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deku_decさんの読書メーター

2013-01-23 「イギリス社会」入門 日本人に伝えたい本当の英国

「イギリス社会」入門 日本人に伝えたい本当の英国

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内容(「BOOK」データベースより)

「女王のことをみんなどう思っているの?」「階級社会はいまも続いているの?」「雨ばかりで憂鬱になるって本当?」「おすすめの料理はなに?」。こんなベーシックな話題から、社会の真相に迫る奥深いテーマまで、イギリス人なら誰もが共有している習慣や感覚を、異邦人の目であらためてじっくり観察し、ユーモアたっぷりに解説した至極のガイド。本物のイギリスが立ち上がってくる。


 そういえば、現代外国の社会について書かれた本をろくに読んだことがなかったな、と思い読了。著者の本はこれで2冊目。まあ、両方とも図書館で読んだんだけど。

 著者は学生時代に偉い先生たちとのディナーの席で『共通の話題がなさそうな人と会話する能力も育ちのよさによるのだと、このときわかった。』(P23)とあるが、なるほど、そういう相手に合わせて適宜様々な話題を選べるというのも教養というものか。そういうことができるということは、当然広範な話題についていける知識を持っていて、視野が広いということだよなあ、羨ましい。

 ロンドンの年間降水量は東京の半分!なのに、何故雨(というか、曇り空からくる悪天候)のイメージがあるかというと、季節を問わずに2〜3日置きに軽い雨が降る、そして雨はたいてい数十分も続かない、というように少しずつだが頻繁に雨が降っているから。それと、曇り空のときが多いからそこから来るイメージも。

 ユニオン・ジャックのデザインは製品につけたり単なる飾りにつかっていたり、あるいは他の国の国旗にも使われている、これは無論、植民地が多かったのも理由だが、オーストラリアのように旧宗主国に複雑な感情を抱いている国も、(恐らく)デザインの秀逸さゆえに使っている。また、イギリスが嫌われて当然の国でもユニオン・ジャックはあちこちで見られるとあり、ああ、イギリスの国旗を単なるデザインとみなしているのは世界中どこでもなんだ、とそれを見て実感した。今までなんか、全くイギリスと関係のない製品で、ユニオン・ジャックが使われているのを見ると、なんとなく、<勝手次第>に使っている感がしてそこはかとない罪悪感があったが、他の国も同じと知ってなんかホッとした。

 イギリス人が住宅価格へ非常に強い関心がある、ということはこの本を読んではじめて知ったわ。『ある年齢から、イギリスでは賃貸住まいがどこか恥ずかしいこととされるようになる。(中略)二〇代ならまあかまわないが、三〇代だとまわりの目が気になりはじめる』(P43)ちょっと前までの日本みたいに、自分の家を持つことが一人前の証みたいなものなのかね。

 『王室が外国から来たという事実は、けっこう多くのイギリス人が気に入っている。』(P62)なぜかというと、イギリスには、移民とその子孫が多い(著者の家計もアイルランド系だ、とのこと)から、王室が外国から来たということは「世界のほかの場所からきてもイギリス人になれる」という考えを支えてくれる根拠になるからだ。とあるが、そうしたことを気に入っているのは意外だ、日本だと拒否感を覚える人の方が多いだろうし。少なくとも1500年以上土着しているんだから、それを日本人と呼ばずしてなんと呼ぶのか(笑)、と返せるものであるし、まあ第一日本人の半分くらいは弥生系(また、母系父系のどちらかがそうだとしても、当然縄文系と混血しているだろうし、縄文系もまた同じだが)なのに、僕もそうした感覚とは全く無縁だとは言い切れないしね。まあ、外国から来たということが事実として残っているか否かという差もあるだろうが。

