ビギナーさん向け企画の実施と、その結果

先週、BITの活動として、ビギナーさん相手にDMをしてきました。
何かの役に立つかも知れないので、何をどー考えて何をしたかを書いておきますね。


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まず最初に考えたのは「なぜ初心者対応をするのか?」という理由。


これは明確で。
「せっかくD&Dを遊ぶんだから、もっと色んな人と遊びたい」
D&Dの面白さを、知らない人に教えてあげたい」


更に言うと「教えてあげたい」というのも「相手が楽しんでくれると、私が楽しい」というから。
要するに、相互扶助でも奉仕活動でもなく私の煩悩からなる行いです(笑)


と言う事は、使用できるコストは私が楽しんでる間という事な訳だ。



じゃあ、具体的に何をするか?


元々はDAC2007で「ビギナーさん用の卓を立ててビギナーさんも楽しんでもらう」というのだったのだけど、それをする為には、既存のTRPGプレイヤーだけに宣伝をしたのでは効果が薄い。
何故なら、ターゲット層は「D&D初心者」であり、彼らは「既存のTRPGプレイヤー」の中に納まらないかも知れないから。


最初は「(いわゆる国産ゲーム主体の)サークルとかにGM参加させて貰って、そこで宣伝する」などの方が「D&D初心者」さんに宣伝が伝わるんじゃないか、などと考えました。


カオスフレアのGMをした後に「所で奥さん。実はD&Dというお得なゲームがありましてね…」などと胡散臭い勧誘をする事を想像はしなかったけど(ぉぃ


でも「他のサークルの迷惑を考えるとちょっとなー」と考えた所「あぁ、んじゃ、自分達で場所を作れば良いんだよ」という結論になりました。


DAC2007開幕の前から「D&Dやるよー」とアピールして遊べる場所を用意する事で、場を温めて盛り上げておこう、と。
そうすれば事前の企画に参加できない人も「DACってのがあるんだー」くらいは伝わるかも知れない。



じゃ、どうやって事前に「D&Dを遊ぶ空間」を提供するか。


「サークルを作ってはどうか?」と言う話もあったのですが、サークルというのは組織である以上サークルに参加する人は「ビギナーさん」である前に「サークル員」になります。少なくともサークルの外から見るとね。


今回のターゲットが「ビギナーさん」である以上、サークルという内輪の集団(組織というのは全て内輪集団でもある)に、参加を促すのは敷居が高すぎる。


「じゃあ、D&Dビギナーさん用コンベを開けば?」という案もあったけど「D&Dオンリーコンベのビギナー卓の宣伝の為に、D&Dオンリーのビギナーさん用コンベを開催する」というのは、何か色々間違ってる気がする(笑)


コンベにして人を集めればその分手間も増えるし宣伝効果も一瞬なので、コストパフォーマンスが宜しくない。


そこで考えたのが「ビギナーさん向けセッション卓をたくさん立てて、広く参加者を募る」という手法。
一度に1卓だけなら手間は劇的に減るし、連続して立てる事で宣伝力も向上する。
毎週誰かが卓を立てれば、一回だけのコンベよりも参加する人も日程調整がやりやすい。
うーむ、悪くなさそうだ。


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と言う訳でDACの前に「一ヶ月間毎週ビギナーさん向けセッション卓を立てる」という企画が実施された。
あくまで宣伝なんで新しいDMの募集などは行わず、DACのビギナーさん卓のDM達で分担する事にした。
(ほんとはDMしてくれる人を増やそうかという話もあったんだけど、人が増えると指数的に手間は増えるので今回は自粛)


実際にやってみると、幾らかのはったり(全員HJ社公式コンDM経験者ですよー、とか)の効果もあったのか、今までD&Dを遊んだ事は無く、特に誰かの友人繋がりとかでは無い、新規のビギナーさん(変な日本語だ)と一緒に遊ぶ事ができました。
最初の一歩としては上々でしょう。


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そんでもってDAC2007当日。
DACでビギナー卓を立てる意義は「DAC2007というお祭りだから、自分もD&Dを遊んでみようかな」という人をgetする事。
ここはやっぱり大規模コンベならではの宣伝力、集客力、あとは勢いがあるんで、これはこれで強力な手段だよね。


