daphnia_magnaのメモ帳

2007-01-12

[]Olfaction: Underwater 'sniffing' by semi-aquatic mammals

アイナメさんから教わりました。自分では読んでないのですが、びっくりしたので書いてみます。ホシバナモグラというちょっと変なモグラがいるのですが、こいつらの1種は、水中で空気の玉を鼻から出して、水中の物体のニオイをかぐそうです。ぷーっと膨らまして物体に空気の玉が触れたら、それをまた鼻に吸い込んでニオイをかぐのだとか。びっくりだ。。。

2006-11-27

[]"Optimal nitrogen-to-phosphorus stoichiometry of phytoplankton"*1

日本語要約はここ植物プランクトン窒素対リン比を決める要因を、制限要因ではなく植物プランクトンの内部構造に注目してモデルを作った。それによると、環境が平衡状態に近いと植物プランクトン窒素が多くなり、指数増加している環境だとリンが多くなるらしい。なぜかというと、指数増殖しているときにはリボソームが沢山必要になるので、そして単細胞植物プランクトンのリンの多くはリボソームに存在しているからだ。一方、制限要因が光で平衡状態のときには、光合成にコストがかかるので葉緑体を増やす。葉緑体窒素が多くリンはほとんど含まないので窒素が多くなる、というストーリー(他に制限要因がリンであるとき、窒素であるときのストーリーがある)。これらのストーリーで実際の藻類の窒素とリンの要求比が説明できる、というもの。

 この論文ではすごく重要な指摘がなされたと思う。それは、これまで野外の海洋の植物プランクトン窒素対リン比を論じるときには、常にRedfield比という"群集全体の平均的な比"が重要視されてきた。けれど、本当に重要なのは、その比のバリエーションにあるということだ。それは私も納得した、というか、好きな考え方だ。個々の生物にとっては群集全体の比はどうでもいいことだし、個々の生物がどんな比を持っているかによって、そしてそれらの頻度によって全体の比が変わるに違いないからだ。

 でも"制限要因でなく植物プランクトンの内部構造で野外の植物プランクトン窒素対リン比を説明できる"という主張はおかしいと私は思った。確かに、この論文が出た当時に公表されている植物プランクトン窒素対リン比の主要な値を、それぞれ説明できてはいる*2。けれど、値だけではだめで、その種の持つ特異的な細胞の構造をきちんと解析しないと、実際の値がその考え方とマッチしていることが説明できないと思う。窒素対リン比が低いからといって、必ずリボソームが多いとも限らないだろうと思うのだ。せめて最大増殖率のデータを一緒に示すとか、それらの種が好む環境を示すとか、そういう解析が必要だと思った。

 それに、このモデルは"ある条件下では、あるパラメータを最大化するのが適応的"ということを予め決めてしまっている。例えば"指数増殖環境では最大増殖率を大きくすることが適応的である"という感じに。そこを前提にしてしまったら、答えはモデルを作るまでもなくわかりきっていると思う。問題なのは前の例で言えば、"このタイプの生き物の最大増殖率を大きくすることが適応的になる環境"が何なのか?ということだろうと思う。なんでこれでNatureなのかがよく分からない。

最近、こういう「モデルを作るまでもなく分かってしまう」というようなモデル研究に触れる機会が多くて、ちょっとうんざりしている。って私の研究もそうだから、嫌なのだとは思うけれど。

*1:Nature 429, 171-174 (13 May 2004),Christopher A. Klausmeier, Elena Litchman, Tanguy Daufresne and Simon A. Levin | doi: 10.1038/nature02454

*2:できていないものもある。それに、使われている藻類の種類はせいぜい30種類程度

2005-10-11

[]「Stoichiometry and population dynamics」

 Review論文*1。これを読めば、2003年くらいまでのStoichiometryと個体群動態の主な研究はだいたいわかる、という感じのReview、なはず。そう思って読んでいた(しばらく前に読んだきりなので細かい内容を忘れてしまった)。stoichiometryが流行りだした2000年頃からこっち、生理学的な論文がどんどん出ている感があるけれど、私としてはむしろ、こっちがもっと進んで欲しい。いや、ライバルが増えるから良くないかなぁ。

*1:Ecology Letters,2004,7:884-900,Andersen et.al.,

2005-10-05

[]Leibold,M.A. and Norberg,J.「Biodiversity in metacommunities: Plankton as complex adaptive systems?」*1

 U研論文読み会の発表用に読んでいたけれども、やめた。なぜかというと、U研論文読み会は、レジュメなしで図表用のプリントのみで発表する形式で、この論文はArticleと書いてあるが、ざっと目を通した感じではどうみてもReviewにみえるくらい文章ばかりだから。レジュメなしではとても説明できない。かといって今からレジュメを作るほどの時間もないし。ちなみにこんな文章がある。

our goal is not to test these ideas but rather to provoke more consideration of these issues in limnetic ecosystems.

 湖の生態系をメタコミュニティとして解釈できるかどうかを議論した論文。もともとは理論を実際の野外の生態系に当てはめる際に、どういう考え方が出来るのか?また、どういった問題点が出てくるのかを知りたくて読み始めた。この手の理論→野外っぽい論文が、最近のマイブームである。

 それにしてもこのLeiboldという人、結構挑戦的なことを書く人だなぁと思った。

It is tempting for limnologists, especially those who study smaller water bodies, to think that such larger scale processes do not necessarily influence limnetic ecosystems as much as they might other systems such as streams or terrestrial systems, where the movement of individuals and materials across local communities and ecosystem boundaries is more obvious.

「tempt」って「悪いことに誘惑する」っていうニュアンスじゃないのだろうか?私の思い違いかなぁ。

[]Leibold,M.A.「Do nutrient-competition models predict nutrient availabilities in limnetic ecosystems?」*2

 結構古い論文だけれども、これも理論→野外の論文。今回のU研論文読み会ではこれを話そうと思う。

 植物プランクトンの共存機構は、制限栄養塩をめぐる競争によるものだというTilman(1982)*3の説があるが、野外で本当に栄養塩をめぐる競争が、共存に効いているのかを確かめようという論文。ある程度確かめられた理論を壊すにはどういう方法があるのかを知りたくて読んでいる。

*1:Limnol. Oceanogr., 49(4, part 2), 2004, 1278–1289

*2:Oecologia (1997) 110:132-142

*3:Tilman D (1982) Resource competition and community structure. Princeton University Press, Princeton

2005-09-23

[]Science of Child Sexal Abuse

 今は時間がないのであとで。その後の記事。どうも最初の記事に対する問題提起文らしい(金がかかりすぎる云々とある)。