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ダンスの海へ 舞踊評論家・高橋森彦のblog このページをアンテナに追加 RSSフィード

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2013-01-30

[]論文「日本のバレエ教育機関における教師の現状と課題」

今年も若手バレエ・ダンサーの登竜門として知られるローザンヌ国際バレエコンクールが始まった。昨年は高校2年生(当時)の菅井円加が優勝しメディアで大きく取り上げられた。たしかにバレエ界の大イベントである。これまでの受賞者の多くは世界の名だたるバレエ団のトップ・ダンサーに成長している。しかし、あくまでも「将来性」を評価するコンクールだ。それを「なでしこジャパン」が世界一を獲得した際と同じように熱狂的に持ちあげるのを、いかがなものかと思った人も少なくないだろう。

なにはともあれ菅井の優勝のニュースは、バレエへの関心を高めた。当初は過剰なフィーバーに辟易させられたが、落ち着いてくると、日本のバレエ界の現状に関する考察が報じられるようになった。プロとして踊る場が限られているため海外に流出せざるを得ない点、ダンサーの待遇について具体的数字を挙げての言及も少なくなかった。

そういったニュースのなかで、日本のバレエ人口についての数字が目に付いた。全国4630のバレエ教室を対象に調査した結果、生徒は約40万人と推計した報告である。昭和音楽大学短期大学部教授の小山久美らの調査によるものと報道された。その後、舞踊学会の発行する学会誌「舞踊學」第35号に海野敏・高橋あゆみ・小山久美の共著による論文が掲載された。「日本のバレエ教育機関における教師の現状と課題」—『バレエ教育に関する全国調査』に基づく考察—である。

わが国では全国津々浦々にスタジオ・研究所が存在する。だが、その実態が実証的に明らかにされることはなかった。そこで、2011年に海野・高橋・小山らが文部科学省私立大学戦略的研究基盤形成支援事業の支援も受け「バレエ教育に関する全国調査」を行った。調査対象を確定するためバレエ教育機関の住所録データベースを構築し検討を重ね最終的に4630のバレエ教室に質問票を送付した。回収率は32.1%。

バレエ指導者資格の取得状況や学習者の年齢層、レッスンクラスの種類、発表会の開催/コンクール参加/教師のバレエ団所属経験の有無等を調査した。結果や分析に関しては直接論文にあたってほしい。が、調査から導き出された結論として述べられているのは「バレエ教育者資格の整備と普及を検討すること」の重要性。わが国においてバレエを指導するのに免許等はいらない。津々浦々に教室が林立し、街場の小さな教室にも優れた教師が居て逸材を育てるケースが少なくないのは確かだ。ただ、誰でも教えられる、教室を開設できるという野放し状態なのも確かである。今後、より充実したバレエ教育環境を整備するため指導者資格等の導入も議論の対象となろう。

結末近くに、こう記されている。

本論文は『バレエ教育に関する全国調査』の集計結果に基づき,日本のバレエ教育環境の現状を,バレエ教師に焦点を絞って実証的に示したものである。そして日本のバレエ教育環境の改善のために,バレエ指導者資格の整備と普及について議論することを提起した。

机上の学問ではなく実証的なデータに基づき日本のバレエ教育の今後を考える姿勢が頼もしい。日本のバレエ教育が真に豊かなものとなり、優れた踊り手が内外で充実したバレエ人生を送れるようになるためにも継続・発展していってほしい研究である。

2013-01-23

[]平成24年度名古屋市芸術賞発表 芸術奨励賞に倉知可英

名古屋市では、音楽・演劇・舞踊・美術・文芸等の芸術領域の優れた創造活動を顕彰するために、名古屋市芸術賞(名古屋市芸術特賞及び名古屋市芸術奨励賞)を設置している。平成24年度の受賞者が22日、明らかになった。

奨励賞に現代舞踊の倉知可英が選ばれた。

芸どころ名古屋において内外で活躍する舞踊家は少なくないけれども同賞に選ばれる人は多くない。近年では深川秀夫(特賞)、平山素子(奨励賞)といった内外でのキャリア豊富な大物が顕彰されている。倉知も実力者である。

