2011年12月31日
■[ライトノベル][★★★★][秋田禎信]魔術士オーフェンはぐれ旅:原子大陸開戦
魔術士オーフェンはぐれ旅 原大陸開戦【特製小冊子付き初回限定版】
- 作者: 秋田禎信,草河遊也
- 出版社/メーカー: ティー・オーエンタテインメント
- 発売日: 2011/11/25
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
- 購入: 5人 クリック: 245回
- この商品を含むブログ (23件) を見る
アイルマンカー結界が消失し、キエサルヒマ大陸は世界を滅ぼそうとする女神の前に無力となっていた。代わりにオーフェンが手にしたのは女神に対抗するための「魔王」の力。世界の均衡を崩した罪を背負ったオーフェンはキエサルヒマを追われ、新たな土地である原大陸へと旅立つ。しかし、そこは女神の手で怪物=ヴァンパイアと化した人間たちと魔術士とが戦い続ける厳しい土地だった。
それから23年。
魔王オーフェン・フィンランディと熾烈な対立を続ける反魔術士勢力の首領カーロッタ・マウセンが、突如その消息を断った。きわどくも保たれていた原大陸の均衡が破られることを予感したオーフェンは、カーロッタ失踪の真相を確かめるため、はぐれ闘士となったカーロッタの元側近シマス・ヴァンパイアの捕縛作戦を展開する。最大強度のヴァンパイアに挑むのは、マジク、シスタ、そして魔術戦士となったラッツベインとエッジだった。
一方その頃マヨール・マクレディは、婚約者のイシリーン、イザベラ教師と共に、3年ぶりとなる原大陸を訪れていた。彼らの目的は禁じられたヴァンパイアの力を求めて原大陸に渡った密航者の追跡で、そのリストにはマヨールの妹、ベイジット・パッキンガムの名もあった…。
いよいよ始まりました第四部!! 23年も作品内で経過し、キエサルヒマ大陸から原大陸と舞台は移り、戦いも激化している。とここまで「別物になっているんじゃあ?」という不安材料があると、読む前は心配にもなりましたが、杞憂でした! オーフェンはオーフェンでした!
主人公:マヨールが想像以上に良かったです。マヨールくんの妹との思い出には不覚にもときめきました。誕生日プレゼントのところとか、ぐぐぅーっと胸がつまった。本当に泣きそうだった…。オーフェンシリーズ伝統の「重ね合わせ」がここでも活きていて、オーフェン読んでる感がありました。キリランシェロとマヨール。まだ間に合うのか? マヨールくんは妹を殺すために彼女を追いかけるのか? まだ、まだ答えは出ていない。がんばれ。マジでがんばれ。
師匠のイザベラがめちゃめちゃ強いことを理解しつつ、「それでも、ぼくが弟子なんだから」と倒したところは熱いなー。かつてのチャイルドマン教室の子たちと比べて、にやにや。キリランシェロと比べてマヨールくんに「まだ間に合う」って気をさせられるのはイシリーンのおかげかな。実際、イシリーンの存在はチートだよなぁとか思ってしまう。キリランシェロ君との最大の違い。「呼吸ぴったりの連携」「絶望させない」「馬鹿なことに付き合ってくれる」「破れかぶれになったら引っ叩いてくれる」 うわぁ、最高の相棒やな。それでいて決して「都合がいい女」ではないっちゅーか、そんなことを考えたら殺されそうなところが、すごく秋田ヒロイン。
そしてラストのくだりがいいな。ていうかマヨールの言葉がいい。流石、秋田センセ。「最後の言葉にとことんこだわる男」。
* * *
第一部が自分を見失いかけた人間の物語、第二部が絶望したドラゴン種族の物語、そして第四部は狂った神々との直接対決。と思わせて、「神を信じて救いを求める人間」と「信じるに値しないものを信じる人間」の戦いって書くと、魔術戦士たちマジ悲惨だと思う。この戦いはどうすれば勝てるのか? カーロッタを殺せばいいのか? 神人信仰者を皆殺しにしても、また「絶対的な正しさ」を求める人間が現れるだけだというのに。神を前に考えを改めないオーフェンらこそ「間違った存在」なのかもしれないね。間違ったって いいじゃない 人間だもの byオーフェン
20年間ずっと、巨人化した人間を殺し続けてきたということを唐突に理解した。ゴクリと。同時に嫁と三人の娘を得ているということ。オーフェンが死んだらそのまま嫁も娘も抹殺されそうだよなぁ……オーフェンは今でも「どうかな。俺は今まで結構厄介ごとばかりだったが…楽しかったよ」って言えるのかな……
* * *
マジクだって、自分の恋人(ヴァンパイア化してしまった)を魔王術で事象から消し去ってしまってるんだよなぁ。なんか第三部が想像以上に過酷すぎて、すでに泣きそうだ。「キエサルヒマの終端」の直後、トトカンタ防衛戦で悪魔的活躍(多分殺しまくり)をするマジク。というのがマジで信じられない。辛いですよね… その過去を念頭に「魔術戦士の師弟」のラスト、「救うことが出来た」ということを喜ぶマジクの心境を想像するとうわぁあ…ってなりますね。ラッツベインとマジクの師弟コンビは本当に最高ですね。
