靖国神社への名誉毀損? それとも代弁? 「靖国神社職員有志の主張」

下の地下猫氏のツィートで知った「靖国神社職員有志の主張」について。

 地下猫氏の言う通り、言っている内容はカルト宗教の主張そのものである。靖国神社がまっとうな宗教団体なら、自らの名誉のために、上記サイトの執筆者に対して法的措置をとるべきだろう。

当該サイトの「異教徒の合祀について」があまりにも常識外れの内容だったので、全文引用してみる。

 キリスト教等、異教徒の戦死者遺族の方から時々、合祀に反対する意見を寄せられることがあります。
 しかし、誰を合祀するかしないかは私たちの自由です。これも私たちの「信教の自由」です。
 国家功労者をお祀りするにあたって遺族の意思を確認するつもりは一切ありません。国のために犠牲となった英霊は、もはや遺族だけの独占物ではないと考えるからです。
 かつて一部の心ない遺族が、私たちに対して訴訟を起こしたことがありました。いわく「うちはキリスト教だから故人を合祀するな」とのことでした。
 裁判所まで使って私たちの祭祀を止めようとするとは、まさに「信教の自由」の侵害そのものです。
 幸いにして裁判所は私たちの主張を認めてくださり、侵害者の心ない訴えは退けられました。
今後海外派兵が盛んになり、自衛隊等で殉職者が出ることもあるでしょうが、どの殉職者を祀り、祀らないかは、その都度その都度私たちだけで判断します。部外者の誰にも相談するつもりはありません。
 今まで自衛隊員は祀られませんでしたが、今後、日本も積極的に世界平和のために戦うようになれば、将来的に自衛隊の殉職者を合祀することもありえると思います。
 さらには憲法改正されて正規軍が組織されれば、「日本軍戦死者」も出てくることが予想されます。その際には戦死者本人の宗教に係わりなく平等に扱うこととなるでしょう。
 これを止めることは誰にもできません。
 私たちの「信教の自由」は、誰にも止められません。

 
 今まで他人の宗教心を顧みることはなかったし、これからもないぞ、これが俺達の「信教の自由」だ、と宣言しているのだ。これがもし靖国神社の公式見解なのだとしたら、*1scopedog氏のこの記事にあるような、靖国神社から死者の魂を救出し、遺族のもとに帰す対抗宗教団体(例えばイヤスクニ神社とか)をつくるアイデアも真剣に吟味しなければならないだろう。「靖国神社職員有志」も「信教の自由」として認めてくれるだろう。

靖国神社職員有志」の主張で多少、感心したのが以下の部分。

また、私たちの神社で参拝なさる方々は、表向きの言論はさておき、その本心においてはこのサイトに述べられたような私たちの主張にご賛同いただいている方々ばかりだと信じています。
 しかし万一、もしもそうでない方がいらっしゃるならば、どうか当神社への参拝はご遠慮いただきたいと思います。
 宗教施設への参拝とは、同意の心無くしてありえません。反発心を抱きながら頭を下げるなんて、偽りの参拝そのものです。私たちはそんな偽りの参拝はお断りします。これは神道に限らずいかなる宗教施設においても同様であると思います。

 だったら、靖国神社に限らず宗教施設への参拝や宗教行事への参加を、嫌がる人間に強制するなんてことは、宗教にとっても害悪をもたらすことなのだから、もってのほかということだろう。もしそういう事例があれば、「靖国神社職員有志」には全力でとめていただきたい。

*1:靖国神社が遺族の意志を無視して合祀しているのは事実だ。http://d.hatena.ne.jp/hokke-ookami/20131024/1382626838