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2013-04-28

[]熊川哲也が紫綬褒章を受章!

政府は28日、平成25年春の褒章受章者を発表した。芸術や学問などの分野で功績を残した人を対象とする紫綬褒章が20人に贈られ舞踊界からはK-BALLET COMPANYの芸術監督で舞踊家・振付家の熊川哲也が選ばれた。

41歳での受章というのは快挙といえる。が、実績からして受章に異論はないだろうし、データ的に見ても2005年度に各芸術分野それぞれにおいて優れた業績をあげ新生面を開いた人にあたえられる芸術選奨文部科学大臣賞(舞踊部門)を受けていること、橘秋子賞特別賞、東京新聞制定 舞踊芸術賞という中堅以上〜大御所級に贈られることが多々ある重要な舞踊賞を若き日に既に受けていることからして順当である。吉田都、下村由理恵、斎藤友佳理という熊川の少し年上の舞踊人で、芸術選奨を受けている人が相次いで紫綬褒章を受けていることからしても熊川が来て当然である。

熊川の活躍を今さら記すこともないだろうが簡単に振り返る。15歳で英国ロイヤル・バレエ学校に留学。1989年には第17回ローザンヌ国際バレエコンクールにおいてゴールドメダルを受賞した。 同年、英国ロイヤル・バレエ団に東洋人初の入団を果たし最年少でソリストに昇格する。1993年にはプリンシパルに昇進した。退団後の1999年にはKバレエカンパニーを創立。自らの手による古典の再演出やローラン・プティ、フレデリック・アシュトンらの作品をレパートリーに加え、年間50回ほどの公演を全国各地で行なうプロフェッショナルなカンパニーに成長させたのは周知の通りである。

個人的には熊川の新演出による古典全幕のほとんどを初日に観てきた。なかでも2004年の『コッペリア』『ドン・キホーテ』、2005年の『くるみ割り人形』を経て2007年に新制作した『海賊』はKバレエのハイライトのひとつだと思っている。折しも「ダンスマガジン」の最新号(6月号)の特別企画中で熊川の盟友スチュアート・キャディがKバレエの特別な瞬間、頂点のひとつとしても挙げている。東京文化会館での初日はコンラッドがキャシディ、メドーラが吉田都、アリが熊川という、ありえないくらいの豪華な布陣。熊川独自の解釈による構成・演出がおもしろかったことに加え、大スターたちの奇跡的ともいえる共演に目くるめくような興奮を覚えたのだった。

が、その『海賊』初日から間を置かない札幌での公演において熊川は負傷・降板してしまう。Kバレエ創設以来の大ピンチである。暗雲漂ったかに見えたが、熊川は復帰し、『ベートーヴェン 第九』『ロミオとジュリエット』という新制作を成功させた。2012年にはBunkamuraオーチャードホール芸術監督就任を記念して自らの出演なしに演出・振付に徹した『シンデレラ』を創作。8公演をソールド・アウトさせるという記録的なヒットを叩き出した。踊り手としても円熟の境地にあり、先日の『ベートーヴェン 第九』の再々演では、圧倒的な技量とオーラで観客を興奮の渦に巻き込んだ。

興行としてのバレエを成功させること、国際感覚に裏打ちされたカンパニー運営を行うこと。熊川は、それらの点において、パイオニアの故・小牧正英や世界レベルで抜きん出た活動を行っている佐々木忠次らの仕事を受けて懸命に邁進しているように思える。自らのスター性・ブランドを大いに自覚し社会にメディアに大きくアピールする。TBSと提携し、オンワードを特別協賛に向かえるなど水際立った運営手腕を発揮する。いっぽうで、カンパニーの附属バレエスクール・Kバレエスクールを設立。小石川、恵比寿、吉祥寺、横浜に開校。大人のためのバレエスタジオ「バレエゲート」を併設する。バレエスクールからはカンパニーへの入団者も増えている。教育面への目配りも怠らない。