倉知は6歳から大叔母で名古屋の現代舞踊の祖・奥田敏子にモダンダンスを学ぶ。石井みどり、折田克子、倉知外子に師事しコンクール等での受賞も経験している。1998年「愛知県新進芸術家海外留学等補助事業」の助成を受けジャン=クロード・ガロッタ率いるグルノーブル国立振付センターで2年間研修。その後、ガロッタのカンパニーに在籍し世界20か国をツアーで回っている。ガロッタといえばフランスのヌーヴェルダンスの代表的旗手として注目され現在も第一線で活躍する世界的振付家である。

2006年に帰国後は名古屋を拠点に国内外で舞踊家/振付家として活躍している。ガロッタのカンパニーで同僚だったヤニック・ヒューゴンとKAYAKU PROJECTを結成。また、ジャイロトニック&ジャイロキネシストレーナーとしても活動している(2011年にGYROKINESIS®のトレーナー資格取得)。

東京では2007年に青山劇場・青山円形劇場のプロデューサーであった故・高谷静治の肝いりによって「日韓ダンスコンタクトVol.9」に招聘され『RAOUX 1998』を踊り存在を示した。昨年秋に石井みどり・折田克子舞踊研究所「I.O Dance Flame」で披露した『innermost〜深いトコロ〜』には、ただただ圧倒された。精神の均衡と揺らぎを彷徨っているかのような一人の女性の在り様が、狂おしいほど痛切に伝わってくる。現代舞踊の名家に育ち、世界の最前線で踊ったキャリアを持ちながら安住しない。彼女独自の舞踊を追及するストイックかつ意志の強い表現に感銘を受けた。

異分野のアーティストとのコラボレーションにも積極的で、あいちトリエンナーレ2010「祝祭ウィーク公演」では役者・演出・歌手など多彩に活動する児玉たまみと共演し『光の記憶』を発表している。そして、海外経験豊富でありながら、いや、だからこそであろうか「日本人であること」への意識の持ち方にもこだわりがあるようだ。昨春、名古屋市文化振興事業団・(社)現代舞踊協会中部支部が共催した「花より華らしく・・・芸術に生きた女・女・女」では日本初の女優といわれる川上貞奴をテーマに『Ma Sad Yacco〜 凛として咲くが如く〜』を発表。好評を得ている。

『光の記憶』では、日本人としてはじめてミラノ・スカラ座バレエ学校を卒業しミーシャ・ヴァン・ヌック・バレエアンサンブルやチリのサンティアゴ市立歌劇場バレエ団活躍した中田一史を抜擢し、『Ma Sad Yacco〜 凛として咲くが如く〜』では、天野天街率いる少年王者舘の役者であり二見一幸のダンスカンパニーカレイドスコープ等に出演している若手・池田遼を登用した。若き精鋭を見抜く目も持ち併せているようだ。

あいちトリエンナーレ2013「祝祭ウィーク事業」の『光の記憶II』では、児玉をはじめさまざまなアーティストと「グローバルなコラボレーション」を目指すという。注目したい。

Ma Sada Yacco〜凛として咲くが如く〜 ダイジェスト版.avi - YouTube

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2013-01-22

[]「ダンスがみたい!新人シリーズ11」受賞者決定!新人賞にCOLONCH、オーディエンス賞に井田亜彩実

「ダンスがみたい!新人シリーズ11」(主催:「ダンスがみたい!」実行委員会 共催:die pratze 助成:EUジャパンフェスト日本委員会)が1月5日〜15日まで日暮里・d-倉庫で行われ、1日4組×9日間=36組の明日を担う“新人”たちが妍を競った。

昨年、一昨年に続いて新人賞の審査委員を務めさせていただいた(他に志賀信夫氏、貫成人氏)。

21日付で受賞者が公表された。

新人賞:COLONCH『エスケープ』

オーディエンス賞:井田亜彩実『魚は痛みを感じるか?』

COLONCHは2008年、お茶の水女子大学文教育学部芸術・表現行動学科の同期生によって結成された。「全員が作品を創作し、ダンサーとしてもつとめられる。それぞれの考えや意向をお互いに尊重する」ことをグループのスタンスとしている。「新人シリーズ」には3度目の参加。受賞式では「三度目の正直!」と喜びを語っていた。

HOME of COLONCH

http://colonchi.web.fc2.com/

井田は筑波大学卒。平山素子に師事し東野祥子のBABY-Qにも参加している。黒田なつ子と組んだ「いだくろ」も展開し、昨秋にはベラルーシで開催されたコンテンポラリー・ダンスの国際コンクール「インターナショナル・フェスティバル・オブ・モダン・コレオグラフィ・イン・ヴィテブスク」(IFMC)で優勝した実力者である。

