを踊り切り、はかなくも凄絶に命を燃やし尽くしたアキコに悔いはなかったのではないか。そう信じたい。火葬場へ送られる最後の見送りの際、参列者から期せずして拍手が沸き起こった。しめやかななかにも暗さはない。清々しい、いい会だった。秋晴れの強い日射しのなか行われたこの葬儀を、私は一生忘れることがないだろう。

葬儀の喪主挨拶の際、アキコの長男で作家の邦彦氏が述べたように、アキコ死しても高弟の市川紅美以下が舞踊団を引き継いでいくようだ。公式HPによると「アキコカンダ追悼公演」を来る6月28日(木)29日(金)に青山円形劇場にて予定している。

http://www.akikokanda.com/stage.html

率直に言って、アキコ亡きあと、どのように活動していくのか不安である。アキコの遺志を継ぎオマージュを込めたものになるだろうが、彼女の仕事を受け、さらにその「先」を意識したものであってほしいとも思う。道のりは平坦ではないだろうが期待したい。


アキコ・カンダ、篠山紀信 AKIKO―1971‐2006

アキコ・カンダ、篠山紀信 AKIKO―1971‐2006

2012-01-17

[]名古屋市民芸術祭賞 舞踊部門に2011年 テアトル・ド・バレエ カンパニー公演「白鳥の湖」(深川秀夫版)

名古屋の秋を彩る芸術文化の総合的なイベントとして知られる「名古屋市民芸術祭」(10月〜11月に開催)。平成2年からスタートし、音楽・演劇・舞踊・伝統芸能・美術・文学・生活芸術の5部門にわたって、主催事業・参加公演を実施している。

参加公演において特に優秀な公演に対し「名古屋市民芸術祭賞」を、特に表彰に価する公演に「名古屋市民芸術祭特別賞」が贈られる。

2011年度の市民芸術祭賞・市民芸術祭特別賞が16日、発表された。3公演に名古屋市民芸術祭賞が、1公演に名古屋市民芸術祭特別賞が贈られる。

2011 市民芸術祭賞・市民芸術祭特別賞

http://www.bunka758.or.jp/id_shimingeijyutsusai.html

舞踊部門は2011年 テアトル・ド・バレエ カンパニー公演「白鳥の湖」(全幕)

以下、授賞理由。

古典の名作にオリジナリティーと工夫を持ち込んで幻想美を息づかせた振付家・深川秀夫の才気が光る舞台だった。白鳥オデットと黒鳥オディールをダンサー2人が踊り分けて人間の光と影、表裏一体性を象徴する構成や、白鳥の群舞が悪魔を追い詰める力強い終幕の演出は、現代性もあって感銘を受けた。人や金のハンディに逆転の発想で挑み、最大限の舞台効果を発揮した点も評価したい。

榊原弘子・有佳子姉妹や荒井祐子、米沢唯らを輩出している団体。前身の塚本洋子バレエ団・スタジオ時代に深川の『コッペリア』、現在、新国立劇場舞踊チーフプロデューサーの重責にある望月辰夫の代表作のひとつ『EDEN』でも同賞を受けている。

森下洋子とともに日本バレエの海外進出の先駆者といえるのが深川秀夫である。ヴァルナ、モスクワの国際バレエコンクールにおいて上位入賞後、ヨーロッパにわたり、ジョン・クランコやジャン・クロード・ルイーズらに師事。12年の海外生活を経て帰国後は出身地名古屋を拠点にフリーの振付家として活動し多くの創作を発表している。

深川作品はクラシック・バレエの規範を大切にしながらロマンティシズム溢れた独自のもの。細かなステップの使い方は深川節と呼びたくなる。作品発表の機会が名古屋や関西に集中するため管見であるが、『白鳥の湖』『コッペリア』『ドン・キホーテ』『ガーシュウィン・モナムール』『ソワレ・ドゥ・バレエ』『グラズノフ スウィート』『真夏の夜の夢』『妖精の接吻』『ホフマン物語』(抜粋)など、彼の秀作に惹かれるひとりだ。

海外進出の先駆者であり、振付家としても才人である深川。しかし、実力に比して世評は追いついていないという印象も受けていた。が、平成19年度名古屋市芸術特賞、第24回橘秋子賞特別賞を立て続けに受賞して、広くバレエ界で巨匠の扱いを受けている。今回の受賞によって地元・名古屋でも彼の声望がさらに高まるであろう。

"Coppelia" コッペリア(Miyashita Yasuko Ballet Company)

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2012-01-11

[]文化庁芸術祭大賞に貞松・浜田バレエ団『冬の旅』(振付:森優貴)