ラッツベインは、精神的に強い子。開拓がひどく悲惨だった頃に生まれたからかなぁ。「人のためになるから」という理由で、戦場に立てるのは凄いと思う。「名前だって自分で選べなかった」にちょっとグサリときた。魔王を父親に持ったこと、魔術士として生まれたこと、変な名前を持ったこと。ラッツベインは「理不尽」というものをよく知っている。生まれつき与えられてしまったことではある、けど、ラッツベインは嘆いているばかりではなく、自分の意志で魔術戦士になることを選んだ。本当に格好いいと思う。
* * *
よしよし! 通常の魔術が活躍してる! こかして踏みつけるが強い! と嬉しい気持ちになりました。「地に足がついてないと速度が出せない」「ヴァンパイアであろうとも空間に実在している以上、」などのくだりには特にグッときました。神人種族、ヴァンパイア、魔王術、進化した黒魔術など、「もしかしてぼくが大好きな秋田バトルは読めないんじゃあ?」と心配した頃もありましたが、やっぱりこれも杞憂。マヨールの「(魔王術は)俺には無理なんだよ!」と、その後の「必死に練習した。一つでもヴァンパイアに通用する術が欲しくて」がすげー好き。頑張り屋さんだねぇ〜 ふふ。空間支配は実際強い。クリーオウとラチェットがヴァンパイアを撃退してしまうところは、変わらないなぁ!と嬉しく思いました。ヴァンパイアさえ昏倒させる毒をどうやって作ったラチェット…w
* * *
やっぱりこの世界ってスウェーデンボリーさんが作った世界だったのか。スウェーデンボリーさんマジまどか。「他人を思う通りにすることは、出来ない。出来ても、やっちゃいけない」という魔王としての苦しみを、娘が大きくなっていくことへの父親の寂しさに例えるオーフェンが、好き。そうだねぇ……ってなった。オーフェンは、魔王術の関係で、普段から「他人を思い通りにしようとか、思ってはいけない。いけないんだ」と自制しているのが子育てにも影響していそうだなぁって、ティッシの家庭と見比べながら思った。
マヨール、ベイジットがバラバラになってしまったのは、ティッシが悪いわけじゃないとは思うけど、それでももう少しどうにかならなかったのかな……とは思った。というかベイジットは最初登場した時は、ただのムカつく奴だったのに『約束の地で』を読み返す度に、無視できなくなっている自分に気付きます。「あいつは俺たちが大事にしているものを踏みにじってるんですよ」「そうだな… だがそれは俺たちも同じじゃないか?」のやり取りの意味をよく考えるようになってから、ちょっと見方が変わった。そう……彼女は俺だ。同情は本物だった。
* * *
<その他>
- 暴力を受けて「ありがとうございます!」つってるネタに共感できていなかったけど、ぼくのラッツベインに「あぁ哀れ」「お前にはなにもない」と言われたヴァンパイアには憧れに似た敗北感を感じる。あ〜ぁ。エッジと精神同調しているラッツベインに嫌悪なまなざしをもらった時、マヨールにカメラを渡しておけばよかったな〜
- ラッツベインとエッジを「双子」って言っているマヨールがあるけど、単純な誤植かな。他では「姉妹」言っているし。(追記:おそらく「相互」の表記ミス)
- オーフェンをSFの文法で読もうという試み。原大陸とキエサルヒマの深い確執は、「宇宙に進出したスペースノイドVS地球に残った人々」とか… (最近ガンダムを観始めました)
- 悪魔は悪魔だけでは現れない。常に「天使と悪魔」の両方が同時に顕在する。/人間の意思は内にこもる方向と外に向けて開放される方向の二つに分類される/これがスウェーデンボリーの言う「天使と悪魔」論。スウェーデンボリー=まどか オーフェン=ほむら って書いておけばみんなオーフェン読んでくれるかな!【宣伝】
- 人間種族の巨人化を憎悪しつつも利用する神人を、マヨール君は「発狂している」と言っていたけど、それこそ「天使と悪魔」なんじゃないかな。相反する二つの意思。
- こう言ってはなんだけど、小冊子は絶対に貰っておくべきでしたね。約束の地→小冊子01→02→03→開戦 という順番でなくちゃ。単行本03のラスト、つまり新シリーズの最後が「コルゴンとラチェット、キャプテン・キースの財宝を掘るの巻」になってしまうのか。それでいいのか!?(くわっ)
- ヴァンパイアに魔王術をかける、というのは結果が予測しづらいものである。狙った効果だけ引き出す術の行使。そんなことが出来るなら、未来予知だって出来てしまう話だ。だから出来ない(by校長)→だったら"解決者"を連れてくればいいじゃないーーい。ちゃう? つまり、力のラッツベイン・技のエッジ・規格外のラチェットの三姉妹が精神同期することで放つ「トリプル魔王術」は、ヴァンパイア症だけを取り除くご都合主義技なのだ!?(半信半疑)
- 顔がズタボロになって両足が折れて右腕がちぎれかけているとか、クレイリーさんマジ可哀想。なにより凄いのは、「魔王術なら治せる」のに、自制しているところ。魔術も高レベルで使えて、魔王術もこなし、しかも事務・会計能力もばっちりって何じゃそりゃ。かっこいいー。全身ズタボロになってもオーフェンにおべっか(というか慰めの言葉)をかけられるって、この人も鉄人だなぁ。クレイリーさん。
■[戯言][まとめ]2011年心に残った本ランキング本棚(コメント付)
2011年心に残った本ランキングの本棚
- 20位「南極料理人」:南極+料理というシュールさに弱い。映画も良かった。
- 作者: 西村淳
- 出版社/メーカー: 新潮社
