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2007-03-02

[]オタクのグルメ オタクのグルメを含むブックマーク オタクのグルメのブックマークコメント

「モノを食べる時はね

誰にも邪魔されず

自由で なんというか

救われてなきゃあ

ダメなんだ

独りで静かで

豊かで…」

(井の頭五郎 久住昌之谷口ジロー孤独のグルメ」)

オタクファッション」というものが語られることは良くありますが、「オタクと食」というものが語られることは見かけません。

それはオタク食べ物の関わりが薄いというイメージによるものだと思いますが、オタクも意外と食い物の話にはうるさいと思います。

そして、オタクのことを考える上では、意外に食というのは面白いテーマだと思います。


服装ほどにはとやかく言われないオタクの食生活。

一つには、食事の場面が外見と違ってパッと見てもわからん、という理由があるでしょう。その他の特徴に比べてそれほど目につかないので、意識すらできないわけです。

たとえ意識されても「オタク=偏食家で食生活が超貧弱」というイメージで語られがちです。

例えばウィキペディア曰く

(「脱オタク」の文中、オタクイメージについての話で)…あるいは、話題面で自分の関心のある分野でしか話をしない・できないといった面や、その趣味嗜好に生活費までもを費やしている結果、「変に低いエンゲル係数」と呼ばれるような、非自炊の貧食・偏食(→ジャンクフードなど)傾向が取り沙汰されている。

<http://ja.wikipedia.org/wiki/%E8%84%B1%E3%82%AA%E3%82%BF%E3%82%AF>

とか。

オタクは本やゲームを買ったり、コミケなどのイベントに行くために、支出を減らそうと色々と節約しますが、まず食費を削りがちです。

特に貧乏な若いオタクなどは、衣服と食事くらいしか削りようが無かったりするので、結果として「オタク=服装に全く気を使わない」というイメージと同じように「オタク=食生活が貧弱」というイメージを生み出してしまいます。

一方で小太りな人も多いことから「偏食家」というイメージが作られているのでしょう。

この「オタク=ダメダメな食生活」というイメージは強く、オタクと食について語ることを難しくします。

オタクダメダメな食生活をおくっている」というイメージは、「オタクとは食い物に関心が無い連中」と連想させます。そこから「食べ物に関心のあるオタク」は、ほんの一部の「グルメオタク」や「健康オタク」に過ぎないのだ、というイメージも生まれます。

そうすると、オタク食べ物の話をしようとしても「オタクは食い物に関心の無いもの」としてしか語られず、それ以外の内容だと「それはグルメオタクの話だろ?本当のオタクは食費を削ってグッズを買うんだから、食い物がどうこう言うオタクは、本当のアニオタとかゲーオタじゃないよ」という風になります。


誰もがそう考えているわけではないでしょうが、「食べ物」と「オタク」というと、「ナムコ」と「餃子」くらい結びつかないような印象はあるのではないでしょうか。


しかし、実際はこうしたイメージに反して、多くのオタク食べ物に強い関心やこだわりがあるのではないでしょうか。確かにオタクの中には食費を削ってグッズを買ってる人は多いですが、ネットを見てみると、意外に多くのオタクが、食費に金をつぎ込み、自分なりのこだわりをもっているようです。


多くのオタクサイトでは、普段はあのラノベ買ってこのアニメ見てという話がメインになっていますが、時に「どこそこの店でこういう飯を食った」という話が取り上げられます。

例えば、オタクサイト東の雄である「GF団」のK(仮称)さんは、大体1・2週間に一回くらいの割合で飯屋や食い物の話題が書かれます。孤独のグルメ舞台になったお店に行かれたり、色々なお店を巡られてるようです。

や、一旦デブメニューを食したらその日はその勢いでデブ関連で統一するのが粋と艶。

デブメニューを頼んだからあとはカロリー控えめってのはちょいと雄らしくないので。

ただ、後に待ち受けるは軽い後悔と胸焼けですが。

案の定、チョコレートドリンクの後は胸焼け一直線でしたが。

一息になってねえ。

(K(仮称) 「GF団」)<http://members.jcom.home.ne.jp/vampirdzhija/2007-1.html#070114

などなど、食事に対するメタボリックなこだわりが伺えます。

同じくオタクサイト北の雄である「好き好き大好きっ」のYU-SHOWさんも、今年に入ってからはあまり食べ物の話題もありませんが、去年は「スープカレー」の話題が結構出てきました。

