2011年に読んだ本の個人的ベスト10

「読んだ」のが2011年だったという作品もあるので、そのあたりは気にしないで。

夢の上

田舎の小領主の娘が貴族に嫁ぐ話、物事に熱くなれない少年が、美しき貴族の娘の騎士になるお話などなど、結晶に封じられし六つの夢が語られる物語。それぞれが独立した物語でありながら、リンクすることもあり。幸せや絶望、時に燃え上がるような怒りを感じたこともあったけれど、それでも人を思う心にグッとなる。
特に最終巻は、凄かった。幾度も胸が熱くなり、そして……巡り巡った物語が戻ってきたときの興奮は忘れられない。
全三巻、おススメです。

夢の上〈1〉翠輝晶・蒼輝晶 (C・NOVELSファンタジア)夢の上〈2〉紅輝晶・黄輝晶 (C・NOVELSファンタジア)夢の上3 - 光輝晶・闇輝晶 (C・NOVELSファンタジア)

マルドゥック・フラグメンツ

マルドゥックシリーズの短編集。短編なのに長編並みの濃密さと面白さがありました。ウフコックとボイルドのコンビが活躍する話があったかと思えば、ボイルドの最後の話があったり、そして一番魅せられるのは、アノニマスへと繋がる物語です。ウフコックの遺言めいた言葉はどういうことなのか……

スクランブル、ヴェロシティを読み返したくなり、アノニマスへの期待が高まるばかりでした。

マルドゥック・フラグメンツ (ハヤカワ文庫 JA ウ 1-11)

マルドゥック・フラグメンツ (ハヤカワ文庫 JA ウ 1-11)

Fate/Zero

七人の魔術師が七人の英霊を召喚して争う聖杯戦争を描いた物語。ゲームのほうはまるで知らないんですが、知らないで読んでも面白いです。熱い戦いがあったかと思えば、わずかな隙を突かれてもって行かれてしまったり、「力」の強さが必ずしも勝利に結びつくわけではなく、協力関係、敵対関係、裏切りなどなど、様々な手を駆使しながら、時に残酷に、時に真っ直ぐぶつかり合う男たちの戦いは、見ごたえがありました。

これはなー、本編であるゲームの話も、小説になってくれたら嬉しいんだけどなー。
Fate/Zero(1) 第四次聖杯戦争秘話 (星海社文庫)Fate/Zero(2) 英霊参集 (星海社文庫)Fate/Zero(3) 王たちの狂宴 (星海社文庫)
Fate/Zero(4)散りゆく者たち (星海社文庫)Fate/Zero(5)闇の胎動 (星海社文庫)Fate/Zero(6)煉獄の炎 (星海社文庫)

スメラギガタリ

現代にも陰陽寮があるよという帝都東京で、安部清明の子孫と芦屋道満の子孫がぶつかり合う物語。それぞれに正義があり、譲れないものがあるからこそ、戦う展開が熱い。この二人が協力できたら……と思うとやるせなくもありますが。
千年の時を経てたどり着く結末にじんわりきたり、物語の中で語られる物語にやられたり。
最高のエンターテインメントですね!

続きが早く読みたい。

疲れたので、此処から先は簡略バージョンで。

ミストボーンシリーズ

恐怖によって統治する支配王VS合金使い(超能力みたいなもの)たちの戦いを描く物語。霧の落とし子と言われるほどの力を持つ少女の成長譚と、派手なアクションに引きこまれていたら、こんなところに伏線が……という緻密な展開も待っていて、やられるやられる。
最後の怒涛の展開は息もつけぬ。すごかった。

ミストクローク―霧の羽衣〈3〉永遠(とわ)の大地 (ハヤカワ文庫FT)

ミストクローク―霧の羽衣〈3〉永遠(とわ)の大地 (ハヤカワ文庫FT)

クシエルシリーズ

「クシエルの矢」の印をもって生まれた少女フェードルの激動の運命を描く歴史絵巻。エロだけじゃないんだよ!謀略によって、毎度ギリギリの状況に追い込まれて、肉体的にも精神的にも傷つき、それでも立ち上がり、前を向くフェードルの姿が印象的でした。

