生徒会の一存 #8 嫉妬する生徒会


 合宿の余韻もなく通常営業に戻った『生徒会の一存』,第8話.
(前回の記事はこちら.生徒会の一存 #7 踏み出す生徒会 - DDC blog





 オープニング.
久しぶりに登場の新聞部部長のリリシア.
今日も今日とて,自宅で生徒会を糾弾する記事を作っている.


そこへやってくる幼女,妹のエリス.
新聞トップに掲げられている杉崎の写真を指さし,「この人が好きなの?」とリリシアに尋ねる.
最近の新聞はずっと杉崎の記事ばかりらしい.







ただの新聞部の仕事だとリリシアは否定するが,
前回登場した時の終わり方を見る限り,杉崎に好意を抱いてる様にしか見えないぞ.






 翌日.
珍しく遅れて生徒会室に現れた杉崎は,なんと幼女を連れていた.
その姿を認めた役員一同は冷静に対処.



会長:「深夏,警察に!



相手が杉崎なら当然の反応だな.





 もちろんその幼女はエリス.
姉のリリシアを訪ねて学校にきたのだが,
当のリリシアは新聞部の取材で学外に出ることになっていた.
そのため,帰ってくるまで面倒を見ていて欲しいと頼まれたらしい.



しかしこのエリス,ずいぶん杉崎のことが気に入っている様子.
「兄さま,すき〜」とべったりだ.
小さい子供相手とはいえ,杉崎も悪い気はしない.
そんな小さな恋人の出現に生徒会室はいつになく険悪ムードに.



どこからともなくボソッと聞こえてくる言葉.


ロリコン







仕方のない状況なのに,杉崎はいわれのない汚名を着せられるw
まぁ杉崎だし,それも仕方がない事だ.





 そんな雰囲気を幼女に感じ取れと言うのも無理な話で,
エリスは「兄さま愛してる〜」とラブラブモード全開.
さすがにすこし困った顔をする杉崎を横目に,当てられている生徒会役員たちは
気にしないと言いながらも,おのおの不穏な行動を取り始める.


なぜか室内で金属バットの素振りを始める深夏.
真冬もPCで杉崎が報復を受ける小説を書き始めた.
知弦さんは鞭の手入れをしている.



知弦:「私も平気よ? 自分の所有物が余所にご執心でもね.ふん







うわぁ… 知弦さんまでご機嫌斜めですよ.
思っていた以上に本気になっている面々に,杉崎は冷や汗を流している.
でも嫌われて疎まれるばかりだった杉崎にしては珍しくおいしい役だろ.





 杉崎と二人で遊ぼうと言いだしたエリス.お医者さんごっこで!!
またアグネスのやってくるぞ!!?
と思ったら,エリスが医者で杉崎は機器メーカーの営業の役だという.



エリス:「兄さまは最新医療機器を売り込みに営業にきたけれど,
 いい反応がもらえずワイロに走る営業マン!



なんだその妙に生々しい設定はw 子供がやっていいごっこ遊びじゃない.
でも家ではリリシアと良くやっていると言うエリス.
現実を見せすぎだw




エリス:「ちみちみ.ほら… 渡す物があるんじゃないのかね?







小道具のブラインドまで用意して,まるで見てきたかのような堂に入った演技w
杉崎も慌てて,普通にやろうといって中断する.





 で,今度は杉崎が患者になってエリスのまえに座る.
聴診器を当てるふりをしながらエリスが下した診断は末期の癌
ごっこ遊びなのに,やけに重い展開だ.
「残念ですが手遅れです」と告知するエリス医師.




杉崎:「残念すぎます! 先生,どうにかして下さい!!」



エリス:「できないこともないです.助かりたかったら,私に渡す物が…







結局このパターンかよw
子供相手に,杉崎も振り回されっぱなしだ.





 続いてエリスは人形遊びをしようとカバンから2体の人形を出す.
一つは,少し汚れて洋服にもほころびのあるが,かわいい女の子の人形.
もう一つは,小太りでパンツ一枚という男の人形…






もう取り出した時点で酷い展開が見えてくる…



予想通りエリスは,その人形を使って
「お前のそのけしからんフトモモが〜」とか,
「恨むならお前を売り飛ばした親を恨め〜」とか,犯罪臭プンプンする小芝居を始める.
あまりにも教育上よろしくない展開に杉崎はまたも止めに入るが,
エリスに乗せられて変態役を演じてしまう.



杉崎:「『げへへ,おまえの体はオレの物だぁ〜』」


知弦:「キー君,最低…



その言葉だけ取り上げられて知弦さんに「下劣」と言われてしまう杉崎.
演技だからと弁解するが,まったく取り合ってもらえない.






他のメンバーからも汚い物を見るかのような視線浴びている.
日頃の行いだな.



エリスもエリスで,こんな人形遊びをするなんて,一体どんな教育を受けてるんだか.
杉崎も,「藤堂家で生活させちゃいけない気がする」と口にする
それを聞いて,なぜかとても嬉しそうな顔をするエリス.



エリス:「兄さま… ならエリス,喜んでお嫁に参ります!」


杉崎:「いや! そういう意味でなく,保護者的な意味で!!」


エリス:「分かりました.養子縁組という名目で,兄さまの元へ〜



大人びてるってレベルじゃね―ぞ!
怪しい言葉の連発にさらに刺すような視線を浴びながら,エリスを止める杉崎.






 その後も,しりとりを始めたら
全て「〜化アルミニウム」で返すという卑怯技を披露したり
出版社ネタを挟んでみたり,
「DVに悩む主婦の無理心中」ネタでおままごとをしようとしたり
船を借り切って限定じゃんけんをしようとしたりするエリス.