ただ、いかにスーパースターでカリスマの熊川とはいえ人の子だ。バリバリに踊れる期間は限られている。そうなったときにカンパニーの運営をどうしていくのか危惧する向きもあるだろう。が、彼の知名度と実績は圧倒的である。バレエ=熊川という認識は彼が本格的に踊らなくなっても揺るがないだろう。個人のカンパニーの問題だけでなく日本のバレエの発展のためにも熊川の活躍は絶対に必要である。厳しいご時世ではあるが、熊川がいかに日本のバレエの将来をデザインし引っ張っていくのか興味は尽きない。若き日から日本のバレエ界に対し苦言含め誰よりも率直に提言してきた彼のことだから大所高所からの行動・発言に重みがあろう。熊川の言動に日本バレエの将来がかかっていると言うのも大げさではない。言動がますます注目されるところだ。


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2013-03-16

[][]第44回(2012年)舞踊批評家協会賞・同新人賞が決定!

第44回舞踊批評家協会賞ならびに同新人賞が決定した。

2012年1月1日から12月31日までに日本国内で公演された舞踊活動が対象。

第44回(2012年)舞踊批評家協会賞、新人賞が決定

http://www.chacott-jp.com/magazine/news/other-news/442012.html

舞踊批評家協会賞

笠井叡・麿赤兒 

『ハヤスラヒメ 速佐須良姫』(構成・演出・振付:笠井叡)は舞踏の異種混合ともいうべき画期的な舞台で、それぞれの若手軍団を率いた両巨頭の存在感は圧倒的で、これからのダンスシーンの可能性を予測させる成果だ

小林紀子バレエ・シアター

09年から『眠れる森の美女』『マノン』『アナスタシア』とマクミランの大作を初演。とりわけ『アナスタシア』は、歴史の一断面を鮮烈に描き、近年のバレエ表現のひとつの頂点に至った点に対して

花柳壽輔

「日本舞踊×オーケストラ」---伝統の競演----に置ける『牧神の午後』『ボレロ』の振付、及び5曲の企画、総合演出の成果に対して

舞踊批評家協会賞新人賞

大橋可也

『ウィスパーズ』『断崖』において、尖鋭的かつ繊細な舞台を独特の空間を生かして展開した成果に対して

花柳源九郎

新作『走れメロス』における卓越した表現力に対して

福岡雄大

2012年は新国立劇場バレエ団の『マノン』『シルヴィア』『シンデレラ』ほかの主要作品に主演を果たし、強靭なエネルギー溢れる舞踊を踊った

南阿豆

舞踏ソロ『傷跡』『傷跡II』の両公演で、自らの肉体的痕跡に萎縮することなくバネにして、激情と悲痛さの両極端にわたってダイナミックに踊りきったエネルギーは今後、おおいに期待できる

同協会は評論家有志による団体。3ヶ月に一度例会を持ち、年明け2月半ば頃に最終審査を行い、前年度の公演のなかから協会賞3〜5件、新人賞2〜3件程度を選ぶ。

過去の受賞者リストをみると、わが国の舞踊史が一望できる。あらゆるジャンルの舞踊から受賞者を選ぶ視野の広さと、国の顕彰や民間の財団等の賞とは違った独自の選択眼のバランスに定評あった。

会員はもちろん評論家。かつて故・村松道弥、故・江口博、故・早川俊雄ら戦後の代表的な評論家・ジャーナリストにはじまって現在の長老格の山野博大、うらわまことらが主導的な立場にあった。1990年代〜2000年代初頭くらいまではバレエやコンテンポラリー・ダンス系の中堅や文化人も多く参加し会員が30人ほどいた時期も。紆余曲折を経て現在の会員は15名ほどになっている。

