食品の安全基準値
専門じゃないし、単なる聞きかじりなのだが、知り合いに説明する為にちょっと書いておく。
最近よく耳にする、食品の安全基準値の話。
たまに、「ある食品について日本が定めている基準値が外国のどこそこより高いから、日本の基準は緩い」とかいう話が聞こえてくるのだが、根本的にそんな数値では「日本の基準が低いかどうか」は判定できない。
安全基準値を作るときには、次のような手続きを取るものらしい。
- 一定期間内に摂取して問題ない許容量を定める。
- 標準的食生活でその期間内に摂取する食品の種類と量を数え上げる。
- それぞれの食品について、許容量を割り当てる。*1
- 割り当てた許容量を、摂取量で割る。
ひょっとすると、食品の性質に応じて取り込み効率とかも加味するのかもしれないが、だいたいこんな感じ。
つまり、「期間内に摂取する全ての食品が基準値ぎりぎりだった場合、最初に決めた許容量一杯になる」という計算だ。
日本の基準が緩いか緩くないかは「最初に決めた許容量」を見ないと分からないのである。あと、食生活の推定が大幅に間違っていると意味がない。ついでにいうと、あなたの食生活が極端に平均からずれているとやっぱり意味がない(笑)
一時期よく聞いた「基準値を超過した食品を一部摂取したとしても直ちに問題ない」というのはつまりそういう意味*2なのである。まぁ、あり得ないレベルの汚染物質だとこの方法では危険がはかれないわけだが、そのレベルのもの*3ではない、という意味でもある。
以前、「日本では基準がないので早急に定める」という話が合ったとき、どうして外国の基準をそのまま使えないのかと思ってちょっと調べたら、「食生活に合わせて基準を定めなければならないので、外国の基準は使えない」ということを知った。
ついでに以前見つけてしまったこのネタを。
「ドイツではジャガイモについての安全基準がとても厳しいらしい」