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deku_decさんの読書メーター

2013-04-22 まほろ市の殺人

まほろ市の殺人

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まほろ市の殺人 (祥伝社文庫)

まほろ市の殺人 (祥伝社文庫)


内容(「BOOK」データベースより)

まほろ市―そこは不思議な事件が勝手に集まってくる、普通に見えて、どこかおかしな街。春には幽霊の痴漢とバラバラ遺体が。夏には新人作家への一通の手紙から不思議な恋と親友の死が。秋には連続異常殺人が。冬には大金に目が眩んだ男の前に双子の兄の亡霊が。同じ街を舞台に、人気ミステリ作家四人が描く、息を呑む驚きのトリックの数々!傑作推理アンソロジー

 基本的にこういうアンソロジーというか合本は、あまり購入意欲がそそられないので、買わないのだが、麻耶雄嵩さんの中篇目当てに購入。

 「春 無節操な殺人」(倉知淳)倉知さんの小説を読むのはたぶんはじめて。パソコンで検索するだけなのに、『そりゃそうだよ、あんたが一番こういうの得意なんだから』(P71)のように表現したり、あるいは『理系の高校生らしく、渉くんはパソコンが大好きなのである』(P72)なんて文があったりするのを見るとなんとなく時代を感じるなあ。美波が被害者の身辺を調べるため、被害者の自宅を見てみようとして、他にも野次馬がアパートに群がっているのを見て自己嫌悪するシーンには、まあ、探偵めいたことを現実で素人がやろうとすると自然とそういう野次馬風になっちゃうよな、と納得。特にこの中篇の登場人物たちに名探偵はおらずただの大学生たちだから、それがわかりやすい。この中篇では、何故死亡した被害者がベランダにしがみついていたかという謎は、渉くんの推測で明かされるが、犯人までは明かされずに終わる。まあ、犯人当ては本筋でないからいいんだけど。

 「夏 夏に散る花」(我孫子武丸)なんでみずきが、あそこまで君村義一にベタ惚れなのかがわからないなあ。というか、真相が明らかにされたら、この中篇で描かれている時期って君村義一のモテ期だったのでは思えるぐらいのモテっぷりだな(笑)。まあ、彼に恋愛感情を抱いていた人間の全員が死ぬか塀の中という終わり方なんだけどね。

 「秋 闇雲A子と憂鬱刑事」(麻耶雄嵩)なんか今更かもしれないけど、麻耶さんの小説って、暗い語り部がS気の強い探偵に振り回されているという取り合わせが多い気がする。いや、単にメルカルト鮎の印象が強いだけかもしれないが。あと、「聞こし召していた」という言葉が酒を飲んだことを表わす語だということをはじめて知ったが、字面ではちょっと想像しにくい使い方ね。天城の妻、物事の軽重の判断が人とは大いに異なっているねえ、こういう天才はよくわからんし、何故天城が彼女と結婚できたのかもさっぱりだ(笑)。

 「冬 蜃気楼に手を振る」(有栖川有栖)こういう一手誤れば身の破滅というようなドキドキ感は嫌いなので、読むのがとても辛かった。しかし、疑わしき人間にボロをださせるために、警察がとった策略が、冗談のようなものだったため、それが明らかになったとき変な具合に気が抜けた。

2012-12-02 江神二郎の洞察

江神二郎の洞察

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江神二郎の洞察 (創元クライム・クラブ)

江神二郎の洞察 (創元クライム・クラブ)

内容(「BOOK」データベースより)

その人の落とした『虚無への供物』が、英都大学推理小説研究会(EMC)入部のきっかけだった―。大学に入学した一九八八年四月、アリスは、江神二郎との偶然の出会いからEMCに入部する。江神、望月、織田とおなじみの面々が遭遇した奇妙な出来事の数々。望月の下宿でのノート盗難事件を描く「瑠璃荘事件」をはじめ、アリスと江神の大晦日の一夜を活写する「除夜を歩く」など、全九編収録。昭和から平成への転換期を背景に、アリスの入学からマリアの入部までの一年を瑞々しく描いた、ファン必携のシリーズ初短編集。