評論家の団体が賞を出すことに賛否あろう。賞を出すならば推薦理由が明確であること、推薦者が対象舞台を含むジャンルにおいて業界内外から信用を勝ち得ていることが非常に重要だ。そうでなければ説得力に欠け、受賞者の方に対し非礼にあたる。日本舞踊、舞踏に関しては主導的地位にあるといっていい方が3人以上名を連ねるが、洋舞に関しては現役で幅広く舞台を鑑賞し定期的に書いている方は限られる。とはいえバレエでいえば、商業媒体に定期的に寄稿し各種審査員等も務められる立派な業績を持つ方が、お二方いらっしゃる。その方々が推薦されれば問題ないのだが……。現代舞踊やコンテンポラリー・ダンスに手が回らない状況にあるのは寂しい。

参照:http://kado.seesaa.net/article/185474540.html 舞踊評論家とその周辺(2) 舞踊批評家協会 - 観劇記 〜 No Body No Lid -

今回の選考に関して異論ない。協会賞は3件に絞ってきた。実績含め多くの人が首肯するに違いない選出であるし、新人賞に関しても話題になったり注目されている人が選ばれている印象を受ける。受賞された方々に祝意を申し上げたい。


銀河革命

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怪男児 麿赤兒がゆく 憂き世  戯れて候ふ

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2013-03-13

[]東京新聞制定 平成25年度 中川鋭之助賞に瀬島五月(貞松・浜田バレエ団)が決定!

東京新聞制定 平成25年度(第19回目)中川鋭之助賞の受賞者が13日、公表された。

受賞者は瀬島五月(貞松・浜田バレエ団)。

平成25年度 瀬島五月さんが受賞

http://www.tokyo-np.co.jp/event/bu/nakagawa/

中川鋭之助賞は「日本の舞踊界で活躍し、近年国内あるいは国外で優れた業績をあげ、今後さらに飛躍が期待されるバレエまたは現代舞踊の若手ダンサー」に贈られる。受賞者は東京新聞が委嘱する選考委員若干名と東京新聞関係者の協議により決定。選考会開催に先立って参考として候補者について舞踊関係者にアンケートを求めている。本年度の選考委員はうらわまこと、北井一郎、藤井修治、林愛子の各氏。

関西拠点のため全国的知名度はまだまだと思うので多少詳しく解説しておく。

7歳から神戸の貞松・浜田バレエ学園にてバレエをはじめる。18歳のとき「全日本バレエコンクール・ジュニアの部」 第1位、翌年には「アジアパシフィック国際バレエコンクール・シニアの部」 第1位を獲得。英国ロイヤル・バレエスクールに留学しレスリー・コリアらに学ぶ。卒業公演では現在ヒューストン・バレエの芸術監督として知られるスタントン・ウェルチ振付『A Time To Dance』に主演している。ロイヤル・ニュージーランド・バレエ団入団後は主役・ソリストの経験を重ね、帰国後は貞松・浜田バレエ団に入団。

華やかな容姿、堅実な技術もさることながら豊かな音楽性と明確な意思をこめた解釈・表現力に秀でている。

公私のパートナー、アンドリュー・エルフィンストンと息のあったパートナーシップを築き、『眠れる森の美女』オーロラ姫、『白鳥の湖』オデット/オディール、『くるみ割り人形』お伽の国の女王、『ジゼル』のタイトル・ロール、『ドン・キホーテ』キトリなどを踊る。役柄解釈の確かさとテクニックをしっかり役に惹きつける抜群の表現力を発揮している。

現代作品/コンテンポラリーでの活躍も目覚ましい。東京でも2度披露しているオハッド・ナハリンの超人気作『DANCE(マイナス16)』のソロ・パートで魅せた即興の楽しさとパワフルさに富んだ踊りはインパクト大。イリ・キリアンの『6DANCES(Sechs Tänze)』での軽妙洒脱でユーモラスな演技も絶品である。バランシン『セレナーデ』では優れた音楽センスをみせている。貞松・浜田バレエ団出身でドイツ・レーゲンスブルク・バレエの芸術監督を務める森優貴の『Memoryhouse』も印象深い。欧州コンテンポラリー・ダンス特有の身体使いを体得したうえで、森作品ならではの動きの微細なトーンのポイントを押さえつつ独自のニュアンスを表現。芸術性が際立っている。

