「つるぎ」・「たてやま」の商標登録出願

JR西日本が「つるぎ」・「たてやま」を商標登録出願したことから、北陸新幹線の列車愛称として使われるのではと憶測されている。読売の10月6日付記事

愛称「つるぎ」「たてやま」?JR西が商標出願
 JR西日本富山県の名峰「つるぎ」「たてやま」を特許庁に商標登録出願していたことが4日、分かった。
 2015年開業予定の北陸新幹線の愛称を巡っては、同社が今年5〜6月に公募し、運行する4タイプの列車の名称が近く発表される見通し。出願を受け、同県内関係者の間では様々な臆測が広がっているが、同社広報部は「新幹線の愛称はまだ決まっておらず、商標登録の理由は何も答えられない」としている。
 JR西日本は5月31日から6月30日まで北陸新幹線の愛称を募集。同社は2日の記者会見で、停車駅が少ない列車、多い列車、富山と金沢を結ぶシャトル、長野止まりの4タイプを運行し、近くそれぞれの愛称を発表することを明らかにした。「つるぎ」「たてやま」の商標登録は、公募開始前の5月14日に出願されている。
 新幹線の愛称は沿線自治体にとって最大の関心事のひとつだ。ある県幹部は、JR西日本が出願したことに着目し、「東京発の列車はJR東日本が登録するはず。西日本が登録するとしたら、富山と金沢を結ぶシャトルの愛称ではないか」と推測。「剱や立山は、できれば東京から来る列車に名付けてほしい」と語った。
 東京と長野を結ぶ新幹線の愛称「あさま」は、JR東日本が商標登録している。

特許電子図書館で商標検索すると、JR西日本は「鉄道による輸送」の区分でつるぎたてやまを出願している。JR東日本JR西日本連名のリリース北陸新幹線の列車名を募集しますは、5月28日付。リリース文には、

応募いただいた列車名にかかる一切の権利(商標登録、商品化する権利等)は、JR東日本JR西日本に帰属します。

とあるが、公募の2週間前に出願していたようだ。
「つるぎ」は国鉄時代の1960年に大阪・富山間の夜行準急(高岡・富山間は普通列車)として誕生し、63年4月20日急行に昇格。72年3月15日に新潟まで延長、同年10月1日に特急に昇格し、94年12月3日廃止された。また急行「立山」が1956年11月19日から85年3月13日まで運行されていた。
国鉄は列車の愛称を商標登録していなかったようだ。ウィキペディアブルートレイン (日本)には

ブルートレインブームの際、ヘッドマークをあしらった商品が各社から多数発売されたが、これらの商品について、国鉄の監修ならびに使用料などの関わりは一切ない。これは、公共企業体であった国鉄が商標権を保有できなかった間隙を突いたものであり、現在においても、国鉄時代にデザインされた車両やヘッドマークは、現在のJRグループ各社に独占的権利はない。

と書かれているが、これは疑わしい。日本たばこ産業登録商標Peace∞ピ−スは、日本専売公社が1952年に出願し、53年に登録になったものである。当時国鉄には、列車名を商標登録をするという発想がなかっただけではないか。
JR西日本は、「商標登録の理由は何も答えられない」と言っているようだが、商標法には「継続して三年以上登録商標を使用をしていないときは、その指定商品又は指定役務に係る商標登録の取消し審判を請求することができる。」という規定がある(50条)。出願された「つるぎ」・「たてやま」のいずれかが富山・金沢間のシャトル列車名となる可能性はかなり高いだろう。
追記(10月10日):北陸新幹線の列車名の発表があり、「つるぎ」が富山・金沢間のシャトル列車に採用された。