- 発売日: 2004/09
- メディア: 文庫
- 購入: 5人 クリック: 92回
- この商品を含むブログ (154件) を見る
- 19位「邪眼」:ずーっと探していたのをようやく見つけられた喜びによりランクイン。面白かったし。
- 作者: 藤原京,小野双葉
- 出版社/メーカー: 集英社
- 発売日: 1996/05
- メディア: 文庫
- クリック: 3回
- この商品を含むブログ (4件) を見る
- 18位「ダンゲロス」こんな本、他にねーよ。
- 作者: 架神恭介,左
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 2011/02/02
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
- 購入: 3人 クリック: 180回
- この商品を含むブログ (20件) を見る
- 17位「アンジャーネ」雰囲気がとても優しく良い。もっと読みたい。
- 作者: 吉永南央
- 出版社/メーカー: 東京創元社
- 発売日: 2011/01/27
- メディア: 単行本
- クリック: 1回
- この商品を含むブログ (1件) を見る
- 16位「機械の仮病」:秋田の恐ろしいところがよく出ている。
- 作者: 秋田禎信
- 出版社/メーカー: 文藝春秋
- 発売日: 2010/11/23
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
- 購入: 2人 クリック: 16回
- この商品を含むブログ (12件) を見る
- 作者: 伊藤ヒロ,kashmir
- 出版社/メーカー: 一迅社
- 発売日: 2010/07/17
- メディア: 文庫
- 購入: 11人 クリック: 282回
- この商品を含むブログ (57件) を見る
- 作者: 手島史詞,COMTA
- 出版社/メーカー: 富士見書房
- 発売日: 2011/10/20
- メディア: 文庫
- クリック: 3回
- この商品を含むブログ (2件) を見る
- 13位「カマタリさん」:餅は餅屋と言いますがな!(爆笑)
クズがみるみるそれなりになる「カマタリさん式」モテ入門 (ファミ通文庫)
- 作者: 石川博品,一真
- 出版社/メーカー: エンターブレイン
- 発売日: 2011/11/30
- メディア: 文庫
- 購入: 1人 クリック: 81回
- この商品を含むブログ (37件) を見る
- 12位「きみとぼくの〜」:アイディア・掛け合い共に面白かった。
- 作者: 西尾維新,TAGRO
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 2008/07/08
- メディア: 新書
- 購入: 9人 クリック: 201回
- この商品を含むブログ (174件) を見る
- 11位「四方世界の王」:動き出した定金伸治というだけでこの順位。
四方世界の王6 すべての四半分は女の15(ハミシュシェレト) (講談社BOX)
- 作者: 定金伸治,記伊孝
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 2011/08/02
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
- クリック: 2回
- この商品を含むブログ (8件) を見る
- 10位「まもなく電車が出現します」:葉山くん大好きですから。
- 作者: 似鳥鶏
- 出版社/メーカー: 東京創元社
- 発売日: 2011/05/28
- メディア: 文庫
- 購入: 1人 クリック: 31回
- この商品を含むブログ (40件) を見る
- 9位「蓮華くんの不幸な夏休み」:やっぱり海原育人はサイコーだ!ということを再確認した本。
蓮華君の不幸な夏休み〈1〉 (C・NOVELSファンタジア)
- 作者: 海原育人,しまどりる
- 出版社/メーカー: 中央公論新社
- 発売日: 2010/12
- メディア: 単行本
- クリック: 20回
- この商品を含むブログ (7件) を見る
- 8位「Fate/Zero」:めちゃくちゃ面白いから。登場人物全員に萌える。
Fate/Zero(1) 第四次聖杯戦争秘話 (星海社文庫)
- 作者: 虚淵玄,武内崇
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 2011/01/12
- メディア: 文庫
- 購入: 5人 クリック: 195回
- この商品を含むブログ (172件) を見る
- 7位「RD:潜脳調査室」:秋田節が遺憾なく発揮されている。登場人物全員に以下略。
- 作者: 秋田禎信,士郎正宗
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 2008/08/05
- メディア: 単行本
- 購入: 1人 クリック: 21回
- この商品を含むブログ (33件) を見る
- 6位「とわない。」:小豆梓がー好きだから―!
