最近読んだ本

リーダーシップからフォロワーシップ

リーダーシップからフォロワーシップへ カリスマリーダー不要の組織づくりとは

リーダーシップからフォロワーシップへ カリスマリーダー不要の組織づくりとは

リーダーシップ批判の本。つまり、リーダーだけでなくチームメンバー(フォロワー)のあるべき姿までを含んだ組織論。
リーダーにとってのリーダーシップとフォロワーシップ、フォロワーにとってのフォロワーシップとリーダーシップ。明快な全体像からスタートするのでとても分かり易い。優れたビジネス文書の例でもある。
特にリーダーシップについて以下の2点が目から鱗だった。

  • リーダーであるために必要なたった1つのことは「ブレないこと」
  • リーダーはスキルを身につけるよりも自身のスタイルを見付けることが重要

6時に帰る チーム術

社会人3年目の私には痛いほど良く分かる問題提起からスタートしている。つまり、私たちが直面している「時間や人員という限られたリソースを使って、いかにチームとして最大の成果・付加価値を生み出すか」である。
第1部で問題の分析を、第2部で具体的な対策を述べている。また、最後にあるQ&Aが地味に役に立つのではないか。新しい試みは確実にメンバや上司から拒否されるわけで、説得の参考になるだろう。その辺、コンサルタントである著者は流石である。

キラー・プレゼンテーション

キラー・プレゼンテーション

キラー・プレゼンテーション

この本の素晴らしいところは以下の2点。プロを目指すのでなければこれ1冊で足りそう。

  • プレゼンで一番重要な要素は「スライド」ではなく「あなた自身」、というコンセプト
  • この本自体が非常にわかりやすい(説得力がある)

構造デザイン講義

構造デザイン講義

構造デザイン講義

エンジニアの自覚がある人には分野を問わずお勧めしたい。建築と土木をクロスオーバする著者が書いた、構造に見るデザインのエッセンス。そして、エンジニア魂かな。
当然、鉄筋コンクリートや木造の話、建築の歴史や分類という話がメインになるのだが、その対象へのアプローチの仕方はエンジニア共通の姿勢(思考形態)であるように思う。歴史や失敗に学ぶこと、技術を慎重に選ぶことなどなど。

計算が要領よくできたり仕事を適当にさばけたりするのが本当のエンジニアではなく、
工学的な境界線に立った時、予想外のことが起きたときに適切な判断ができるのが本当のエンジニアというものです。本当のエンジニアというのは、こうしたことが判断できる経験と見識と倫理が備わった人間のことを言うのだと思います。
(第4章コンクリート -「本当のエンジニアとは何か」から抜粋)

また、著者は第1章総論で「デザインとは翻訳すること」という持論を展開していて、その「翻訳」を次の3点に分類している。

  • 技術の翻訳
  • 場所の翻訳
  • 時間の翻訳

とても重要な視点だと思う。詳細は省略するが、この中で「場所」は「文脈」や「関係性」と言い換えることができるし、「時間」はもう少し正確にいうと「歴史的時間」ということができるだろう。

東京奇譚集

東京奇譚集 (新潮文庫)

東京奇譚集 (新潮文庫)

短編集。特に良かったのは「偶然の旅人」と「ハナレイ・ベイ」