文化庁は11日、平成23年度(第66回)文化庁芸術祭賞を発表した。

平成23年度(第66回)文化庁芸術祭賞の決定について

http://www.bunka.go.jp/ima/press_release/pdf/23_geijutsusaishou_ver02.pdf

舞踊部門の大賞は1件、優秀賞3件、新人賞1件。

大賞には貞松・浜田バレエ団特別公演『創作リサイタル23』における「冬の旅」の成果(関西参加公演の部)が選ばれた。関西からは5年ぶりの大賞である。

以下、授賞理由(文化庁HPより)

ツェンダー編曲のシューベルトの「冬の旅」を森優貴が独自の感性で舞踊化。旅をする若者を4人の男性が踊り継ぎ、そこにドッペルゲンガー=若者の影として2人の男性が寄り添い、女性が演じる「光」「瞳」「記憶」などが絡む。音楽に連動した動き、またシンプルな美術もセンス良く、美しい。レベルの高いダンサーの極めて集中力の高い演技が、詩情豊かで哲学的な世界を創り上げていた。バレエ団の総合力を高く評価したい。

森優貴(1978年生まれ)は神戸の貞松・浜田バレエ団出身。ドイツを中心に舞踊家・振付家として活躍する。内外で多数の創作を発表し、文化庁芸術祭新人賞受賞(2007年度)、「週刊オン★ステージ新聞」新人ベスト1振付家(2008年度)に選ばれた。「冬の旅」は一昨年10月に初演された大作で昨秋の改訂再演が受賞対象となった。

生と死をめぐる深遠を奥深く描き出した豊かな構想力、音楽性に富んだ緻密な振付、そして、貞松・浜田バレエ団の錬度の高い踊り手たちの演技が圧倒的である。初演の出来栄えも素晴らしかったが、再演によってより磨き上げられ深化/進化を遂げた。わが国では上演がなかなか困難な長尺の創作もの、コンテンポラリー・バレエを、初演後すぐに再演すると決め、実現した貞松融と浜田蓉子の英断に敬意を表したい。

森は今年9月より、ドイツ・レーゲンスブルグ劇場バレエカンパニーの芸術監督に就任することが決まっている。欧州の歌劇場の芸術監督に日本人の振付家が就くのは例がないのではないか。新時代に突入した。彼のさらなる躍進を楽しみにしたい。

森の活動・軌跡については下に記している(昨夏までの活動分)。併読願いたい。

【関連記事】

[CHOREOGRAPHERS FILE]vol.2 森優貴(ヴィースバーデン・バレエ/トス・タンツカンパニー)

http://d.hatena.ne.jp/dance300/20100813/p1

Les Enfants Terribles~恐るべき子供たち~

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「ひかり、肖像」

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2012-01-10

[]東京バレエ団<ニジンスキー・ガラ>寄稿記事

来る12日に開幕する、東京バレエ団<ニジンスキー・ガラ>。NBS 公益財団法人 日本舞台芸術振興会 公式ホームページに、東京バレエ団のダンサーに焦点を当てつつ公演の魅力を紹介する記事を寄稿しました。2回に分けての掲載。

<ニジンスキー・ガラ>東京バレエ団ダンサーの見どころ(1) 『牧神の午後』〜"NHKニューイヤーオペラコンサート"より

http://www.nbs.or.jp/blog/news/contents/1201-nijinsky/1nhk.html#001421

<ニジンスキー・ガラ>東京バレエ団ダンサーの見どころ(2) 『レ・シルフィード』『薔薇の精』『ペトルーシュカ』

http://www.nbs.or.jp/blog/news/contents/cat19/2-9.html#001422


ニジンスキーの手記 完全版

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ニジンスキー 神の道化

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踊る世紀

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ニジンスキー寓話 (1) (秋田文庫)

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ニジンスキー [DVD]

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2012-01-09

[]鈴木ユキオ(金魚)新作「揮発性身体論」PVおよび昨秋の「プロメテウスの光」映像

音楽、舞踊、演劇、映像の情報、批評による総合専門紙「週刊 オン★ステージ新聞」新人ベスト1振付家(2011年度)に選ばれた気鋭の振付家/舞踊家・鈴木ユキオ(ダンスカンパニー金魚 主宰)の新作公演「揮発性身体論」(2月3〜5日 シアタートラム)の予告編がYouTubeにアップされているのでご紹介しておく。鈴木のソロ『EVANESCERE』と安次嶺菜緒ら女性メンバーによる『密かな儀式の目撃者』を上演する。

【予告】鈴木ユキオ新作「揮発性身体論」 Yukio Suzuki "Volatile body"

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「揮発性身体論」とはいかなるものなのか?