 学生アリスシリーズの短編集、正直3年程度で文庫化になることがわかっている本を単行本で買うことは悩むが、まあ、以前からそうした短編が収録されているオムニバスの文庫を買おうかなと思ったりもしたので結局購入。

 直接、彼らが殺人事件の渦中にいる話もないし、日常の謎テイストの話で、日常の謎もののミステリーは大好きなので面白かった、それに最近余り日常ミステリーは読めてなかったからより一層。あと、織田と望月間の軽口は読んでいて面白い、特に『「信じる……」/「モチ。お前、ミステリに毒されてそういう概念は忘れてたやろ」』(P53)や織田がヘルメットに自分はミステリファンだとのアピールのためにクエスチョンマークを描いたのを見た望月の『そんなん被ってたら『僕は誰で、どこに向っているんでしょう?』って自問自答しているみたいやないか。』(P72)というのがお気に入り。

 『名前と言うのは覚えやすいことが第一の条件だと言う父のために、小さい頃はずいぶんと苦労したものだ。癖のある名前は心の重荷になる、と察してもらいたかった。』(P9)後半の文は最近のキラキラネームへ軽く毒吐いているのかな?とちょっと思ったが、初出2000年かぁ、それなら違うのかな。覚えやすさは、アリスなら覚えやすく、言いやすくても、最近の変な名前は覚えにくく、言いにくいそうなのも多いからなあ。

 「ハードロック・ラバーズ・オンリー」掌編で、微妙に歯切れの悪い終わりだと思ったが、まあこの長さでそうした真相がわかったらご都合的すぎるからな、と思っていたら、「除夜を歩く」において、その推理が正しかったことを確認できたのは良かった。

 『下山事件で争点となったように、死後轢断か否かの判定が困難という微妙なケースも時にはあるという。』(P87-8)そういうケースもあるんだ、今まで、すっぱりその前後で明確に違って、間違えることなんてないものかと思っていたよ(そんな認識だったから、いままで下山事件陰謀論的に考えていたw)、だからそういった論争が生まれるのか。

 鉄道ファンがしている喫茶店、弁慶の名前の由来の、小ネタ(明治時代にアメリカから輸入された北海道蒸気機関車弁慶号」から)というのを望月、織田、アリスの少なくとも3人が知っているって、そんな常識的な問題なのか?と思ってちょっと困惑してしまった、僕は全く鉄道、電車に興味がないので知らなかった。

 「やけた線路の上の死体」江神さんが推理によって事件を解決したときの、望月母の『立派な先輩に恵まれて周平は幸せです。お手柄でしたなあ』(P116)というのは、そうした推理が当たったことをもって「立派」というのは、微妙にずれているようなそうでないような。

 「四分間では短すぎる」こうした皆でわいわいと推理しているのをほほえましく思っていたが、オチにおいて、ニュースで見た実際に起きた事件と辻褄合わせようという遊びだったとわかって、少し残念。アリスが出した題で、皆が喜んで仮説をだしているのだと思ってみてて心が和んでいたのに……。こうした会話の中で「点と線」のネタバレがあるが、こうしたミステリーのトリックをネタバレ有りで、あるていどまとまっているものが読みたいのだが、何かないものか、ミステリーの評論集とかは案外そういうの扱われてたりするのかな?と、そうしたものは読んだことないのだけど、ふとそう思ったり。

 「開かずの間の怪」最後の一つだけ本物っぽいのがあるというのは、ゾッとして普通に怖いわ。他の作品ではそうした超常的なものがない分だけ、尚更そう感じる。

 「蕩尽に関する一考察」何も果たせずに、資産を無駄に浪費しただけに終わった古書店の店主が哀れすぎる、今後の彼は大丈夫なのかな?と人事だがひどく不安に駆られる。

2011-02-10 女王国の城

女王国の城

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女王国の城 上 (創元推理文庫)

女王国の城 上 (創元推理文庫)

女王国の城 下 (創元推理文庫)

女王国の城 下 (創元推理文庫)

内容紹介

大学に顔を見せない江神を追って信州入りした英都大学推理研の面々は、女王が統べる〈城〉で連続殺人事件に遭遇する。第8回本格ミステリ大賞に輝いた、江神シリーズ第4長編。

内容(「BOOK」データベースより)

