とある科学の超電磁砲 #11 木山せんせい



 攫われた初春よりも黒子の出番があるのかどうかが気になる『とある科学の超電磁砲』,第11話.
(前回の記事はこちら.とある科学の超電磁砲 #10 サイレント・マジョリティ - DDC blog






 木山先生は車を走らせながら,この事件について拉致した初春に話している.
《レベルアッパー》を使い,その使用者の脳を繋ぐネットワークを構築することによって,
スーパーコンピュータ並みの演算能力を手に入れることが目的だった.
それは,学園都市のスパコン「ツリーダイアグラム」の申請許可が下りなかった為だと言う.
そして利用した後には開放できるように,《レベルアッパー》のアンインストールソフトも用意されていた.




 その行く手を,道路封鎖していたアンチスキルが遮る.









車を降りた木山先生は投降するのかと思いきや,
ネットワーク化された脳を使った超能力の数々を見せつける.
しかも一人に一種類という原則を破る「多重能力」.
その大きな力にアンチスキルは全滅.


遅れて辿り着いた御坂に,木山先生は挑発とも取れる言葉を発する.



木山:「君に,一万の脳を統べる私を止められるかな?









その挑発に乗り,戦いを始める御坂だが,
いくつもの能力を使いこなす木山先生に対しては分が悪い.
様々な能力を使って御坂の攻撃を無効化してくる.
そこで御坂はやられたフリをして木山先生の隙を誘い,
直接その体に電撃を叩き込む.









さすがにその電撃を回避する術はなく,木山先生はダウン.
その際,木山先生の記憶が御坂に流れ込んでくる.






 とある機関に研究員として所属していた木山先生.
そこで上司から,研究対象となる子供たちを纏める先生役をして欲しいと命令される.
被験者となる子供たちの成長データを取るためだ.
教員免許を持っていた木山研究員は上司の命令には逆らえず
子供は嫌いでありながらも,担任として教鞭を執ることになる.



トラップを仕掛けられてずぶ濡れになったり,泣いた子供をあやすのに苦労したりしながらも
先生という立場で子供たに接する木山研究員.
やっぱり子供は嫌いだ.








脱ぎ女っぷりはこの頃からも健在.





 あるとき,雨でずぶ濡れになっている女子生徒を見つけた木山せんせいは,
家に連れて帰ってお風呂の用意をする.
「施設では週に二回のシャワーしかないから」とお風呂に大感激な女の子.
お風呂に入りながら木山せんせいに,高レベルの能力者になりたいと話す.



女子:「私達は学園都市に育ててもらってるから,この街の役に立てるようになりたいなーって








なんて健気な…


木山せんせいが見ている生徒たちは全員,チャイルドエラーと呼ばれる子供たち.
能力開発のため親元を離れて学園都市に来ているのだが,その後
親とは連絡が取れなくなり,授業料や生活費が未納となっている状態,
いわゆる捨て子なのだ.



子供は嫌いだと言い続ける木山せんせいだが,
だんだん子供たちに笑顔を向けるようになっていくのだった.












木山先生が照れるなんて,なんてレアな.





 そしていよいよ子供たちの実験当日.
それまでに築いてきた信頼関係のおかげか,実験に対して子供たちは不安を見せることもない.
恙無く終わると思われていた実験だったが,その途中に暴走を起こしてしまう.
狼狽える研究員たち,木山せんせいも目の前の出来事が信じられないでいる.


そんな中ただ一人,あの上司だけは冷静だった.
救急車を手配しようとする研究員を引き留め,それよりもデータ収集をしろと命令.
既に所内には箝口令を敷いてあると話す上司.
末端の研究員に知らされていなかっただけで,この暴走は予定通りの出来事で,
チャイルドエラーたる子供たちは,実験用のモルモットにされたのだった.



上司:「木山君,良くやってくれた.彼らには気の毒だが,科学の発展には付きものだよ









血に汚れた実験台を見つめ,木山せんせいは崩れ落ちた.






 そんな記憶を見せられ,混乱する御坂.
記憶を読まれたことに気づいた木山先生は,人体実験のその後を語る.
子供たちを助けるため,また事故原因を調べるために
園都市のツリーダイアグラムの使用を申請するのだが,それは却下される.
繰り返すこと23回.
そして木山先生は学園都市の上層部,統轄理事会までグルであったことに気づく.
アンチスキルに通報しても通じるわけがない.


そこで考え出したのが《レベルアッパー》による脳のネットワーク化.
これにより,ツリーダイアグラム並みの情報処理能力を有する演算回路を構築し
子供たちを助ける方法を見つけようとしたのが,今回の事件の大元になったのだった.



御坂:「だからって,こんなやり方――


木山:「君に何が分かる! あの子たちを救うためだったら,私はなんだってする!
 この街の全てを敵に回しても,止めるわけにはいかないんだっ!!




 そう叫んでから木山先生は,突然に頭を抱えて苦しみだす.
「ネットワークの暴走」と呟いて倒れと,その体から染み出すなにか.
それが空中で集まりと大きな胎児の形をなす.
有り得ない出来事に御坂は,ただ見ていることしかできない.









そして御坂の見ている前で,その巨大な胎児は目を開き,大きな産声を上げた.






 総評.
木山せんせいの非常に悲しい過去.いやー… 泣ける話だ.
他に手はなかった木山先生の意志の強さ,行動力に胸打たれた.
それに対する御坂の「他にやり方が」と言う言葉が中学生らしい.
でも「科学の発展に犠牲は付きもの」と「子供たちを助けるための犠牲」は
同列だと思うんだよねぇ.
木山先生のやり方が正しいとは言えないが,それでも彼女が取り得る最善の手だったろう.
だからこそ辛いね,木山先生.



で,いきなりオカルティックな展開になったラスト.
何が実体化したのかもよく分からないまま,御坂は次回バトルに突入することに.
あんな訳の分からないもの相手に,御坂一人で何とかなるのか?
よっぽど,上条ちゃんの出番だと思うのだが.