舞踏出身の鈴木のダンスは強靭で吸引力あるものであるが、エネルギッシュで燃焼度が高いなどと安易に評することはできない。生成と消滅。今そこで生まれ、同時に消えゆく輝きとはかなさ。近作ではそういったものがいよいよ顕著で痛切に胸を揺さぶる。そこに「揮発」というキーワードを読み解くカギがあると私は、にらむが…。

ことに最新作で、昨秋、愛知芸術文化センターの委嘱により初演された『プロメテウスの光』は、寄る辺なき今の時代を生かされているという、我々観るものの実感に強く訴えるものがあった。鈴木は言葉にもこだわり(『言葉の先』『言葉の先へ』という題の作品もある)、『プロメテウスの光』でもゲーテのテキスト(『ファウスト』)が読み上げられ、字幕でも表示された。そこに「揮発」という言葉が出てきた。「揮発性身体論」が、そこに依るものか、それとも違うのかは定かではないが、非常にそそられる言葉である。

『プロメテウスの光』の写真のスライドショーもアップされている。

Yukio Suzuki 【PROMETHEUS' LIGHT】

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ギリシャ神話に登場するプロメテウスは人間に火を与えた存在である。先見の明を持った者、熟慮する者の意であり(wikipediaより)、未来への希望を宿した象徴。いっぽうで、プロメテウスの火といえば原子力を意味することもあるのは周知のとおり。

我が国のモダンダンスのパイオニア江口隆哉はその伝説を題材に『プロメテの火』を振付けた。昨年5月には宮操子三回忌メモリアル「江口・宮アーカイヴ」において、その一部が甦った。企画は大震災以前から決まっていたものであるが、その共時性に震撼とさせられた。そして、鈴木の新作も、ことさら強いメッセージを発しないけれども、大震災・原発事故後のいまを生きる人間の実存を深く鋭く問うて、ずっしりとした手ごたえがあった。再演の機会を持ち、愛知以外でも上演してほしいと切に願う。

【関連記事】

週刊「オン★ステージ新聞」2011年新人ベスト1に米沢唯&鈴木ユキオ

http://d.hatena.ne.jp/dance300/20111226/p1

2012-01-07

[]芸術監督の重要性 社会性のある運営を——うらわまこと氏の提言

舞台撮影・映像制作を手がける株式会社ビデオが運営するダンス専門サイト「DANCING×DANCING」の名物コラムのひとつが舞踊評論家うらわまこと氏による「幕あいラウンジ」だ。舞踊界の現状を鋭く考察するだけでなく広く社会全般のなかで舞踊界がどうあるべきかを論じ続けるうらわ氏の面目躍如たるものがある。

1/7更新のコラムは「重要な芸術監督の役割—舞踊界が社会性を持つために—」。

http://www.kk-video.co.jp/comments/urawa-makuai/urawa-m89.html

昨年末、世間を騒がせたプロ野球の読売巨人軍の内紛劇の話題を振り出しに、舞踊界における組織やその中の個人の役割関係を問う。ことに芸術監督の役割を見つめ直す。プロフェッショナルな団体を目指すならば、しっかりとした組織基盤を固めるとともに、中長期的な戦略を立てた経営、社会へアピールできる活動が求められてくる。

うらわ氏は東日本大震災・原発事故に対して“舞踊界は他の音楽や演劇の分野に比べて、社会的な意識、活動が弱かったきらいがあります”と指摘し(氏は震災復興チャリティ「オール二ッポンバレエガラコンサート2011」にも足を運び「ダンスマガジン」の年末回顧で印象に残る舞台に挙げるなどアーティストたちの活動に目配りもしている)、演劇界などで議論が盛んな劇場法の問題についても“劇場法ひとつとっても、舞踊界が広く外部に発言力をまし、あるいは影響力を行使するようになることが望まれます”と提案する。氏の言うように、舞踊界の内外を広く見渡し、積極的な提言を行っていく芸術監督が望まれるところ。少々厳しい指摘も含まれる。が、大学で経営学を弁じ、全国公文協の芸術情報プラザ舞踊アドバイザーを務め、全国の関係者らと意見交換を交わし各地のバレエやダンスを数多く観続けている氏の言葉であるから説得力があろう。

舞踊村という言葉もある。いかに社会との接点を見出していくか——。そのためには、求心的な役割を果たす人材が求められている。“舞踊界でも芸術監督の重要性、評価をしっかり考えることが必要ではないでしょうか”という、うらわ氏の言葉は重い。

2012-01-04

[]首藤康之「今日と明日の間で」間もなく公開!

