デスクトップ鉄の雑記帳

2009-01-18

[]ラッチ外乗継時の乗継割引と時間制限 11:22

1月8日の記事に、西武沿線さんから「小竹向原PASMOを使用してラッチ外で乗り継いだところ乗継割引が適用されなかった」とのコメントをいただいた。これに関連して、Wikipediaに気になる記事を見つけた。

首都圏ICカード相互利用サービスに、

乗り継ぎ割引

適用される。ただし、重複する場合は最も割引額の大きい方のみの適用となる。また、改札を通る必要のない駅で改札を出場した場合、改札出場後30分以上経過した場合には適用されない。

とある。下線部は、まさにコメントどおりである。あわててPASMO約款を読み返してみた。しかしICカード乗車券取扱規則(鉄道)にそのような規定はなかった。乗継割引は、第14条第4項に、

IC鉄道事業者が規定する旅客運賃に割引を適用する区間を乗車する場合は、出場時に当該区間の片道普通旅客運賃相当額から割引額を減じた額を減額する。ただし、同一IC鉄道事業者の割引適用区間が重複する場合にあっては、次の各号に定めるとおりとする。

(1)割引額が異なる場合には、旅客運賃が低廉となる割引を適用する。

(2)割引額が同一の場合には、乗車経路において最初に発生する割引を適用する。

と定められ、「改札を通る必要のない駅で改札を出場した場合、適用されない」との規定はない。Wikipediaは、規則に基づいてではなく、実際の取扱を書いていると思われる。

一方、30分乗継制限はPASMO規則に存在する。第15条第5号

乗継駅*1及び乗換駅*2では、出場から再入場までの時間が30分を超えた場合、乗継及び乗換の取扱いをしない。

である。PASMO約款は、標準的なものを掲載しており、取扱いは、各事業者が定める「ICカード乗車券取扱規則」によるとのことだが、東京都地下高速電車ICカード乗車券取扱規程の条文も同じである。少なくともICカード乗車券を使用する場合、30分ルールが存在することが明らかになった。しかし前回書いたように、普通乗車券を使用するとき適用される東京都地下高速電車旅客営業規程東京都地下高速電車連絡運輸規程のいずれにも、30分ルールは書かれていない。

大阪市営地下鉄神戸市営地下鉄及び福岡市営地下鉄にもラッチ外乗換駅が存在する。すべて、磁気式の普通乗車券に適用される規則に乗換時間制限が規定されていた。

大阪市高速鉄道及び中量軌道乗車料条例施行規程(大阪市例規集

(乗継駅の取扱い)

第39条の2 前条のキロ程の計算にあたつては、梅田東梅田及び西梅田の各駅を相互に乗継駅として取扱い、乗り継ぎ前後のキロ程を通算する。

(乗継駅での乗継)

第58条の2 第57条の規定にかかわらず、乗客は、第39条の2に定める乗継駅において、相互に乗り継ぐことができる。ただし、普通券又は回数券を所持する乗客が、乗継駅相互間の乗り継ぎに要する時間が30分を超えた場合は、当該乗継駅で乗り継ぐことができない。(第2項以下略)

神戸市高速鉄道乗車料条例施行規程(第8条第7項)

三宮駅と三宮・花時計前駅との乗継及び新長田駅での乗継を改札を出場して行う場合は,改札を出場してから改札内に入場するまでの時間がそれぞれ90分以内でなければならない。*3

福岡市高速鉄道乗車料金等条例施行規程(第42条第6項)

乗車券(定期券及び1日券を除く。)は,券面表示区間内の途中の駅で下車して出場したときは,前途無効とする。ただし,乗継ぎ(天神駅及び天神南駅の一方の駅で改札を受けて出場してから2時間以内に他方の駅で改札を受けて入場する場合をいう。以下同じ。)を行う場合は,この限りでない。

これまでのところ、

  • 「改札を通る必要のない駅で改札を出場した場合、乗継運賃割引が適用されない」という規定は、ICカード乗車券又は磁気式普通乗車券を問わず存在しない
  • 自社内のラッチ外乗換及び事業者間の乗継の30分ルールは、首都圏事業者のIC乗車券約款に規定されているが、東京都地下高速電車旅客営業規程及び東京都地下高速電車連絡運輸規程には書かれていない

東京メトロのルールを調べようと、地下鉄博物館の図書室に出かけたのだが、営業規則はおいてなかった。

*1:乗継割引適用区間で、一旦改札を出て他の鉄道事業者線へ乗換える駅

*2:同一事業者内の路線相互間で、一旦改札を出て乗換える駅

*3:ラッチ内乗換が可能な新長田でもラッチ外乗換が認められている。ただし、運賃計算は実乗車経路による。

かじきかじき 2009/01/19 21:08 こんばんは。
ところで、紙の乗車券の場合とICカードの場合の2つがありますが、まず基本となる、紙の乗車券について途中出場の可否を確認する必要があると思います。
このような例ではたいていは券売機で買う連絡乗車券には「下車前途無効」のようなことが書かれており、原則として途中出場はできません。JR〜他社の連絡乗車券では、接続駅で途中下車できることはJRの旅客連絡運輸規則第76条に明記されています。しかし、JR以外の会社同士の連絡乗車券で、接続駅において途中下車が可能かどうかはそれらの会社の連絡運輸規則のようなものに依存しますので、ノーラッチ接続駅では規則上も途中下車が不可の駅もあるかもしれません。

途中下車が不可の接続駅であれば、ICカード利用時にいったん出場したら割引にならないのは極めて自然ということになります。
また、仮に紙の連絡乗車券で途中下車が可能だとしても、PASMO標準約款第15条第3号によりICカードで途中下車の取扱いはしないことになっていますので、紙の連絡『割引』乗車券で途中下車ができるからといって、ICカードで途中下車したときにその連絡割引運賃を適用することは難しいと思います。

話変わりますが、首都圏で紙の乗車券で30分ルールがあるのはメトロだけだったと思います。半年ほど前、紙の乗車券を使用して蔵前で60分、六本木で270分乗り換えをしましたが時間制限にひっかかることはありませんでした。

かじきかじき 2009/01/19 21:53 東京都地下高速電車旅客営業規程では第56条で「途中下車前途無効」を宣言しているだけで、東日本橋/馬喰横山・蔵前で乗り換えのための出場は可能となる直接的な根拠も良く分かりませんね。すぐ次の第56条の2で間接的には言及されていますが。
都営地下鉄からの連絡乗車券の場合は、東京都地下高速電車連絡運輸規程第8条の規定によりJR東日本旅客連絡運輸規則を準用して、接続駅で途中下車可能と解釈するのでしょうか。

desktoptetsudesktoptetsu 2009/01/20 19:10 かじきさん、コメントありがとうございます。都営地下鉄には30分ルールがないのですか。それなら、旅客営業規程に書かれていないのは当然ですね。東急渋谷駅はどうでしょう。
途中下車については一応考えていました。稿を改めて書きます。

かじきかじき 2009/01/22 19:31 東急渋谷も紙のきっぷの時間制限はたぶん無いと思いますが、30分以上かかって東急渋谷で乗り換えた経験はないので実際の取扱は確認していません。ただ、時間制限があるという掲示は見たことがないです。

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