ここの日記ではあまり書いたことありませんが、最近俺周辺では、ものすごい勢いでスープカレーがブームであり、ことあるごとに札幌の有名店を渡り歩いていたりします。そのうち、たびさんのトルコライスネタに対抗して、なんか書いてみたい気分。

(yu-show 「好き好き大好きっ」) <http://www.ne.jp/asahi/yu-show/sukisuki/200601a.htm>

その「変人窟」のたびさんも、トルコライスを中心に、旅行した先々での食べ物の話とかを良くされています。さらには「長崎うまかもんマップ」なるものまで作るほどで、けっこうな情熱食べ物に注いでると感じます。

中京にもオタクが大勢おりますが、彼らの口の端に良く登るのは、なんと言っても「喫茶マウンテン」の話題。「DAIさん帝国」や「ゴルゴ31」などの中京の方々のアピールで何度も話題になり、今では遠方のオタクの中からも、マウンテン登頂を目指すものが後を絶ちません。今は休業中だそうですが。

もうちょいと著名なところで言うと、「たけくまメモ」の竹熊健太郎先生は、カレー屋「アサノ」への情熱あふれる記事を書かれてます。

断っておきますが、俺はグルメではないんですよ。メシなんてガソリンみたいなもので、腹を満たせればいい、味がついてりゃいいってなもので。逆にいえば、こういう味オンチにも「うまいとはこういうことか」と思わせる説得力がこの店のカレーにはあります。

(竹熊健太郎 「たけくまメモ」<http://takekuma.cocolog-nifty.com/blog/2005/04/post_3.html>)

確かにオタクには「メシなんて食えりゃ良い」的な考えの人も多いですが、逆にそういう人ほど、旨いものを食べたときに素直に感動して、そこにハマるような気もします。

また本田透さんの「しろはた」では、最近はもっぱらアニメゲームラノベの話題ばかりですが、過去ログを色々見てみますと、割としょっちゅう何かしら食べ物の話題で盛り上がっています。電波男以前は、しろはたと言えばエヴァ野球カレー(あと焼きそば?)という印象を持たれていた方も多いのではないでしょうか。

って気がつくとこんなことが書いてあった。

 いやこんなこと言ってる間に原稿書かないといけないんですけどね。仕事が詰まってくると、もうれつに違うことやりたくなりませんか。∩( ・ω・)∩ 例えばこのWebサイトカレーサイトに大改造するとか!∩( ・ω・)∩

本田透 「しろはた」<http://ya.sakura.ne.jp/~otsukimi/index.html>)

いいなあ、久々にカレーレビュー見てみたいなあ…本田さんは自分を偏食家と言いますが、逆に偏食家だからか、食に対する好みやこだわりの強さが感じられます。

少々話がずれました。

他にも、オタクたちは時として食事についてポロポロと語ります。

唐沢俊一オタクの仰臥漫録がごとくブログに日々の食事を記していますし、「魂食」なんて本も出しています*1。どの本かは失念しましたが、大久保韓国料理屋で旨い犬鍋料理が食えるとかいう文章も書いてました。

荒俣宏も昔「太陽」で「荒俣宏会社メシ」とかいうコラムを書いてましたし。荒俣先生普通の食事の代わりに、平凡社の人が差し入れするお菓子主食になってるとかいう内容でしたが。他にも、以前テレビツナ缶かなんかの貴重な缶詰が旨いとか力説していました。この辺は記憶あいまいなのですが。サバ缶かな?

オタキングプチクリ日記とか見てても結構良い物食ってるなあと思いますし、

 しかし、料理にも裏街道はあるだろう。だいたい、「美味しい」というのが本当にそんなに大事な要素だろうか?もし、そんなに味が大事なら、なぜ21世紀の今になって我々は、レトルトカレーやカップラーメン牛丼を求めているのだろう?グルメ評論家のご高説を読んだときに感じる、一種の胡散臭さはどう表現したらいいのだ?

