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ダンスの海へ 舞踊評論家・高橋森彦のblog このページをアンテナに追加 RSSフィード

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2012-12-26

[]総括「ダンストリエンナーレトーキョー2012」

9月27日から10月14日にかけて東京・青山で行われた「ダンストリエンナーレトーキョー2012」の閉幕から早二月が経つ。

ベルギー、ブラジル、フランス、ドイツ、インドネシア、イスラエル、韓国、スイス、オランダ、日本の10か国21のカンパニー/アーティストが参加。質量ともに日本最大のダンスフェスティバルとして画期的な大成功を収めた。今年の舞踊界における重要な成果・重大ニュースのひとつなのは間違いないところだ。

このほど、公演事務局からお知らせが届いた。前回(2009年)の倍にあたる20,000人を超える観客・参加者が国内外から訪れたという。公・民の助成や協賛を得て、かつてない規模・日数での開催を実現させた関係者の熱意と努力には頭が下がる。これを端緒に、さらに広い観客層にダンスを観る楽しさを訴求していくことを期待したい。

メイン会場のひとつであった、こどもの城 青山劇場・青山円形劇場の閉鎖問題で揺れるなか、お知らせの文中で、2015年開催に向けての決意が述べられている。頼もしい。コンテンポラリー・ダンスの熱、国際的に広がりをみせるダンスの輪を絶やすことなく前に進むことを心から願うばかりだ。

以下、稚拙極まりなく恐縮ながらレポートを寄せた。

高橋森彦 バレエ&ダンス逍遥 「ダンストリエンナーレトーキョー2012」〜東京・青山発「いま」という時代に息づくダンスの多様性を示した一大フェスティバル

http://www.ballet-factory.com/takahashi/sp/


Out of Context - for Pina : les ballets C de la B / Alain Platel

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Yasmeen Godder - "LOVE FIRE" by Niv Ben David

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川村美紀子「へびの心臓」

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2012-12-24

[]「週刊オン★ステージ新聞」2012新人ベスト1決定!舞踊家:秋元康臣、振付家:川村美紀子

音楽・舞踊・演劇・映像の綜合専門紙「週刊オン★ステージ新聞」2013年1月号に恒例の洋舞ベスト5とアンケート選出による新人ベスト1舞踊家&振付家が掲載されている。

これは舞踊評論家/ジャーナリストが各々のベスト5を挙げるとともに新人ベスト1として舞踊家/振付家それぞれに対して票を投じるもの(各カテゴリー2名まで)。本年度は以下の16名が投票した。池野惠、上野房子、海野敏、うらわまこと、門行人、児玉初穂、佐々木三重子、佐々木涼子、桜井多佳子、祐成秀樹、新藤弘子、高橋森彦、長野由紀、山野博大、村山久美子、渡辺真弓(五十音順・敬称略)。

結果、下記のように新人ベスト1が決定した。

新人ベスト1舞踊家秋元康臣

新人ベスト1振付家川村美紀子

新人舞踊家はおおむね30歳くらいまでが対象となる。秋元はロシア・バレエ・インスティチュートを経てボリショイ・バレエ学校に編入・卒業。NBAバレエ団では若くしてプリンシパルとして活躍する。小柄ながら端正なテクニックとしなやかな身体使いが魅力的な踊り手だ。2010年に熊川哲也Kバレエカンパニーに入団。今年は『シンデレラ』『ドン・キホーテ』などに主演した。まだ20代半ばと若く、さらなる活躍が期待される。

Kバレエカンパニー メンバー情報 秋元康臣

新人振付家はおおむね40歳くらいまでが対象となる。川村は1990年生まれ!今春、日本女子体育大学の舞踊学科を卒業したばかりの新星。高校時代からはじめたストリートダンスを出発点にコンテンポラリー・ダンスシーンに旋風を巻き起こす。昨年から今秋にかけて「横浜ダンスコレクションEX2011最優秀賞新人賞」「ダンスがみたい!新人シリーズ10新人賞」「第1回エルスール財団新人賞(コンテンポラリーダンス部門)」と立て続けに受賞。「ダンストリエンナーレトーキョー2012」にも招待された。ソロだけでなく群舞の入ったフルイブニングの作品も制作している。要注目の奇才だ。