実際にビギナー卓には「D&D初心者」さんがたくさん来て楽しんで行ってくれました。
次の一歩としても、良い感じでした。


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そんでもって三歩目。

当初からの懸案事項として。
「DAC2007面白かったね。後は各自でD&D遊ぶ空間用意して遊んでね。じゃあまた来年〜」
…というのは、あんまりじゃないかなーと言うのがあった(笑)
DAC2007に参加した人も、参加できなかった人も、D&Dに興味がでたら「遊んでみたいな」と思うのが人情と言う物でしょう。

そういうビギナーさんをターゲットにした企画が必要だよねぇ、という話があったので、DAC事後企画を用意してました。
これもまた「サークル」も「コンベ」も手段としては我々の目的にあわないので、一歩目と同じく「毎週ビギナーさん向けセッション卓を立てる」方式を採用。
GameDayやHJコンと被らない様に、これを実行する事にしました。これが三歩目だね。


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そして、これから。


とりあえず三歩ばかり歩いてみて、色々気づいたり再認識したのだけど、まずその中の二つ。


・知り合いのいないサークルに参加するのは敷居が高い。
まぁ当たり前だよね。30人のサークルなら30人の友達の輪の中で自分だけ違うんだから。そりゃ入り辛かろう。


・コンベに参加するもの敷居が高い。
どんなGMがいるのか分からないし、下手すると、どんなシステムの卓が立つのかが分からない。
常連さん同士の内輪ネタばかりかもしれないし、日程があうとも限らない。


これは結構深刻な問題だ。
D&D(TRPG)初心者」さんが「D&D(TRPG)を遊んでみたい」と思った場合、幸運にも友人にD&D(TRPG)ゲーマーがいなければ、上記の二つの方法以外ではD&D(TRPG)を遊ぶのは困難だからね。
(勿論、いきなりルルブを購入して人を集め自分がDMするという人達もいるが、特異な人種です、そういう人は)


これに対して、今回は「ビギナーさん向けセッション卓をたくさん立てて、広く参加者を募る」とい手法で対応してみたのだけど、実際の手ごたえとしては、結構ニーズがあるようだ。


ニーズがあると言う事は「遊んでみたいけど遊べない」という人がたくさんいる、という事だよね。うーむ。
これはまた何か手を考えたい所だなぁ。


・ルールブックを持ってる人は結構いる。
これは個人的にはちょっと意外。
よく「D&Dはルルブが高いから、とっつきにくい」という評判を聞いていたし、私もそれも一理あるな、と思っていたけど、少なくとも今回のデータを分析する限りいおいては、「遊ぶ環境が無いから」>「ルールが高いから」らしい。


勿論、データの収集方式による偏りがあるから一概には言えないけど「遊ぶ環境さえあれば、ルールブックの価格は苦にならない」という人は一定数いるのは確実なようだ。
(D&Dのプレイヤー用ルールブック¥6,090とアリアンロッド¥735を比較すれば、勿論後者の方が手に取りやすいのは事実だが)


・昔、TRPG遊んでたという人も結構いる。
当たり前なんだけど「TRPG遊ぶ環境が無くなった人」ってたくさんいるんだよね。
そう言う人達には「ビギナーさん対応」とは別のアプローチがあっても良いな。


・D&D1回目の人と5回目の人の違い。
D&Dゲーム時間が1000時間を超えてるような人から見れば、1回目の人も5回目の人もビギナーさんに見えるのだけど、実際に遊んでみるとD&D1回目の人と5回目の人では大きく違う。


何でもそうだけど、熟練度というのは最初は急激に伸びる傾向があるから、5回目の人は実はかなり熟練した動きをする。
であれば、その熟練度に合わせたセッションを提供したいのだけど、そうすると一回目の人のフォローが難しくなる。
そう言う意味では、コンベなどのスタイルでは細かい配慮ができないので2回目以降はカジュアルセッションが良いんだろうな。


・キャンペーンがしたい。
あー、やっぱりね。 うん、そうなる気持ちはよく分かります。 D&Dは特にその傾向が多いし。
でも、流石にコンベでキャンペーンは微妙。 これもカジュアルセッションか、サークルだなぁ。


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これらを踏まえた上で対応方法を考えると、なかなかに難しい。
一つあるのは、横の連携を深めて、友達をたくさんにして相互扶助っぽくする事だとは思うんだけど。
さて、四歩目は、どうするかなぁ。