井田亜彩実 公式HP

http://asamiida.okoshi-yasu.com/

リハーサル数秒!?ハプニング乗り越えた日本人ダンサーペアの快挙

http://sankei.jp.msn.com/sports/news/130113/oth13011307000000-n1.htm 

上演時間制限は30分。20分〜30分の作品が大半だったが、全体の水準は低くなかった。審査は困難を極め審査会での議論は白熱したが最終的にCOLONCHに新人賞を授与することで決着をみた。

なお一次選考に残ったのは以下の8組(2次選考に残ったものは講評会でも公開していないので、ここでも伏す)。

COLONCH7g水越朋欲張りDDD政岡由衣子愛智伸江×永井由利子Cookie×Cream宝栄美希(出演日順)。

d-倉庫のHPに近々、審査委員の講評がUPされる。改めてご案内させていただく。

COLONCH「それから、」ダイジェスト

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井田亜彩実PR動画Asami Ida

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2013-01-03

[]2012年の10大(重大)ニュース!

新年あけましておめでとうございます。今年もよろしくお願いいたします。

昨年も話題豊富な舞踊界でした。例年ならば一年を振り返る回顧記事を掲載しバレエ・ダンス公演を細かく振り返るのですが、今年は思うところあって辞します。

というのも、あるところで1年を振り返るという趣旨の文章を目にしたのですが、その内容があまりにも酷かったからです。

【1/8追記】日刊紙やまともな専門媒体等に載ったもの、キャリア・実績ある筆者によるものではありません。念のため。誤解招いたならばお詫び申し上げます。

まず、「なぜ」「どうして」という説明もほとんどなく実演家の名前をひたすら羅列するのが不自然。しかも、一部意図的に無視したり、当てつけのように貶している。非常に疑問を抱きました。実演家を「上げ下げ」しようという態度が見え隠れする。いや、露骨に見えたのです。権威主義的な尊大さを感じずにはいられません。

また、守備範囲でなく観劇や取材経験も少ないジャンルに関して見識不足の記述がみられ、関係者はもとより一般の観客が読んでも首をかしげるに相違ないお粗末なものでした。アンケート投票や数人でも見識のある人の合議によるものならともかく個人で実演家の仕事を根拠も示さず格付けして上から目線であぐらをかいて論評する傍若無人・尊大な姿勢に大きな疑問を覚えます。アーティストに対し無礼千万なのでは。

私は、そのようなことはしていないので、気にせず年末回顧を書きたかったのですが、どうしても気乗りしなくなりました。万が一にも同じように思われるのは心外なので。従来のような記事を期待されていた方がいらっしゃったならば、お許しください。そして、新年早々お目汚しの話題となってしまい申し訳ありません……。

付記しておきますが「ダンスマガジン」2月号「バレエ年鑑2013」および音楽・舞踊・演劇・映像による綜合専門紙「週刊オン★ステージ新聞」新年特大号の洋舞ベスト5には、印象に残る公演や洋舞のベスト公演を挙げています。ご高覧ください。


DANCE MAGAZINE (ダンスマガジン) 2013年 02月号 [雑誌]

DANCE MAGAZINE (ダンスマガジン) 2013年 02月号 [雑誌]


ここでは新趣向で行きます。昨年の十大(重大)ニュースを振り返りました(順不同)。独断と偏見ですので異論もあろうかと思いますが、今後のバレエ・ダンスの発展につながる可能性のあるものを優先して選んだということを付けくわえさせていただきます。

菅井円加がローザンヌ国際バレエコンクールで優勝!

2月上旬、高校2年生(当時)の菅井の受賞の報をマスコミはこぞって大きく取り上げた。バレエ関係者・ファンからするとローザンヌはプロへの登竜門。将来が問われるのに「なでしこジャパン」フィーバーみたく加熱して持ち上げる報道には疑問を覚えた。しかし、これを契機にバレエへの関心が高まり、菅井の好演した「コンテンポラリーダンス」への注目が増したことは得難いものだった。メディアの報道に関しても、日本のバレエの抱える問題点を明らかにするものも現れた。とにもかくにも話題性十分だった。

森下洋子が高松宮殿下記念世界文化賞を受賞!