川村美紀子 公式サイト

舞踊家の次点は二階堂由依(東京バレエ団)、中家正博(牧阿佐美バレヱ団)。二階堂は『ザ・カブキ』顔世、子どものためのバレエ『眠れる森の美女』オーロラ、中家は『ノートルダム・ド・パリ』フロロで鮮烈な活躍を見せたが、いま少し古典全幕主演経験を積めばシーンを担う存在としての地位を確立するだろう。振付家の次点は大柴拓磨、田畑真希、舩木城、山本康介。小林十市とのデュオ作品が話題を振りまいた大柴、コンテンポラリー・ダンス界きっての実力派作家である田畑、NBAバレエ団公演委嘱作品が注目された舩木、英国時代にビントレーの薫陶を受けた才人・山本が続く。

洋舞ベスト5の選出や選者のコメント等は誌面を参照されたし。

Akimoto Yasuomi Flame of Paris variation

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川村美紀子「へびの心臓」

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2012-12-21

[]平成24年度(第67回)文化庁芸術祭賞決定!舞踊部門新人賞に瀬島五月

文化庁は21日、平成24年度(第67回)文化庁芸術祭賞を発表した。

http://www.bunka.go.jp/ima/press_release/pdf/media_geijutsusai_121221.pdf

舞踊部門の受賞は以下のとおり。大賞は花柳與(関西参加公演の部)。優秀賞は玉城盛義(関東参加公演の部)、藤間仁章(関東参加公演の部)、山村若峯董(関西参加公演の部)。新人賞は谷淑江(関東参加公演の部)、瀬島五月(関西参加公演の部)。関東参加公演の部の大賞は該当なしとなった。

バレエでは瀬島五月が貞松・浜田バレエ団特別公演『創作リサイタル24』における演技の成果で新人賞を得た。

受賞理由は下記のとおり。

古典バレエの高い技術に裏打ちされた身体能力を活かし、現代作品3演目をそれぞれ表現力豊かに踊った。森優貴振付「Memoryhouse」での、凄みを持って観客の心に直接響く踊りは強い説得力があり、イリ・キリアン振付「6DANCES」ではコミカルな魅力を満喫させた。古典、現代作品ともに、今後の大いなる活躍が期待できる。

瀬島は7歳から貞松・浜田バレエ学園にてバレエをはじめ18歳のとき「全日本バレエコンクール・ジュニアの部 第1位」、翌年には「アジアパシフィック国際バレエコンクール・シニアの部 第1位」を獲得。英国ロイヤル・バレエスクールに留学し卒業公演ではスタントン・ウェルチ振付『A Time To Dance』に主演している。ロイヤル・ニュージーランド・バレエ団入団後は主役・ソリストの経験を重ね、帰国後は古巣の貞松・浜田バレエ団のプリマとして数多くの作品に主演している。

華やかな容姿と堅実なテクニック、優れた音楽性を兼ねそなえ舞台を牽引する。そのうえで、古典/現代作品問わず明確な意思を込めた解釈・表現によって踊り演じることのできる希少な踊り手。『眠れる森の美女』オーロラ、『ドン・キホーテ』キトリなどでみせた、えもいわれぬ華、『白鳥の湖』オデット/オディールでのドラマティックな演技は忘れ難い。現代作品でもオハッド・ナハリンの『DANCE(マイナス16)』のソロ・パートで魅せた融通無碍なダンスをはじめ今回の受賞対象となったキリアンの『6DANCES』、森優貴の『Memoryhouse』それに2011年度の文化庁芸術祭大賞に輝いた『冬の旅』などで振付の肝を体得しつつ自身の感性を通した独自の表現をみせている。

以前は、ひとり才気走る嫌いがあったり、ときに主役としての力みも見られたが、2010年に男児を出産後まもなく復帰した『ジゼル』あたりから舞台運びに一段と風格を増し、表現力も円熟を増してきた。関西中心の活動だったが、その力量が次第に広く知られるようになり、来たる2013年3月には、公益社団法人日本バレエ協会の都民芸術フェスティバル参加公演『白鳥の湖』主演に抜擢された(共演は奥村康祐)。また、新春には、新国立劇場の地域招聘公演として行なわれる貞松・浜田バレエ団東京公演でも主軸を務める。『くるみ割り人形』のお伽の国の女王を踊り、「創作リサイタル」では、ナハリンの『DANCE』、キリアンの『6DANCES』、森優貴の『Memoryhouse』すべてにおいて主要なパートを踊るという超人的な活躍がみられそうだ。