関西中心の活動だったが、その力量が次第に知られるようになり、来たる3月16日、公益社団法人日本バレエ協会の都民芸術フェスティバル参加公演『白鳥の湖』主演に抜擢される(共演は奥村康祐)。また、新春に新国立劇場の地域招聘公演として行なわれた貞松・浜田バレエ団東京公演でも主軸を務め観客・関係者に強烈にアピールした。

賞歴としては地元の県や市の奨励賞等を受けたのと昨年末、ようやく文化庁芸術祭新人賞(舞踊・関西)を手にしたくらい。活動の場が関西に限られると注目度が下がってしまうのは否めない。新国立劇場共催地域招聘公演という檜舞台があったとはいえ、そのハンディを押しのけての受賞は快挙。中川賞受賞者の受賞年齢からすると若干年長ではある。しかし、この賞は将来性を重視している。将来性=必ずしも若ければいいというわけではない。中川賞の受賞者リストをみると、バレエ界もしくは現代舞踊界の中軸として大きく活躍することを念頭に選ばれてきているのは明らかだ。その意味において期待できそう。古典/現代作品ともにきっちりと踊りこなす得難い存在である。


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2013-03-10

[]東京バレエ協議会 ホープ2013(金子紗也・清水愛恵・日高有梨・松野乃知)

東京バレエ協議会(理事長:高橋典夫)のHPに所属団体の気鋭を紹介する「ホープ」が掲載されている。

これは一昨年まで発行されていた機関紙の名物企画であったが、合理化のためか同紙が出なくなり、昨年から同HP上で紹介されている。

ホープ2013

http://www.tba-ensemble.com/hope.html

今年取り上げられているのは、金子紗也(スターダンサーズ・バレエ団)、清水愛恵(東京シティ・バレエ団)、日高有梨(牧阿佐美バレヱ団)、松野乃知(チャイコフスキー記念東京バレエ団)。

金子は長野バレエ団を経て大阪のK★バレエスタジオに学ぶ。2008年第65回全国舞踊コンクールのパ・ド・ドゥ部で同門であり現・新国立劇場バレエ団プリンシパルの福岡雄大と組んで第3位に入っている。テクニックに強い踊り手。決戦を見ていたのだが、この回は非常にレベルが高く第1位が高田万里・青木崇、第2位が金子扶生・奥村康祐。その後金子はスタダンに入り順調にソリスト役を務めている。

清水は東京シティ・バレエ団が芸術提携を結んでいるティアラこうとうの組織するティアラ・ジュニアバレエ教室を経て同バレエ団に入団。昨年末には『くるみ割り人形』金平糖を踊っている。まだ、しっかりと認知していないので評は控えるが、相次ぐ抜擢から鑑みるに安達悦子ら首脳陣は評価しているのだろう。

日高は押領司博子バレエクラスを経て橘バレヱ学校入学。在学中から牧阿佐美バレヱ団公演に出演しAMスチューデントで牧阿佐美の指導も受けている。若いが早くからバレエ団公演に参加していたため中堅どころといっていいキャリアを持つ。『くるみ割り人形』『白鳥の湖』等に主演。アンサンブルでも手を抜かない演技に好感が持てる。

松野は若手男性の注目株。東京バレエ団付属の東京バレエ学校出身で長身のノーブル・ダンサーである。キャリア先行し進境著しい柄本弾とともに東京バレエ団の次代を大きく担うであろう踊り手。子どものためのバレエ『ねむれる森の美女』王子役が好評を博し、きたる6月には『ラ・シルフィード』に主演する。楽しみな逸材だ。


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バレエに育てられて―牧阿佐美自伝

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2013-03-03

[]日本バレエ協会制定 第29回服部智恵子賞に荒井祐子(Kバレエカンパニー)が決定!