かわいらしく,あやとりを始めたと思ったら,



エリス:「ストライカーズパンツ!







ストパン好きだな!
これ,実際にできるんじゃないかしらん?






 いいかげん待ちくたびれたのか,会議を始めると会長が杉崎に迫り,
嫌がるエリスと対立.
エリスの我が儘を叱る会長に対して,エリスは反抗する.



エリス:「姉さまいってたもん!
 会長さんはちっこいし,胸もないし,会議もちゃんとしてないって!



リリシアは妹にまで会長の悪口を吹き込んでるのか.
確かに,全部本当のことだけど.



怒った会長は,「生徒会長の本当の実力を見せてやる」と大見得をきる.
しかしその実力というのも,「会長の目は視力が普通にいい」とか
「会長の下は甘い物が好き」とか生徒会長の仕事とはまったく無関係.
逆に,「子供みたい」とエリスに呆れられ,「でもキムチは食べられたもん!」と威張る会長.







まさに子供同士のケンカだ.
かわいいから許す!





 会長の自慢はまだ続く.
会長の鼻は花粉に弱い.会長の肌はすべすべ.会長の耳は知弦さんが耳かきしてる,
会長の手はぷにぷに,会長の胸は親戚の中では絶賛されている,等々凄くどうでもいいことばかり.
でも耳かきは羨ましいな!









 そんな会長の役に立たない自慢を聞いて,エリスはなぜか少し感動している.
この子のセンスがまったく分からん.
そして「会長は勉強もできるの?」と聞いてきた.
もちろん会長が出来るわけはないが,ここで引くわけにも行かず
メンバーたちに問題を出してもらうのだが,散々な結果.


日本史の問題.
「794年の出来事は?」→「泣くよ レーニン 理想郷!」
漢字の問題.
「『五月蠅い』の読みは?」
ヒントは会長,と言われて出した答えは…




会長:「ぜんちぜんのう!」.







なにをいけしゃあしゃあとw




 さらに算数の問題を出してみたら,先にエリスに答えられる始末.
むくれる会長.
エリスは大喜びで,誉めてもらおうと杉崎またべったり.
あろう事か,「兄さまと結婚したい〜」とまで言い出した.
おかしい,この展開は明らかにおかしい…



エリスからの熱い視線と,生徒会メンバーからの冷たい視線を一身に浴びて
板挟み状態の杉崎は,「エリスちゃんが大きくなってもまだ好きだったら結婚しよう」と
その場しのぎ的な答え.
“エリスが美人じゃなくても太ってても,そういうところでは嫌いにならない”と杉崎は約束する.


しかし,これが会長の逆鱗に触れた.





会長:「まえ,私が太ったら,杉崎は見捨てるみたいなこと言った…
 その子は嫌いにならないのに,私は太っただけで見捨てるんだね,杉崎は!







うわ,やばい.会長マジだ.




子供相手に何を―,と言おうとする杉崎だったが知弦さんに諭される.


知弦:「そんな事はとっくに分かってるわ.でも腹が立ってしまうの.それが女の子でしょ」



単純にジェラシーなんかなぁ.
杉崎は会長に近付いて,頭に手を乗せる.








杉崎:「オレ,最初に言ったじゃないですか…
 会長に,好きです,って.絶対幸せにする,って」




何て気障ったらしいセリフを.でも,こいつなら臆面もなく言うだろうなぁ…
会長はその言葉を聞いて,ようやく落ち着きをとりもどす.
でもいいのか? そんな言葉を真に受けて.




 しかしその会長への慰めの言葉が,逆に他のメンバーたちには面白くない.
杉崎,同じような事を他のメンバーにも言ってたんだろ.
どんどん好感度を下げてゆく杉崎だw
言い訳しようとすると,会長に今の言葉は嘘だったのかと迫られ,またも板挟みな杉崎.







結局,全員からの制裁を受ける事になったのだった.
少しは身の程を知れ.





 そんな一日が終わって,家に戻ったエリスが懐から取り出したのはカセットテープ.
実は姉の企みで,生徒会の内情を探りに来たスパイだったのだ.
テープから聞こえてくる生徒会の(主に杉崎の)ランチキぶりに
新たな記事のネタになるとリリシアは意気込んでいる.



 でもエリスの方は,本気で杉崎が気に入った様子.


エリス:「だって兄さま,エリスがわざと生徒会室にきたの,分かってたと思うの.
 でも遊んでくれたの.だから好き!」


さらには,杉崎にやたら注目しているリリシアも実は杉崎のことが好きなんだろうと
人形を持ち出して問い詰めてく.



エリス:「『ほらほら,素直になれよ〜』







その変態人形はもう捨てなさいてw



と,なんだかんだいって,杉崎は着々とハーレムエンド目指して進んでる気がしてきた
生徒会の一存だった.






 総評.
コメディー作品にあって,ラブコメも重要な要素だが
杉崎ってここまで生徒会役員たちから慕われてるのかと,意外に思った.
話のネタとしては面白かったけど,あまり恋愛要素を出して欲しくないというのが
個人的な願望なので.
ハーレムを目指して空回りする杉崎が面白いんであって,
実際にハーレムにされてしまうとちょっとねー.


終盤の杉崎の〆は,真面目に考えるとあんなので良いのかと疑問を抱いてしまうが,
なんせコメディー作品.あまり難しく考えないで
流れるままに見るのが一番の楽しみ方だろう.



 初登場のエリス.
子供の無邪気さを装っておいて,ずいぶん濃いキャラクターだった.
あまり出てこられると,真冬の立場が危ういなw