 食とは、本質的に暗いものだと思う。大人数で食べる食事、親密な二人で食べる食事、一人で気楽に食べる食事、家族で食べる食事。それぞれ、おのずと要求されるものが違う。

http://www.netcity.or.jp/OTAKU/okada/nikki/o2003/o0304a.html

こういう文を書くあたり、オタキングもまた食に対し、それなりのこだわりを持っているのが垣間見えます。

他にもネットをちょいと見回ると、オタクは食を語ることが意外に多いことに気がつきます。

オタク系のブログでは「ウィキペディア卵かけご飯の項目が凄い」「あのアニメ料理を再現したサイト発見」「やたら凝ったキャラクター弁当を作ってるブログ」といったトピックがよく注目されます。

取り上げられるほど大きなネタでなくとも、「この間××ブログの○○さんとあそこの店に食いに行った」とか「金がない時はこういうものを買ってこういう工夫をすることで腹を満たす」みたいな話を、ネット上でオタクはよくします。こういう話はブログよりもmixiとかの方が見かけやすいかも知れません。

人口の多くがオタクと思われる2ch虹裏のような掲示板でも、食べ物についての話題は頻出です。一世を風靡した吉野家ネタで、一番盛り上がったのはオタクたちでしょう。僕の周りにも吉野家オフだかで吉野家に食いに行くオタクは何人かいました。

一つ一つの事例を紹介することは面倒なんでしませんが、そういえばあのオタクサイトでもそんな話題があったという覚えのある方もいらっしゃるのではないでしょうか。



しかし、色々と例を挙げてはきましたが、「これは偶々例に挙げたオタクたちが食い物にこだわってただけで、一概にオタクがそうとは言えないだろ」というツッコミがあるかなと思います。

確かにそうなのですが、一方で、こうした事から「オタクは食生活が貧弱」「オタクは食い物に関心が無い」と一概に言えないのも確かです。


なにせオタクと食という話題は今まであまりにも軽視されてきたので、オタクの食生活に関するデータがほぼ無いに等しいので、こうだとは断言できません。しかし調べてみると結構面白そうなことも多く、オタクを考える上でも参考になりそうに思います。


例えば、秋葉原飲食店メイド喫茶でなく)の数はここ数年でやたら急増していますが、飲食店にもオタクの食に対する嗜好のあり方が出ているように思います。

十年一昔前は孤独のグルメでも

この街には"食欲"というものが欠乏している気がする

(井の頭五郎 久住昌之谷口ジロー孤独のグルメ」)

などと言われるくらいだったのに、気がつくとそこかしこに飲食店が立ち並んでいる有様の秋葉原

一方でアキバ・イチみたいなのは傾いてきているという話もあります。

「こんなにメシ屋が出来てるのは、アキバを乗っ取ろうとする一般人の陰謀なんだよスカリー」と力説してくる知人がいるのですが、実際は乗っ取られるどころか、オタクが食いに行かないような店は淘汰され、オタク好みの店が生き残りを競う有様になっていると思います。

逆に、オタク好みの飲食店というのが、秋葉原を見てると良く分かります。マック吉野家などのファーストフードはどこも割合混んでますし、ラーメンや立ち食いそばなどの麺類の店はどこも盛況です。ドネルケバブにはT-ZONEツクモの袋を提げた人がよく並んでますし、カレー屋なんかもオタクには人気です。神田の方にちょっと行くと「仮面ライダー響鬼」のロケで使われた有名な甘味処がありますが、そこに行くと必ず一名は自分以外のオタクがいたりします。

こうしたところを見ていくと、オタクがどういう食事を好むのかというのが割り出せるでしょう。

薄味で量が少なめのものよりも、カレーとかラーメンとか肉料理とか、味が濃くて量の多い、労働者のような嗜好がオタク全般にあるように思います。

というか皆カレー大好きです。頭にスイカ乗っけた漫画家カレーが好きですし、「オタク」と「カレー」は何かの因縁があるのかもしれません。

…とまあ色々と話は膨らませそうなのですが、こうした秋葉原食文化に言及している人は少なく、森永卓郎先生が缶おでんをちょいと語っている程度です。


オタク」と「食」というテーマはあまり語られない話題です。

ですが、「ファッション」がオタク価値観の反映として語られるのに、「食べ物」がそういう文脈で語られないのもどうかと思います。

服は割と適当に買って着るオタクも多いでしょうが、食生活は服装以上に主体的な選択がされますから、オタク価値観をより反映しているものではないでしょうか。

実際、オタク普通の人たちとはまたちょっと違う方向で食事に凝ってるようにも思えます。


ということでまた長くなりましたが、今回は「食い物の話もオタクの話の中でしてもええやん」という提案でした。

*1:って言っても監修ですが

GUNGNIRGUNGNIR 2007/03/04 10:21 空腹を満たすよりも心の穴を埋めたくて食いまくる事もあったり。
喪失感・孤独を食う事で満たせるわけもないのですがね。
精神的飢餓感ってヤツなんですかね?

p_shirokumap_shirokuma 2007/03/04 12:47 絶版になってて、しかも私自身(愚かにも)捨ててしまったんですが、別冊宝島の「おたくの本」に、それに類する話って載ってなかったでしたっけ?