公益社団法人日本バレエ協会制定による第29回服部智恵子賞の選考会が3月3日行なわれ、受賞者に荒井祐子(Kバレエカンパニープリンシパル)が決まった。

http://www.j-b-a.or.jp/topics_top.html

http://www.j-b-a.or.jp/hattori-prize_13winner.html

同賞についてはバレエ協会のHPを参照。

服部智恵子賞は、第7回全国合同バレエの夕べの舞台稽古中にメルパルクホールで倒れ、急逝致しました日本バレエ協会初代会長、服部智恵子を偲び、かつ故人が戦前・戦後を通じて我が国バレエ界の草分けとして寝食を惜しんで我が国バレエ界の発展とその普及に尽力した業績を称える意味で、年間において最も顕著な業績をあげ、かつ将来においてもバレエ界の発展に貢献することが期待されるダンサーに授けられる賞として1985年に制定され、今日に至るまで名実共に我が国を代表するダンサーに授与され続けております。

荒井は愛知県生まれ。8歳より名古屋の塚本洋子バレエスタジオでバレエを始める。1990年、ローザンヌ国際バレエ・コンクールにおいて「スカラシップ賞」を受賞し、ハンブルク・バレエ学校に留学した。海外生活を経て95年にチャイコフスキー記念東京バレエ団に入団。『白鳥の湖』オデット/オディール、『眠れる森の美女』オーロラ、『ドン・キホーテ』キトリなど主役を務め活躍した。2003年秋、Kバレエカンパニーにファースト・ソリストとして移籍入団。2005年にはプリンシパルに昇格。

テクニックが強く絶対的な安定感を誇る。表現力も兼ね備え、数々のレパートリーに主演している。昨年度も『シンデレラ』『ドン・キホーテ』『くるみ割り人形』などに主演。年間を通しての幅広い活躍が評価されたものと思われる。実力・実績ともに十分な大型プリマ。納得の受賞である。ちなみにKバレエ結成以前に同賞を受けている熊川哲也を別にするとKバレエからは初の同賞受賞者となる。

なお選考委員は伊地知優子、うらわまこと、桜井多佳子、藤井修治、三浦雅士、山野博大の各氏。

荒井 祐子|メンバー情報|K-BALLET COMPANY

http://www.k-ballet.co.jp/members/view/6

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2013-01-30

[]論文「日本のバレエ教育機関における教師の現状と課題」

今年も若手バレエ・ダンサーの登竜門として知られるローザンヌ国際バレエコンクールが始まった。昨年は高校2年生(当時)の菅井円加が優勝しメディアで大きく取り上げられた。たしかにバレエ界の大イベントである。これまでの受賞者の多くは世界の名だたるバレエ団のトップ・ダンサーに成長している。しかし、あくまでも「将来性」を評価するコンクールだ。それを「なでしこジャパン」が世界一を獲得した際と同じように熱狂的に持ちあげるのを、いかがなものかと思った人も少なくないだろう。

なにはともあれ菅井の優勝のニュースは、バレエへの関心を高めた。当初は過剰なフィーバーに辟易させられたが、落ち着いてくると、日本のバレエ界の現状に関する考察が報じられるようになった。プロとして踊る場が限られているため海外に流出せざるを得ない点、ダンサーの待遇について具体的数字を挙げての言及も少なくなかった。

そういったニュースのなかで、日本のバレエ人口についての数字が目に付いた。全国4630のバレエ教室を対象に調査した結果、生徒は約40万人と推計した報告である。昭和音楽大学短期大学部教授の小山久美らの調査によるものと報道された。その後、舞踊学会の発行する学会誌「舞踊學」第35号に海野敏・高橋あゆみ・小山久美の共著による論文が掲載された。「日本のバレエ教育機関における教師の現状と課題」—『バレエ教育に関する全国調査』に基づく考察—である。

