なぜデジタルコンテンツが売れないか?DRMがダメかを読んで

2010-12-20

kawangoさんの日記を読んでみた。


>現状もっとも有力なのはコンテンツのクラウド化だ。コンテンツをサーバ側においてユーザには利用権を販売する方法だ。


…人はそれをDRMと言います。
というよりも、こういったコンテンツのクラウド化みたいなのをやっていた企業があります。
ナップスターです。
かつて、ナップスターは月額定額制聞き放題(サブスクリプションサービス)サービスである「Napster To Go/Basic」というものをやっていました。
ユーザーに使用権的なものを販売し、楽曲を聞くのはストリーミングで、という方式でした。(と記憶しています)


定額料金で聴き放題。ネット環境さえあれば聴き放題と、聞くだけなら便利そうですが、落とし穴がありました。
1.ネットに繋いでいないとコンテンツが利用出来ず、買い取り制と比べて不便であること。
2.企業側の都合でサービスが終了したり、退会したらコンテンツは使えなくなること。


そのせいか日本ではあまり人気が出ず、2010年5月31日を以てナップスタージャパンは日本における全サービスを終了、撤退。
これにより、ナップスターのユーザーはテンポラリファイルとして保存されていた(であろう)コンテンツを再生すること=利用することが事実上、不可能になっています*1


iTunesやMoraにもDRMはありますが、ダウンロードしたファイルをCDに焼くことでDRMを無効化して自由にリッピングすることが可能です。
ナップスターのサービスでこういったことは(記憶が確かなら)不可能です。
そこが明暗を分けたのでしょうね。


以上のことから、現状コンテンツのクラウド化は企業側に便利でも、ユーザー側に著しい不利、不便を強いる片務的なものと断言せざるを得ません。
今導入してもCCCDと同じ「普及したと思っていたら実は客が減っていた」落ちになるでしょう。


DMM.COMで販売されている18禁ゲームにもネットワークに繋いでいないとプログラムが起動できないDRMがかけられたものがあり、買ったこともありますが非常に不便です。
D−SPRAYってタイトルのゲームですがコレが非常に不便に感じ、初回以降起動させていません。
結局、ネットに繋ぐのがめんどくさい!って話なんですよね。


ではどんなDRMなら消費者に受け入れられるのか?ということになりますが、
iTunesやMoraのDRMがベストでしょう。
どちらのサービスも利用したことがありますが、実際DRMの存在を意識せずに済んでいます。
レーベルゲートCDなんて方式もありましたが、アレはノーカウントで。あんなモンはサービスと認めん。

*1:実際にナップスタージャパンのウェブサイトは閉鎖されています