お山は大雪

年末の寒波(クリスマス寒波というそうだ)で山は大雪。
いつものように中央道から北八ヶ岳の入り口、ピラタスロープウェイのゴンドラ乗り場までは雪がなく穏やかな土曜日だった。
わずか7分の空中旅行を終えるとあたりは激変。
風と雪の世界だった。
坪庭にはまだトレースがあり、北横ヒュッテの先代親父とすれ違い、挨拶をする(この後、帰りに車をぶつけて大破したらしい。でも怪我はなかたらしいから不幸中の幸いだ、親父さん落ち込んでるだろうなあ)。
ツヅレ織りの登山道は膝までの雪かきで、それでもまだ快適。だんだん視界がなくなり、踏み跡のない登山道に変身。
北横ヒュッテについた頃には全身雪だるま状態。気温は零下14度。
寒い。

雪が深くて今日の横岳登頂は断念して小屋に入りこむ。
小屋の若主人、ケンさんは元気。

よく来たねえー、といつもの調子だった。
宿泊客はわずかに二組、3人だそうだ(何度も来ているけれどこれは初めて、最少人数)。
靴を脱ぐともう、出歩く意欲なし。日の高いうちから夕方まで、

お目当ての薪ストーブから離れずウイスキーを飲み続ける。
夕方が近づくと、寒さで発電機が故障していまい

非常用の小型のガソリン発電機を出して小屋の灯がともった。
夕食のメニューは名物、よせ鍋だったけれど、

夕食は3人だけの大広間で寂しい限り。

貸切状態でも、人がいないと屋内は寒いのだ。
食べすぎと酔っぱらってはやばやと7時に寝てしまう。
夜中、風の音になんどか目が覚めるが、吹雪の夜だった。
でも毛布に包まって温かい夜だった。
朝になると小屋の周りは雪だらけ。
またまた雪が積もった、30センチ以上は増えている。
せっせと小屋主人が雪かきをしていた。

12月のこの時期にこれだけ降ることも珍しいらしい。
朝ごはんのおいしいこと!。
温かいご飯に味噌汁、焼きたての魚が美味い。

この小屋の食事はおいしい、今まで泊まった山小屋のなかでピカ一だ。
(もっとみんなに来てほしいなあ、山小屋経営はきびしそうだし・・)
雪が深くて頂上登山はあきらめて下山することにした。

踏み跡がなく、吹きだまりを降りてゆく。
視界はなかった。
坪庭まではせいぜい膝上ぐらいのラッセルだったが、
坪庭にはいると一大事。
風に吹かれた新雪が道を閉ざして胸までのラッセル状態が続く。
道しるべの竹が立っていなければ遭難しそう。
風もあって行く先が見えない。
胸まではまって動けなくなると、さすがに恐怖感がわく。
いつもの2倍、2時間かかってロープウェイ乗り場にたどりついた。
雪山を満喫した今年最後の山歩きだった。