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deku_decさんの読書メーター

2016-05-05 日本人の給与明細 

日本人の給与明細

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内容(「BOOK」データベースより)

貧窮問答歌」を詠んだ万葉歌人山上憶良の年収は1400万円だった―!?古代から近世まで、米や土地などの値段を手がかりに、先人たちの給料を現代のお金に換算。ノンキャリア菅原道真王朝のOL・紫式部脱サラ兼好法師戦国武将岡左内財テク大田南畝の出張旅費など、いにしえのひとびとの生活を浮き彫りにする。古典資料を丁寧にひもとき、現代の私たちに通じる悲喜こもごもを、物価を軸に読み解く。


 米価換算で色々な時代のさまざまな物の値段が紹介されたエッセイ的な本。当然現代とは物の価値の相対的関係が異なるから参考程度だけど、やっぱり現在の円で換算してくれるのはわかりやすいからいいね。

 そしてこの種の値段の話は江戸時代の値段の話ならばそれなりにあるのだけど、それ以外の時代奈良時代平安時代みたいな時代の値段の話を書いてくれているのは珍しいし、そうした時代の色々なものの値段の話はほとんど知らないので面白かった。他にも鎌倉時代、室町・戦国時代江戸時代の話もある。

 また、巻末に奈良時代平安時代中世江戸時代のそれぞれの物価表が置かれているのはありがたい。そして巻末だけでなく諸所で図(例えば「万葉家人の官位別給与一覧」や「遣唐使の出張旅費」など)が挿入されていたりするのも嬉しい。しかし安かったからkindleで買ったが、こうした物価表などがついてくるならば紙の本で買ったほうが、気軽に手繰れるから、そのほうが便利だったかもなとちょっと後悔。

 そして各時代ごとに数編にわかれていて、一編ごとに実際の人物や物語の人物などをピックアップしてその人の話をして、その人を例にとってある事柄にまつわる金の話がなされる。その話を通じて、さまざまなものの金額などが書かれている。そうしたある人物に焦点を当てて、その人と金についての話がされているが、そうした金の話は生活感もでるから、扱われている話が身近なものに感じられる。おかげで読みやすくて面白かった。

 『平安時代強盗窃盗は、盗品の価格を布に換算して刑量を決定する。』調書で盗品の値段を銭・布に換算してくれていることで当時の物価がわかるというのは面白い。

 位(くらい)を買う。地方豪族などがひとまずの目標とした従五以下より低い外従五位下を買うとすると、一文=六十円とすると、約六千万から一億二千万の値段となる。官位を買うとなると裏の役得があるため、さらに高くなる。

 三条西実隆の1526年の収入の内訳の図を見ると荘園からの収入、座・渡り場よりの収入、アルバイト(古典の講義や、色んなものに字を書くこと)が三本柱の収入だったようだ。1537年に正二位内大臣で亡くなった彼でも相当アルバイトの比率が高いな。そして座・渡り場よりの収入というのが、かなりあったということは知らなかったのでちょっとそれについて興味がわく。あと、もっと低い位階の貴族たちは荘園もっと遠慮なく取られていただろうから、もっとアルバイト頼りだったろうなと感じる。

 同じ戦国時代の貴族山科時継はかつて十数カ国に五十箇所以上の荘園があったが、応仁の乱以後の侵略が激しく、荘園八箇所銭二十九貫文(約140万)の収入に。そのため調薬で収入を得ることになる。

2011-07-09 王朝貴族物語

王朝貴族物語

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王朝貴族物語 (講談社現代新書)

王朝貴族物語 (講談社現代新書)

出版社/著者からの内容紹介

午前3時の起床、吉凶占いから、夜の社交までの一日。激烈な出世競走、土地や富への欲望。恋の歓びと怨霊への恐怖。豊富なエピソードでつづる奈良平安華麗絵巻。

貴族たちの朝――貴族の一日は、……午前3時ごろから始まる…… まず起きると、属星の名号を微音で七遍となえる。生年によって、各自自己の運命の所属する星が、北斗七星の中の星の一つに定まっており、それが属星である。次に、鏡で、自分の顔を見て、心身の調子を判断する。次に、当時の暦は具注暦といって、吉凶などの注が具体的に記入されているので、それを見てその日の吉凶を確かめる。次が洗面。楊枝で歯の掃除をし、西を向いて手を洗い、神仏の礼拝をする。仏名をとなえ、信仰する神社を祈念する。…… 軽朝食がすむと身だしなみ。髪に櫛を入れるのは、毎日ではなく3日に1度でよい。手の爪は丑の日に、足の爪は寅の日に切る。次に入浴だが、日を選んで5日に1度である。日の選びかたも細かく定まっている。毎月1日に入浴すると短命、8日に入ると長命。11日は目が明らかになり、18日に入ると盗賊に会う。午の日では愛敬を失い、亥の日では恥を見る。悪日(寅辰午戌)は入浴してはならない。これではいったい、月に何回入浴できるのだろうか。――本書より

扱っている内容が『日本の歴史(5)王朝の貴族』で読んだのと半分位かぶっていたのと、しかも続けざまに読んだので、ある程度時間を置いて読むべきだったか。

章や節毎の題に横文字がやたら多いな。

清少納言などはあばら屋に住み、からかった男たちに「こんな女でよかったら買わないか」と言ったと言う話もあるほどだ』(P126)あれ、そんな話だっけ?分かりやすくするためとはいえ大分ニュアンスが違うような。

怨霊を恐れるあまり、王朝貴族はついに死刑の執行を停止する』(P225)死刑をずっとやっていなかった理由、そんなんか。

物忌みの前日に参上して宮中に宿直。