- 作者: さがら総,カントク
- 出版社/メーカー: メディアファクトリー
- 発売日: 2011/05/25
- メディア: 文庫
- 購入: 1人 クリック: 120回
- この商品を含むブログ (46件) を見る
- 5位「魔界探偵冥王星OのF」:冥王星Oくんの語りがジャスタウェイ!!
- 作者: 越前魔太郎,redjuice
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 2010/06/08
- メディア: 新書
- 購入: 3人 クリック: 38回
- この商品を含むブログ (25件) を見る
- 4位「折れた竜骨」:やっぱりよねぽは凄すぎる。ラストシーン花丸。
- 作者: 米澤穂信
- 出版社/メーカー: 東京創元社
- 発売日: 2010/11/27
- メディア: 単行本
- クリック: 71回
- この商品を含むブログ (91件) を見る
- 3位「マルスク」:事件屋時代のエピソードが、儚くて好き。
マルドゥック・フラグメンツ (ハヤカワ文庫 JA ウ 1-11)
- 作者: 冲方丁,寺田克也
- 出版社/メーカー: 早川書房
- 発売日: 2011/05/10
- メディア: 文庫
- 購入: 2人 クリック: 247回
- この商品を含むブログ (40件) を見る
- 2位「嘘つきみーくんと壊れたまーちゃん」:おわり。
嘘つきみーくんと壊れたまーちゃん10 終わりの終わりは始まり (電撃文庫)
- 作者: 入間人間,左
- 出版社/メーカー: アスキー・メディアワークス
- 発売日: 2011/01/06
- メディア: 文庫
- 購入: 4人 クリック: 232回
- この商品を含むブログ (42件) を見る
- 1位「魔術士オーフェンはぐれ旅:原大陸開戦」:はじまり。
魔術士オーフェンはぐれ旅 原大陸開戦【特製小冊子付き初回限定版】
- 作者: 秋田禎信,草河遊也
- 出版社/メーカー: ティー・オーエンタテインメント
- 発売日: 2011/11/25
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
- 購入: 5人 クリック: 245回
- この商品を含むブログ (23件) を見る
■[戯言][まとめ]年末年始なう。終わる2011年と始まる2012年。
【今年一年を一言でまとめるとだいたいこんな感じ】
「どうかな。俺は今まで厄介事ばっかりだったが……結構楽しかったよ」
「そう思えるお前は単に幸福なのだよ」
「そうかよ。そうだな……」
大変なことも沢山ありましたけど、それでもぼくは笑っています。「結構楽しかったよ」と言います。何度だって言えます。ありがとうございました。
* * *
【まんが・おぶ・じいやー】
『胎界主』の元旦の更新がものすごかったのが印象に残っています。一年の始まりから「ふざけてる! ふざけてるなコレは。まるで意味の無い 間違った行為かもしれん。だがな、無意味が怖くて、ギャグが出来るかぁぁぁ」の回だったんだぜ…?『結界師』が終わってしまいましたね。静かに、それでいて非常に深みのあるエンディングでした。連載再開したハンターハンターがとても面白かったです。蟻編もクライマックスを迎えた今ではとても良いと自信もって言えます。ったくー、早くやれよなー(偉そう)『ウォッチメン』と出会えたことは、私の人生の中でも非常に大きいことだと思います。それぐらいインパクトはあった。WEB漫画も沢山読みました。『ワンパンマン』がこんなに面白かったなんて。。どうしてもっと早くに読まなかったんだ!
* * *
【のべる・おぶ・じいやー】
『嘘つきみーくんと壊れたまーちゃん』が終わることで始まり、『魔術士オーフェンはぐれ旅』の新シリーズが始まったことで終わった年。と書くとものすごい年ですね、2011年。秋山瑞人が生きていた…じゃなくて、新作を出すことを発表したことも激震でした。まぁ細かい話はいずれ読書メーターまとめでやります。
* * *
【えいが・おぶ・じいやー】
今年は特に沢山の映画を観ましたねー。「好きな映画BEST30」なんてやっちゃいましたし、フォロワーの皆さんと映画談義が出来たのがよかったです。印象に残っているのは「南極料理人」「WATCHMEN」かなぁ。しかし、最高の思い出となったのは、『バック・トゥー・ザ・フューチャー』を映画館で観られたことです!ありがとう、午前十時の映画祭!!