「東洋の真珠」と称えられ64歳になっても第一線でプリマを務める森下の受賞は各種メディアで大きく報じられた。世界的なプリマを擁し規模・団員の技量水準などの面でわが国トップレベルを誇る松山バレエ団であるが、近年は『新・白毛女』の東京公演や中国公演をほぼ独力で敢行するなど厳しいご時世のなか独自の奮闘を繰り広げている。我が国のバレエ人で一般にその名が広く浸透しているといえるのは森下、そして熊川哲也、草刈民代である。彼らの仕事・言動には格別の重みがあろう。森下は賞金の全額を被災地支援として寄付し、そのことも大きく取り上げられた。世界に誇る至宝・森下と松山バレエ団の存在感をあらためて示す出来事であった。

義務教育でダンスが必修化に

中学校学習指導要領改訂によって中学校の保健体育において平成24年度から武道及びダンスの学習がはじまった。ヒップホップ等のダンスが教えられているが、現場はまだまだ試行錯誤のようだ。コミニュケーション教育としての深まり等を期待するのは時期尚早か。ダンスシューズや音響機器等のメーカーが恩恵を受け意気軒昂というニュースも報じられた。議論かまびすしいが、なにはともあれ始まった以上、子どもたちの心身を鍛え養うものとして機能することが期待される。

Kバレエ『シンデレラ』12公演完売&「NHKバレエの饗宴2012」が大反響

国内バレエ公演は一部カンパニーをのぞいて一般観客の動員はほとんど望めないというのが実情。そんななか景気のいいニュースも。熊川哲也のKバレエカンパニーは熊川の出演する公演日は毎回ほぼ即日完売であるが、彼が演出・振付に徹した『シンデレラ』12公演がソールドアウトした。快挙と言っていいだろう。親しみやすい物語を豪華な舞台で展開する熊川流舞台創りの妙がフルに発揮された大作だ。また、NHKが新国立劇場バレエ団、東京バレエ団、牧阿佐美バレヱ団、谷桃子バレエ団、Noism1、吉田都の出演によって企画した「NHKバレエの饗宴2012」が大反響を呼びテレビ放映も行われた。日本のバレエの実力と魅力を広くアピールする場として得難かった。

第13回「世界バレエフェスティバル」が豪華スター勢ぞろいで開催!

世界的なプロデューサー佐々木忠次のプロデュースにより(公財)日本舞台芸術振興会が3年に1度開催する「世界バレエフェスティバル」は世界最高の規模と豪華さを誇るバレエ・ガラである。7〜8月の2週間余りににわたって行われた今回のバレエフェスも全幕プロやガラ含め完売が続いた。ロシア系の大スターも多数参加したことにより国際色の豊かさという点では過去最高のラインナップになったのではないだろうか。ルグリ、マラーホフ、ロマンといったおなじみの面々に加えロパートキナ、ヴィシニョーワ、ザハーロワらが風格ある演技をみせた。コジョカル、セミオノワ、ゴメス、フォーゲル、サラファーノフ、ガニオ、シムキン、マクレイらの活躍も目覚ましい。この規模と水準のガラを実現させることは至難である。その場に立ち会えた幸せを噛みしめたい。

「ダンストリエンナーレトーキョー2012」が画期的な成功収める

東京・青山発のコンテンポラリー・ダンスの祭典「ダンストリエンナーレトーキョー」。今回は18日間にわたって開催され10か国21のカンパニー/アーティストが参加した。劇場公演以外にもダンスショウケース、屋外パフォーマンス、ダンスワークショップやシンポジウム、ダンスフィルム上映、ダンス関連書籍によるブックフェアも催された。アジアを中心とした国際的なネットワークの形成という点でも成果が多かった。文化庁はじめ公・民から多くの助成や協賛を得て大規模なフェスティバルを実行し成功を収めたことは、数多くのコンテンポラリー・ダンス関係者やアーティストの長年にわたる努力と、劇場に集う少なくない観客層の存在抜きには考えられない。「コンテンポラリー・ダンスのブームは下火になった」と事実検証なく表層的な判断のみで放言する人もいるが、そんなことはない。今回の大成功は1980年代後半以降のダンス・ブームがブームでなくなり真に根付きつつある証左といえるだろう。