 それは置いといて、実はオタクが格好良いと思うファッションや、オタクが素敵だと思う異性の兆候や、とオタクの食に関する偏倚には、ある種の共通性がみられるような気がするんです。いかがでしょう、何か「ピン」と来るものありぁせんか?

derorinmanderorinman 2007/03/05 11:04 >GUNGNIRさん
どもです。
>空腹を満たすよりも心の穴を埋めたくて食いまくる事もあったり。
ストレスから来る大食、ということですかね。
摂食障害的な話ですと、門外漢なのでなんとも言えないです…ごめんなさい。
ただ、言い古されたことではありますが、食事と心は密接に結びついてるとは思います。
ものの本によると、幸福感を生み出すセロトニンという物質は、それを分泌するために必要なトリプトファンという物質を外部から摂取しなければならないので、食生活により脳内の含有量が変わって不足すると鬱になりやすいとかなんとか。

>喪失感・孤独を食う事で満たせるわけもないのですがね。
だから心がまいってる時に食事で気を紛らわそうとするのも理にかなってはいますし、
ストレスを和らげるための食事も、適切な量や種類を守れば有効なんでしょう。

>p_shirokumaさん
どもです。
>別冊宝島の「おたくの本」に、それに類する話って載ってなかったでしたっけ?
ええっ、そうでした!?
以前文庫版が出たときに人が持ってたのをちょこっと見せてもらったことはあるのですが、殆んど覚えてません…
ということで実は読んだことないも同然なのですが、なんとか探して読んでみます。

>実はオタクが格好良いと思うファッションや、オタクが素敵だと思う異性の兆候や、とオタクの食に関する偏倚には、ある種の共通性がみられるような気がするんです。いかがでしょう、何か「ピン」と来るものありぁせんか?
うーん、言わんとされることは、なんとなく分かるような気がします。
マイノリティ志向というか、落ち着いた系統の色でシックな服装を好むセンスというか、「俺だけは他のチャラチャラした連中と違って一見地味で堅物な彼女のよさを分かってるぜ」的な発想というか、「下町の裏通りの小汚い店にも上手い飯屋が隠れていそうだ」的心性というか、「おせちも良いけどカレーもね」というか…上手く言えませんが、そういうものですかね。
今のはちょっと茶化すような言い方でしたが、それは「省みられにくいものを肯定できる(素質がある)」と捉えられるものだと思います。

オズマオズマ 2007/03/05 11:05 元ネタがどう見ても虹裏な件について

derorinmanderorinman 2007/03/06 01:08 >オズマさん
どもです。
ええ、実はネタの発想をする時に、結構虹裏を参考にさせてもらってます。
といっても、あくまでアイディア段階(今回だと、そういえばメシの話が普通に盛り上がってるな、とか)の話で、具体的な内容のコピペ(そのスレの議題・内容そのまんま)はせず、自分の話になるようしてるつもりです。
2chとか他のブログとかからも、同程度のレベルでは、ネタの参考にさせてもらってます。
ただ、ああいうコミュニティなだけに、何か気に障ることがあったかもしれません。申し訳ありません。

metanestmetanest 2007/03/13 19:27 http://www.ascii.co.jp/books/books/detail/4-7561-1638-8.shtml
そーいや、こんな本が(私は未入手につき未読なのですが)
名編集長遠藤さんが中の人な、ホーテンス・S・エンドウさんも結構、食について語ってるですね
手元にあるんで「おたくの本」見てみました。別冊宝島な奴で、p.173 、脱オタ話の直前にちょこっと

derorinmanderorinman 2007/03/15 16:07 >metanestさん
どもです。
ホント遅い返事で申し訳ないです…(’A`)
>そーいや、こんな本が(私は未入手につき未読なのですが)
おお、プログラマ関係のほうには疎いので初めて知りましたが、その本も「近代プログラマの夕」も読みたくなる内容ですね。手に入れるのが難しそうですが…
別に美食家のオタクがどうこうって話でなく、「オタクも食事を楽しんでいる」っつう話なんで、こういう本を参考にしてもう一度なんか書いてみたいです。

>手元にあるんで「おたくの本」見てみました。別冊宝島な奴で、p.173 、脱オタ話の直前にちょこっと
触れる程度の話題だったんですかね。
それにしても言及してるのが昔の本ばっかりで、最近の本だとなかなか食事の話題もないもんですかね。

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