* * *
【あにめ・おぶ・じいやー】
「タイガー&バニー」は毎週の楽しみでしたし、「魔法少女まどか☆マギカ」は歴史に名を残すと思うし大好きだし、「gdgd妖精s」がなかったら日常を戦っていけなかったと思うし、初ガンダムである「ガンダムユニコーン」には感動を覚えているんだけど、それよりなにより『日常』が良かったです。ゆっこ! ゆっこ! ゆっこぉおおおー! お前の笑顔を守るためなら、女神だって殺してやる。
2011年12月24日
■[漫画][★★★][桜坂洋][宮下未紀]『よくわかる現代魔法:漫画版』感想
- 作者: 宮下未紀,桜坂洋
- 出版社/メーカー: 集英社
- 発売日: 2009/05/01
- メディア: コミック
- 購入: 3人 クリック: 15回
- この商品を含むブログ (41件) を見る
- 作者: 宮下未紀,桜坂洋
- 出版社/メーカー: 集英社
- 発売日: 2009/11/04
- メディア: コミック
- 購入: 1人 クリック: 17回
- この商品を含むブログ (25件) を見る
あらすじ
プログラム化された現代の魔法が存在する世界。東京を舞台に、ドジな見習い魔法使い・森下こよみや、最強の現代魔法使い・姉原美鎖らがドジありドタバタありの物語が繰り広げられる。
同名小説のコミカライズ。桜坂洋はもっと売れてほしいなぁと思う小説家の一人。面白いのに、面白いのに!『よくわかる現代魔法』の面白さをここで語りだすと長くなる、ので……と投げようと思ったけど、「するといつまでも書かないのでは?」という恐怖がゾクリ。というわけで挑戦。あくまで本題はコミックの感想なので、こっちはちょろろっと。
その1。現代魔法の設定。本作品世界では、魔法使いはプログラミング言語を操り、コンピュータを通して魔法を使う。(一般的な魔法使いは古典魔法とされている)。まぁ「ぼくがかんがえたふしぎなまほう」が跋扈しているラノベ業界では、「魔法の設定が凝っている」ぐらいでは、アピールにならないかもしれない。それでも、読んで欲しいと思う。特にプログラミングに少しでも触ったことがある人に。一流のプログラマーはウィザード(魔法使い)と呼ばれている、とかは序の口。正直どんな頭してるんだろうってぐらいキーワードの一つ一つに凝られてて、新しい「隠し意味」を見つける度にうほほーーってなるわけ。
その2。キャラとストーリー。当たり前っちゃ、当たり前だけど。「他の作家では読ませてもらえらないもの」が、桜坂小説にはあるのだよ。ふぉっふぉっ。主要登場キャラのほとんどが少女だったりするので、「なんだ。萌えキャラ小説か」と思われる人も多いだろうけど、ちがう。その認識は、何かがちがう。ドジっ娘だとかツンデレお嬢さまだとかクール委員長だとか、そんな風にカテコライズされる少女キャラたちなんだけど、それじゃあもったいないと思う。
その3。その他。「出来ることと出来ないことがはっきりしている世界のバトルは面白い」の法則!(長い)現代魔法使いが敵の前に現れたとき、すでに戦いは決している。とか熱いよね。「世界たらい化計画」とか、小ネタも面白い。この作品の悪口を言うなら、なんでや、なんで続きが出ないんや!ってところだけ。
好きなキャラは誰だろう。自分の実力とおじいちゃんの孫ということを誇りにしていて、暴走しがちだけど、誰より友だち思いの弓子か。それとも、何考えてんだかよく分からないけど、楽しんでいることはよく伝わる、実は熱いたましいを見せるクール委員長・嘉穂ちゃんか。やっぱり、「ふえーん」とか言っちゃうドジっ娘でありながら、やると決めたことはやる女の子・こよみかな。こよみの「一番難しくて、一番幸せな終わりを笑いながらなんとか実現しちゃう」パワーは、巻を重なるごとに魅力に映った私でした。(急に敬語?)
* * *
で、ここから漫画版の感想。面白い! 桜坂洋センセは脚本にタッチしていないらしく、話は原作のイラスト担当の人が考えたらしいけど、よくぞここまで。原作にあったエピソードを大胆にバラバラに描いていたり、視点キャラを変えてみたり、ドタバタ劇を描いてみたり。やりたい放題で楽しい。原作とはちがってシリアスなバトル展開にならないのもあってか、キャラの掛け合いが可愛くなっている気がする。登場人物のボケ度が上がってるとも言う!