わが国では全国津々浦々にスタジオ・研究所が存在する。だが、その実態が実証的に明らかにされることはなかった。そこで、2011年に海野・高橋・小山らが文部科学省私立大学戦略的研究基盤形成支援事業の支援も受け「バレエ教育に関する全国調査」を行った。調査対象を確定するためバレエ教育機関の住所録データベースを構築し検討を重ね最終的に4630のバレエ教室に質問票を送付した。回収率は32.1%。

バレエ指導者資格の取得状況や学習者の年齢層、レッスンクラスの種類、発表会の開催/コンクール参加/教師のバレエ団所属経験の有無等を調査した。結果や分析に関しては直接論文にあたってほしい。が、調査から導き出された結論として述べられているのは「バレエ教育者資格の整備と普及を検討すること」の重要性。わが国においてバレエを指導するのに免許等はいらない。津々浦々に教室が林立し、街場の小さな教室にも優れた教師が居て逸材を育てるケースが少なくないのは確かだ。ただ、誰でも教えられる、教室を開設できるという野放し状態なのも確かである。今後、より充実したバレエ教育環境を整備するため指導者資格等の導入も議論の対象となろう。

結末近くに、こう記されている。

本論文は『バレエ教育に関する全国調査』の集計結果に基づき,日本のバレエ教育環境の現状を,バレエ教師に焦点を絞って実証的に示したものである。そして日本のバレエ教育環境の改善のために,バレエ指導者資格の整備と普及について議論することを提起した。

机上の学問ではなく実証的なデータに基づき日本のバレエ教育の今後を考える姿勢が頼もしい。日本のバレエ教育が真に豊かなものとなり、優れた踊り手が内外で充実したバレエ人生を送れるようになるためにも継続・発展していってほしい研究である。

2012-12-21

[]平成24年度(第67回)文化庁芸術祭賞決定!舞踊部門新人賞に瀬島五月

文化庁は21日、平成24年度(第67回)文化庁芸術祭賞を発表した。

http://www.bunka.go.jp/ima/press_release/pdf/media_geijutsusai_121221.pdf

舞踊部門の受賞は以下のとおり。大賞は花柳與(関西参加公演の部)。優秀賞は玉城盛義(関東参加公演の部)、藤間仁章(関東参加公演の部)、山村若峯董(関西参加公演の部)。新人賞は谷淑江(関東参加公演の部)、瀬島五月(関西参加公演の部)。関東参加公演の部の大賞は該当なしとなった。

バレエでは瀬島五月が貞松・浜田バレエ団特別公演『創作リサイタル24』における演技の成果で新人賞を得た。

受賞理由は下記のとおり。

古典バレエの高い技術に裏打ちされた身体能力を活かし、現代作品3演目をそれぞれ表現力豊かに踊った。森優貴振付「Memoryhouse」での、凄みを持って観客の心に直接響く踊りは強い説得力があり、イリ・キリアン振付「6DANCES」ではコミカルな魅力を満喫させた。古典、現代作品ともに、今後の大いなる活躍が期待できる。

瀬島は7歳から貞松・浜田バレエ学園にてバレエをはじめ18歳のとき「全日本バレエコンクール・ジュニアの部 第1位」、翌年には「アジアパシフィック国際バレエコンクール・シニアの部 第1位」を獲得。英国ロイヤル・バレエスクールに留学し卒業公演ではスタントン・ウェルチ振付『A Time To Dance』に主演している。ロイヤル・ニュージーランド・バレエ団入団後は主役・ソリストの経験を重ね、帰国後は古巣の貞松・浜田バレエ団のプリマとして数多くの作品に主演している。

