ボンジュール・パリ その5

ベルサイユ宮殿へミニバンで行きました。
朝の9時に到着したのですが、もう既に行列ができていました。
待つこと45分。
ようやく建物の中に入場できました。
観光客は東アジア人が半分ぐらい占めていたような印象があります。
こうしてみると、日本、中国、韓国、台湾、香港などの地域の勃興を感じます。

ルイ14世がベルサイユ宮殿を建て、それからわずか2代で王政は崩壊してしまいます。
崩壊どころかルイ16世は処刑までされてしまうのです。
豪華な本社ビルを建てると会社が危機に向かうという例は、いくつも挙げることができるのですが、王宮にもその法則が当てはまることを知り、戦慄を覚えました。

ベルサイユ宮殿、マリー・アントワネットフランス革命、そしてナポレオンへと、連想ゲームのように歴史は流れていくのですが、私自身はほとんどその辺りの歴史を知らないことにも気づきました。
これを機にちょっと本気で勉強してみようと思います(ホテルの部屋へ帰ったあと、さっそくアマゾンでそれらに関連する本を何冊か注文しました)。

ベルサイユ宮殿での行列の際、たまたま前に日本人の年配の夫婦が並んでいて、イギリスとフランスを10日間で旅行しているとのこと。
イギリスからフランスへ入って途端に街が汚くなり、治安が悪くなった印象があるとのことでした。
確かにパリの道路はゴミがよく目立ちます。

株で言えばフランスは「売り」です。
500年間スペインが国力を縮小し続けてきたように、このままフランスも静かに没落していくのでしょうか?
またかつての植民地からの移民も多く、無視できる数ではなくなっています。
警察官の中にすら、アフリカ系や東南アジア系の人たちの姿をよく見かけます。

今なおシリアなどからの難民が押し寄せているわけで、このままいけば、白人が人口の半分を切るのも時間の問題かもしれません。
現に私のフランス語の先生の1人もアフリカ系の男性です。
人種的な摩擦もあるだろうし、経済的な格差問題も出てくると思いますが、何よりも深刻なのは宗教的な軋轢(あつれき)です。
まさにそれがテロへとつながっていくからです。

最後の晩に1人で、雰囲気のいいホテルのレストランで食事を楽しみました。
きびきびとした動きのウェイターと、品の良い何組かの顧客と、静かに流れる心地よいバックグランド・ミュージックに、私自身がその場と一体となった感じがし、とてもリラックスしていきました。