ちょっと遠出するかもしれん。そう言ってキャンパスに姿を見せなくなった、われら英都大学推理小説研究会の部長、江神さん。向かった先は“女王”が統べる聖地らしい。場所が場所だけに心配が募る。週刊誌の記事で下調べをし、借りた車で駆けつける―奇しくも半年前と同じ図式で、僕たちは神倉に“入国”を果たした。部長はここにいるのだろうか、いるとしたらどんな理由で―。

冒頭、バブルという言葉が頻出していてそういえばこの小説シリーズの時代設定はそのころかあ、と思い出した。それにしても、バブルという言葉はバブルがはじけた後から名づけられたのではなく最中でもバブルという語が用いられていたということははじめて知った。

最後まで、教会側の思惑がわからなくて不気味な感じだったので、最後に真相が明らかになったときには本当に驚いた。現在の事件が十一年前の事件とどうつながるかも江神さんの推理を聞くまでは、さっぱりわからなかった。わからないところが多すぎて考えてみる気にもならなかったが、それでも十二章の虜囚からの脱出劇面白かったし、まったく山勘でも当たりをつけていない状態から真相が明かされていくのを聞くのも楽しめた。

2010-07-13 ダリの繭

ダリの繭

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ダリの繭 (角川文庫)

ダリの繭 (角川文庫)

内容(「BOOK」データベースより)

幻想を愛し、奇行で知られたシュール、リアリズムの巨人―サルバドール・ダリ。宝飾デザインも手掛けた、この天才の心酔者で知られる宝石チェーン社長が神戸の別邸で殺された。現代の繭とも言うべきフロートカプセルの中で発見されたその死体は、彼のトレードマークであったダリ髭がない。そして他にも多くの不可解な点が…。事件解決に立ち上った推理作家・有栖川有栖と犯罪社会学者・火村英生が難解なダイイングメッセージに挑む。ミステリー界の旗手が綴る究極のパズラー。

火村英生シリーズ、2作目。同じキャラクターが主人公のシリーズが異なる出版社から出ているのは一般的にはあまり珍しくないかもしれないけど、個人的にはあんまりそういうことをしているシリーズのものは読んだことはなかったので珍しく思った。

謎が入り組んでいて考える気にならない(なっても解ける気がしない)なあ。最後の二転三転とするスピーディーな展開になってからはあっという間に読み終えた。

2009-09-05 46番目の密室

46番目の密室

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新装版 46番目の密室 (講談社文庫)

新装版 46番目の密室 (講談社文庫)


内容(「BOOK」データベースより)

日本のディクスン・カーと称され、45に及ぶ密室トリックを発表してきた推理小説の大家、真壁聖一。クリスマス、北軽井沢にある彼の別荘に招待された客たちは、作家の無残な姿を目の当たりにする。彼は自らの46番目のトリックで殺されたのか―。有栖川作品の中核を成す傑作「火村シリーズ」第一作を新装化。

著者略歴 (「BOOK著者紹介情報」より)

有栖川 有栖

1959年大阪市生まれ。同志社大学在学中より推理小説研究会に所属して創作等で活躍。処女作は『月光ゲーム』(東京創元社)。『マレー鉄道の謎』で第56回日本推理作家協会賞、『女王国の城』で第8回ミステリ大賞受賞。著書多数(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)


火村英生シリーズ第一作目の新装版。有栖川さんの作品は、江神二郎シリーズの創元推理文庫に入っている3作しか読んだことがなかったので、それ一年ほど前にを読んだきり他のものも呼んでいないので久々。

火村英生シリーズはシリーズの巻数が多くなっているので、手に取るのを少し躊躇していたが、新装版が出たのをきっかけに購入。

読みやすく、さくさくと読み進めることができた。<天上の推理小説>というものは確かに説明聞いているには魅力的で読んでみたいけど、読むことは決してできないとわかっているので少し寂しいというか空しいというか。

新装版は次も出るのかな?出るんだったらそれまで待つし、出ないんだったら、続刊読もうかなとも思うけど、どっちかはわからないからどうしようか迷っている。

綾辻さんの館シリーズも2作目までは現時点では新装版になっているけど、これからどこまで、新装版が出るのかわからないから、シリーズの作品で、新装版が出ると、待つのか買うのかを悩んでしまう。