華やかな容姿と堅実なテクニック、優れた音楽性を兼ねそなえ舞台を牽引する。そのうえで、古典/現代作品問わず明確な意思を込めた解釈・表現によって踊り演じることのできる希少な踊り手。『眠れる森の美女』オーロラ、『ドン・キホーテ』キトリなどでみせた、えもいわれぬ華、『白鳥の湖』オデット/オディールでのドラマティックな演技は忘れ難い。現代作品でもオハッド・ナハリンの『DANCE(マイナス16)』のソロ・パートで魅せた融通無碍なダンスをはじめ今回の受賞対象となったキリアンの『6DANCES』、森優貴の『Memoryhouse』それに2011年度の文化庁芸術祭大賞に輝いた『冬の旅』などで振付の肝を体得しつつ自身の感性を通した独自の表現をみせている。

以前は、ひとり才気走る嫌いがあったり、ときに主役としての力みも見られたが、2010年に男児を出産後まもなく復帰した『ジゼル』あたりから舞台運びに一段と風格を増し、表現力も円熟を増してきた。関西中心の活動だったが、その力量が次第に広く知られるようになり、来たる2013年3月には、公益社団法人日本バレエ協会の都民芸術フェスティバル参加公演『白鳥の湖』主演に抜擢された(共演は奥村康祐)。また、新春には、新国立劇場の地域招聘公演として行なわれる貞松・浜田バレエ団東京公演でも主軸を務める。『くるみ割り人形』のお伽の国の女王を踊り、「創作リサイタル」では、ナハリンの『DANCE』、キリアンの『6DANCES』、森優貴の『Memoryhouse』すべてにおいて主要なパートを踊るという超人的な活躍がみられそうだ。

今回の受賞に関して。瀬島の活躍と力量の一端を知る者からすると、率直にいって「今さら新人賞?」という気がしないでもない。が、貞松・浜田バレエ団は例年芸術祭には「創作リサイタル」で参加している。中編の創作が中心になるので、主演者が大きく目立つ全幕公演に比べると受賞対象になりにくいという不運というか難点はあったのかもしれない。関西公演参加の部では、これまでに青木崇、武藤天華、高田万里、奥村康祐、金子扶生ら瀬島と同年代もしくは下の世代が「新人賞」を受けているが、彼らは全幕主演するか創作でも鮮烈に目立つパートを担当している。実力からすれば遅きに失した感あるのは否めないが、やはり大きな賞である。何はともあれ受賞を祝したい。

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2012-12-19

[]スターダンサーズ・バレエ団『くるみ割り人形』新作の見どころ 映像公開

前回のblog記事で『くるみ割り人形』の新制作や新演出が相つぐなか、広報等があまり行き届いていないのが残念だというふうに記したが、17日付でスタダンサーズ・バレエ団がリハ−サル映像に続いて見どころ紹介をUPした。総監督・代表の小山久美が新バージョンの特徴を語っている。

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バレエ団の公式サイトからリンクされているわけではないが、演出・振付補の小山恵美の公式twitterで美術や衣装を含めた舞台の模様が紹介されている。

https://twitter.com/emioyama

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バレエ 「ドラゴンクエスト」 [DVD]

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2012-12-14

[]ネットでの情報発信と受容・共有について

今年はバレエ『くるみ割り人形』(チャイコフスキー曲)初演から120年を迎えた。そのためか国内でも新制作や新演出版の上演が相つぐ。在京団体では小林紀子バレエ・シアター(小林紀子版)、NBAバレエ団(久保紘一版)、スターダンサーズ・バレエ団(鈴木稔版)、谷桃子バレエ団(望月則彦版)である(公演日順)。また、東京バレエ団はオーソドックスなものとして知られるワイノーネン版と巨匠振付家の人生と創造の原点を描くモーリス・ベジャール版を連続上演するという意欲的な企画を立てた。

話題性があるだけに、もっと盛り上がってもいい。それなのに、ダニール・シムキンの客演やベジャールというブランドのある東バはともかく他の公演の情報はあまり広く行きわたっていないという印象が否めない。そもそも『くるみ』はドル箱作品ともいわれるように宣伝しなくても客が入るとされている(昨シーズンの新国立劇場バレエ団公演でも有料入場率90%超という動員だった)。身内客だけでも動員できる。多くの団が例年上演するため、広報に力入れ予算をかけても埋没しがちになるのも確かだろう。

