2009-12-01から1ヶ月間の記事一覧

2009舞踊回顧

今年もたくさんの公演が行われました。バレエ、コンテンポラリー・ダンス中心に観ましたが、質的に高いものが散見され鑑賞者としてうれしい限り。東京/関東圏では多様多彩な公演が連日あり、創作作品のバラエティの豊かさはなかなかのもの。関西や名古屋等…

地域で生まれ地域で愛される『くるみ割り人形』たち

11月の半ばから各地で毎年恒例となっている『くるみ割り人形』が上演が続きました。今年は新国立劇場が開場以来十余年にわたって上演してきたマリインスキー劇場経由のワイノーネン版から芸術監督の牧阿佐美が新たに改訂したヴァージョンを新制作したことも…

「ダンスマガジン」「オン・ステージ新聞」年間ベスト

2009年回顧は改めて行いますが「ダンスマガジン」ベストステージ&ベストピープル2009と「オン・ステージ新聞」の洋舞ベスト5&新人ベスト1が発表されましたので概略に触れます。私はありがたいことに両方からアンケートをいただき回答しました。DANCE MAGAZ…

金森穣 最新作『黒衣の僧』とNoismの切り開く地平

Noism1の新作『Nameless Poison〜黒衣の僧』(演出・振付:金森穣)をスケジュールが合い、名古屋で観ることができました(12月24日 愛知県芸術劇場小ホール)。11月末に新潟で初演され、静岡の上演を経ての名古屋上陸です(「ダンス・アンソロジー〜身体の煌き」…

劇評コンペについて

先日幕を下ろしたフェスティバル/トーキョーでは、内外の演劇・ダンスを上演するのみならず、それらを鑑賞する観客側の批評活動にも目を向けているようです。広く一般から劇評を公募し、web上で随時発表していく劇評コンペを行いました。“次代を担う劇評家・…

森下洋子の踊る松山バレエ団『くるみ割り人形』

名門・松山バレエ団も例年年末に『くるみ割り人形』を上演しています。振付・演出:清水哲太郎によって1982年に初演、再演のたびに練り上げれて現在に至ります。 清水版『くるみ割り人形』の大きな特徴は、少女クララが女性として、人間として成長して行く道…

ユース・アメリカ・グランプリ10周年記念 ガラ公演

アメリカはじめ世界各地のバレエスクールで奨学生として学ぶ権利を得ることのできるバレエコンクールがユース・アメリカ・グランプリ(YAGP)。毎年ニューヨークで本選が行われます。9〜19才のダンスを学ぶ生徒たちが妍を競い、審査員らによるワークショップも…

ギエム&カーン、平山素子新作ソロ公演、貞松・浜田バレエ団、『神曲』三部作ほか

先週末は異常な公演ラッシュでした。いくつかの『くるみ割り人形』やコンテンポラリー公演を観ることができず残念ですが、充実した舞台に出遭えました。ものによっては記事に出たり、blogで改めて記すものもあるかと思うので内容に極力触れず雑感を。 土曜日…

ルグリ関連情報

マニュエル・ルグリ関連情報続くのでまとめて。 マニュエル・ルグリ ドキュメンタリー 再放送 パリ・オペラ座バレエ団引退公演までの60日間を追った「エトワール 最後の60日〜密着 マニュエル・ルグリのバレエ人生〜」が、NHKハイビジョンで再放送。 NHKハイ…

文化庁芸術祭賞決定

平成21年度(第64回)文化庁芸術祭賞が18日発表されました。 平成21年度(第64回)文化庁芸術祭賞の決定についてhttp://www.bunka.go.jp/geijutsu_bunka/geijutsusai/pdf/21_geijutsusai.pdf 舞踊部門受賞6件 大賞(関東):該当なし 大賞(関西):該当なし 優秀…

追悼:物語バレエの巨匠アンドレ・プロコフスキー

井上バレエ団が冬恒例の『くるみ割人形』を上演しました。上演25周年記念、2日間3回公演のトリプルキャストが組まれ、最終回の島田衣子&石井竜一主演の回を観ることができました。その際の公演プログラムにバレエ史家で日本バレエ協会会長の薄井憲二が「さ…

レニングラード国立バレエ マラト・シェミウノフの個展

レニングラード国立バレエ団のマラト・シェミウノフ個展&パフォーマンスが行われるようです。画廊からお知らせいただいただき、また面白そうなので、転記しておきます。 マラト・シェミウノフの個展 ルジマートフが芸術監督をしているレニングラード国立バ…

伝統ある牧阿佐美バレヱ団の『くるみ割り人形』上演

今年も『くるみ割り人形』上演ラッシュが始まりました。首都圏はもとより名古屋や関西でも歳末おなじみの光景ですが、いつから始まったのでしょうか。業界紙「音楽新聞」の発行人であり日本の洋舞史の生き字引であった故・村松道弥は「私の舞踊史」において…

この秋冬、小スペース公演に成果〜厳しいなか頑張る創り手たち

行政刷新会議の「事業仕分け」問題で揺れ、不況の最中ですが、この秋・冬は例年同様、いや印象としては例年以上にバレエ・ダンス公演が行われているような気がします。年が明けても3月いっぱいまで大小さまざまの公演が相次ぎます。スケジュールを確認すると…

師走の舞踊界に思う

今年もあっという間に一年が過ぎ去ろうとしています。 毎年年度末になると舞踊専門紙誌から年間ベスト5や印象に残った公演を挙げよというアンケートをいただきます。一年を振り返ると、限りないダンス公演が行われており、舞踊界は盛況に思えるかもしれませ…

観客との真の奥深いコミュニケーション

興味深い記事を読みました。 「日本以外ありえない 「一気に全曲」演奏、なぜ挑む」 http://www.asahi.com/showbiz/music/TKY200912050209.html 音楽界の年末の風物詩である「第九」「メサイア」といった演奏会のラインアップのなかに、近年、ベートーベンの…

古典を受け継ぐこと

来日中のマリインスキー・バレエが上演した『眠れる森の美女』を観ました。先日同カンパニーが上演した『白鳥の湖』同様セルゲーエフ版。善と悪というテーマ基調にクラシカルなダンスとキャラクターダンスが多彩に織り込まれ、全体を通して堅牢な建築物のよ…

石井歓が死去

作曲家・元全日本合唱連盟理事長の石井歓さんが11月24日、肺炎で死去されたそうです。88歳。同じく作曲家である石井眞木と石井五郎はそれぞれ弟と叔父に当たります。父はいうまでもなく日本の洋舞のパイオニアである石井漠。 http://www.asahi.com/obituarie…