ログ・ホライズン 9 カナミ、ゴー! イースト!

内容
傍若無人!天真爛漫!シロエを振り回していた「彼女」がいよいよ登場!!

突然ゲームの中に閉じ込められ、仲間のいない中国サーバーで
大規模戦闘に一人巻き込まれたレオナルドは絶望していた。
そんな窮地のレオナルドを救ったのは黒髪で爆発的なグラマーのカナミ。

カナミは英雄・エリアス、無表情な回復職・コッペリア、人語を解す白馬を引き連れ、
日本を目指しているという。
強引で豪快なカナミに、あっという間にレオナルドも旅の仲間に加えられ、
四人と一匹の旅は始まりを告げた。
「いざ! 東へ!」
(エンターブレイン HOME > 書籍・ムック一覧 > 文芸 > ログ・ホライズン > ログ・ホライズン9 カナミ、ゴー!イースト! より )


 webで最初に掲載されていたバージョンは読んだけど、後に直されてから投稿された現バージョンは読みながしていたから、このバージョンをしっかり読むのは今回書籍になってからだな。
 両バージョンの一番の大きな違いはKRのキャラが変わっていることだが、最初にそれが如実に現れているシーンが配されているのを見て、ちょっと違和感覚えてwebでは読み流していたが今回一冊と押して読んでようやく修正されたKRのキャラになれた。以前はクールで理知的な雰囲気だったが、新KRは飄々としていて表面上は軽い雰囲気を漂わせているキャラに変更。しかし彼はお気楽なキャラではなくて、自身が凡人だと認識しているが努力しているが、それは物語の一場面になるようなすばらしい場面を最前席で見たいと思い、それが見れそうな場にいるための資格を得るために努力をするという人。
 そのためミナミのギルド<plant hwyaden>に入るだけではなく、<十席会議>のメンバーにもなるとは有能だなあ。
 エルダー・テイルの海外サーバーのオリジナルクラス、日本の武士のような国独自のクラスがどうやら募集されていたようで、それで採用になったものが紹介されている。まずはいくつかで、またそうした紹介の回を設けるようだけど、巻末でイラストが付くとかならいいのだけど、巻頭のカラーページがそれに占領されるというのはちょっと寂しいな。しかもカラーじゃないし。
 しかしその各サーバーのオリジナル職の紹介のPart2は次の海外編でということだから、このメンバーが主役になる巻が再びくるのか! それは予想外、てっきり次でる時は本編の大事なシーンかなにかで登場してくるものだとばかり。
 白澤姿のKRが何者かわからないときに、カナミが「わたしに惚れて助けに来た」のかといったのに対して「不正解!」とエクスクラメーションマークをつけて否定しているのは笑える。
 米国人ギークのレオナルド、それっぽさを出すためにいろいろ書いているけど、そのせいでなにやらくどくなっている気がするなあ。
 『ミナミの街に蔓延りだした理不尽を見かねたカズ彦が東西に奔走しているのを、KRは知っている。しかしそれも高い視点で見れば焼け石に水であり、あえって状況を悪化させてもいる。カズ彦が人を救おうと尽力すればするほどに、<Plant hwyaden>は理不尽な支配を行えるようになる。<Plant hwyaden>の横暴でしいたげられた人々がカズ彦率いる<壬生狼>に救われているからこそ、決定的な不満が爆発しないという状況に陥っているのだ。』(P288)皮肉なものだし、なかなかにひどい状況。しかし現実でもそうしたこと往々にあるのが悲しいし、それを思うと心が沈むわ。
 レオナルド、KRの召還した赤竜の上から敵の黒竜の上にとびうつりながら、そこにいる黒幕らしき人物をひっつかんで共に自由落下で無理やり引きずり落とすとはそんな曲芸めいた行動を良く取れるな。めちゃくちゃ難易度高いだろその行動。私は高いところ得意じゃないので、想像するだけでも怖い。まあ、だからこそレオナルドにヒーローのような特別なものを感じて、それを見たKRが興奮しているわけだが。
 しかしKRは赤竜を召還した後、一旦その召還契約解いたはずなのに、どうやってか再度契約し直しているようなのを見ると、うーんどうやってやったか知らないけど、普通のLV90プレイヤー何人か分の力のあるモンスターを自在に使役できるとはいかないだろうが、なかなかのバランスブレイカー。これはこれで彼の口伝か何かなのかしら。
 それと巻末に非ログインプレイヤーも含めた放蕩者の茶会のメンバーリストと各人の一口の簡単な説明がついている。それ見て、1巻あたりでシロエがちんどん屋をとったメンバーのことを言及していたが、それってKRのことだったのか。すっかり忘れていたわ。そして現在カナミ、現在のサブクラスは料理人のようだが、かつてのアカウントでのサブクラスは不明って何だろう? それに何か今後にかかわる秘密でもあるのかしらんと変に穿った目で見てしまうがどうなんでしょ。