「Dance Dance Dance @ YOKOHAMA 2012」等で横浜がダンスのメッカに

夏から秋にかけて横浜市が主導となって行われた「Dance Dance Dance @ YOKOHAMA 2012」では、さまざまなジャンルのダンスの公演やイベントが行われた。プロによるバレエ公演や先鋭的なコンテンポラリー・ダンス公演もあればストリートダンスや民族舞踊の公演、市民参加型のイベントも。急造の感が否めなくメインイベントの「横浜ベイサイドバレエ」や神奈川県民ホールでの『オネーギン』上演など東京バレエ団の協力によるところ大だったが、参加公演数は多くコンテンポラリー・ダンス公演中心に秋の週末は「大野一雄フェスティバル2012」とも重なり横浜界隈で見逃せない公演が続いた。毎年2月に横浜赤レンガ倉庫で行われる「横浜ダンスコレクションEX」を中心に横浜市はダンスに力を入れている。ダンス大好き人間からすればありがたい限りだ。ダンスのメッカとして今後も手厚い支援を望みたい。

岩田守弘がウラン・ウデの国立ブリャート歌舞劇場バレエ団芸術監督に就任!

長年にわたりロシア国立ボリショイ・バレエ団で活躍した岩田守弘が昨秋からブリヤート共和国の首都ウラン・ウデにある国立ブリャート歌舞劇場バレエ団芸術監督に就任した。東シベリアの小国のバレエ団ではあるが国立のオペラハウスの芸術監督というポジションを任されたということは快挙といっていい。岩田の熱血指導によってカンパニーの水準も大きく向上するのではないだろうか。堀内元がアメリカのセントルイス・バレエの芸術監督として団を躍進させているし、昨秋からドイツのレーゲンスブルク・バレエの芸術監督に就いた注目の逸材・森優貴も振付家としての力量が高く評価されている。日本人が海外でカンパニーを率いる時代に突入しているのは頼もしい。

こどもの城 青山劇場・青山円形劇場が2015春閉鎖に……

先に触れた「ダンストリエンナーレトーキョー2012」の開幕翌日、耳を疑うようなニュースが報道された。厚生労働省管轄下にある国立総合児童センター「こどもの城」が老朽化等を理由に2015年春に閉館されるという。同施設内の青山劇場・青山円形劇場も閉鎖に。ダンス/バレエに限っても「ダンストリエンナーレトーキョー」のほか「青山バレエフェスティバル」「ローザンヌ・ガラ」など国際的視野を備えた企画を定期的につづけ日本のダンスシーンを引っ張ってきた劇場だ。演劇やミュージカル等も含めたパフォーミングアーツのメッカとして貴重なものがある。存続を切に願うばかりである。

バレエ&ダンス映画が続々と公開!

昨年はバレエやダンスを扱った話題の映画が立て続けに公開されたのも印象的だ。故ピナ・バウシュ率いるヴッパタール舞踊団のダンサーたちの踊りを収めたヴィム・ヴェンダース監督の3D映画「Pina/ピナ・バウシュ 踊り続けるいのち」は興行収入1億円を超えるヒットに。ピナの代表作のひとつ『コンタクトホーフ』を40人の少年少女が踊る姿を捉えた「ピナ・バウシュ 夢の教室」も公開。ピエール・ラコット&ギレーヌ・テスマー夫妻のバレエと人生に迫る「バレエに生きる]〜パリ・オペラ座のふたり〜」も好評だった。スペインの名匠カルロス・サウラがフラメンコ界のトップ・アーティストを迎えて撮った映像美の極み「フラメンコ・フラメンコ」、奇才フィリップ・ドゥクフレが演出したパリのナイトクラブのショーの裏側を描いた「クレイジーホース・イン・パリ」もあった。スターダンサーへの登竜門ユース・アメリカ・グランプリ(YAGP)に挑む少年少女たちの姿を追った感動的かつ深い洞察に満ちたドキュメンタリー「ファースト・ポジション 夢に向かって踊れ」は現在全国公開中。また、全国のワーナーマイカルシネマではシアタスカルチャー「英国ロイヤル・バレエ団」が月1回上映中。5月まで現地からの衛星中継含む最新の舞台映像を迫力の大画面・音響で堪能できる。舞踊への関心が高まってほしい。


Madoka Sugai - 2012 Selections - Contemporary Variations

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映画『ファースト・ポジション 夢に向かって踊れ!』予告編

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バレリーナへの道〈38〉世界のプリマ森下洋子

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ピナ・バウシュ 夢の教室 [DVD]

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