嘉穂ちゃんに魔法バレする話とか、原作よりも良くなっているよ。嘉穂ちゃんのこよみ好きっぷりがよく伝わった! らぶ。「5分で魔法を信じたこよみ」と「幼いころから魔法の存在を感じつつも、常識があるから信じ切れない自分」を比べてしまう、とかなるほどなぁー。嘉穂ちゃんは、いつも4人組の中でも一歩引いているところがあるから、スポットライトが当たる度におっそろしく光りだす原石やでぇ!(興奮)
* * *
あと、終盤の「美鎖の魔法アイテムでドタバタが引き起こされる」系の話が続くんですけど、すっごい完成度だと思うのは私だけ? 起承転結をしっかりやりつつ、キャラの魅力にニヤニヤして、現代魔法の設定を上手く使って、最後はしっかりオトす。コメディ漫画として花丸だと思った。体重計の話とか、どうしてこうなった!?って風に転がっていくから、すごく楽しいなぁ。「パンツはいてない」だけで一話やるとか、作者ノリノリすぎる。笑
「剣と化せ 我がコード!!」
2011年12月23日
■[漫画][★★★★][川口幸範]『フープメン(2)』感想/ぼくたちはぼくたちのままでヒーローになれる
- 作者: 川口幸範
- 出版社/メーカー: 集英社
- 発売日: 2009/09/04
- メディア: コミック
- 購入: 2人 クリック: 6回
- この商品を含むブログ (7件) を見る
あらすじ
入学して早3ヶ月が過ぎた夏のある日、凡人の佐藤雄歩は学校のアイドルにバスケ部へスカウトされる。「救世主」と言われ、乗り気で入部しようとするが…。
ぼくたちはぼくたちのままでもヒーローになれる、という物語。かもしれない。(c.f.『道士郎でござる』の健助殿)
「英語が喋れる」=「コミュニケーション」が取れるというわけでは、全然ないんだけど、それでもやっぱり凄いよね。ダラダラした態度とナメた口を利く佐藤くん(仮)=かつてのだらけきった自分をドリブル(練習してたやつだね!)で抜いて、その後に「バスケ楽しいっスよ」って返すところとか、最高すぎる……
ユーホがバスケットにはまっていく過程をじっくりコトコト描いているのが、良いなぁと思うのです。試合の勝ち負けとかじゃなくて。ユーホにとって高校バスケは、部活でしかないんだろうけど、それがいい。ユーホは「全力で取り組むべき楽しいもの」に出会って、そこで自分の武器を見つけて、それを磨いて、そして「ユーホなり」に活躍出来た。あの時、確かに「神様」を超えた。超カッコよかった。
しかし、「心の栄養」かー…。言われてみれば確かに大事かもしれない。この監督、本当にテキトーなことばっかり言っている感じなんだけど、それでも長く生きてる「大人」なんだなぁ。「別に名監督でもなんでもない大人」ってのはリアルでちょっと笑ってしまう。笑
2011年12月10日
■[ライトノベル][★][佐島勤]『魔法科高校の劣等生』〜入学編〜
- 作者: 佐島勤,石田可奈
- 出版社/メーカー: アスキーメディアワークス
- 発売日: 2011/07/08
- メディア: 文庫
- 購入: 9人 クリック: 273回
- この商品を含むブログ (76件) を見る
- 作者: 佐島勤,石田可奈
- 出版社/メーカー: アスキー・メディアワークス
- 発売日: 2011/08/10
- メディア: 文庫
- 購入: 2人 クリック: 245回
- この商品を含むブログ (60件) を見る
あらすじ
魔法。それが伝説や御伽噺の産物ではなく、現実の技術となってから一世紀が経とうとしていた。そして、春。今年も新入生の季節が訪れた。国立魔法大学付属第一高校―通称『魔法科高校』は、成績が優秀な『一科生』と、その一科生の補欠『二科生』で構成され、彼らはそれぞれ『花冠』(ウィード)、『雑草』(ブルーム)と呼ばれていた。そんな魔法学校に、一組の血の繋がった兄妹が入学する。兄は、ある欠陥を抱える劣等生(ウイード)。妹は、全てが完全無欠な優等生(ウイード)。どこか達観したような面持ちを見せる劣等生の兄と、彼に肉親以上の想いを寄せる優等生の妹。二人がこのエリート校の門をくぐったときから、平穏だった学びの園で、波乱の日々が幕開いた。
ヒャッハー! 久しぶりに「この主人公腹が立つなぁ(`・ω・´)」って全力で思える作品に出会ってしまった。世界観は面白いと思いました。いや作者の説明の仕方が面白いのかな。個人の才能に依る部分も多いけど技術体系としての「魔法」がある、というのはよく分かりました。新キャラがわんさか出ても、キャラ立ても上手いし、すぐに覚えられました。みんな良い子だと思うよ。ただ、たださ、主人公だけは受け入れがたかったぁーーー!!
