製作凍結作品の素材を提供に関して

近日pepeta氏が本スレにて、製作凍結作品の素材を提供するという発表がありました。

これは地味に素晴らしい事というか、自分が切に願っている形式の一つでもありました。
(pepeta氏の英断を賞賛します。ちょっと辛い選択だったと思います。)

その形式というのは過去のブログで何度も書いた事なのですが、
http://d.hatena.ne.jp/dedp/20140205/p1 一つの派生作品を2っきに組み込もうとした時の話
http://d.hatena.ne.jp/dedp/20100513/p2 単独制作と共同開発に関して その1」参考
http://d.hatena.ne.jp/dedp/20100619/p1 派生製品が増えてるよー

今回具体例が定時され、読み手の方にもイメージが沸き易いのではと思い、
記事を書いてみる事に致しました。

まず前提として話して置きたいことなのですが、
ゲームは映画に近い「総合芸術」であり、映画に対して更に要素の多いものとなっております。

詳細に説明致しますと映画で言えば、
総合芸術 = 映像(動画)、画像(シーン、カメラ、絵画、構図デザイン)、音楽(音楽、音響)、ストーリー(小説)、エンターテイメント性

など、一要素一要素で既に分野が出来るほどのものを組み合わせて作成されるものとなっています。
更にゲームとなればプログラミング、ゲームバランス、UI/ユーザービリティ、操作、応答、バグフィックス等が要素として入ってきます。

また多くの人は
プログラミングは出来るけど絵は書けない音楽は作れない
絵は書けるけどプログラミング、音楽は作れない
音楽は作れるけど、プログラミング、絵は書けない。
です。

それをクリアしても
プログラミング、絵、音楽は作れるけど時間が無い。

各パート幾ら時間が有っても足りませんし
やはりクオリティは時間に比例します。


早い話が本来であればゲームは到底一人で作成できるものでは無いのです。
製作にかかる時間、スキル習得にかかる時間を考慮するとかなり厳しいものとなります。
ある程度のクオリティの作品となると尚更です。


そのため一人で製作する時は素材を借りるのが現実的な対策となります。

しかしある程度自分の指向性、作りたいものに合う素材探しとなると大変です。
むしろ存在しない無いかもしれません。(使用許可があるものとかなると)
探すのに、許可とるのに物凄い時間が必要となります。

そこでゆめ2っきは、ゲーム全般というあまりにも不明確な範囲では無く、
ファンタジーとかSFとか更に一個したの更に絞られたカテゴリーである、
ゆめにっきっぽいという明確な指向性を持っている素材が
投稿され、尚且つ使用許可が取れているという、素晴らしい環境を有しています。


以下はちょっと勝手な考察が入りますがご了承下さい。(遠からずとは思います。)

今回pepeta氏によって投稿された素材を拝見すると
音素材が数多く、またクオリティもバッチリです。
しかし、他素材を見るとアップする際に削除したものとは思いますがあまり数がありません。

これから察するにpepeta氏は音素材を作成できるが
他(絵、プログラミング)は今回初製作なんだと勝手に考察します。

そして作成を続ける内に、自分の理想とする構築したい素晴らしい世界観と
自分のスキルとのギャップに耐え切れず、
また製作にかかるコスト時間が大きくなり(不慣れだから)
製作を断念されたのだと勝手に予測します。

これが別に珍しいケースでもなく
作成するのに比較的簡単なゆめにっき派生でも、
発表されている派生ゲームの40倍以上はあると思います。
むしろ自然であるとさえ思います。

そういった状況からもハッキリ申し上げて
派生ゲームといえど過去にゲームを完成させた事ない人が
一人でゲームを作成するのは無謀です。

素直にゆめ2っきに参加される事をオススメ致します。
(私のゆめ2っき贔屓を差し引いてもです。)

特に派生ゲームはRPGゲームとかと比較してシンプルな分
各素材の誤魔化しが効き難いからです。


ゆめ2っきは
・システムが既に用意されており世界観製作に注力できます。
・豊富なクオリティの高い各素材を使用でき、数も多いので自分のイメージに近いものを見つけやすい、使いやすい。
・作ったら見てくれる人、プレイしてくれる人、感想を言ってくれる人が居る。
フリーゲーム製作の上モチベーション管理上非常に大切です。
むしろフリーゲーム制作はモチベーションとの戦いでもあります。本当に大切です。)
・分からなかったら教えてくれる人が居る。
といった無茶苦茶破格の作業環境です。

またゆめ2っきに素材をおたきあげもオススメ致します。
せっかく作ったのに勿体無いです、あなたは作れるからそこまでの価値を見出せないかもしれませんが
プログラマーが欲しがってますw
あの時の思いが幾分か発散されるかもしれません。

派生作品が宙ぶらりんになってしまっている人は
ゆめ2っきに素材をおたきあげ、
もしくはゆめ2っきに製作参加を
選択肢の一つして是非ともご一考を。


以下蛇足、ちょっと尖った本音。

自分の1から10まで理想とする世界観を構築するのは確かに理想です。
特に若い人では他者の世界観が存在するゆめ2っきに参加するのは
精神的に気持ち的に強い抵抗があると思います。

気持ちはすごい分かります。
作りたいに至る人には強いイメージと理想とする世界観があると思います。

でも、正直言って出来たら私もしています。

しかしそこに至るまで物凄く時間や労力がかかります、
ちょっと現実的ではない位です。

それで、結局作らない、作られない作品。
もしくは妥協成分の極端に多い低クオリティな作品、
もしくはほとんど誰もプレイに至らない作品。
もしくは誰の心、記憶にも残らない作品。
もしくはプレイ3分で辞められてしまう作品。
もしくは、総プレイ時間10分位でED無く、途中作品をそのまま発表、放置される作品。

それを作成する労力と同じ労力をゆめ2っきで作成すると
一般的に高クオリティと称される作品が作れ、
多くの人の目に触れる賞賛されると思います。

一度人の目に触れ評価をもらうだけで制作に対するモチベーションは全然違います。
言うならば人の評価をもらう、もらわないという事は、後の製作継続、引いてはスキルアップ
メチャクチャ大きな分水嶺であると考えています。

作ってもプレイされないのは実にもったいないと思います。

自己の1から10までの理想に固執し、結局何もしないなら、知られない、プレイされないなら、
その理想も他者から見れば無いものと全く同じです。

それなら、その理想の世界観を若干の妥協を持って
実際、具現化する方が、波及させる方が
スキルも身に付きますし、現実的で効率的で建設的です。

上記でネガティブなイメージですが、他に言いようが無いので「妥協」と書きました。
しかし、妥協は作品制作の上で物凄い大事な事です。
妥協しないとどんな作品も一切完成しません。(断言)
必ず何れの作品も妥協をもって、完成しています。

私は「妥協力」と勝手に称し、結構センスに分類されるものだと思います。
何処をどう持って妥協するか?これがクリエイトの上で相当大事だと思います。
だって、現実的に妥協無しで製作できるなんて不可能ですから。

作る前に諦めてしまう人、完成するまえに辞めてしまう人(ブーメラン)は
「妥協力」が不足しているのだと思います。
またその概念が無いように思えます。

またこの「妥協力」を鍛えるのは作成しないと鍛えられないという面もあります。


さらに蛇足にはなりますが今回pepeta氏のような方にこそ
ゆめ2っきに参加して欲しいなと思います。

ききやま氏もそうなんですがベースが音関係の人の
構築する世界、世界観は結構面白いケースが多いので。

完全理想とまでは行かないですが、pepeta氏の構築したい世界観に
近づけた世界を見たかったなとは思います。