続編のイムリール三部作はまだですか。

クシエルの啓示 3―遙かなる道 (ハヤカワ文庫 FT ケ 2-9)

クシエルの啓示 3―遙かなる道 (ハヤカワ文庫 FT ケ 2-9)

瞳の中の大河

内戦が続く国で、平和のために戦い続けた英雄の物語。何があろうと頑なにその理想を追い求めていく姿は、不器用にしか見えないけれど、愚直なまでに歩き続ける男の物語に、気づけばひきこまれている。
親子関係やら恋やら、ロマンと切なさと……弱さもまた、人なんだな。

決して派手ではないですが、本当に面白かった。

瞳の中の大河 (角川文庫)

瞳の中の大河 (角川文庫)

戦塵外史

大陸に生きる人々を描くシリーズの完結編は、皇帝の座を争う兄妹のお話。目指すところは同じだったはずなのに、通る道の険しさが……玉座とは、こんなにも孤独なのだと感じさせられる。それでも折れた者と、歩き続けた者に分かれたのは、傍にいてくれる人の存在が大きいんですよね!
最期まで面白かったシリーズでした。もっと読みたかったよ……

戦塵外史 六 双帝興亡記 (GA文庫)

戦塵外史 六 双帝興亡記 (GA文庫)

GOSICK

六巻までと、それ以降は別物だと思いました。物語が終わりに近づくにつれて、ふたりの思いが……歴史の流れはわかっているから、ハラハラしながら読み進めて、そして迎えたラストににっこり。やっぱ、愛だよ、愛!

金星特急

絶世の美女・金星の婿候補たちが、与えられる困難乗り越えていく冒険活劇物語。シリーズも五冊目を迎えて、最年少・錆丸の成長っぷりに魅了されていくばかり。しかもしかも、予想以上に恋愛要素が進んでたりして、キャーとなりますよこれは!
サスペンスな展開には、ますます拍車がかかり、見えてきたようで見えてこない謎にも引きこまれ続けています。このシリーズは本当に面白いのでぜひぜひぜひ。

金星特急 (1) (ウィングス文庫)金星特急 (2) (ウィングス文庫)金星特急 3 (ウィングス文庫)金星特急 (4) (ウィングス文庫)金星特急 5 (ウィングス文庫)

Dkアンソロジー

番外で。

自分が主人公になってる本とかどうよと思いつつ、面白いんだからしょうがない。執筆陣の本気度がおヤバい。
格好良くて、熱くて、楽しくて、ちょっぴりじんわりきて。
DとkとKを(TL上で)ご存知な方なら、始まりから最後まで、楽しい時間を過ごすことができること請け合いです。

興味があったらお声がけください。まだ在庫ありますから。


この他、リストアップした本。順番適当です。

東雲侑子は短編小説をあいしている (ファミ通文庫)

東雲侑子は短編小説をあいしている (ファミ通文庫)

花狩のロゼ 歌姫は薔薇を殺す (ビーズログ文庫)

花狩のロゼ 歌姫は薔薇を殺す (ビーズログ文庫)

双界幻幽伝 出逢いは前途多難! (ビーズログ文庫)

双界幻幽伝 出逢いは前途多難! (ビーズログ文庫)

無音の哀戀歌 〜さようなら、わたしの最愛〜 (コバルト文庫)

無音の哀戀歌 〜さようなら、わたしの最愛〜 (コバルト文庫)

六花の勇者 (スーパーダッシュ文庫)

六花の勇者 (スーパーダッシュ文庫)

天冥の標?: 機械じかけの子息たち (ハヤカワ文庫JA)

天冥の標?: 機械じかけの子息たち (ハヤカワ文庫JA)

義兄 明治艶曼荼羅 (ティアラ文庫)

義兄 明治艶曼荼羅 (ティアラ文庫)

吉原夜伽帳-鬼の見た夢- (小学館ルルル文庫 み 3-1)

吉原夜伽帳-鬼の見た夢- (小学館ルルル文庫 み 3-1)