 チャーチルナチス台頭以前は『一九三六年にはふさわしくない人物が王になるのを支持し、マハトマ・ガンディー(真に偉大な人物だ)を侮辱し、スト参加者をさげすみ、アイルランドの民族主義者を軽蔑し、第一次世界大戦中のトルコでの恥ずべき軍事的失敗の元凶でもあった。』(P97)というような、列挙されてわかるとおり、偉大な人物とはとてもいえないものだったが、ヒトラーとの不妥協姿勢を貫いて第二次世界大戦を戦い抜いたことで真に偉人となった。前もどこかで読んだ気がするが(しかも複数回)毎回の如く忘れているから、いい加減忘れないようにせねば。

 イギリス、90年代半ば「クール・ブリタニア」というキャッチフレーズが流行し、98年には、東京の英国大使館は「UK NOW」という新しいイギリスを知ってもらうためのプロモーションを展開した。『「クール・ブリタニア」を喧伝していたことが、今は酔っ払いの大言壮語のように思える。あの時代はたいしたものを生まなかったと今ならはっきり言える。』(P190)日本がやっている「クールジャパン」というヤツと相通ずるものがあるねwあれも結局のところ何か新しいものを生み出しているわけではないわけですし、10年後に赤面せずにそうした語を政府が使ってアピールしてたという事実と向き合えるか、というと甚だ怪しい、少なくとも僕は無理(現在でも既に)。

 「ワン・マン・アンド・ヒズ・ドッグ」農民が犬に支持して羊にゲートを通らせる、そしてそれをスピード、能率、正確さなどの部門別に得点が与えられる、という競技(?)をしていた番組。1999年に打ち切られたのか。というか、この番組の話をこの本を読む数日前に「イギリスは愉快だ」に書いてあったのを読んだが、まさか数日中に別の本で読むことになろうとは思わなかったよ(笑)。

2012-12-25 「ニッポン社会」入門

「ニッポン社会」入門

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内容(「BOOK」データベースより)

日本社会について手っ取り早く学びたければ、近くのプールに行ってみることだ。規則と清潔さを愛し、我慢強く、大きな集団の悪事に寛容な国民性が理解できるはずだから。過剰なまでに礼儀正しく親切な人々、思ったより簡単で奥深い日本語、ガイドブックには載っていない名所の数々…。14年間日本に暮らす英紙記者が無類のユーモアを交えて綴る、意外な発見に満ちた日本案内。


 とある海外の反応を紹介するブログで触れられてから微妙に気になっていた本だが、ようやく読むことができた、といっても図書館で読んだのだがw。

 『デスクは、社説の文体は世界中どこでも同じだと思っていて、ぼくに読売新聞から強い非難ないし賞賛のフレーズを引用してくるようにといってくる。ぼくが日本の新聞の論調は「たしかに○○であるが、一方××でもあり」ときて、「この問題に関しては真剣な議論が必要だ」と結ばれているのが普通だと伝えても、決して信じてはくれないのだ。』(P12-3)ああ、そういうどっちつかずの文章が社説なのって日本独特なのか。そういう文章を書き(載せ)続けているうちに、自分たちが中立・公正だと盲信してしまうのかな。ちゃんと自分達の社風(紙風?)というか立ち場を鮮明にしておけば、自分たちもそうした立場から何かを主張するものであって、局外中立から観察する(あたかも神の視点に立っているかのような)なにものか、というのではないという事実が、多少は実感できるだろうに、という風に冷笑的な考えを抱いてしまうな。

 『しかし、日本人は大きな集団に対して法外な敬意を払っている/(中略)/大きな集団の悪事に対して寛容すぎるのは日本人の弱点といわざるを得ない。まるで、大きな集団は自分の好きなように規則を決めてよいみたいではないか。』(P21-22)今までそんなことを気にしたこともなかったけど、確かにそんなところはあるねえ、こうした指摘による気づきがあるから、外国人から見た日本関連の本は面白い、まあ、日常のことをなんかやたらと深意があるように解するような本は、ふうんと思って頭の中を通り過ぎて終わりってなっちゃうけど(苦笑)、というか、今気がついたが現代日本について外から見た本を読むのって滅多にないなあ、大概明治幕末あたりの本ばかりだから。