そんななか先日やっとスタダンがリハーサル映像をホームページにアップした。が、創意豊かな演出・振付により大ヒットした『シンデレラ』に続く鈴木稔の演出・振付と新国立劇場『アラジン』の豪華な舞台美術で話題を呼んだデザイナー、ディック・バードの装置・衣装により新制作するのに内容面・ビジュアル面が全くといっていいほどみえない。予告編とは違うと言われるとそれまだけれど、せっかく手間をかけるのなら、どういう作品になるのかを垣間見せ、期待を高めてほしかった。

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最近は招聘元やバレエ団がホームページやブログ、SNS等を駆使して情報発信や交流につとめている。先日、2013年新春を飾る「ブベニチェク・ニューイヤーガラ〜カノン〜」のSkypeミーティング《Bunkamura⇔パリ》というものに出席したが、これはブロガーやメディア関係者がSkypeを通してパリにいるイリ・ブベニチェク、エルヴェ・モロー、ドロテ・ジルベールと交流するという企画。主催者による一方的な発信ではなく、観客・受信者サイドとの交流を深めようというイベントだった。Web上の情報ことに観客による有力バレエサイトやブログの影響力が良くも悪くも増していることは否定できないだろう。舞踊メディアでもWeb媒体の存在感が増している。情報をいち早く発信・共有できたり、無料で簡単にアクセスできる利器を知ってしまった以上、後戻りはできない。

【バレエ情報ポータルサイト・バレエナビ掲載記事】

ブベニチェク・ニューイヤーガラ〜カノン〜Skypeミーティング Bunkamura⇔パリ

http://www.balletnavi.jp/pickup/?p=1454

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とはいえ、観客・情報を受ける側としては発信者に過剰に期待するのは考えもの。たとえば「早く配役が知りたい」「ダンサーの情報が知りたい」「舞台のウラ側が知りたい」という欲求は誰にでもあろうが、最近SNS等を覗くとエスカレート気味にも感じる。主催者等がWeb等で情報発信するのは、ファンへのサービスであるとともに新たな観客層にアピールし、情報にアクセスしやすくして公演に興味持ち足を運んでもらえるようにしたいからであろう。現状では前者にベクトルを傾けざるを得ないという印象。熱心なファンは非常に大切。だが、より多くの人に関心を持ってもらうことによってシーンが活性化する。そのためにWebやSNSが一層効果的に使われることを願いたい。

ファンに向けての情報発信と言えば、牧阿佐美バレヱ団のダンサーが管理・運営するAsami Maki Ballet Hot Lineが開設された。バレエやダンサーをより身近に感じてもらえるような楽しいサイトを目指して更新していくらしい。ファン向けの情報発信と交流をダンサーたちが自主的に行うというのは、なかなか良いアイデアかもしれない。



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2012-11-29

[]Asami Maki Ballet Hot Line 開設!

バレエ界きっての名門大手である牧阿佐美バレヱ団のダンサーが管理・運営するAsami Maki Ballet Hot Lineが開設された。バレエやダンサーをより身近に感じてもらえるような楽しいサイトを目指して更新していくという。

今月上旬、同バレエ団公演『デューク・エリントン・バレエ』で配布されたチラシのなかに開設予定の案内が入っていたが実際に動きはじめたようだ。ダンサーたちの日々の活動がリアルタイムでアップされるのはファンにとってはうれしい。バレエ公演の創造の現場を垣間見れることも楽しいし、鑑賞の際の理解を深めることもあろう。

ダンサー主導というのは画期的だが、各団体がブログ等で情報発信しているのと同じように固定ファンへのサービスという色彩が強い。ホットな情報が求められてくるだろうから運営は生半可ではないと思う。情報発信は好ましいので継続に期待したい。


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バレエに育てられて―牧阿佐美自伝

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