「能ある鷹は爪を隠す」の連発しすぎで胃もたれというか、「成績不振のあいつがどうしてこんなに強い!?」という驚きは三回目くらいか感じなくなっちゃったなぁ。学校史上最高クラスの座学の成績、忍者の体術、魔法デバイスの取扱方、新魔法の開発、学校最強クラスの先輩を次々に倒す、、えとせとら。主人公の凄さアピールをここまで徹底されてなお「主人公=劣等生」とか言われても、うん、ないよ。生徒会長とか同級生とか、沢山の実力者に認められているので、「本当は凄いのに社会に認められなくてかわいそー」とは、とてもじゃないけど思えない。というか、有体に言って、ここまで凄い人が、時折思い出したように「普通の魔法が下手くそ」なことに劣等感を感じられても、そりゃあねーよ!とか思ってしまう。
なにより、主人公の性格にボボボボーーーって鳥肌。いちいち話してる相手を馬鹿にしないと呼吸も出来ないのか! そりゃあなんだか壮絶な過去があるっぽい主人公に比べたら、誰も彼も幼稚に見えてしまうかもしれない。実際は、主人公の方が「強者」だろう。だけど、あんな風にいちいち「器を計る」ように見られたくないなぁ。
■[漫画][★★★][大今良時][冲方丁]『マルドゥック・スクランブル(1)〜(3)』マンガ版の感想/天使のような悪魔の笑顔
- 作者: 大今良時,冲方丁
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 2010/03/17
- メディア: コミック
- 購入: 2人 クリック: 113回
- この商品を含むブログ (43件) を見る
あらすじ
「なんで私なの?」
身寄りのない少女・バロットは、救いの手を差し伸べたはずの男・シェルに突然殺されかける! 瀕死の状態から目覚めると、その身には金属繊維の人工皮膚と、あらゆる電子機器を操る力が与えられていた。ネズミ型万能兵器・ウフコックの力を借りて、答えを探し求めるバロットの闘いが、今、始まる!!
同名小説のコミカライズ。うぶちんアクションが上手く描かれており、いい漫画だと思う。単にアクション絵が描けるだけでない。私が凄いなぁと思うのは、マルドゥック・スクランブルのストーリーを「再構築」している脚本力。マルドゥック・スクランブルってこんな話だったんだーと「漫画的に分かりやすい」。
具体的に言うと、バロットVS畜産業者。この戦いの中で、バロットは「奪う側の楽しさ」を見出して、笑う。笑いながら殺す。ここで、原作にはなかった畜産業者の回想がはさまれることで、非常に大きな効果を発揮している。つまり、畜産業者にも悲惨な過去があり、元は人間だったことだ。無辜の親子を惨殺してモンスター性をアピールした登場を果たす畜産業者だが、バロットを相対することで関係は逆転している。
他の漫画だったら、ここは「逆襲を果たす爽快感」を感じているかもしれない。が、ここはマルドゥック・シティー。畜産業者を楽しみながら殺すバロットの笑顔に、読者はこのエピソードが何を意味しているかをダイレクトに理解できる。すなはち、「ウフコックの濫用」「新しい怪物の誕生」という主人公の暴走の意味を。
この作品世界に登場する悪役は、モンスターのように描かれる。が、実際はそんな「生まれつきの怪物」はいない。「マルドゥック・ヴェロシティ」に登場する悪役たち=カトルカールもそうだけど、彼らも元々は人間なのだ。畜産業者の過去エピソードを描いたのは難しい判断だったと思うけど、作者の狙いは「泣ける話」に仕立て上げようとかではない、と感じた。もっと凄い、原作である「マルドゥック・スクランブル」「マルドゥック・ヴェロシティ」の両方を飲み込んだ何かを産もうとしている。そんな感じ。
やっぱり、バロットとウフコックの交流はいいなぁ。ていうか、ウフコックがいい。くぅ! 正直、バロットって「周りから愛され過ぎている」という印象があって苦手だったんだけど、漫画版を読んでから評価変わりそう。ウフコックを濫用した後のバロットに、ドクターが辛辣な言葉をかけたところは、グッド改変! 良いバランスになったと思う。
しかしバロットVS畜産業者は凄いなぁ。バロットTSUEEEEで悪を懲らしめる楽しさを描き、バロットの百万ドルの笑顔、ボイルド戦で「落とす」ための布石。と二重三重の仕掛けをしている。描き難いであろう電子戦の妙も、わかりやすいし。「これは凄い」というのが漫画となって新しい一面を引き出された本作への感想。
「貴方のパートナーになりたいの」
■[漫画][★★★][尾田栄一郎]『ワンピース(49)』感想/スリラーバーク編クライマックス間近!
- 作者: 尾田栄一郎
- 出版社/メーカー: 集英社
- 発売日: 2008/03/04
- メディア: コミック
- 購入: 3人 クリック: 51回
- この商品を含むブログ (118件) を見る
あらすじ
夜明けが迫り、影奪回のリミットが近づく。そんな中、モリアはオーズの腹に収まり、益々手に負えない状態に! だが、劣勢の一味の前に変身したルフィが現れ!? “ひとつなぎの大秘宝”を巡る海洋冒険ロマン!!
ぼくが大好きなVSモリア編。ルフィの影が入ったゾンビ=オーズに、麦わらの一味が総力で挑む! というのが熱い。一味全員の必殺技をくり出してオーズ撃破→そのまま全力モリア戦へ、という流れも、「ゲームのラスボス」っぽくて素敵。
- 「仲間なんて、生きてるから失うんだ!」なんて哀しい台詞、失った痛みを知らなきゃあ言えませんよ。
- 普段は「部下」と言うのに、ここだけ「仲間」ってのがまた哀しい。
- だ〜〜いぶ前から「あのモリアさんは、未来のルフィの可能性でしょう」と言ってきた
(2010年7月の漫画感想より)
モリアさんの最後の台詞は、「負け犬の遠吠え」とは思えない何かがあるよなぁ。と言っていたけど、今から思えば、第一部ラストで「俺は弱い!!」とルフィに言わせるための布石だったのかなーって思います。もしくは「モリアを倒したぐらいで油断すんなよ」ていう作者からのメッセージか。いや、後者はやっぱりないかな。
単純にバトルバトルしているだけじゃなくて、新たな七武海・くまが登場してきたり、「おいおいどうなるんだこれ!」感が、っべー! マジで、っべーっす!