このところ首藤康之の活躍には瞠目させられる。2007年には奇才シディ・ラルビ・シェルカウイ振付『アポクリフ』に出演し欧州のダンスフェスティバル等に参加。一昨年には同作の来日公演も行われ話題となった。昨年は盟友的存在の中村恩恵と 新国立劇場にて『Shakespeare THE SONNETS』を創作したほか初のセルフプロデュース公演「DEDICATED」を催し成功を収める。この3月にも英国ロイヤル・バレエ出身のウィル・タケットと組み、日英のバレエダンサーを中心に創作する新作『鶴』に参加する。 マルチプルに活躍し、つねに新しい表現を追求している刺激的な存在といえる。

そんな首藤が舞台に向き合う姿を追ったドキュメンタリー映画が「今日と明日の間に」(第24回東京国際映画祭 日本映画・ある視点部門正式出品作品)。1月7日から東京都写真美術館、銀座テアトルシネマほか全国ロードショー公開される。映画やダンスの各種メディアで話題になっていることもあり、ご存知の方も少なくないだろう。

これは2010年に行われた『時の庭』『空白に落ちた男』『アポクリフ』に挑む首藤を追ったもの。舞台や楽屋裏での模様、自身のスタジオでひとりレッスンに励んだり、郷里の大分のバレスタジオで指導に当たる様子が収められている。いまは亡きベジャールが直々に首藤を指導する貴重な映像も。中村恩恵、小野寺修二、シェルカウイ、斎藤友佳理という共演者が彼について語ったインタビューも織り込まれている。

首藤に対してストイックに自身のダンスを追い求める孤高のアーティストといった印象を抱く。柔軟な姿勢を持ち、何色にも染まらないようなしなやかな感性の持ち主に思える。しかし、この映画のなかで首藤は「(自分は)不器用で、つねにひとつのことしか考えられない」といったようなことを語る。斎藤や小野寺も同様のことを述べる。器用ではないけれども、いや、器用ではないからこそ自分の感覚を大切にし、時間をかけて物事一つひとつと誠実に向き合う。首藤の真摯でまっすぐな生き方が浮びあがってくる。

冒頭と最後には椎名林檎の書き下ろし曲「Between Today and Tomorrow」にのせ首藤が踊る(振付:中村恩恵)。首藤にとってダンス=生きること。踊ることによって明日を模索している。それを雄弁に物語る繊細で力強く美しい踊りが目に焼き付き離れない。

【関連記事】

首藤康之「DEDICATED」〜初のセルフプロデュース公演で浮びあがった首藤康之の現在(いま) 「Ballet Factory」高橋森彦のバレエ&ダンス逍遥

http://www.ballet-factory.com/ballet-hyakka/gotheater/balletanddance/t-018.html

「今日と明日の間で」予告編

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SHUTO ダンサー首藤康之の世界

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prints (プリンツ) 21 2006年冬号 特集・首藤康之[雑誌]

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Ballet Work 首藤康之の美しくなるバレエ [DVD]

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2012-01-03

[]謹賀新年2012

新年のご挨拶を申し上げます。

昨年は多難な一年でしたが、今年は少しでも良い年となりますように。

昨年は、このblogの[2011回顧]や「ダンスマガジン」2月号の「バレエ年鑑2012」ベスト・ステージ&ピープル 2011、「オン・ステージ新聞」新年特大号洋舞ベスト5の選出・コメントでもあげたように、シルヴィ・ギエム吉田都、首藤康之といったスターたちの新境地や深みを増した演技、金森穣、森優貴、鈴木ユキオといった気鋭のコレオグラファーの活躍が印象に残った。新国立劇場の新制作『パゴダの王子』が話題を振りまいたのも記憶に残る。大震災・原発事故のことも忘れてはならないだろう。アーティストたちの取った行動や劇場・主催者の対応等は今後検証されていく機会もあろう。

2012年の展望に関しては1月下旬頃ここに掲載できれば(本年度のラインナップがもう少し公表されるのを待つため)。新しい波が寄せてきている分野、深化・先鋭化しているジャンルもあって予断を許さない。変革の年となるのだろうか。秋には「ダンス・トリエンナーレ・トーキョー2012」「ダンス・ダンス・ダンス・アット・ヨコハマ」という大規模なダンスフェスティバルが行われる。3年に1度行われる「世界バレエフェスティバル」はじめ期待の来日公演やガラ・コンサートもめじろ押し。楽しみな1年となりそう。

いっぽう、ここ数年、助成金が削減されたり、不況や観客のニーズの変化により招聘元が倒産・活動休止するといった状況にある。そのうえ、震災による公演中止や延期のダメージを受けた団体も少なくないはず。今に始まったことではないけれども「厳しい状況」のなか、アーティスト・関係者たちはどう状況を打開していくのか。観るものはそれをどう支えていくことができるのか。踏ん張りどころの一年となるかもしれない。

以下の映像は、元日に行われたウィーン・フィル・ニューイヤーコンサート2012(NHKでも放映)から「美しき青きドナウ」。今春来日するマニュエル・ルグリ率いるウィーン国立バレエのダンサーが踊る映像(振付:ダヴィデ・ボンバナ)。

2012 New Year Concert - Johann Strauss - An der schönen blauen Donau (mit Ballet)

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