今回の受賞に関して。瀬島の活躍と力量の一端を知る者からすると、率直にいって「今さら新人賞?」という気がしないでもない。が、貞松・浜田バレエ団は例年芸術祭には「創作リサイタル」で参加している。中編の創作が中心になるので、主演者が大きく目立つ全幕公演に比べると受賞対象になりにくいという不運というか難点はあったのかもしれない。関西公演参加の部では、これまでに青木崇、武藤天華、高田万里、奥村康祐、金子扶生ら瀬島と同年代もしくは下の世代が「新人賞」を受けているが、彼らは全幕主演するか創作でも鮮烈に目立つパートを担当している。実力からすれば遅きに失した感あるのは否めないが、やはり大きな賞である。何はともあれ受賞を祝したい。

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2012-12-20

[]「ダンスマガジン」1月号、「バレリーナへの道」vol.92

現在発売中の下記媒体に記事を書かせていただいております。

書店等で見つけられたら、ぜひ手に取ってください。


貞松・浜田バレエ団「創作リサイタル24」の公演評。見出しは「夢かうつつか錯綜する深層心理」。イリ・キリアン『6DANCES』森優貴『Memoryhouse』貞松正一郎/長尾良子/堤悠輔『新・動物のカーニヴァル』について書いています。


こちらには8月に行われた日生劇場ファミリーフェスティヴァル・バレエ『おやゆび姫』評、山本教子バレエスタジオ第20回発表会評を執筆したほか映画「ファースト・ポジション」「英国ロイヤル・オペラハウスシネマ」試写会コメントを寄せました。

※なお、定期購読紙である媒体に寄稿したものは、基本的には告知しません。

貞松・浜田バレエ団『くるみ割り人形』お伽の国ヴァージョン

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ファミリーフェスティヴァル2012 バレエ おやゆび姫

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映画「ファースト・ポジション」予告編

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2012-12-19

[]スターダンサーズ・バレエ団『くるみ割り人形』新作の見どころ 映像公開

前回のblog記事で『くるみ割り人形』の新制作や新演出が相つぐなか、広報等があまり行き届いていないのが残念だというふうに記したが、17日付でスタダンサーズ・バレエ団がリハ−サル映像に続いて見どころ紹介をUPした。総監督・代表の小山久美が新バージョンの特徴を語っている。

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バレエ団の公式サイトからリンクされているわけではないが、演出・振付補の小山恵美の公式twitterで美術や衣装を含めた舞台の模様が紹介されている。

https://twitter.com/emioyama

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スターダンサーズ・バレエ団「シンデレラ」(全2幕) [DVD]

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バレエ 「ドラゴンクエスト」 [DVD]

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2012-12-14

[]ネットでの情報発信と受容・共有について

今年はバレエ『くるみ割り人形』(チャイコフスキー曲)初演から120年を迎えた。そのためか国内でも新制作や新演出版の上演が相つぐ。在京団体では小林紀子バレエ・シアター(小林紀子版)、NBAバレエ団(久保紘一版)、スターダンサーズ・バレエ団(鈴木稔版)、谷桃子バレエ団(望月則彦版)である(公演日順)。また、東京バレエ団はオーソドックスなものとして知られるワイノーネン版と巨匠振付家の人生と創造の原点を描くモーリス・ベジャール版を連続上演するという意欲的な企画を立てた。

話題性があるだけに、もっと盛り上がってもいい。それなのに、ダニール・シムキンの客演やベジャールというブランドのある東バはともかく他の公演の情報はあまり広く行きわたっていないという印象が否めない。そもそも『くるみ』はドル箱作品ともいわれるように宣伝しなくても客が入るとされている(昨シーズンの新国立劇場バレエ団公演でも有料入場率90%超という動員だった)。身内客だけでも動員できる。多くの団が例年上演するため、広報に力入れ予算をかけても埋没しがちになるのも確かだろう。

そんななか先日やっとスタダンがリハーサル映像をホームページにアップした。が、創意豊かな演出・振付により大ヒットした『シンデレラ』に続く鈴木稔の演出・振付と新国立劇場『アラジン』の豪華な舞台美術で話題を呼んだデザイナー、ディック・バードの装置・衣装により新制作するのに内容面・ビジュアル面が全くといっていいほどみえない。予告編とは違うと言われるとそれまだけれど、せっかく手間をかけるのなら、どういう作品になるのかを垣間見せ、期待を高めてほしかった。