■[漫画][★★★][東谷文仁]黒い笑いを引き起こすギャグ漫画『黒いラブレター(8)』の感想ではない何か
- 作者: 東谷文仁
- 出版社/メーカー: 集英社
- 発売日: 2007/08/03
- メディア: コミック
- クリック: 5回
- この商品を含むブログ (4件) を見る
あらすじ
決着したかに思えた魔界編にまさかの続きが!? 猫耳ジョランポの姉が生徒会のあの猛者達を葬りに襲来!! どうなる生徒会!! どうなるインモー!! 漫画界に爽やかな黒い笑いをふりまいた黒ラブもまさかの完結!!
知っている人は知っているギャグマンガ。台詞まわしとか絵のインパクトとかキャラのテンションの高さとかがツボ。つまり全部だった。感想を書くために最終巻を読み返したんだけど、初っ端からあられもないレベルで笑ってしまって感想書けません。言語化できない。むしろキーボード壊してその写真を感想の代わりにしたい。
「汚れを知らない純真な目でサンタを信じるオッサンの願いごと」とか「心臓を貫かれても生きてるジョージ」とか「小笠原さんって誰だよ!」とか「変態と書いてホンモノと読む」とかの面白さを伝えるには、ダメだ…俺の脳みそが足りなすぎる……オレ…ワ…ムリョクダ……
(この作者って今なにしてるんだろうなー)
「オレのチンコガードが泣いてるぜ!!」
■[漫画][★★][金田一蓮十郎]『ライアー×ライアー(1)(2)』/いつもとちょっと違う金田一蓮十郎?
- 作者: 金田一蓮十郎
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 2010/11/25
- メディア: コミック
- 購入: 2人 クリック: 39回
- この商品を含むブログ (43件) を見る
あらすじ
ある日、ノリで友達の高校時代の制服を借りて街に出た湊はそこで義理の弟・透と遭遇してしまう!! 別人だと言い張る湊を信じた透だけど、透はその「女子高生姿」のほうの自分に惚れてしまったみたいで…!!? 世にも奇妙なラブストーリー開幕!
『ジャングルはいつもハレのちグゥ』でお馴染みの金田一蓮十郎センセの作品。なんだかんだでほぼ全作品を読破している私は、芯からこの作者のことが好きなんだなぁ。(『ニコイチ』『アストロベリー』『ミリオンのスペル』『チキンパーティー』)。どこが好きかと問われれば、こう、「超えちゃいけない線を踏み越えちゃったら笑うしかナイよね」みたいなところです(分かりづらい)。
その点、これは蓮十郎作品の中では大人しめの作品ですね。潔癖症の女子大学生の主人公が、ひょんなことから変装した状態で、義理の弟くんと恋人関係を続けなくちゃいけなくなり。普段(変装していない素の状態)は、義弟くんとの関係は険悪なふたり。女関係というか下半身がだらしない義弟くん、しかし、主人公(変装状態)には本気の本気で恋愛しているので、「誰じゃこいつ!?」と主人公の方が戸惑ってしまう…という話。
初めは変装(女子高生の制服)をしていたのがバレたくなくて、という見栄から始まったのに気がつけばズルズルと嘘を重ねていき、ドツボにハマっていくところが面白いな。冷静に見ると「すごく悪い女」の図なんだけど、読者はそんなこと意識せずに笑えてしまうのは、「流石、金田一蓮十郎!!」とスタンディングオベーションしたいところ。『ハレグゥ』とかも相当ヘビィな設定だけどそんな空気ないんだよなぁ。
義弟くんの家の内と外で全然ちがう顔を見せるのが、腹立たしいというより、「ほぉ…そんな顔できるんだ……」ってなれるのが甘酸っぱい。でもね。私がこの作品を読む一番の理由はそんなスイートなものじゃないの。読む人にはバレバレだろうけど、この血のつながっていない姉弟の設定、『ニコイチ』のアレとまんまやないかぁーーーー!!!ってことなの。えっ、えっ、つまり、こっちの義弟くんもそーゆうことなの!? だから「変装した姉(義弟くん視点では姉そっくりの女の子)」にめちゃ惚れなの!? そう考えると、タイトルの「ライアー×ライアー」も頷けるよね、今のままだと嘘つきは姉ひとりだけだけどって……ウヒャアアアアーーーー!!
edogein
2012/01/02 01:03
東谷先生は「月刊北國アクタス」(地方ローカル誌)で「恋と成」を連載中だそうです


