約40年前に算数の反復学習の教材として「100ます計算」を考案した元神戸市小学校教諭の岸本裕史さが胆嚢癌で死去されました。ご冥福をお祈りします。
近年は「脳トレーニング」ゲームのひとつとして一般にも広がっている「100ます計算」ですが、元々は1968年の学習指導要領改訂で小学校の「詰め込み教育」化が進み、授業についていけない児童がたくさん出ることへの対策として考案されたそうです。しかし、当時はむしろ競争主義への批判などから全国的な広がりには繋がらなかったとのこと。
岸本先生自身は競争主義批判に対して、100ます計算の本質はあくまで「落ちこぼれ対策」であるとして、次のように反論しています。
この計算の利点は勉強が苦手な子どもでも、全問正解できる。自信をつけさせてくれた教師に『先生、今度は何をすれば賢くなれるんや』と聞いてくる。理想論では、子どもたちは救えない。
反復学習を批判するのは、自身が高学歴者ばかりじゃないか。全国で学級崩壊どころか学校崩壊にまで広がっている危機的状況をみて、どう思うのか。総合的学習の時間が能力を引き出すのは、子どもに基礎学力がある場合だけだ。勉強が分からないから学校が楽しくなくて、荒れ狂う子どもたちの悲しみが分かっていない。
100マス計算ブームのわけ/ゆとり教育=学力低下不安 - 教育トピックス - 中日新聞
単純でしょ。○×がはっきりわかりますわね。努力に応じてタイムが目に見えて伸びていく。家で「あほや」いわれ、本人もそう思うてた子が3分台になる。できない子がいつもお尻についてくのはいやになるやろ思うてましたから、「一番よく伸びたのはだれや」いうてね。遅い子ほど伸び率大きくなるでしょ。
ただ1題1分で十分。こればっかりやっても、時間の浪費や。僕の学級では家でどんどんやってくる子もいたが、「ある程度のスピードでできたらいいよ」いうとったんです。読書抜き、外遊び抜き、家の仕事の手伝い抜きで狭い意味の勉強に閉じこもると、体の発達がうまくいかんですわね。
「100ます計算」ブーム/生みの親・岸本さんに聞く - asahi.com:朝日新聞関西ニュース:朝日わくわくネット
小学館の通信添削学習「ドラゼミ」の総合監修をされていたようで*1、小学館からドラえもんが表紙の本をたくさん出されています。
*1:現在は100ます計算を流行させた立役者の陰山英男先生