 日本語の発音は難しくない、とあってそりゃそうだよね、と納得、というよりずっと思ってたw。というか、日本語が難しいというのを、日本人がいうのは恥ずかしく思っているから、日本人は日本語が難しいと思っている、と書かれるといたたまれないような気分になる、こういうのは流行なんかね、一時期四季が〜、四季が〜、という謎の四季誇りがあったが、四季がある国なんていくらでもあるわけですし、それと似たような恥ずかしさがある、それは収まった(と思う)から、これも一時の流行でそのうち収まるだろうけど、というか世事に疎いから、もう既に収まっているとかだったら恥ずかしいが、その確率もかなり高いと思うが(ぼくが気づいているぐらいですしw)。

 構造面で日本語に適していない正書法の国から文字を輸入したことに対し『もし日本人が、もっと適切な選択肢が出現するまで、後数世紀、文字の使用を辛抱してさえいれば、事情は違っていただろうにと思う(もちろん、ぼくが推奨するのはローマ字だ)。』(P32)とあるが、ローマ字が数世紀程度で日本あたりまで来るかあ?(ポルトガル人がきたのは戦国で16世紀だろ、そこから導入だとどうみても10世紀以上……)ひょっとして、この人日本が文字を導入したのをすごい後だと思っている、と邪推してしまうよ。まあローマ字はジョークにしても、正直文字を表すのに漢字を使わないって選択肢が当時の日本にはない気が(数世紀まったとしても、まあ50音表がいつあったかしらないが、その知識あるなら、サンスクリットでも導入しろっつー事かな?w、調べてみたら室町か)。というかここまで書いて気づいたが、文字の使用でいいたいのって、和漢混交文のことかな。それができたのが平安時代後期ということだから、そこからなら数世紀という枠内に入るか。

 『居酒屋のトイレ。ひとつだけ異様に深い洗面台がある。その洗面台は排水溝も大きいし、ホースがついているときもある。』(P62)へえ、そんなものがあるんだ、居酒屋とかいかないのではじめて知ったw。

 規制緩和以後の日本の小さな醸造元のビールを褒めているのは、「できない子 ビール」とかを見て、日本にも色々あるんだなと思っていたから、なんか嬉しいw。

 イギリス『クリケットという競技がある。お茶の時間などを挟んで四日間も続き、結局引き分けで終わったりする奇妙なスポーツだ。』(P89)クリケット、名前だけ知ったがそんなに長くかかるような競技なのか(いや、それもよく考えれば聞いた(見た)ことあるような気もするがすっかり忘れていた)。

 雑司が谷の墓地、『ここには夏目漱石ラフカディオ・ハーンが眠っている』(P133)というのは、谷口ジロー「『坊ちゃん』の時代」で夏目がくることで追い出されたというエピソードを知っているから(史実かは知らぬが、ああいうところで嘘はつかんだろ)、同じ場所に眠っているというのは、ちょっと皮肉を感じる。

 『イギリス人は若いうちからあくまで持ち家にこだわるが、日本の若者は賃貸で満足する。』(P141)このまえキーンさんの本を読んだとき、ボロくても一軒家にこだわるというのを読んだので、そこらへんの日本人の意識の変化に半世紀あまりの時間経過を如実に感じるよ。

 面白おかしく記事の改竄されることへの愚痴が書いてあるが、そうしたものしか載せないデスクには失笑するほかないね。

 『丸一日、うまくいかないことが続いたせいで、言わなくてよいことまで口に出してしまい、しかもそれを抑えられないのだ。しばらくして、自己嫌悪がやって来る。今日のような振舞いをしたせいで、日本人の間で日本人の間で、イギリス人全体の評価が下がったかもしれない。』(P188)こういう心理はどこでもそうだということを、他国の人の文でみるとより実感できるし、安心もする。

 『日本酒はこの上ないひどい二日酔いを引き起こす』(P210)これは日本酒自体の問題でなく、正直慣れとか体質の問題だろw