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最近は招聘元やバレエ団がホームページやブログ、SNS等を駆使して情報発信や交流につとめている。先日、2013年新春を飾る「ブベニチェク・ニューイヤーガラ〜カノン〜」のSkypeミーティング《Bunkamura⇔パリ》というものに出席したが、これはブロガーやメディア関係者がSkypeを通してパリにいるイリ・ブベニチェク、エルヴェ・モロー、ドロテ・ジルベールと交流するという企画。主催者による一方的な発信ではなく、観客・受信者サイドとの交流を深めようというイベントだった。Web上の情報ことに観客による有力バレエサイトやブログの影響力が良くも悪くも増していることは否定できないだろう。舞踊メディアでもWeb媒体の存在感が増している。情報をいち早く発信・共有できたり、無料で簡単にアクセスできる利器を知ってしまった以上、後戻りはできない。

【バレエ情報ポータルサイト・バレエナビ掲載記事】

ブベニチェク・ニューイヤーガラ〜カノン〜Skypeミーティング Bunkamura⇔パリ

http://www.balletnavi.jp/pickup/?p=1454

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とはいえ、観客・情報を受ける側としては発信者に過剰に期待するのは考えもの。たとえば「早く配役が知りたい」「ダンサーの情報が知りたい」「舞台のウラ側が知りたい」という欲求は誰にでもあろうが、最近SNS等を覗くとエスカレート気味にも感じる。主催者等がWeb等で情報発信するのは、ファンへのサービスであるとともに新たな観客層にアピールし、情報にアクセスしやすくして公演に興味持ち足を運んでもらえるようにしたいからであろう。現状では前者にベクトルを傾けざるを得ないという印象。熱心なファンは非常に大切。だが、より多くの人に関心を持ってもらうことによってシーンが活性化する。そのためにWebやSNSが一層効果的に使われることを願いたい。

ファンに向けての情報発信と言えば、牧阿佐美バレヱ団のダンサーが管理・運営するAsami Maki Ballet Hot Lineが開設された。バレエやダンサーをより身近に感じてもらえるような楽しいサイトを目指して更新していくらしい。ファン向けの情報発信と交流をダンサーたちが自主的に行うというのは、なかなか良いアイデアかもしれない。



スターダンサーズ・バレエ団「シンデレラ」(全2幕) [DVD]

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牧阿佐美バレヱ団「くるみ割り人形」<全2幕> [DVD]

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2012-12-12

[]読売新聞 【回顧2012舞踊】バレエ菅井などで例年になく脚光

「読売新聞」東京本社版12/11夕刊「クラシック 舞踊」に2012年のバレエやダンスを回顧する記事が出ている。

【回顧2012舞踊】バレエ菅井などで例年になく脚光

http://www.yomiuri.co.jp/entertainment/stage/theater/20121211-OYT8T00989.htm

祐成秀樹 記者による回顧と評論家三氏(海野敏、立木子、村山久美子各氏)のベスト3。

冒頭、菅井円加のローザンヌ入賞、それに端を発し浮き彫りとなった「日本バレエ界の現状」や中学体育授業におけるダンス必修化にも触れている。話題豊富な一年であったことを再確認した。

公演に関しては来日もの・国内で話題になった公演やフェスティバルを挙げつつバレエでは話題が集中しがちなKバレエカンパニーや新国立劇場だけでなく松山バレエ団、牧阿佐美バレヱ団、東京小牧バレエ団など老舗の活動にも触れているのが印象的。

バレエダンサーではマリインスキー・バレエの至宝と称されるウリヤーナ・ロパートキナ、国内公演では米ボストン・バレエ団で活躍する倉永美沙(東京小牧バレエ団『白鳥の湖』客演)の名が挙がっている。ロパートキナに関しては評論家の三氏の挙げるベスト公演でも彼女の主演舞台が対象なので衆目一致する賞賛といっていいだろう。倉永はローザンヌ入賞後、モスクワ、ジャクソンの各コンクールでゴールドメダルを獲った日本人最高のタイトル・ホルダー。今回が東京での初の全幕主演となった。

コンテンポラリー・ダンスや舞踏にも目配り。笠井叡、麿赤児、黒田育世、勅使川原三郎の仕事に着目している。石田種生さん、若松美黄さんというバレエ、現代舞踊それぞれの巨匠の死についても記されている。あらためて合掌。

Ulyana Lopatkina & Danila Korsuntsev in Swan Lake (Pas de Deux)

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Principal Dancer Misa Kuranaga

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随想 バレエに食われる日本人

随想 バレエに食われる日本人


銀河革命

銀河革命